ムシトリナデシコ
   


コロナ変異「オミクロン株」による感染拡大が、世界中へ大きな衝撃を与えている。日本では、原則として外国人の入国を認めない、と厳戒体制だ。注目の米国の空気は、かなり楽観的である。ワクチン接種してマスクを着用すれば、年末の国内旅行はOKという姿勢である。

 

『ブルームバーグ』(12月2日付)は、「オミクロン株出現でも年末休暇プランを中止する必要ないーファウチ氏」と題する記事を掲載した。

 

新型コロナウイルスのオミクロン変異株の出現でも、米国のワクチン接種済みの人々は年末の休暇プランを中止すべきではない。バイデン米大統領の首席医療顧問を務める米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長が12月1日、コロナに関するCNNグローバル・タウンホールでこう呼び掛けた。

 


(1)「『あなたとあなたの家族がワクチン接種を受けているのであれば、ホリデーを楽しむべきだ』とファウチ氏は発言。『われわれの従来の提言と異なる行動は必要ない』と述べた。同氏はオミクロン株の感染が向こう数週間で増えると予測した上で、室内でマスクなしで家族が集まることを控える必要はないと述べた。今後数週間で旅行する人は入念なマスク着用など予防措置を取り、『賢明になる』よう呼び掛けた」。

 

ファウチ氏は、米大統領首席医療顧問を務め、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長である。いわば、米国感染症研究の最高峰が、ここまで言いきっているのは、科学的根拠によるものだ。メディアには、過激情報が氾濫しているが、米国情報が最も正確のようである。私は、科学的な米国情報に基づいている。

 

(2)「ファウチ氏は、「米当局が実施しているアフリカ南部諸国からの渡航制限は一時的なものになるとの見解を示した。米国で新型コロナウイルスのオミクロン変異株感染が初めて確認された後に語った」

 

米国のアフリカ南部諸国からの渡航制限は、一時的な措置としている。正式な分析結果を待っているのであろう。ただ、これまでの証拠類で事態が「大袈裟」にならないことを認識しているものと見られる。

 


『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月2日付)は、「
オミクロン株との闘い、心強い兆候あちこちに」と題する記事を掲載した。

 

新型コロナウイルスと闘うための重要な武器が、新たな変異ウイルス「オミクロン株」にも有効であることを示す希望の光が見えてきた。世界の科学者や保健機関は、これまでに確認された少数のオミクロン感染例に関する断片的なエビデンス(証拠)をまとめ上げようとしている。

 

(3)「南アフリカでの急速な感染拡大や、突然変異の数の多さから、オミクロン株に対する懸念が強まっている。ウイルスは突然変異によって、ヒトの細胞に侵入し、ワクチンや以前の感染で獲得した免疫反応をすり抜けられるようになる恐れがある。これまでのところ、新たなエビデンスはほとんど裏付けに乏しく、矛盾したものもあり、科学的に明確に結論付けるには全く不十分だ。それでも一部は、ワクチンが重症化を予防し、ウイルスの拡散を抑制することを示唆している」

 

科学的な証拠は少ないが、先進国におけるオミクロン株の感染者にみる症状では、軽いことが大きな特色である。

 

(4)「イスラエルは、オミクロン株に感染した45歳の心臓医のケースを調査した。それによると、心臓医はロンドンとイスラエルで開催された会合に出席し、帰国後数日間に100人以上と接触していた。だがこれまでのところ、この心臓医を通してオミクロン株に感染したのは1人しかいない。マスクをせずに一緒に車に乗っていた同僚の医師(70歳)だ。この2人の医師が勤務するイスラエル中部のシェバ・メディカル・センター感染症疫学部のディレクター、ギリ・レゲブ・ヨチャイ氏が明らかにした。心臓医の妻と3人の子供もウイルス検査で陰性だったという」。

 

イスラエルでの経験は参考になりそうだ。オミクロン株に感染した45歳の心臓医は、帰国後に100人以上と接触したが、感染者は一人であるとう。マスクをせず、一緒に車に乗っていた同僚の医師(70歳)だけだという。心臓医の家族4人は感染していないのである。

 


(5)「前記のレゲブ・ヨチャイ氏は、「この出来事は、われわれが怪物を相手にしているのではないことを確信させてくれる」と指摘。感染の拡大を予想してもおかしくないほど、心臓医は他の人々との接触が多かったと述べた。この心臓医を含め、オミクロン株への感染が確認されたイスラエル人は4人いる。イスラエル保健省によると、全員がワクチンを接種済みで、症状は軽い」

 

イスラエル保健省によると、感染者4人全員がワクチンを接種済みで、症状は軽いという。

 

(6)「香港大学の研究を主導したクオクユン・ユエン教授によると、6カ月以内にメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの接種を完了していた2人の患者は、症状が非常に軽かったという。また、感染が判明してから数日後には、血液中の抗体濃度が10倍になったという。ユエン氏は、「これは免疫学的記憶という点で非常に満足のいくものだ」とし、「mRNAワクチンを接種してあれば、オミクロン株ウイルスに感染した場合の免疫学的記憶と免疫反応の活性化が非常に早いようだ」と述べた。

 

メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを6カ月以内に接種していた患者(2人)では、症状が非常に軽いという。

 

(7)「ワクチン開発会社ビオンテックの共同創業者であるウグル・サヒン氏は11月30日、オミクロン株はワクチンへの反応で生成された抗体をすり抜ける可能性はあるものの、体内に侵入すれば免疫細胞の攻撃にさらされる公算が大きいとの見方を示した。その上で、「われわれのメッセージは、怖がることはない、計画は変わらないということだ。それは、3回目の追加接種(ブースター接種)を加速させることだ」と述べた」

 

ファイザーと共同でワクチンを開発したビオンテック創業者は、オミクロン株に対しても有効であると述べている。3回目の追加接種(ブースター接種)で、より安全になると見ている。