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中国の著名テニス選手の彭帥さんが、中国共産党元幹部との不倫関係を告白した後に安否の懸念が出ていた。この問題で、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が21日、彭さんとビデオ通話したと発表した。

 

IOCによると、バッハ会長は21日に彭さんとのビデオ通話し「北京市内の自宅で、安全かつ元気にしている」との説明を受けたという。IOCは約30分間の会談中にバッハ氏と笑顔で通話する様子を収めた写真を公表し、彭さんが安全な場所にいることを強調した。五輪開催前の来年1月に北京で開かれる夕食会に招待し、彭さんから快諾を得たという。以上、『日本経済新聞 電子版』(11月22日付)が報じた。

 

彭帥さんは、3度の五輪出場経験があり、テニス四大大会女子ダブルスでは2度も優勝した実績をもつ。女子テニス界では、超有名人だけに今回の騒動は中国のイメージを大きく傷つけた。それだけに、中国政府は来年2~3月に開催される北京冬季五輪・パラリンピックへの悪影響要因を取り除こうと必死である。だが、彭帥さんのSNSを削除したりした人権問題が残っている。女子テニス協会(WTA)は、中国に対する疑念を強めているところだ。

 

『ロイター』(11月22日付)は、「IOCとの通話で懸念解消されず中国女子選手巡りWTA」と題する記事を掲載した。

 

中国の張高麗元副首相に性的関係を強要されたと告発した同国女子テニス界のスター、彭帥選手が国際オリンピック委員会(IOC)とビデオ通話を行ったことについて、女子テニスのツアーを統括するWTAは22日、彭選手の安否を巡るWTAの懸念を解消するものではないという見解を示した。

 

(1)「IOCによると、彭選手は21日にバッハ会長とビデオ通話を行い、無事で健康に北京の自宅で暮らしていると説明があった。また、今はプライバシーを尊重してほしいとの意向を示したという。これに先立ち、20日に友人との夕食会、21日に北京で開催された子ども向けテニス大会に姿を見せたとする写真や動画を中国国営メディア記者や大会主催者が公開したが、懸念を払拭するには至っていなかった」

 

彭選手は、自分から自らのプライバシーを公にした。だがこれからは、無闇にプライバシーに踏込まない欲しいという話である。メディアの接近はお断り、だ。

 


(2)「WTAの広報担当者は、「動画で彭帥選手を確認できたのは良かったが、彼女の健康に問題がないかや、検閲や強制を受けずにコミュニケーションできるかという点についてWTAの懸念を軽減したり、解消したりするものではない」と述べた。IOCとのビデオ通話については「この動画で、彼女の性的暴行疑惑について検閲なしに完全かつ公正で透明な調査を行うという、われわれの要求が変わることはない。それがそもそもの懸念だ」と強調した」

 

WTAは、彼女が中国政府の管理下に置かれて、自由を束縛されていないかを懸念している。人権侵害を何とも思わない国であるだけに、IOCのような暢気な立場と異なるようだ。

 

(3)「この問題を巡っては、世界の人権団体などが中国の人権問題を理由に来年2月の北京冬季五輪のボイコットを呼び掛けている。WTAも中国からの事業撤退を警告している。張元副首相と中国政府は、この疑惑についてコメントしていない」

 

張元副首相と中国政府は、黙殺して事態の鎮静化を待つ姿勢であろう。「人の噂も七十五日」なのだ。先進国と比べて、中国は100~200年も常識がずれている国である。