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「オミクロン株」が、世界景気を冷やすのでないかと緊張感が走っている中で、それほど深刻にならないという見方が出ている。2020年3月に起きた最初のコロナ感染拡大や今夏流行したデルタ株と比べると、オミクロン株の脅威は深刻ではないだろうというのだ。理由の一つは、新しい変異株が出現するたびに経済への影響が薄れていることだとしている。

 

もう一つ、ウイルスの進化パターンから見て、オミクロンが今回のパンデミックで、終焉シグナルになるのでないかというもの。感染力は強くても、致死率が低くなるとしている。これが、終焉パターンだとされている。

 

『ブルームバーグ』(12月2日付)は、「オミクロンはコロナ終焉シグナルかーJPモルガンが押し目買い勧める」と題する記事を掲載した。

 

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」の出現による最近の市場の波乱は、経済再開と商品取引におけるトレンド反転に向けたポジションを組む好機かもしれないと、JPモルガン・チェースが指摘した。

 

(1)「オミクロンは感染力がこれまでの変異株よりも強い可能性がある一方、初期の報告によれば致死性は低いともみられる。これは歴史的に観察されたウイルスの進化パターンに合致していると、ストラテジストのマルコ・コラノビッチ、ブラム・カプラン両氏が12月1日のリポートで指摘。オミクロン株は新型コロナパンデミックの終焉が近いことを示唆している可能性があり、リスク資産にとって最終的にプラスとなるかもしれないと分析した」

 

オミクロン株で死亡したものでは、幼児のケースが報じられているが、致死性は低い可能性が強い。これは、歴史に現れたウイルスの進化パターンと合致しているという。このことから、下線を引いたように昨年1月から感染拡大した今回のパンデミックが終焉に近いのでないかと予測している。

 


(2)「新変異種の出現がここ数日の市場を揺さぶっている。オーストラリア政府のケリー首席医務官は、オミクロン株が他の株と比べて致死性が高いことを示す証拠はないと述べている。JPモルガンのストラテジストによると、これは重症度が低く感染力の強い株が、より重症度の高い株を急速に駆逐するというウイルスの過去のパターンに適合している。従って、オミクロンは新型コロナパンデミックを季節性のインフルエンザに近いものに変容させる可能性がある。「このシナリオが実現するならば、世界保健機関(WHO)はこれを、2文字を飛ばしたオミクロンではなく、ギリシャ文字の最後であるオメガと命名してもよかった」と両ストラテジストはコメントしている」


過去のパンデミックでは、次のようなパターンを経て収束している。

重症度が低く感染力の強い株(オミクロン株)は、より重症度の高い株(デルタ株)を急速に駆逐するというウイルスの過去のパターンに適合するのでないかと推測している。この推測通りの結果が得られるとしたら、これまで急落した株価が「底値」になる期待が出てくるのであろう。

 

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月1日付)は、「オミクロン株が脅かす、世界経済見通しは」と題する記事を掲載した。

 

米経済および世界経済が、コロナ禍を受けて打ち出された経済対策や需要の力強い回復による追い風を受けている。とりわけ米国では、成長を下押ししてきたサプライチェーン(供給網)の問題がここにきて緩和する兆しが出始めた。

 

(3)「ワクチンの接種が、今年早い段階と比べてかなり進んでいることも、オミクロン株による感染リスクの低減に寄与するとみられている。各国政府がパンデミック(世界的な大流行)当初のような広範なロックダウン(都市封鎖)を再導入する可能性も低い。政治的に反発が強いことに加え、ウイルス封じ込めに効果的な措置について新たな情報が入手できているためだ」

 

オミクロン株が出現する前に、ワクチン接種が進んでいる結果、感染リスクの低減に繋がることは確実である。人間に免疫ができているということだ。

 


(4)「エコノミストはオミクロン株により、10~12月期と来年初頭に経済成長が鈍る可能性があるとみているが、マイナス成長に陥ることはないと話している。会計事務所グラン・ソントンの首席エコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は、「好景気が小景気になる程度だ」と指摘する。「ここまでかなり勢いが増しており、今後の支援になる」。オックスフォード・エコノミクスでは、来年の世界経済の成長率を従来予想の4.5%から4.2%にやや下方修正した。オミクロン株による経済への打撃は、感染者や死者がどのくらい増え、各国政府や消費者、企業がこれにどこまで強力に反応するか次第だとエコノミストは指摘している」

 

下線のように、オミクロン株で「好景気」が「小景気」になる程度と見ている。来年の世界経済の成長率は、従来予想の4.5%から4.2%と、やや下方修正される程度の影響に止まるとしている。オミクロン株の影響が、この程度に止まれば取り越し苦労の必要性もなくなる。