ムシトリナデシコ
   

中国当局が、子供たちの学習塾規制を発表して株式市場へ大打撃を与えた。この第二弾として、オンラインゲームがヤリ玉に上がっている。メディアは、精神的アヘンや電子ドラッグという呼び方で排斥を主張している。

 

『ロイター』(8月4日付)は、「中国、未成年者をネットの危険からさらに保護すべきー人民日報」と題する記事を掲載した。

 

中国共産党の機関紙・人民日報は8月4日、中国はインターネットの危険性から未成年者を一層保護すべきだとする論説記事を掲載した。

 

(1)「3日には、国営新華社系の経済専門紙「経済参考報」がオンラインゲームの中毒性を「精神的アヘン」と描写する記事を掲載。中国インターネットサービス大手の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の株価が6.1%下落する事態となっていた。同紙はその後、「精神的アヘン」との描写を削除して記事を再送した」

 

ここへ来て一斉にIT関連企業への引締めを図っている。当局は、IT企業の巨大化を恐れており、規制方針を一段と強化する意向と見られる。

 

(2)「人民日報の記事では、未成年者をネットの危険から保護するために最近策定された法律を賞賛し、特定のオンラインメディアの危険性を指摘。「例えば、オンラインゲームやオンライン番組の中には、低俗なものや暴力的なものなど、未成年者の身体的・精神的な健康を脅かす要素が含まれている」とした。その上で、「新しいメディアの時代には、未成年者の『ネットワーク保護』は『依存症を防ぐ』という単純なものだけではない。新しいネットアプリが新たな問題を引き起こすため、オンライン上での未成年者の保護が急務となっている」とした。

 

オンラインゲームには行き過ぎた内容や低俗な表現もあるのだろう。そういうものについては、得意の「指導」を行えば済むことだろうに、それもなく「排斥」という強硬手段をちらつかせている。

 

『日本経済新聞』(8月4日付)は、「中国ゲーム関連株、急落」と題する記事を掲載した。

 

中国でハイテク株が再び下落した。中国紙が3日、オンラインゲームを「アヘン」と強く批判したためだ。3日の香港市場では騰訊控股(テンセント)が一時、前日比1割超安とゲーム関連株が軒並み急落した。中国は海外上場規制に続き、7月下旬に小中学生向け学習塾の規制策を発表したばかり。オンラインゲームにも新たな規制が課されるとの見方が広がった。

 

(3)「中国国営の新華社系列の経済紙「経済観察報」が3日、「精神的アヘンが数千億元規模の産業に成長」との表題の記事を掲載した。記事はテンセントの大ヒットゲーム「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)」を18時間遊ぶ学生などを紹介。「ゲームの危険性は社会の共通認識であり、精神アヘンや電子ドラッグと呼ばれている」と強く批判した。

 

学習塾規制と同様に、若者の出費を減らさせようという狙いであろう。

 

(4)「この報道を受けて、3日の香港市場では、ゲーム関連株が急落した。テンセントの株価下落率は一時10%を超える場面があった。ゲームの網易(ネットイース)や、動画配信のBilibili(ビリビリ)も急落した。テンセントは売上高の32%、網易は同74%をゲーム関連事業が占める。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」も一時3%超下落した」

 

オンラインゲームの売上は、テンセントの場合32%にも達している。これが、規制ないし廃止されれば、大打撃になる。

 

(5)「共産党と国務院(政府)が7月24日に発表した学習塾の規制策には、「電子製品の合理的な使用とネット中毒の防止」を求める内容も含まれていた。中国政府はかつてゲームを「麻薬的依存性」として問題視し、ゲーム機の製造や輸入を禁じていた。ゲーム専用機が育たず、その代わりにパソコンやスマートフォン向けのゲーム開発が盛んになった経緯がある」

 

共産党と国務院は、すでに「ネット中毒の防止」を掲げている。これから、その具体的な内容が明らかになるのだろう。世界の子どもや若者は、オンラインゲームで遊べても、中国では「ノー」となれば政府への不満を高めるに違いない。