テイカカズラ
   


日本の防衛省は9月12日、奄美大島(鹿児島県)の接続水域で、10日午前に潜水艦が浮上せず航行したのを確認したと発表した。近くを中国の「ルーヤン3級」ミサイル駆逐艦1隻が航行していたことから、潜水艦は中国のものと推定されるという。

 

中国の潜水艦が、日本領海近辺を潜航中にほぼその所在が把握されている。かつては、日本列島をぐるりと一周したことも発表されている。潜水艦は、相手に所在を把握されずに攻撃するから恐れられているもの。中国潜水艦が、海上自衛隊によって簡単に所在を把握されているのは、潜水艦の騒音が日本によって把握されている結果だ。これでは、中国がいくら潜水艦を建艦しても意味はない。海の藻屑になる危険性を高めるだけである。

 


海上自衛隊の対潜探査能力は、米海軍を上回るほどとされている。しかも、日本の潜水艦の静謐性は世界一で、海底深く潜って相手の潜水艦の動向を把握している。時には、中国潜水艦の下に日本の潜水艦が潜む例もあるという。こういう状況下で、中国潜水艦は日本の動向を探っているのだ。

 

『大紀元』(9月13日付)は、「潜水艦が奄美大島の接続水域を航行『中国軍とみられる』防衛省」と題する記事を掲載した。

 

(1)「防衛省は12日、奄美大島(鹿児島県)の接続水域で、10日午前に潜水艦が浮上せず航行したのを確認したと発表した。防衛相は「緊張感を持って、情報収集・警戒監視に万全を期すこと」と指示した。海上自衛隊は哨戒機「P-1」を2機、同「P-3C」を1機、護衛艦「さざなみ」、同「はるさめ」を派遣し警戒監視にあたった。防衛省は12日午前に、この潜水艦がトカラ列島最南部の横当島付近の海域を西進したのを確認した」

 

中国の潜水艦一隻に対して、海上自衛隊はものものしい警戒体制である。これによって、中国潜水艦の情報を立体的に捕捉しているのだ。中国は、「生体実験」になっていることを知らないのだろう。

 

(2)「潜水艦も駆逐艦も、日本の領海には入っていない。国際法では、他国の沿岸を通過する潜水艦は、領海内では浮上して国旗を表示することが義務付けられている。今回は領海ではない接続水域の航行だが、防衛省は無通告や潜没したままの状態であったことを警戒して、推定の国名を挙げたとみられる」

 

防衛省は、中国潜水艦が無通告や潜没したままであったことから、あえて国名を出して警告したのであろう。「隠れてコソコソやっていても、全てお見通し」というサインである。

 

(3)「2020年6月にも、奄美大島の接続水域に中国のものと推定される潜水艦が通過した。外国の潜水艦が、日本の接続水域を潜ったまま航行した事案は、今回で9回目となる。防衛省は、中国が東シナ海や南シナ海で海軍活動を活発化させていることを警戒し、日本の南西部地域における防衛を強化している。自衛隊は8月後半から9月初旬にかけて、沖縄から関東南部における広い海域で、アジア派遣された「英クイーンエリザベス」空母打撃群と共に多国間共同演習を行なっていた」

 


今回のように、外国潜水艦が潜ったまま航行したケースは、今回で9回目という。日本はすべて把握している。その間に情報はすべて吸い上げている。まさに「生体実験」である。

 

(4)「南西諸島は対中防衛ラインの目安となる第一列島線に含まれる。元自衛官で自民党国防議連事務局長の佐藤正久議員は、「トカラ列島から奄美大島間は中国海軍の太平洋進出の主要ルートのひとつ」とツイートし、注視していることを明示した」

 

日本は、南西諸島の防衛に力を入れている。中国軍が、違法な動きをしないか常時、監視を強めているのだ。こういう状況では、日中間は、一段と冷却化するばかりだ。