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韓国与党は、横暴の限りを尽くしている。検察庁と別途に、「重大犯罪捜査庁」を新設し、「検察捜査権の完全な剥奪」をしようとする与党の動きが活発化している。国会議席の6割を占める巨大与党にとって、怖い物なしで検察の無力化を狙っているのだ。これにより、文政権にまつわる疑惑捜査を阻止しようというものである。

 

これに抗議して3月4日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長が電撃的に辞意を表明した。取材陣に会い、「検察で私がやることはここまで」とし、総長職から退く立場を表明した。これから2時間後、文大統領は辞意を認めた。「待ってました」と言わんばかりの対応である。これで万事、好都合に進めるという判断だ。

 

今後、韓国政治にどのような波乱が起こるかも分からない状況だ。文大統領は、それも知らずに超楽観的である。

韓国の民主主義は、死亡宣告を受けたのも同然である。権力を持つ者が、恣意的行動を行なえば社会は紊乱する。それを阻止するには、公正な検察が存在して初めて可能になる。韓国の検察制度は、日本から導入したものである。検察に捜査と起訴の権限を与えるシステムだ。この制度は、明治時代にフランスの検察制度を取り入れた。

 


田中角栄・元首相は、検察による捜査と起訴を受けたが、与党から検察制度を「改革」しようという動きはなかった。韓国は、「権力者の奢り」である。朝鮮李朝と同じ感覚で法を恐れぬのであろう。帝王的大統領制と途中解散のない議会の矛楯が、相乗的に現れた最悪事態である。日本は、議院内閣制で途中解散もあれば、首相交代も弾力的である。日本は民意を恐れるが、韓国にはそれがないのだ。権力者の奢りを止める手段がない、不思議な民主政治である。

 

この韓国がこれから、どういう過程を辿るか。政治の乱れは、経済の乱れを引き起す。「韓国衰亡」は、これによってさらに確実になってきた。私は、そう強く見る。極めて皮肉なことを言えば、「歓迎」である。韓国は、日本が嗤って見ていることに気づき自省すべきなのだ。

 

『朝鮮日報』(3月3日付)は、「韓国は今、民主主義の仮面をかぶった権力が法治を破壊する国」と題する社説を掲載した。

 

韓国の政権与党が検察から捜査権を完全に奪い去る法律制定の手続きを進めていることについて、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長は「政治、経済、社会の各分野で力のある勢力に治外法権を提供することにつながる」と指摘した。与党は検察から、腐敗、選挙、経済など6大犯罪の捜査権まで奪い取り、検察を起訴と裁判の管理だけを行う「抜け殻」にしようとしているのだ。

 

(1)「捜査権は、法務部(省に相当、以下同じ)の捜査庁に移すという。法務部は大統領の手先だ。そのため今後韓国では権力による不正や違法行為に対する捜査は完全に封鎖される。もし検察が現政権ではなく前政権の捜査だけを続けていれば、捜査権の剥奪どころか検察による捜査の権限は一層強くなっていただろう。ところが青瓦台(韓国大統領府)による蔚山市長選挙への介入、月城1号機の経済性捏造、チョ・グク元法務部長官一家による破廉恥犯罪、環境部ブラックリスト、ライム・オプティマス・ファンド詐欺など、政権が関与する違法行為を検察が捜査しようとしたところ、これに怒って立法権を使い検察に復讐しようとしているのだ。そのため尹総長が「民主主義という仮面をかぶり、法治を抹殺して憲法精神を破壊している」と指摘したのだ」

 

このパラグラフに上げられているのは、文政権による疑惑事件である。一つの政権でこれだけの疑惑を呼込んだのである。進歩派の看板を上げながら、保守派以上の疑惑を生んでいるのは、韓国進歩派が国際標準である「革新精神」が欠如し、「退廃精神」に侵されている証拠とみるべきだろう。

 


(2)「いわゆる「民主化政権」といわれる今の文在寅(ムン・ジェイン)政権において、数の力を利用し憲法の精神と法の手続きを根本から無視するような事態はこれまでもあまりに多く、それらを列挙するのも難しいくらいだ。「加徳島新空港特別法」は政権の手先である法務部さえ「違法の可能性がある」との見方を示している。国土交通部は「法案に賛成すれば職務遺棄で処罰される恐れがある」として反対した。それでも与党は国会での採決を強行した。大統領はこの特別法が国会で成立する前に釜山に行き、加徳島空港の宣伝を行った。釜山市長選挙において自分たちが票を得るためだ。選挙への介入を禁じた法律を露骨に踏みにじったのだ」

 

「加徳島新空港」は、釜山沖の加徳島に空港を建設しようというものだ。4月の釜山市長選を睨んだ「選挙空港」である。法務部や国土交通部すら、「違法」と断定しているプロジェクトである。文大統領自ら現地に足を運び、内閣の反対する建設案に「建設OK」を出すほど。いずれ、裁判沙汰になって文氏が法廷に立たされる事態も予想される。危ない橋を渡っている。

 


文氏は、与党が市長選に敗北すれば即、自らの政治生命に関わると懸念している。レームダック化を恐れているのである。こういう状況で、韓国政府の責任で旧徴用工や旧慰安婦の問題を解決できるはずがない。日本政府へ「和解」を呼び掛けても、韓国で具体案を提示できる政治的基盤が消えつつあるのだ。文大統領の「統帥力」は、急速に失われている。

 

文政権が、日韓関係を回復できないまま幕を閉じるのは確実であろう。与党が絶対多数を握っている以上、反日姿勢はさらに盛り上がっていく。間もなく任期を終える文大統領の意向を聞くような雰囲気は、すでに消えているのだ。

 

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