a0960_008567_m
   


韓国には、朝鮮時代から親身になってくれる国がない。今回の米韓首脳会談でも、米国がどこまで誠実に応援してくれるか分からない。そういう疑念が、韓国国内にあるという。これは、他国が韓国を利用しているだけなのか。あるいは、韓国自身が抱える問題ゆえに起こっていることなのか。この際、突き詰めて考えるべきことだ。

 

日韓関係に表われているように、日本から見た韓国は極めて「狡猾」な民族である。相手の立場を見て態度を変えるからである。そこには、真の「友情」が成り立つ余地がないのだ。約束を守らず、発言をコロコロ変える。どう見ても、その場限りの付き合いになるのである。こういう民族とどこまでも道を共にしようという感情が湧かないのだ。その裏には、儒教という身勝手な論理が韓国を毒しているのである。

 


『中央日報』(5月31日付)は、「また米国に捨てられ中国に無視されるのだろうか」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の李夏慶(イ・ハギョン)主筆・副社長である。

 

文在寅(ムン・ジェイン)大統領はバイデン米大統領との首脳会談を終えた後、「本当に丁重にもてなされた」と話した。両国は韓米同盟の領域を軍事・安全保障から経済・技術に拡張した。世界最強国が韓国を歓待したのは良いことだ。半導体、電気自動車、バッテリー分野で44兆ウォンを米国に投資することにした企業のパワーのおかげだ。だが米国の国益につながらなければ皇帝のような待遇は冷遇に変わるだろう。歴史の傷が実証している。

(1)「韓国が米国と最初に修交したのは139年前である1882年の朝米修好通商条約を締結してからだ。朝鮮は「米国が列強の侵略を阻止し保護するだろう」と信じて「連米」路線を決めた。高宗(コジョン)は米国を「寛大な人たちの国」と表現した。しかし米国は、1905年に日本が乙巳保護条約で大韓帝国を保護国にした際に、米国のフィリピン支配を日本が黙認する条件で了承した。条約は紙切れになった。桂・タフト協定の結果だった」

 


米国が朝鮮を見放したのは、李朝がロシアと親密になったことである。当時の米英は、ロシアの南下政策を強く警戒していた。朝鮮は、そのロシアに接近したのだ。米英は、朝鮮を日本の保護国に組入れることが、外交リスクを削減できると判断したのだ。李朝が、朝米修好通商条約を締結しながらロシアへ接近したことが災いの元をつくったのである。李朝は外交当事者としての能力を失い、国内は清国派・日本派・ロシア派と三派に分かれて抗争を続けていた。


(2)「1949年には韓国の哀訴にもかかわらず、7万人の米陸軍24軍団を全員撤退させた。北朝鮮は1年後に侵略戦争を起こした。日本、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドとは違い、韓国は米国の防衛同盟対象国から除外した。北朝鮮と中共の侵略に命をかけて戦って韓国を守っておきながら再び捨てることにしたのだ。力のない鶏肋の韓国に対する強大国の二律背反的決定だった。何の対策もなく離れようとする米国を相手に相互防衛条約を勝ち取り韓米同盟を成功させた人物が李承晩(イ・スンマン)初代大統領だ。米国は李承晩を退かせて従順な張勉(チャン・ミョン)を第2代大統領に就任させようとした」

 

米国が、韓国を捨てる形になったのは李承晩大統領の独断専行に嫌気がさしたのだ。こういう民族を守っても米国の国益にならないと判断したのであろう。その点で、日本の戦後政策は、占領軍と協力しながら円滑に進んだ。韓国は、米国と大いに揉めたのである。こういう実態を冷静に判断すべきだ。

 


(3)「米国は自分が善良なリーダーであり世の中に向け光を照らす「神の都」というキリスト教的世界観の国だ(『永遠の同盟という逆説』、キム・ジュンヒョン)。だが利用価値がない時は容赦なく捨て、今後もそうするだろう。ニューヨーク・タイムズ記者のボブ・ウッドワードは「トランプが在韓米軍を引き揚げろと言った」と記録した。「在韓米軍撤収」は米国で消えなかった火種だ」

韓国は、米韓同盟を忠実に履行しているだろうか。中国と二股外交を行なうという裏切り行為をしているのだ。米国から見た韓国は、信頼できる同盟国と言えないであろう。今回の米韓共同声明でも、事前に中国側と連絡を取り合うという、信じがたい行動をしている。李朝が、ロシア側へ接近したと同じ行動なのだ。この事実を知った米国は、裏切られたという感覚に陥っているであろう。韓国は、裏切り行為を平然と行なう国である。これでは、韓国の味方になろうという国は現れまい。

 

(4)「中国は、北朝鮮の核に備える韓国の自衛的措置であるTHAAD配備に対し無差別経済報復をした国だ。国賓訪問した文大統領に「ひとり飯」の屈辱を与えた。米国が要請したTHAAD配備のために起きたことなのに米国は沈黙した。韓米同盟重視路線をさらに明確にする際に中国の激しい報復を米国が止めるだろうという信頼を与えられずにいる。これでも同盟国なのか」

 

韓国は、相手から良い意味で畏怖されている国でない。軽んじられているのだ。それは、約束ごとを絶対に守るという実直さがない結果である。日韓関係を見れば、その不実さが良く現れている。日本から見た韓国は、信頼できる国でない。条約を一方的に破棄するご都合主義こそ、韓国を自滅させる要因となる。

 


(5)「韓国は経済大国で、世界が認めるグローバルサプライチェーンの核心の国だ。一歩も譲歩できない価値とアイデンティティ、戦略を作らなければならない。われわれはいったいだれで、どこへ向かっているのか。虎になるにはまず全貌が頭の中に鮮明に存在しなければならない。主体性なく振り回されれば野性が失われた猫だけ残る。恥辱の歴史を呼び戻す。われわれがどうするかにかかっている。どんな強大国もわれわれを最後まで守ることはできない」

韓国は、まず米韓同盟を忠実に履行すべきである。それを通じて、国益を実現することだ。文政権は、国益と同盟は異なると発言したことがある。米韓同盟は、一方的に押し付けられたものでなく、韓国が頼んで米国と結んだという事情にある。そうであれば、米韓共通の利益を最大限にする外交軌道を歩むべきである。国益は、同盟の履行によって実現する。そういう視点になれば、米国が韓国を「捨てる」はずがない。

 

次の記事もご参考に。

2021-05-02

韓国、「痛烈」バイデン氏、米の反対側へ賭けることは良くない賭け 「二股外交絶望」

2021-05-22

韓国、「しっぺ返し」クアッド不参加、米国は直接支援のワクチン量について「決定見送り」