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日本批判「言葉の借金」とは

反日を国内政治に利用した罰

米中対立の根底読めない外交

韓国は日豪の高ランクに遅れ

 

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は現在、どんな気持ちでいるだろうか。過去4年、飽きることなく「反日」発言を繰返してきた。今、そのブーメランに圧迫されている。韓国メディアは、これを「言葉の借金」に押し潰されていると形容したが、まさにその通りである。言葉は刃である。文氏は、感情のままに不用意な発言を続けてきたのだ。その言葉ゆえに、日本は文氏の「ラブコール」に振り向かないのである。

 

日本批判「言葉の借金」とは

3月1日の「三・一節」(朝鮮独立運動記念日)で、文大統領は次のように演説した。「わが政府はいつでも日本政府と向き合って対話する準備ができている」と述べ、日本に向けて融和のメッセージを投げ掛けた。「過去に足を引っ張られているわけにはいかない」とし、「過去の問題は過去の問題として解決していき、未来志向的な発展により力を入れなければならない」とも述べたのである。

 

これを受けて、日本政府は先ず韓国が解決案を出すように要請し、日韓外交におけるキャッチボールは続かなかった。韓国の政権支持メディア『ハンギョレ新聞』(3月2日付)は、社説でこう述べている。

 

1965年の国交正常化後で最悪という話が出る韓日関係を解決するには、どちらか一方の一方的な譲歩では不可能だ。韓国政府が賢明な解決策を模索するとしても、過去の問題の基本原則である『被害者中心主義』を放棄できない。日本政府は『関係改善の契機は韓国が作らなければならない』という硬直した姿勢から脱し、対話に乗りだしてほしい」

 

この社説こそ、韓国政府の真意であろう。だが、旧徴用工賠償も旧慰安婦賠償も法的に解決済みである。韓国司法が下した判決によって、日本の企業も政府も拘束される義務はない。韓国政府が、「被害者中心主義」に則って、新たな賠償責任を果たせば良いことだ。国内問題を国際問題に拡大してはならない。

 


日本から見た韓国は、すでに信頼感を100%失っている。文大統領の反日演説が、それほど凄かったからだ。その実例を取り挙げたい。

 

2019年8月15日の光復節では、日本と手を取り合おうと言ったほどであった。これは、日本への和解メッセージである。日本が沈黙していると激怒。8月22日には「GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)破棄」に出たのである。日本が輸出手続き規制を取り止めないから、GSOMIAを延長しないというものだ。日本へのお恵みで、GSOMIAを結んでやっていたという振る舞いである。

 

今度は、それまで沈黙してきた米国が、「GSOMIA破棄」に対して敢然と怒りを表明した。米国が、日本の代役で韓国を非難した構図となった。日韓GSOMIAは、日米韓三カ国による安全保障インフラである。米国が、こう主張して韓国に翻意を迫る事態となった。米韓に亀裂が入ったのは、これが最初である。文氏は、米国には反論できないので、日本に向けて鬱憤晴らしを始めた。それが、次の8月29日に行なった反日演説である。

 


1)日本は正直でなければいけない。日本は経済報復(注:輸出手続き規制)の理由も正直に明らかにしていない。

2)日本政府がいかなる理由で弁解しようと、過去の歴史問題を経済問題と連係させたのは明らかだが、率直でない態度と言わざるを得ない。

3)過去の過ちを認めず反省もせず歴史を歪曲する日本政府の態度が、被害者の傷と痛みを深めている。

4)独島(竹島)も日本領土という根拠のない主張を続けている。

 

この「本格的」日本批判は、二度目であった。ここまで常軌を逸した発言を見ると当時すでに、韓国の外交や経済が行き詰まっていた証拠であろう。以上の記述は、私のブログ(2019年9月1日)から採録した。

 

反日を国内政治に利用した罰

文氏が、こういう激烈な日本批判を行なった目的は、2020年4月の総選挙を意識したものだった。最低賃金の大幅引上げで失業者が急増するなど、文政権は経済的に難問を抱えていた。このままでは、与党は総選挙に敗北する。こういう危機感が強かっただけに、強烈な「反日風」を吹かせて、国内で反日気運を一挙に高める戦術に出たのである。事実、総選挙では与党が「韓日戦」という幟を立てて、反日を煽り立てた。結果は、予想以上の戦果を上げ、総議席の6割を獲得した。以後、これが災いとなって国論分裂をもたらしている。

 

与党が、やりたい放題の立法を始めたのだ。野党の存在を完全に無視しており、検察改革と称して政権の疑惑捜査を封じるという民主社会では考えられない暴挙に出ている。もはや、「進歩派」の看板が泣く、超右翼的な振舞を演じているのだ。文大統領は、それを抑制するどころか鼓舞する始末である。韓国の民主主義は、死にかけているのが現状である。

(つづく)

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