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米国はバイデン政権発足直後に、韓国をクアッド対話(日米豪印)へ参加するよう熱心に説得した。韓国は、中国に対する「畏怖」から参加を拒んだが、9月の「AUKUS」(米英豪)による軍事同盟発足で状況は一変。米国はもはや、韓国のクアッド加盟を必要ないという姿勢に変わったという。駐米韓国大使が、明らかにした。

 

韓国は、米中間で「バランス外交」を行うという夢のような話に執着してきた。こういう柄にもない外交感覚が破綻したと言うべきだろう。米中対決は深刻度を加えており、米同盟国は結束する必要性に迫られている。韓国は、この状況を知りつつ「洞が峠」を決め込むという、米国の同盟国にあるまじき姿勢を見せた。これは、一種の利敵行為でもある。米国は、こうした韓国と距離を置く姿勢に変わってきた。

 

『朝鮮日報』(10月14日付)は、「駐米韓国大使『クアッド4か国は加盟国拡大の考えない』」と題する記事を掲載した。

 

イ・スヒョク駐米韓国大使は13日(現地時間)、米ワシントンの韓国大使館で開催された国会外交統一委員会の国政監査で「クアッドは当分の間は参加国を増やす考えがないことを確認した」と答弁した。これは保守系野党・国民の力の朴振(パク・チン)議員が「韓国政府は米国から、米国・日本・オーストラリア・インドの4カ国連合体『クアッド(Quad)』への参加について公式・非公式に提案を受けたことはあるのか」との質問に答えたもの。イ大使は「韓国がクアッドに参加するかどうかという問題は『餅を与える側の人間は与えるつもりなどないのに(捕らぬたぬきの皮算用に相当)』ということわざが当てはまりそうだ」との見方も示した。

 

(1)「クアッドはインド・太平洋地域で高まる中国の影響力に対抗する安全保障協力体だ。「中国との競争に集中」をアフガニスタン撤収の大義名分としているバイデン大統領が特に強硬な姿勢を示している。韓国は現時点でクアッドには参加していない。イ大使は「米国政府高官からクアッドに関する説明を随時受けている」としながらも、「ただし、クアッドに入る問題はわが国が希望したから実現するわけではなく、クアッド側との合意が必要な問題だ」と説明した。イ大使は先月、ワシントンで開催されたクアッド首脳会議について「米国から会議の内容について説明を受けた」とした上で、「クアッドは(会議で)当分の間、規模を拡大しない方向(で意見交換したこと)を確認した」と述べた」

 


下線部は、重要な指摘である。米国の国務長官と国防長官が3月、わざわざ訪韓してクアッド参加を呼びかけた経緯がある。そのとき、韓国は曖昧な姿勢を取り「参加する」ポーズだけで確証を与えなかった。こういう狡猾外交が、米国を半ば怒らせて「AUKUS」というより強力な軍事同盟を結成し、韓国へ「三行半」を突付けたようなものだ。

 

米国はその後、韓国の提案する南北問題について否定的姿勢を見せている。韓国は、日本の対しても身勝手な姿勢だが、米国にも同様な態度を取っている。韓国は、日米から信頼を失った形だ。韓国をクアッドへ加盟させないという決定の裏には、日本の意思が反映していると見る。日本は、韓国軍の中朝接近姿勢を熟知しているので、情報漏洩面で危険視しされているのであろう。

 

(2)「朴議員が、「韓国は(将来的に)クアッドに参加すべきと考えるか」と質問すると、イ大使は「現時点では技術、気候、公共保健の三つの分野で個別に(クアッドに)参加する必要性があれば参加できると考えている」と答弁した。これは「クアッドそれ自体に参加するよりも、クアッドの外から個別の分野ごとに協力する」という意味で、「中国けん制」というクアッドの性格から「参加問題については中国を意識している」との見方が大勢を占めている」

 

韓国は、ここまで中国を過大視しているが、経済的には不動産バブル崩壊で行き詰まり濃厚である。中国の実態を全く分析しようとせず、「戦狼外交」で圧迫されている。朝鮮李朝と全く同じで、外交感覚がゼロである。

 


(3)「イ大使はさらに、「韓国のクアッド参加に関する問題は『餅を与える側の人間(クアッド側)はそんなこと考えてもいないのに』ということわざが当てはまりそうだ」「クアッドに参加しようと積極的に関心を示す他の国があることも知っている。しかし、クアッドは範囲を広げる考えはないようだ。そのため参加を巡る議論は時期尚早ではないか」との考えも示した」

 

このパラグラフは、米国の韓国に対する姿勢が明らかに変わったことを示している。米国は、韓国をクアッドに迎える気持ちがないのに、韓国が加わりたいと言っても無駄と指摘しているのだ。情勢は100%変わってしまった。

 

(4)「これに対して朴議員は、「韓国の外交は消極的な考え方から脱皮すべきだ」と指摘し、「インド・太平洋時代が本格的に始まろうとしているのに、韓国は今も東北アジア地域から抜け出せない。『餅を与える側の人間はそんなことを考えてもいない』という消極的な考え方から抜け出すべきではないのか」と反論した。朴議員は、「もし今後も消極的な姿勢を変えないのであれば、最大の国益を手にするチャンスを逃してしまうだろう」とも指摘した」

 

韓国は、地理的に「半島」であるので国際情勢の激変が読めないのだろう。中国大陸に付属したような立地だけに、海洋国家の日米英豪のような先を見抜く力に欠けている。李朝末期と全く同じであることに驚くほかない。外交的に進歩のない国である。