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米バイデン大統領は、米情報機関に対してコロナウイルス発生源を90日以内に報告するように命じた。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(電子版)は7日、米国立研究所が2020年にまとめた報告書で、新型コロナウイルス発生源について、中国武漢ウイルス研究所から流出したとの仮説に「説得力がある」との見解を示していたと報じた。報告書では、ウイルスが流出した疑いについて、さらなる調査が必要だと結論付けたという。

 

このように米国立研究所が、「武漢研究所流出説」に一定の信憑性を取っていたのに対し、世界保健機関(WHO)や米衛生当局の指示のもと、世界の主な学術誌や科学者、報道機関が、ウイルスの「研究所流出説」を陰謀論として片付けてきた。一大「ウイルス・マフィア」が形成されていたのである。

 

『大紀元』(6月8日付)は、「ポンペオ氏『米政権内で妨害あった』ウイルス起源調査巡り 研究への資金提供が一因」と題する記事を掲載した。

 

ポンペオ前国務長官は6月3日、英文大紀元の取材に対し、退任前の数カ月間に新型コロナウイルスの発生源を特定しようとしたが、政権内の関係者から猛烈な反対を受けたと明かした。米誌の報道では、ウイルス調査を阻止した主な理由の一つとして、利益相反が挙げられている。つまり、自己保身がされて真実の究明を妨害したのである。

 

(1)「ポンペオ氏は、2020年後半から、ウイルスの発生源について可能な限り多くの証拠を公開するよう働きかけてきたと説明した。しかし、当時、情報機関は多くの重要な証拠を持っていたが、公開を拒否していた。同氏は、「これらの証拠を公開することが重要であり、米国民はすべての事実を知る権利がある。もし、武漢ウイルス研究所からウイルスが流出したのであれば、中国共産党が責任を負うべきだ」と強調した」

 


不思議なことに、米政権内部でも中国に加担する人たちがいた。それは、次のパラグラフ以下で明らかにされているように、武漢ウイルス研究所へ米国から研究資金が提供され、米中で共同研究されていた事実を知られたくない、という自己保身(利益相反)であった。

 

(2)米有力誌『ヴァニティフェア』が6月3日発表した調査報道によると、同誌はトランプ前政権の内部メモを入手した。このメモの中で、米国務省のディナンノ前国務副次官補は、2つの部署のスタッフがホワイトハウスの省庁間会議で、政府高官に対し、収拾のつかない事態を引き起こす可能性があるため、ウイルスの発生源を調査しないよう警告したと記しているという。それによると、少なくとも4人の元ホワイトハウス高官が警告を受けた」

 

米政権内部で、ウイルスの発生源を調査しないよう警告する人物がいた。

 


(3)「国務省の調査チームは、武漢ウイルス研究所の科学者3人が、2019年秋にウイルススのサンプルを使った機能獲得実験中にウイルスに感染したことを示す機密情報を入手した。また、米非営利団体「エコヘルス・アライアンス」は、過去5年間に米国国立衛生研究所(NIH)から受け取った補助金340万ドル(約3.7億円)のうち、60万ドル(約6600万円)近くを武漢ウイルス研究所に割り当て、コウモリのコロナウイルスがヒトへの感染の可能性に関する機能獲得研究に使われていた」

 

米国国立衛生研究所(NIH)から武漢ウイルス研究所へ過去5年間、約6600万円の研究資金が提供されていた。米国民の税金が流れていたのだ。そのテーマが、コウモリのコロナウイルスがヒトへの感染の可能性に関する機能獲得研究である。今回のコロナウイルス発症と、どんぴしゃりで一致する。

 

(4)「報道では、コロナウイルスの発生源に関する調査を妨げている主な理由の1つとし利益相反を挙げている。つまり、米国の衛生当局が(武漢ウイルス研究所の)怪しいウイルス研究に多額の補助金を出したため、調査はあらゆる段階で妨害されたという。65日付の英紙『デイリー・メール』によると、エコヘルス・アライアンスの代表で、コロナウイルスの発生源を調べるWHO(世界保健機関)訪中団メンバーのピーター・ダスザック氏が2020年初頭に26人の科学者に送ったメールの中で、「コロナウイルス(covid-19)が自然発生したものであると主張し、ウイルスの研究所流出説を糾弾する」共同書簡を英医学誌『ランセット』に掲載するよう求めていた」

 

米国を初めとするウイルス関係研究者が、揃って「武漢研究所流出説」を否定したのは、怪しいウイルス研究に多額の補助金を出したという後ろめたさである。まさに、自己保身であった。

 

(5)「複数の米メディアはこのほど、情報公開法(FOIA)に基づき、米感染症対策トップのファウチ博士の2020年前半に送受信した数千ページに及ぶ電子メールの内容を入手した。その中には、2020年4月18日付のダスザック氏からファウチ氏へのメールがあり、メール本文にはウイルスの研究所流出説に反論してくれたファウチ氏への謝辞が書かれている」

 

ここに恐るべき「陰謀」があったことを示している。コロナウイルスの発生源を調べるWHO訪中団メンバーのダスザック氏が、米感染症対策トップのファウチ博士へ「ウイルスの研究所流出説に反論してくれた謝辞」のメールを送っていたのだ。

 

(6)「前記のダスザック氏は、武漢ウイルス研究所との共同研究で20数本の論文を発表しており、そのうち少なくとも3本は、同氏自身が武漢ウイルス研究所のコロナウイルス専門家である石正麗氏と共同執筆したものである」

 

黒幕は、ダスザック氏に絞られてくる。武漢ウイルス研究所との共同研究で20数本の論文を発表していたのだ。学者の世界では、研究業績を上げるために反倫理的なことでもしかねない脆さがある。ジキルとハイドである。

 


(7)ウイルス学者で米国疾病予防管理センター(CDC)のレッドフィールド前所長は、『ヴァニティフェア』誌に対し、
昨年3月にCNNの番組で「コロナウイルスは武漢ウイルス研究所から流出した」という説に支持を表明した後、かつての友人を含む多くの「著名な科学者」から死の脅しを受けたと訴えた。「私は(攻撃が)政治家から来ると思っていたが、科学界から来るとは思っていなかった」と驚いたという」

 

このパラグラフは、学者の陥り易い「ジキルとハイド」を立証している。いずれ、この闇の世界に光が当てられ、真相が明らかになろう。