テイカカズラ
   

韓国は、11月から日本と張り合って「ウィズコロナ」へ踏み切ったが大混乱に陥っている。政府は、11月29日に特別防疫対策を発表し、「すべての感染者は自宅に留まり、必要な場合にのみ入院治療を受けるようにする」というお粗末な事態だ。

 

自宅療養を原則とし、住居環境が感染患者に不適であることや、小児・障害者・70歳以上などケアが必要な場合にのみ入院治療するというもの。これが、最近まで「K防疫モデル」と自慢していた韓国の実情である。12月3日の新規感染者は5000人近かった。重症者数は3日連続で700人を超え、またもや過去最多となっている。こういう医療崩壊は、すでに11月初旬に予知されていたのである。

 


英国オックスフォード大学が発表した、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)厳格度指数によれば、韓国の防疫強度が主要20カ国・地域(G20)で最下位水準という研究結果が発表されていた。
厳格度指数は、各国の新型コロナ対応水準を分析したもの。集会人員や大衆利用施設営業など9つの分野の防疫措置を評価している。点数が高いほど防疫度が高いということを意味する。

韓国は、100点満点中39.35点だ(11月8日集計)。低評価の理由は、11月1日から首都圏10人、非首都圏12人まで私的な集まりを許容している。レストランやカフェは24時間営業することができる。遊興施設は夜12時まで運営する代わりに防疫パス(接種証明・陰性確認制)を適用中という規制緩和を行なった。こういう「ウィズコロナ」が、すべて裏目に出たのである。

 

『朝鮮日報』(12月3日付)は、「未曾有の『複合ショック』、韓国のウィズコロナはグロッキー状態」と題する記事を掲載した。

 

(1)「一日新規感染者が連日5000人を上回り、重症者も過去最多の733人(12月2日午前0時時点)まで達するや、医療現場から相次いで悲鳴が上がっている。中央事故収拾本部によると、1日午後5時時点のソウル市内の病床使用率は90.1%、仁川市は88.6%、京畿道は85.5%だった。首都圏に近い忠清道の病床も既に満床だ。最も重症の患者が入院している「ビッグ5」病院(5大病院)でも、残っているのは9床(使用率94.6%)だけだ。病床待機患者は915人、このうち四日間以上待っている患者は377人(41.2%)に達する」

 

ソウル市内の5大病院は、重症患者用のベッドがあと9床(使用率94.6%)しかないのだ。病床待機患者は、915人もいる。まさに、医療崩壊が起こっている。

 


(2)「それにもかかわらず、当局が12月中旬までに追加確保することにしている1300床のうち、重症者用は50床、準重症者用は190床だけだ。ソウル市も同日、「新型コロナ緊急対策」を発表し、重症者用病床を52床用意するという。それでも、年内に確保できる重症者用病床は約100床にしかならない。しかも今は「二重の危機」に見舞われている。現在の感染者のほとんどはデルタ変異株の感染者だが、これより感染力が強いオミクロン変異株の感染者が国内で既に6人確認されている。デルタ株とオミクロン株の「複合ショック」が迫っている状況なのだ」

 

当局が12月中旬までに追加確保する重症者用は50床だけしかない。一方には900人を超す待機患者がいるのだ。

 

(3)「防疫当局は来週から4週間、私的な集まりの制限人数を首都圏6人、非首都圏8人に減らし、飲食店などにも防疫パスを拡大適用する案を協議したという医療現場のあちこちからも「『ウィズコロナ(段階的な日常生活の回復)』措置はしばらく中断してほしい」という悲鳴と訴えが相次いでいる。大韓重症者医学会も「新型コロナの重症者用病床を増やすには、新型コロナでない患者の病床の縮小が避けられない状況だ」と明らかにした。医療現場は今、袋小路に入ってしまっているということだ」

 

医療崩壊を防ぐには、「ウィズコロナ」を中断するしかない。文政権は、大統領選の思惑で中断できないのだ。医療より政治思惑の先行である。

 


(4)「政府は最近、首都圏の病院に対して「保有病床の1~1.5%を新型コロナ患者用病床にせよ」という行政命令を繰り返し出している。しかし、新型コロナの重症者用病床はすぐに設置できるわけではない。首都圏のある大型病院の関係者は「新型コロナ患者を治療するための陰圧室を作るには設備工事が必要で、新型コロナ患者が移動する時にほかの患者と遭遇しないように移動の動線まで考慮して新たな空間を確保しなければならないため、通常は数週間かかる」「さらに、新型コロナ患者のケアをするための医療従事者を追加しなければならないが、今いるほかの重症者をケアしている医療従事者を、新型コロナ患者だけ見ろと言うこともできず、懸念している」と話した」

 

政府の無策と政治的な思惑が絡んで、韓国の医療は危機的状況に追い込まれている。病床を増やせば、医療スタッフを増加させなければならない。そのスタッフが枯渇している。専門医が足りない事態に追い込まれている。

 

(5)病床不足よりも急を要するのは医療従事者不足だ。政府はこのほど、首都圏の医療従事者不足を穴埋めするために公衆保健医師(農村などの公衆保健業務に携わる医師)たちを急きょ駆り出した。首都圏でない地域の公衆保健医師47人を首都圏の病床に投入したのだ。ところが、新型コロナ治療に必要な内科専門医は1人もいなかった上、皮膚科医・眼科医など重症者の治療の助けとはなりにくい分野の専門医が多数含まれていたという」

 

首都圏で医師不足に直面し、地方の医師47人を公募したが、必要な専門医は一人もいなかったという。皮膚科や眼科の医師までかき集められている。これで、急増する重症患者へ満足な治療ができるとは思えない。これが、文政権の実態である。