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いやはや、韓国の日本への対抗は病的な段階である。日本のコロナ感染者数が激減していることに、「ヤキモチ」をやくという珍現象が起っている。

 

日韓の比較がし易いように、両国のコロナ感染者数をほぼ同時刻の発表にあわせた数字は次の通りである。

 

日本 10月24日23時55分  234人

韓国 10月25日午前0時   1190人

日韓の人口比は、日本が韓国の約2.44倍であることから見て、韓国の感染者数は96人でなければならない。現実には、その12.4倍の感染者数である。つまり、韓国の感染者数は、日本に比べてまだ非常に高いレベルにあるのだ。

 


韓国は「K防疫」と言って、世界の模範的なコロナ防疫モデル国を自慢してきた。現状は、これとほど遠い状況にある。ここで、韓国が編み出した奇手は、コロナワクチン2回目接種率がOECD10位であり、日本を上回っているという妙な自慢を始めていることだ。

 

接種率を高める努力は必要である。だが、それのみ取り上げて自慢するよりも、現実の感染者をいかに減らすかである。競うべくは、そういう防疫効果を基準にすることだ。韓国は、「ゴールポスト」を動かして、「日本より勝った」と言っているようである。

 


『ハンギョレ新聞』(10月25日付)は、「韓国、国民参加と医療現場の献身が成し遂げた接種完了率70%突破」と題する社説を掲載した。

 

(1)「韓国の新型コロナウイルスワクチンの接種完了率が70%を超えた。今年2月26日に韓国国内でワクチン接種が開始されてから8カ月での達成だ。接種完了率70%突破は、来月初めに実施される予定の「段階的日常回復(ウィズコロナ)」の最重要条件だ。コロナ予防接種対応推進団は24日、ワクチン接種完了者が同日0時現在で3598万人となり、全人口(昨年12月現在で5135万人)の70.1%に達したことを明らかにした。70%が達成されたのは23日午後2時ごろ。23日だけでも新たな接種完了者は33万人にのぼった」

 

韓国は、オリンピックのように記録達成に拘っている。目的は、感染者を一人でも多く減らすことである。それによって、犠牲者を減らせるからだ。

 


(2)「韓国のワクチン接種完了率70%突破は、接種を韓国よりも先に開始した英国(66.7%)、日本(69%)、イスラエル(65%、以上21日現在)、米国(57.7%、22日現在)などの主要国より早い。接種初期はワクチン導入が遅れるとともに供給量が少なかったため大いに懸念されたものの、下半期に入ってワクチン供給問題が解消されたうえ、国民参加率が高まったことで接種が急激に速まった。国民の積極的な姿勢、医療現場と支援スタッフの献身、政府の努力が調和した結果だ。ワクチンの輸送、保管、接種などのしっかりしたインフラも支えとなった」

 

韓国は接種完了率が70%で、日本の69%を上回ったと自慢している。問題は感染者数であるが、これについて一言半句触れていないのだ。韓国は、日本よりも接種率が高ければ、人口比での感染者数が日本より減って当然だが、逆の結果になっている。それは、日本が効率的接種である「職域接種」の結果、集団感染を防いでいるのであろう。薄く平らに接種するよりも、集中的な接種が効果を上げているのだ。

 


(3)「接種完了率が70%を突破したことで、段階的な日常回復への転換にもさらに弾みがついた。接種目標の達成により危篤化率と死亡率が下がるとともに、段階的な日常回復への転換の開始の重要な前提条件が整えられた」と語った。政府は25日に公聴会を開き、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の段階的緩和に向けた素案を公開し、29日には日常回復の履行計画を発表する予定だ。来月初めから食堂やカフェなどの生業施設の営業時間制限が緩和されるなど、まずこれまで被害が大きかった業種と感染拡散の危険が小さな施設に対して、段階的に日常回復措置が実施される見通しだ。自営業者をはじめとする脆弱階層の苦痛が軽減されることになるのは幸いだ」

 

大いに効果を上げて、苦境にある自営業者を助けられることになれば良いことである。今回のパンデミックでは、最大の被害者が自営業者である。廃業が相次ぎ、自営業者比率が20%を割り込んでいる。

 

(4)「政府は、段階的な日常回復の最終段階を開始するための接種完了率の基準を85%と見ているが、来年初めには可能になると展望している。そのためには、ワクチン接種を1度も受けていない人のワクチン接種が急がれる。24日午前0時現在のワクチン未接種者は1058万人で、このうち18歳以上は500万人。ワクチンの異常反応に対する懸念などの様々な理由で接種が忌避されている。政府は強制的な措置を取るのではなく、自発的にワクチンを打つよう、これらの人々の説得、誘引に努力を惜しんではならない。ワクチン接種完了者に対する特典の拡大、異常反応についての情報を隠すことなく公開することによる不必要な不安の拡散の防止、ワクチン接種による被害に対する補償の強化、交通弱者や障害者のための接種支援の強化に取り組むべきだ」

 

日本のように、職域での集中的なワクチン接種が感染予防効果を上げていることは明らかだ。その点で、韓国はどうなっているのか。ただ、接種率を引き上げるだけでは問題解決にならないであろう。人口比で、日本並みに感染者数が減ったとき、初めて「K防疫」と自慢できるのだ。