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中国揚子江(長江)流域が例年よりも早く洪水期に入った。南部の一部地域には20日間雨が降り、中国9省79カ所の河川地域に洪水警報が発令された。例年より1カ月近く早い。河川や湖、貯水池の水位が急上昇している中、今年は最悪の洪水被害が出るのでないかという懸念が出ているという。

 

昨年7月の大洪水も歴史的なものだった。三峡ダムが決壊するのでないかと、世界中で注目した。中国水利省は昨年7月末、長江上流部で第3波となる洪水が発生し、数百万人が避難している長江の氾濫が、さらに悪化する可能性があると警告したほど。今年は、武漢市で5月の洪水では156年ぶりと報じられている。昨年以上の洪水に見舞われる危険性が出てきた。

 


『中央日報』(5月28日付)は、「中国に歴代級の洪水が襲う? 揚子江の5月水位、156年ぶり最高」と題する記事を掲載した。

 

中国気象局によると、今月に入り、中国中南部地域は5回の豪雨に見舞われた。雨が降った日は15~20日で、平年に比べて2倍以上だった。26~27日、浙江省や江西省、福建省、湖北省、四川省、貴州省、広西省、雲南省、チベットの一部地域などに100ミリ以上の大雨が降った。

(1)「揚子江が貫く湖北省武漢市の漢口測量所は26日、156年ぶりに最高水位を記録した。揚子江水資源管理委員会によると、この日午前10時川の水位は25.05メートルを記録した。これは1865年の水位観測開始以来、5月に記録されたものの中で最高値となる。現在、揚子江中下流の水位は平年比2.3~4.1メートル高く、昨年同期比4.6~7メートル高い状態だ。これに伴い、揚子江流域気象センターは警報水準である非常レベル4段階対応を発令した」

 


中国国内ネットユーザーが今年3月、撮影した映像では湖北省武漢市の長江の一部流域で水が枯れ、完全に露出した川底が砂漠のようになっていた。武漢市の長江流域は従来、冬の渇水期に入っても多少の水が流れていたという。それが、完全に干し上がったのは、上流の三峡ダムの水量調節機能が失われている証拠と見られている。

 

三峡ダムを建設した目的は、長江(揚子江)の増水期に洪水を防ぐために貯水し、渇水期になると放水して下流の水不足を解決することだった。今、「三峡ダムはこの役割を果たしていない。むしろ、増水期に放水して、渇水期に貯水すると状態で逆行している」と指摘されている。問題の根本は、中国当局の「自然改造」「人は必ず天(自然)に勝つ」という思想が破綻したと指摘されている。環境破壊の報いが始まったのである。

 

武漢における揚子江の水位が、5月で156年ぶりの高水位になっているのは、三峡ダムの水量調節が失敗している結果と見られる。三峡ダムの建設が、気象条件を変えてしまった危険性に直面しているのだ。

 

(2)「江西省では、すでに洪水被害が発生している。19日から始まった大雨でハ陽湖の水位が急激に上昇して56万人が水害を受け、40万ヘクタールの農地が水に浸った。各地の道路や村で浸水被害があり、ほとんどの学校も休校になった。経済的損失は3億8000万人民元(約66億円)に達すると推定された。江西省修河やハ陽湖一帯は、毎年洪水被害が発生する地域だが、今年は例年より20日ほど早いと現地メディアは伝えた」

 

江西省では、すでに洪水被害が発生し56万人が水害を受け、40万ヘクタールの農地が水に浸ったという。今年は、例年より20日ほど早く、洪水被害が発生している。

 


(3)「水資源部洪水予防部課長の王偉躍氏は、「普通、北緯20度程度の亜熱帯高気圧帯の位置が著しく北上したうえ、勢力が強い状態で北側の冷たい空気が繰り返し南下し、江以南地域に多くの雨を降らせている」と明らかにした。中国気象庁は「今後1週間、揚子江南部地域に大雨が頻繁に続く予定」としながら「警報信号発令時には外出を控えて浸水被害の防止に備えてほしい」と呼びかけた」

 

今後1週間、揚子江南部地域に大雨が頻繁に続く予定という。これから7月末までの洪水期間に、どれだけの被害が出るか分からない。中国は、「自然改造」という名の下に大掛かりな自然破壊を行なってきた。今後、その逆襲を受けることになろう。国民が、最大の被害者である。