テイカカズラ
   

韓国は、福島原発処理水問題で日本へ難癖を付けて騒いできたが、IAEA(国際原子力機関)への協力要請で幕引き準備と見られる。中国もこれに同調しているという。IAEAは、過去4回も福島原発処理水の海洋放出について検討し、トリチウムの無害性を承認してきた。また、米国も日本側措置がIAEAによって承認されているという事実を上げて賛成している。

 

このように、日本側は科学的に無害を証明していることから、韓国はこれまでの強硬一本槍から「着地点」を探し始めた様子である。

 


『中央日報』(5月18日付)は、「韓国、日本の原発汚染水問題をIAEAに協力要請 中国『韓国を支持』」と題する記事を掲載した。

 

中国が日本原子力発電所の汚染水海洋放出問題に関連し、韓国海洋水産部の最近の措置を支持すると明らかにした。これに先立ち、同部の文成赫(ムン・ソンヒョク)長官は福島原発汚染水の海洋放出決定に関連し、国際海事機関(IMO)に「国際原子力機関(IAEA)との協力方案を検討してほしい」という内容の書簡を送った。

 

(1)「中国外交部の趙立堅報道官は17日の定例記者会見で、韓国海洋水産部の措置に対する中国の立場について聞かれると「われわれは韓国の行動に対して理解と支持を表明した」と明らかにした。趙報道官は「日本が一方的に誤った決定を下して1カ月以上経った」としながら「強い懸念を誘発する日本のこのような決定は、韓国や中国など周辺国と国際社会、日本内部の反対にもかかわらず下された」と批判した」

 

日本は、これまでIAEAと密接な協力関係を結び、その都度、承認を受けてきた。また、各国外交団に100回も説明会を開いてオープンな姿勢を取っている。中国の批判は一方的な、責任逃れのものである。最近の「クアッド」問題に絡む感情的な反発である。「江戸の仇を長崎で討つ」式のものだ。

 

経済産業省が4月13日にまとめた資料によると、各国のトリチウム海洋放出状況は次のようになっている。『産経新聞』(5月9日付)が報じた。

 

福島第1原発に貯蔵されている処理水は、約860兆ベクレルのトリチウムを含む。政府は貯蔵している処理水は大幅に希釈し、毎年最大22兆ベクレルを今後数十年に分けて放出していく方針だ。

 

中国の福清原発は19年、423兆ベクレルを海などに流した。52兆ベクレルを液体放出しているのだ。日本の放出計画に比べてあまりにも膨大な量であり、日本を批判できる立場にない。

 

韓国では、釜山港から約30キロの古里(コリ)原発は、18年に海洋などに50兆ベクレルを放出し、約80キロ離れた月城(ウォルソン)原発では25兆ベクレルを海洋などに出している。釜山は韓国第2の都市で、工業都市であるとともに韓国最大の海産物市場を抱える観光地としても知られる。釜山港に水揚げされるタイやヒラメ、タコの刺し身にみそなどを付けて出される郷土料理は名物となり、観光客を集めている。

 

韓国は、こういう「垂流し」をしながら日本を批判する。どういう頭の構造か疑わざるを得ないのだ。

 


(2)「続いて、「日本は汚染水で全世界の海洋エコシステムと各国国民の生命と健康を脅かしている」としながら「利害関係者と関連国際機構と合意に到達する前に核汚染水を海に放出してはいけない」と強調した。趙報道官は「日本が得たものは利己心だけで、国際社会と未来世代に残すものは終わりのない問題になるだろう」としながら「日本政府は正当な責任を負うべきだ」と指摘した」

 

中国は、日本を批判する前に自国の実態を認識すべきだろう。「核汚染水」と事実を曲げて発言しているが、「処理水」でありさらに希釈して放出するもの。科学的処理を完全に行なっているのだ。

 

(3)「韓国政府は日本の汚染水放出問題に関連し、今月14日IMOに書簡を送り、日本政府にも韓国の専門家が参加するIAEA調査が必要だという立場を明らかにした。外交部関係者はこの日、「韓国の立場を伝えて追加情報の提供を受けるために、両国間の協議を開催することを議論している」と明らかにした。朝日新聞は16日、これに関連し、韓国政府の「二国間協議体の構成」要請を日本側が受け入れる方向で検討していると報じた。協議体には、原発廃炉業務を管掌する経済産業省傘下の資源エネルギー庁のほか、規制当局である原子力規制庁、福島第一原電運営会社である東京電力の出席も検討しているという」

下線部は、韓国がトリチウム問題を終息させる準備と見られる。IAEAが、福島トリチウムを無害であると科学的に証明している以上、他の国際機関もこれを認めるほかあるまい。韓国は、中国を巻き込んで騒ぎを広げているが、着地点を模索し始めている感じである。