テイカカズラ
   

4月に入って、ソウル・釜山の市長選に関する世論調査で、与党候補が不利であることが一層はっきりしてきた。それに伴い、与党内では「敗戦」がもたらす来年の大統領選の暗い影に怯え始めているという。今後、民主党政権を20年、50年継続させるという夢は急速に萎んできた。

 

『中央日報』(4月7日付)は、「真朴鑑別師と親文候補論」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のソ・スンウク政治チーム長である。

 

権力の非情は多くの逆説とアイロニーも生み出している。いわゆる「積弊捜査」で李明博(イ・ミョンバク)元大統領と朴槿恵(パク・クネ)前大統領を監獄に送った、「保守の時代」に終止符を打った尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長が現在、保守層の圧倒的な支持を受けている。

 


(1)「李元大統領と朴前大統領を輩出した保守の心臓のTK(大邱・慶北)は尹前総長の牙城になりつつある。李元大統領の青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)参謀を務めた政治家さえもためらわず「尹錫悦大統領づくりに力を注ぐ」と話す。敵の敵は味方であり、現政権を倒すためには過去の敵とも手を握るという心情であるようだ。わらをもつかむという怒りで保守勢力は復讐の刀を研いでいる」

 

ユン前検察総長は、李明博元大統領と朴槿恵前大統領の捜査を行い、2人の大統領経験者を起訴した。このユン氏が、文政権で権力の不正を暴こうとして「迫害」され、ついに辞職の道を選んだ。保守派は次期大統領候補に、このユン氏に白羽の矢を立てている。ユン氏が、文政権でも職務に忠実であったことを買っているのだ。まさに、「恩讐を超えて」という立場である。

 


(2)「一方、権力の味を知った与党は追われる立場だ。この人たちは一度握った権力を逃した時にどんなことが起きるかを非常によく知っている。「朝鮮第22代王の正祖が死去した1800年からの220年間、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の執権10年を除いては改革勢力が執権したことはない。偏向性に対する復元を図るには20年は着実に執権しなければいけない」「今後、民主党が大統領10人をさらに当選させるべき」という李海チャン(イ・ヘチャン)元代表発の「20年執権論」「50年執権論」もこうした危機感の表れだ。20年、50年どころか、わずか4年にすぎないが、政権を逃した瞬間に崖っ縁に立つことは彼らも李元大統領もよく知っている」

 

李海チャン(イ・ヘチャン)元民主党代表は、「20年執権論」「50年執権論」を吹聴して、積弊一掃を派手にやってきた。だが、ソウル市・釜山市の市長選に見せた世論の逆風によって、民心がすでに文政権を離れていることを知った。それだけに、慌て始めたのだ。

 


(3)「
特にソウル・釜山(プサン)市長補欠選挙の成績表を待つ「親文(在寅)」勢力の動きが尋常でない。回顧録を執筆中と話していた李海チャン元代表も選挙を控えてすでにリングに再登場した。党内では「李在明(イ・ジェミョン)や李洛淵(イ・ナギョン)の代わりに文在寅大統領に最後まで忠誠をつくす本物の親文派大統領候補を擁立する」という、いわゆる「親文第3候補論」に火がつく状況だ。丁世均(チョン・セギュン)首相と金慶洙(キム・ギョンス)慶尚南道知事が「予備候補群」に挙がると、「制度圏の政界を離れて元の場所に戻る。今後の時間はまた統一運動にまい進したい」として政界引退を示唆した人物の名前も言及されている」

 

民心が政権を離れていることは、世論調査で明らかになっている。これから、文大統領はレームダック化が懸念される段階へ足を踏み入れる。次期大統領候補選びが始まる中で、過去もそうだったが、与党の関心事は大統領の意向よりも次期大統領候補に向かう。ここで、現大統領「忠臣」が現れて、与党内をかき回す事態になる。いわゆる「親文在寅」が現れるのだ。元民主党代表の李海チャン氏が、「親文派」を引き連れて騒ぎを起こすのでないかと見られ始めた。韓国政治は、ガタガタになるのだ。国会での絶対多数が、一挙に弱体化して行くのである。

 


(4)「国民とは異なる現実を生きているのだろうか。
大統領支持率は30%序盤まで落ち、4年間蓄積した国政運営の荷物は補欠選挙世論調査数値にそのまま反映されている。こうした状況で出てくる「親文第3候補論」に拍手をして共感する人はどれほどいるだろうか。似た状況を5年ほど前に見たことがある。2016年の総選挙を控えて、いわゆる「真朴(真の親朴槿恵派)鑑別師」という腕章をつけた人たちがあたかも閻魔のように恐ろしい顔で登場した。自分たちはすべて正しく、他の人々はすべて間違っているという鳥肌が立つような二分法だった」

 

文大統領支持率は、すでに32%まで落ち込んでいる。中道派が支持から、不支持に回った結果だ。文大統領は、ユン前検察総長を辞任へ追込むべく、あの手この手を使っていたころが、最後の「華」であった。過ぎ去ってみれば、権力は一場の夢である。儚いものだ。

 

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