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困ったことである。東京五輪で、中国選手が日本選手に負けた試合になると、大量の誹謗中傷が日本選手に向けられている。日中間での政治的摩擦が背景にあるとしても、中国政府が、常にSNS上で「政府擁護」の書き込みをさせている「五毛党」による仕業と見られている。この「五毛党」は、刑務所に収容されている囚人たちで、早く釈放されたくて事務的に書かされているケースが報じられている。最大の悪は、この「五毛党」を背後で操る中国政府である。SNSに現れた「戦狼外交」の一環だ。

 

IOC(国際オリンピック委員会)も立ち上がるべきだ。中国政府に対して、こういう違法な投書を取り締らせるべきであろう。中国政府が動かなければ、来年2月の北京冬季五輪のボイコット宣言を出すべきだろう。事態は、そこまで悪化している。

 


『大紀元』(7月31日付)は、「日本選手を中傷する中国ネットユーザー 背後に『不公平オリンピック』印象操作する中共政府」と題する記事を掲載した。

 

(1)「東京五輪で数々の好成績を残す日本選手団。しかし、いわれのない誹謗中傷がSNSに書き込まれ、アスリートたちの心を傷つけている。女子個人総合決勝で村上茉愛は、日本勢最高位の5位につけた。笑顔だった村上は、SNSでの中傷について記者団に聞かれると、「すごく残念、悲しい」と吐露し、大粒の涙を流した」

 

やっぱり、中国社会の未発達を裏付けた話である。

 

(2)「こうした嫌がらせを受けているのは、村上だけではない。伊藤美誠との混合ダブルスで日本卓球史上初の五輪での金メダルを獲得した水谷隼も、7月28日、自身のツイッターで、「かの国から」とぼかし、攻撃的な内容のメッセージが来ていることを報告した。体操男子の個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝や、サーフィン男子の五十嵐カノアもその経験があることを明らかにしている。ツイッターや動画共有サイトYouTubeには、日本選手の競技の審査結果を否定する投稿が相次ぎ、なかには侮辱的な編集画像などもある。これらの表現には、不自然な日本語や英語、中国本土の簡体字を使用した中国語アカウントから多いことが確認できる

 

匿名で悪質な投書をしても、発信国はすぐにばれるもの。恥さらしなことを止めるべきだが、そういう「セルフ・コントール」の効かない社会なのだ。気の毒な存在である。

 


(3)「中国SNS微博には、日本選手の勝利を受け入れ難いとするクレームがあふれている。中国のアスリートもこの問題を知り、中傷をやめるよう呼びかけている。橋本と同じ競技の舞台に立った体操銀メダリストの肖若騰は7月29日、自身の微博に橋本らメダリスト3人の写真を添え、「あまり選手を攻撃しないで。選手たちは皆すばらしく、目標に向かって努力し、非常に励みになる」と書き込んだ」

 

中国選手は、同じアスリートとしてこういう心ない書き込みに胸を痛めているのだ。

 

(4)「これらの中国ユーザの負の感情の背景には、中国メディアや政府系SNSアカウント、暗躍する世論工作員の存在がある。これらの印象操作を受けて、中国ネットユーザーは東京五輪では日本偏重のジャッジが行われていると思い込んでいるようだ。SNS微博では「中国体操チームが受けた不公平」が上位検索ワードになった」

 

中国人は、いつからこれほど思い上がった民族になったのか。習近平氏の「中華復興論」に酔わされているのだろう。だが、こういう「人間失格」的な振る舞いをしている限り、誰も中国を尊敬することはない。その逆になろう。

 


(5)「中国事情に詳しい、東京大学大学院総合文化研究科の阿古智子教授は、多くの日本人は中国のネットユーザーの行動に不快感を抱いており、「中国はひどい」というネガティブな印象を持っているとRFAに語った。「五輪のアスリートたちは、理由もなく数々の中傷を受けた。これらのコメントの多くは、中国政府に雇われたオンライン言論を誘導する『五毛党』などによるもの、との報道もある」と阿古氏は述べた。また、党の世論扇動によっていたずらにナショナリズムが高まり、相互の感情悪化に結びついていると指摘した」

 

ナショナリズムの怖さが、今回の一件によく表われている。習近平氏の狙いは、こういう民衆を煽って世界覇権獲得の野望へ引き込むことだ。先ず、その第一歩がこれだ。

 

(6)「阿古氏によれば、日本ではオンラインにおける誹謗中傷の対応を強めており、多くの日本人はネット上で、中国ネットユーザーのバッシングに反論して対処に努めているという。実際、日本政府は、今回の五輪アスリートに対するSNSを使った誹謗中傷の制止を呼びかけている。加藤勝信官房長官は29日の記者会見で、「差別的な書き込みなどあってはならない。五輪憲章でも人種差別などが禁止されている」と強調した。丸川珠代五輪相や国際オリンピック委員会(IOC)も30日、中傷を止めるよう呼びけた。共同通信によれば、警視庁も被害届が出れば対応する方針を示している」

 

中国政府は、愚かにも日本の「反中勢力」を拡大させる「オウンゴール」を演じている。これでは、いくら「ニーハオ」と猫なで声で日本へ擦り寄って来ても無駄だ。スポーツは、スポーツとして割り切れないところに、中国共産主義の後進性と泥臭さを感じるのだ。