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中国は、韓国の宗主国気取りである。王外相は、文大統領がG7へ出発直前に韓国外交部鄭長官へ電話。「中国の立場を忘れるな」と釘を刺した。こういう中国の横柄な態度が、一般的に反感を買う理由になっている。

 

中国は、GDP2位を背景にして天にも昇った積もりでいる。これは、中国社会が相手を評価する基準として、「財産」や「給料」を物差しにしている結果である。全て、「モノ」でしか理解できない「物質主義」の悪弊をそのまま表わしている。気の毒な存在である。

 

『中央日報』(6月10日付)は、「G7首脳会議控え、『ウィークポイント』の韓国圧迫に乗り出した中国」と題する記事を掲載した。

 

中国が6月11~13日の先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)を控え、米国主導の対中圧迫戦線から韓国を離脱させるための攻勢に乗り出した。「一方の肩を持つな」「中国の立場にもっと配慮せよ」として韓国を露骨に圧迫しているが、ウィークポイントと認識される韓国を集中攻略するという分析が出ている。



(1)「中国側の直接的な圧迫は9日夜の韓中外相間の電話会談で現れた。中国外交部はこの日報道資料を出し、王毅外相が韓国外交部の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官に「共通した認識の下で一方の肩を持ってはならない」と話したと明らかにした。王外相はまた「米国が推進するインド太平洋戦略は冷戦的思考にあふれて集団対決をあおっており、中国はこれを頑強に反対する」と話した」

 

米中対立の原因をつくったのは中国である。中国が、米国覇権に挑戦すると発言したことがことの発端である。具体的には、海洋進出を目指した軍備拡張である。米国が、同盟国と共に中国へ対抗するのは自然の動きである。


(2)「王外相のこうした発言は、韓国外交部の報道資料にはなかった。外交部は同日「(韓中外相が)地域とグローバル次元の多様な問題に対して意見を交換した。鄭長官は米中間協力が国際社会の利益に合致し、米中関係が安定的に発展していくことを希望すると話した」と明らかにした」

 

韓国は、中国へ下手に出るから、中国の上から目線の発言を誘因することになろう。その点では、韓国の臆病な態度が中国を増長させている。

 


(3)「外交部当局者は10日に記者らと会い、韓中間で報道資料に差があるという指摘に「鄭長官が先に電話会談を要請し、双方が常に持っていた考えを率直に話した。とがめたりやりこめるような雰囲気ではまったくなかった」と話した。だが、「普段の考えを率直に話した」というのは、事実上、中国側が最近の米中緊張局面に対し韓国に言いたい話をさらけ出したという意味とも解釈される」

 

このパラグラフは、中国が世界中から警戒されているので、韓国に愚痴をこぼしたという意味であろうか。中韓がそれほど親しい関係であれば、中国へ率直に忠告するのも「友人」としての親切さである。韓国の「二股外交」が、中国へ忠告するのでなく御用聞きみたいに振る舞うことであれば、米国からいずれ「縁切り」を申し渡されかねまい。

 

(4)「中国が、他のサミット参加国に比べ韓国を強く圧迫しているという分析も出ている。英国、カナダなど既存のサミット参加国の多くは、これに先立ち中国の人権問題などに対し批判の声を出しており、韓国と同じゲストであるインドとオーストラリアもすでに米国主導の協議体であるクアッドに参加している」

 

G7メンバー国で、中国からこういう脅迫じみた話を聞かされた国はあるまい。韓国は、中国の属国扱いされているのである。奮起して、中国へやり返すぐらいの度量を持つべきである。反日で示す時の啖呵と威勢は、どこへ消えてしまったのか。中国の前に出れば、猫のように温和しくなっているのだろう。

 


(5)「米国は、韓米首脳会談の合意事項を根拠に対中圧迫戦線から韓国を逃すまいとする姿勢だ。米国家安全保障会議(NSC)でインド太平洋調整官を務めるカート・キャンベル氏は8日の新アメリカ安全保障センター(CNAS)主催のオンライン行事で、「インド太平洋関連国は台湾海峡の平和と安定を維持することに関心を持っている」として韓国、日本、オーストラリアとの首脳会談共同声明を例に挙げた」

 

韓国は、米韓首脳会談の共同声明で「台湾」に言及した以上、G7でこれを撤回できるはずがない。これをさらに推し進める立場に身を置いている。中国の恫喝で、弱気を許されないのだ。

 

(6)「カギはサミットの共同声明と記者会見などで対中牽制メッセージがどの程度の水準で出てくるかだ。今回のサミットの中国関連主要議題としては、台湾海峡の平和と安定、ウイグル族の人権問題、中国の一帯一路政策に対する対応などが話し合われるとみられる。これに先立ち、5月5日に英ロンドンで採択されたG7外務・開発担当相共同声明には、「中国は人権を尊重しなければならない」としてウイグル、香港、台湾問題などが明示されたが、今回のサミット共同声明でも中国に直接言及するのかに対しては詰めの調整がなされている」

 

韓国は、中国から嫌われたくない一心のようだ。だが、国際情勢はそういう二股外交を許さないほど緊迫化している。腹を括るべきである。韓国は、かつての侵略者中国へ親愛の情を寄せる。被害者が、加害者へ見せるこういう心理状態は、犯罪心理学で「ストックホルム症候群」と呼ぶ。韓国は、中国に対してこの状態に陥っている。

 

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