テイカカズラ
   

韓国の文大統領は、何が何でも菅首相と面会し国内のメンツを保ちたいという心情だ。日本側は、徴用工賠償と慰安婦賠償の両問題について、韓国側の解決案を要請しているが「なしのつぶて」である。それでも、6月に英国で開催される「G7」の席で、日韓首脳会談を熱望しているというから不思議である。

 

日米韓3カ国の情報機関トップによる会合が、日本で開催された。この会合に出席するため訪日したパク・チウォン韓国国家情報院長が、菅義偉首相と面会し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「口頭親書」を伝えたことが13日、明らかになった。韓国与党関係者は同日、「パク院長が文大統領から事前に受け取った『口頭親書』の形のメッセージを伝えた」と述べた。口頭親書は、両国の協力と関係改善を希望する内容だという。同関係者は、「菅首相は文大統領のメッセージに対し、『うまくやっていこう』という前向きな反応を示したという。以上は、『ハンギョレ新聞』(5月14日付)が伝えた。

 

(1)「パク院長と菅首相の面会は、昨年11月以降2回目で、和気あいあいとした雰囲気の中で行われたという。韓国与党関係者は、「米国のジョー・バイデン米政権発足後、北朝鮮政策の過程などで韓日米の協力を強調する動きが強くなったため、日本側ももう少し友好的な態度を取っているようだ」と述べたという」

 

昨年の菅首相就任後の面会では、韓国側が日本側へ過大な期待を寄せていた。パク院長は、菅首相が会談中2回も笑い声を出したから、日韓会談が開かれるだろうといった「超甘」観測をしていた。結局、日本側の重い扉は開かずじまいであった。

 

今回は、前回に懲りて慎重な見方をしている。「バイデン政権の手前、少し友好的な姿勢を見せている」と淡い期待を寄せている。問題は、韓国側が解決案を出さないことである。これでは、いくら韓国側から入れ替わり立ち替わり、人が来ても無駄足になろう。

 

文大統領は、すでにレームダック化している。与党を説得して日本へ妥協案を出せる力を失っているのだ。次期大統領候補が、これから選ばれるという段階である。反日韓国で、日本へ妥協するような法案を成立させられるはずがない。立候補を目指す人たちには、「反日」演説の方が「票集め」になるはずだ。文氏在任中の解決は絶望的である。

 


『ハンギョレ新聞』(5月16日付)は、「来月『英国でのG7サミットに合わせ韓米日首脳会談を推進』」と題する記事を掲載した。

 

来月英国で開催が予定されている主要7カ国(G7)会議を機に、韓米日首脳会談が推進されるものと報じられた。韓日首脳間の会合も検討されている。

 

(2)「共同通信は15日、複数の関係筋の話を引用し、韓国、米国、日本が、来月11~13日にG7サミットが予定されている英国南西部のコーンウォールで別途3カ国首脳会議を開く方向で調整に入ったと報道した。今年の議長国である英国は、G7のほか韓国、インド、オーストラリアの首脳を招待した。韓米日首脳会談が実現すれば、2017年9月以来4年ぶりとなる」

 

2017年9月、日米韓首脳がホワイトハウスで顔を合せた。その際、トランプ氏が文氏に対して「日米韓は同盟国」と発言したところ、文氏が日韓は同盟でないと否定したという。私が、この話を読んで驚いたのは、文氏に社交性ゼロということだ。笑って済ませば良いのである。この文氏が今、血眼になって「菅首相と会いたい」と言っている。

 


(3)「6月、英国で韓日首脳会談が実現するかにも関心が集まっている。共同通信は「日韓トップ対話の実施も検討する」と報じた。しかし「正式に首脳会談を行うかどうかについては、歴史問題をめぐる対立により日本国内では慎重論が強い」と伝えた。日本政府は、日本軍「慰安婦」問題と強制動員被害者問題に対して韓国側の解決策がなければ正式な首脳会談は難しいという雰囲気だ。このため、文大統領と菅首相が「短時間の非公式接触」をする案が浮上しているという

 

文大統領は、本当に困っているのであろう。隣国の日本の首相が面会拒否しているのだから格好がつかないのだ。あれだけ、反日演説を行なった文氏が、「短時間の非公式接触」を望んでいるという。「日本に二度と負けない」と威勢のいい啖呵を切った頃が懐かしいであろう。