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中国外交を取り仕切る楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員の妻子が、10年以上も米国に滞在していると報じられた。先のアラスカでの米中外交トップ会談冒頭で、楊氏は痛烈な米国批判を行なった。だが、私的には妻子を米国に滞在させている「二つの顔」を持っている。

 

米国では、巨額な資産を保有していることが判明した。娘は、米国の中学・高校・イェール大学の全てで奨学金を支給されるという「厚遇」を受けてきたという。楊氏は私的には、米国の「悪口」を言えない立場である。

 

『大紀元』(4月13日付)は、「中国外交トップ楊潔篪氏も『裸官』か、妻娘が10年以上滞米 脱税疑惑も」と題する記事を掲載した。

 

3月、アラスカで行われた米中外交トップ会談の冒頭で、中国の外交担当トップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員は、「アメリカには上から目線で中国にものを言う資格はない」「中国はその手(アメリカのやり方)は食わない」などとまくし立て、16分間にわたって過激な言葉で米国を批判した。その好戦的な姿勢は世界に衝撃を与えた。しかし会談を終え、楊氏はその足で米国滞在中の娘を訪ねていたと暴露された。同氏は妻子を米国に住まわせる「裸官」のようだ。

 


(1)「あるツイッターユーザーがネット上で、「楊氏の戦狼ぶりは、国内向けのショーだった。会議の後、楊氏はイェール大学に留学中の娘を訪ねていた」などと投稿した。このツイートには、楊氏の妻と娘の住所の詳細も書かれている。ワシントンD.C.にある1200万ドル(約13億円)の豪邸と、マンハッタンにある210万ドル(約2.3億円)のリバービューマンションである」

 

(2)「47日付のセルフメディア「ジェニファーの世界」の独占報道によると、同メディアを主宰する曾錚(ジェニファー・ゼン)氏はこのツイートの情報を元に、米プロ調査員であるブライアン・オシェア氏に調査を依頼した。2つの邸宅が、10年以上米国に住んでいる楊潔篪氏の妻と娘の米国での住所であることを確認したという。曾氏は記事の中で、中国の外交担当トップである楊潔篪氏が、10年前に妻と娘を米国に移住させ、共産党の政治舞台で一人「反米愛国」を叫んでいる典型的な「裸官」であると指摘した」

 

(3)「楊氏の妻である楽愛妹(ルー・アイメイ)氏は、中国の在外公館に派遣される職員の思想や汚職を監督する、中国外務省の機関党委員会(部党委国外工作局ともいう)で参事官を務めている。楽愛妹氏が2001年から住んでいるワシントンD.C.の豪邸は、中国政府の所有物として登録されており、資産価値は813万ドル(約8.9億円)相当。楽氏は、1998年にメリーランド州で発行された米国の社会保障番号(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー、SSN)を持っている。しかし、調査の結果、このSSNはルーベン・ラミレスという人物も保有していることが判明した」

 


(4)「
楊潔篪氏の娘、楊家楽(アリス・ヤン)氏は現在、イェール大学に通っている。ニューヨーク州政府の公開資料によると、アリス・ヤン氏は2010年9月以来、イェール大学から130キロ離れたニューヨーク市マンハッタンの2つの住所に居住していた。いずれもニューヨーク中国総領事館から数百メートルしか離れていない一等地にある」

 

(5)「一つは、リバービュー高層マンションの一室で、購入日は2011年9月1日、購入価格は178万ドル(約2億円)。2015年8月から入居しているもう一つの高級タワーマンションは、2014年11月7日に166万ドル(約1.8億円)で購入したもの。2つの邸宅の所有者はそれぞれYan JingboHe Zheとなっている。共産党高官の個人情報を晒すウェブサイト「孤児展覧館」によると、Yan Jingboはアリス・ヤン氏の夫だという」

 


(6)「2012年7月付の米国の華字ニュースサイト「明鏡新聞網」によると、楊氏の娘は2011年、イェール大学に全額支給奨学金で入学した。また、中学・高校もワシントンD.C.にある私立の名門校、シドウェル・フレンズ・スクールに全額支給奨学金で通っていた。在米華僑が運営するニュースサイト「チャイナ・ニュース・センター」は3月19日、楊潔篪氏の娘が米国の名門校に全額支給奨学金で通うことができたのは、米国の名門校が中国共産党幹部との利権取引のために、「紅二代」「紅三代」(高級幹部子弟)の入学基準を下げたことを示唆している」

 

(7)「中国共産党には、妻や子供、資産を海外に送り、一人で国内に残って役人を務める「裸官」が多くいる。中国当局は、共産党幹部の財産や裸官に関する内部統計を持っているが、それを内部の権力闘争の駆け引きの材料にしており、国民には開示していない。2010年の全国人民代表大会(全人代)で、全人代代表で中央党校教授の林喆(リン・ゼー)氏が、1995~2005年までの10年間で、中国に118万人の「裸官」がいたことを漏らした。中国では裸官を「反米は仕事、妻子をアメリカに行かせるのは生活だ」と揶揄している」

 

楊氏の家族に関する詳細な情報である。習近平氏も一人娘を米国へ留学させていたが、数年前に帰国させている。政府高官の子弟は原則、米国留学先から帰国させたはずだが、楊氏の場合は特権で米国滞在が許されたのであろう。こういう「米国依存」で米国批判をしても、中国国内では迫力が減殺されよう。