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韓国は、中国けん制の軍事演習への参加する、これまで、言い逃れをして逃げ回ってきた。だが、先のG7へゲスト国として出席し、国際情勢の厳しさにようやく気付いたようである。韓国は、これまで中国を恐れて萎縮してきたが、G7の対中強硬論を聞いて安心したのだろう。

 

『朝鮮日報』(6月29日付)は、「韓国、『中国けん制』米豪合同演習に初参加へ」と題する記事を掲載した。

 

中国の膨張をけん制するための米国とオーストラリアの大規模合同演習に、韓国海軍が史上初めて参加する。米国とオーストラリアは6月25日、豪クイーンズランド一帯で「タリスマン・セイバー2021」演習を開始した。米豪と共に「ファイブ・アイズ」と呼ばれる英国・カナダ・ニュージーランドの、米国のアングロ・サクソン系列の最友好国と日本も演習に参加する。同演習は05年から隔年で実施され、日本は19年から参加している。今回の演習参加を契機に米国の中国けん制連帯へ韓国が本格的に加わるのかどうか、注目されている。

 


(1)「韓国国防部のプ・スンチャン報道官は6月28日「タリスマン・セイバー2021演習に韓国海軍が今年初めて参加する」と発表した。韓国海軍の駆逐艦(4400トン級)1隻とヘリ1機、海軍・海兵隊の将兵およそ240人が7月中旬ごろ演習に参加する予定だ。中国けん制という観点から演習に参加するのかという質問に対し、プ報道官は「何らかの特定の国を対象とするものではなく、連合作戦遂行能力の向上のため参加するもの」と答えた。また、米豪の側からまず演習参加を要請してきたのかという質問にも、国防部と海軍は「外交的な事案なので回答は難しい」とした

 

下線部は、韓国が依然として中国が「怒らないか」と気にしている様子が手に取るように分かる。だが、中国はここで韓国へ報復すれば、さらに韓国を遠ざけるリスクを抱えるので、静観するであろうという見方がある。

 


(2)「
韓国政府や韓国軍内外は、5月の韓米首脳会談で両首脳がコンセンサスを形成した「同盟強化」と「中国けん制」の延長線上で今回の演習参加を受け止めている。当時、会談では「台湾海峡」「南シナ海」など中国がデリケートに反応する文言が多く含まれた。今月初めに韓国が初めて参加したG7(主要7カ国)首脳会議でも、中国を批判するメッセージが採択された。韓国政府の関係者は「今回の演習参加は、韓米同盟がかつてよりずっと強固になる契機となるだろう」と語った」

 

5月の米韓首脳会談で韓国は、「同盟強化」と「中国けん制」のコンセンサスができたので、今回の演習参加がその延長線上であると認識しているようだ。となれば、渋々と米韓同盟の基本線に乗った行動のように見える。

 


(3)「演習は8月7日まで、海上兵力輸送や上陸作戦などの内容で進められる。フランス通信(AFP)の最近の報道によると、オーストラリアのデビッド・ジョンストン海軍中将は「今年およそ17000人の兵力が演習に参加する」とし「オーストラリアに入国する外国将兵およそ2000人が隔離される予定」と語った。仏・印・インドネシアはオブザーバー資格で演習を参観する」。

 

「タリスマン・セイバー2021」演習は、諜報組織「ファイブ・アイズ」(米英豪カナダNZ)5ヶ国と日本・韓国が参加する。この演習は、日本が「ファイブ・アイズ」へ正式参加する儀式のような感じがする。仏・印・インドネシアはオブザーバー資格で参加という。大掛かりな演習である。

 

(4)「AFPは、「コロナで規模を縮小する状況でも、演習を行う」とし、同演習を「同盟諸国の象徴」と表現した。米国のラジオ放送「ボイス・オブ・アメリカ」も「このところ豪中の対立が強まる中、オーストラリアと米国の軍当局が今回の演習実施に向けて強い意志を示した」と伝えた。2年前の演習には18カ国、およそ3万4000人の兵力が参加した」

 

諜報組織「ファイブ・アイズ」(米英豪カナダNZ)5ヶ国と日本・韓国が参加する演習は、中国にとって相当の圧力となろう。

 

(5)「オーストラリアは今年の初め、中国のコロナ責任論を提起して中国と貿易摩擦を起こしている。中国当局は最近「オーストラリア政府の一部の人物が冷戦的思考と偏見的態度を示し、両国間の正常な交流と協力を害する措置を取った」と主張した。日本の陸上自衛隊は6月24日に報道資料を出し、演習参加の事実を明らかにするとともに、上陸作戦を目的とする「水陸機動団」が参加する予定だと発表した。韓国海兵隊もまた今回の演習に参加する。ただし、実際には上陸作戦演習の計画はないといわれている」

 

米豪は直接、中国と切っ先を交える関係にまで外交関係が悪化している。それだけに、今回の演習を成功させなければならない事情もある。中国には一切、弱みを見せられないのだ。