a0960_008417_m
   

中国は、二つの顔を持っている。相手国に接する時の「猫なで声」と、中国の意向に逆らう相手への「脅し」である。周辺国は、この二つの顔を持つ中国を信頼していないことが、ASEAN(東南アジア諸国連合)有識者への世論調査で分かった。「最も信頼されている国」は、日本である。

 

『大紀元』(3月4日付)は、「『日本は最も信頼できるパートナー』、米中対立の間に立つASEAN諸国の本音」と題する記事を掲載した。

 

シンガポールのシンクタンク「東南アジア研究所」のASEAN研究センター(ASC)が2月に発表した報告書によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)のなかで、最も信頼できるパートナーは日本だと回答した国が多いことが明らかになった。また、アメリカに対する期待も上昇しているが、中国に対する期待は低下している。

 


(1)「調査は、ASEANに参加する10カ国の政府関係者や学者、ビジネスマン等を対象にオンラインで行われ、昨年11月から今年1月にかけて1032人の回答が得られた。調査では主要な大国(地域共同体)として日本、中国、アメリカ、イギリス、EU5つが挙げられた。この中で、ASEAN諸国にとって最も友好的で信頼できる戦略的パートナーとして選ばれたのは日本であり、信頼度は昨年の61.2%から67.1%に上昇した。次点はEUの51.0%で、アメリカは48.3%だった。いっぽう、中国に対する信頼はわずか15.6%であり、逆に信頼しないとの回答が63.0%に上った」

 

ASEANにおける信頼度(2021年)

日本 67.1%

EU 51.0%

米国 48.3%

中国 15.6%

日本の信頼度が抜群である。これは、ODA(政府開発援助)で相手国の立場に立つ低利・長期の融資が日本への信頼度を高める上で貢献している。また、いち早く日本企業が進出して、雇用増をもたらしたこともプラス要因になっている。

 


(2)「日本を信頼する理由として、「国際法を尊重し、擁護する責任ある利害関係者」であるとの回答が51.6%を占めた。この回答は、ブルネイ(77.3%)、シンガポール(73.1%)、マレーシア(59.4%)、ベトナム(57.3%)で大きな割合を占めた。また、「日本には豊富な経済的資源とグローバルなリーダーシップを提供する政治的意志がある」とした回答は23.6%だった」

 

日本は、国際法を守っていると評価されている。ブルネイ、シンガポール、マレーシア、ベトナムでは50%以上の賛成を得た。ただ、「日本には豊富な経済的資源とグローバルなリーダーシップを提供する政治的意志がある」とした回答は23.6%。決して高くはない。これは、太平洋戦争の後遺症であり、日本が遠慮しがちな姿勢であることに「不満」を示している。

 

韓国は、相変わらずの日本批判である。反省が足りない、心からの謝罪がない、と不評だ。ASEANの日本評価と、韓国の見方がこれほど違うことも対照的である。

 


(3)「日本の文化も求心力の源となっている。日本を信頼する理由として日本文化を選択した回答はインドネシアでは28.8%、フィリピンでは22.2%、ミャンマーでは21.8%を占めていた。
ASEANのうち、日本を最も信頼していると回答した国家はカンボジア(84.6%)、フィリピン(80.6%)、ミャンマー(76.3%)だった」

 

日本を最も信頼している国は、カンボジア、フィリピン、ミャンマーである。いずれも80%前後の高さである。太平洋戦争では、大きな被害を与えた国である。その国々が、こうして日本を高く評価してくれるのはありがたいことだ。韓国の「日本憎悪」とは、異質のようである。

 

(4)「いっぽう、日本を「信頼しない」との回答は、日本の課題と読み替えることができる。否定的な理由のうち、「日本にはグローバルなリーダーシップの能力や政治的意思がない」が48.0%、「日本は内政と北東アジアの隣国(すなわち中国と韓国)との関係に気を取られてしまい、世界的な懸念事項や問題に集中することができない」が32.7%だった」

 

ここでとり上げられている点は、その通りであろう。日本は、太平洋戦争に伴う「心の影」をいつも引きずっていると見られている。だから、遠慮してリーダーシップを取ろうとしないのだ。ASEANは、もっとASEANに関わって欲しいと訴えている。リーダーシップを発揮してくれと言っているのだ。中国や韓国のことばかりに関心を深めず、ASEANの安保に力を貸してくれと懇願している。日本が、「アジア版NATO」を結成する旗振り役を求めていると読める。

 

 

(5)「アジアで経済的、軍事的拡張を続ける中国だが、ASEAN諸国では支持が低下している。61.5%の調査対象者は中国よりも米国と連携すべきだと回答している。報告書によると、「中国は同地域で積極的な『コロナ外交』を展開したにも関わらず、中国を選択する回答は2020年の46.4%から2021年の38.5%に低下」した」

 

中国のワクチン外交は、中国の信頼度を高める上で何らの効果もなかった。中国を選択する回答は、2020年の46.4%から2021年は38.5%に低下している。普段の外交姿勢がいかに大事であるかを示している。中国には耳の痛い話だ。

 

(6)「東南アジアでは、「中国に対する信頼は低下する傾向」にある。「(5つの)大国の中で『否定的な見方』が増えたのは中国のみで、2020年の60.4%から2021年の63%に上昇」した。その理由として、「地域における中国の支配的な経済力と政治的影響力は、好意よりも恐れに繋がった。大多数の回答者は、中国がその優れた経済力と軍事力を他国の利益や主権を脅かすために使用する可能性について懸念している」と記されている」

 

中国は、清国時代もこのような評価であったのだろう。「朝貢貿易」によって、周辺国へ財貨を恵ぐみ威張り散らすので、心からの尊敬を得られなかったに違いない。外国を威圧するのは中国のDNAであろう。そういう意味で、中国の意識は何ら近代化していないのだ。

 

次の記事もご参考に。

2021-02-11

メルマガ231号 米中「30年戦争」 中国は急激な出生減で暗黒予兆、米国包囲網も

2021-02-18

メルマガ233号 中国経済「欠陥構造」 重要指標が示唆する凋落の足音