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例年、「三・一節」(1919年対日独立運動記念日)になると、反日意識が盛り上がる。今年の文大統領は、「過去の日韓の歴史を忘れないが、未来に生きよう」と日本へ和解を呼び掛けた。これは、純粋な和解呼びかけではない。7月の東京五輪を利用して、日韓、南北、米韓の首脳会談を開いて、自らのレガシーにしたいという欲望の表れである。

 

韓国の慶尚南道(キョンサンナムド)知事の金慶洙(キム・ギョンス)氏は、「三・一節」で韓国の真の独立は、日本経済からの独立であると発言した。

 


『中央日報』(3月2日付)は、「韓国慶尚南道知事『日本に依存する経済構造から脱してこそ真の独立』」と題する記事を掲載した。

 

金慶洙・慶尚南道知事は日本を批判しながら日本から完全な経済的な独立を実現すると話した。

(1)「金知事は1日午前、慶南道庁新館大講堂で行われた「第102周年三一節(独立運動記念日)記念式典」で、「米国と中国の尖鋭な葛藤の中でわが国に対する日本の牽制と経済的挑発はいつ、どのように再び始まるか誰も予想できない時代、日本に対する経済的、技術的独立なしでは大韓民国は真の独立国家になれない」と語った。金知事は、「日本は今この瞬間までも韓半島(朝鮮半島)侵奪の歴史に対する真心のこめた反省や謝罪をしていない」としながら「反省どころか、米国のある親日学者を前面に出して旧日本軍慰安婦の歴史的歪曲を試みたが、全世界の有識者から厳しい逆風にさらされている」と日本政府の態度を強く批判した」

 

韓国の近代化は、日韓併合があったから可能になった。日韓併合がなければ、ロシアか中国に飲み込まれていたはずだ。それを免れたのは、米国と英国によるロシア南下戦術を食い止める戦略があったからである。歴史を冷静に眺めるべきであろう。

 

1965年の日韓国交正常化以来、韓国は対日貿易で一度も貿易黒字を出したことがない。日本に技術依存している結果だ。日本が半導体素材3品目を輸出手続き規制しただけで大騒ぎする理由である。この手続き規制対象が、機械・石油化学・二次電池などの分野にまで拡大すると、韓国はお手上げになる。韓国は、日本から中間財を輸入して製品化して輸出してきたのである。人口5000万人余の中堅国が、「脱日本」を目指して全ての中間財まで国産化することは、非経済的である。国際貿易の原則である、「比較生産費原理」に反する行為である。「反日感情」と同様に非合理そのものなのだ。

 

基本技術で日本に依存してきた背景として、日韓併合以来、朝鮮が日本と固く結びついてきた歴史的な事実が上げられる。これを無視して、「反日騒ぎ」を引き起こすことが、経済の攪乱要因になっている。日韓は、予想以上に経済面で深く結びついている。この現実を無視した反日は、韓国経済に混乱をもたらすだけであろう。

 

(2)「日本の半導体分野の核心素材輸出規制に言及して、「その間、核心素材と部品を日本からの輸入に依存した企業は短期間ではあったが、少なくない困難を強いられざるを得なかった」として「日本に依存する経済構造から抜け出すことができなければ、真の独立だと言えないということを骨身に染みるほど感じさせた事件だった」とした。また、「政府は大韓民国の完全な経済的独立のためにわが経済と産業の根元である素材・部品・装備産業の育成を集中的に推進してきた」と話した。この日、記念式は慶尚南道の独立有功者遺族などが参加した中で行われた」

 

韓国の真の独立は、精神的な誇りを持つことだろう。「事大主義」という中国崇拝思想から独立できない韓国人が、日本から独立するには日本への恨み辛みを捨てることから始まるのだ。過去に拘って日本を恨みながら、中国へは無批判に付き従うとはどういうことなのか。韓国人の精神構造は、日中の間で真逆の動きをしている。

 


中国への事大主義も日本への恨みも捨てるには、過去の朝鮮の歴史をそのまま受け取ることだろう。なぜ、周辺の大国に挟まれて右往左往してきたか。それは、国論の統一がないことだ。「身内主義」に貫かれ、同じ民族を「敵・味方」に分けて、血で血を洗う無駄な争いを続けてきた。文政権も、この悪しき歴史を繰り返している。反日=韓国保守派と位置づけ、進歩派(民族派)だけの結束を固めてきたのである。朝鮮李朝と同じ分裂を策して、自己満足に陥ってきた。過去には、その隙を周辺国に衝かれたのだ。自ら招いた民族の悲劇である。

 

現在のように、日韓が技術的に結びついているのは理由がある。1910年の日韓併合時代から連綿として続く、111年にわたる日韓の歴史が生み出したものだ。韓国は、この現実を無視して「日韓併合」を暗黒時代として糾弾している。それは間違いである。日韓併合時代があったから、韓国は現在のGDP世界10~12位の座を得ているのである。そろそろ自己過信から卒業すべきである。朝鮮朱子学の世界ではない。朝鮮朱子学は、朝鮮人が一番道徳的に立派という盲信を植え付けた。それは、噓だったのだ。

 

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