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朝鮮近代化の基礎をつくったのは、日韓併合を行った日本である。近代化と無縁であった朝鮮が、産業革命に成功したのは昭和初期である。日本の技術と資本が、朝鮮の工業化を成功に導いたのだ。それには、教育機関、司法制度、インフラ投資が経済成長「離陸」へのお膳立てをしたことは言うまでもない。

 

韓国では、日韓併合によって朝鮮を収奪対象にしたという素朴な「マルクス主義」を信じている。それは、教科書的な形式論である。鉄道を敷き、学校をつくり京城帝国大学まで開学した。世界の数ある植民地の中で、大学をつくったのは日本だけである。「愚民化政策」を取らなかった結果だ。

 

台湾の故・李登輝総統は、日本の統治に深く感謝していた。台湾の統治も、朝鮮と全く同じ「教学化」にあったからだ。李登輝は、古くさい儒教教育を投げ捨て、近代化教育を行った日本を高く評価していた。台湾が現在、世界一の半導体製造の位置を占めている裏には、日本の教育政策があったのだ。

 

日本が統治した台湾は、アヘンの流行に悩んでいたが、日本はこれをどうやって克服したか。罰則主義でなく、アヘンの輸入を徐々に減らすことで喫煙者の根絶に成功した。中国本土では、厳罰主義で臨んだのでなかなか減らなかったのだ。現在の、中国共産党は万事、厳罰主義である。こういう点でも、罰則DNAを引継いでいる。

 

韓国ドラマの好きな方はお分かりと思うが、台詞に「日本語」の発音が出てくる。日本語の字幕でそれがすぐに確認できる。「約束」、「先輩」、「乾杯」など気付く。韓国ドラマに、このような言葉が出るのは、朝鮮李朝時代にそうした「概念」が存在しなかったことを裏付けている。

 

「約束」は、近代を象徴することばであろう。それまでに朝鮮には、「約束」という概念がなかったからだ。約束は、欧州の市民社会の出発点である。約束=契約であるからだ。市民社会の根本は、市民同士の約束=契約を守ることで成立した。市場経済は、まさに約束の上に成り立っている。それは、一対一という対等な関係において成立するものだ。

 


韓国が、日韓関係を悪化させている最大の要因は、日本との約束を守らないことである。朝鮮は、専制時代であったから「対等=契約」概念は成立しない。この流れが、現在も続いているのである。旧徴用工問題は、1965年の日韓基本条約で解決済みである。旧慰安婦問題は、2015年の日韓慰安婦合意で解決済みである。こういう法的に解決した問題を、臆面もなく蒸し返す裏には、契約概念が希薄であることを示している。

 

韓国人は現在、半導体を生産できる。だが、その頭脳は李朝時代そのままなのだ。契約を守ることの重要性の認識が欠けているのだ。思考に関するDNAは、簡単に修正できないことを示している。

 


『朝鮮日報』(2017年1月29日付)は、「理解が難しい日本式の漢字語をいつまで使うのか」と題する寄稿を掲載した。筆者は、ぺ・ヨンイル=ギョンアン神学大学院大学外来教授である。

 

韓国人がよく使う言葉の中には、理解が難しい日本式の漢字語、日本語、漢字、英語式表記が少なくない。にもかかわらず、習慣のように使っているのは残念だ、としている。以下、その日本語を表記したい。

 

「切取線」、「始末書」、「仮処分」、「見習」、「敬語」、「紺」「路肩」、「茶飯事」、「端緒」、「忘年会」、「船着場」、「手続」、「楊枝」、「持分」、「出産」、「売場」、「役割」、「割増料」、「宅配」、「談合」、「八百長」「行先地」、「耐久年限」、「飲用水」、「引継ぐ」、「差出す」、「呼出す」、「回覧」、「残業」、「節水」、「納期」、「納付する」、「独居老人」、「行楽の季節」、「所定様式」、「延面積」、「試運転」、「施鍵装置」、「ニュースレター」、「ガードレール」、「シナジー」、「チェックリスト」、「過年度」、「翌年度」、「改札口」、「売票所」、「高水敷地」、「復命書」、覆土」、「適宜の処置」、「夏節気」、「冬節気」。「綺羅星」、「傷」、「土方」、「肉体労働」、「玉」、「玉ねぎ」、「段取り」、「支度」、「取り締まり」、「皿」、「刺身」、「あっさり」、「襟」、「おでん」、「コチ、」「魚ムク」、「うどん」、「チラシ」、「宣伝紙」、「広告紙」、「フロック」、「デタラメ」、「お盆」

 

これらの日本語を見ると、あえて「反日」騒ぎを起す意図がどこにあるのかいぶかしく感じるのだ。日本からはいってきた言葉が、韓国に定着したもの。同じ文化を享受しているのである。