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ウォン相場が急落している。5月13日(午前0時53分現在)、1ドル=1288ウォンまで売り込まれた。1200ウォンを割込めば危険ラインとされるので、韓国は落ち着かない日々を送っている。

 

こういうウォン急落場面になると、必ず登場するのが日本との通貨スワップ協定の話である。今回も、定石通りに国会で話題にされている。

 

『中央日報』(5月12日付)は、「急激なウォン安、米国・日本との通貨スワップの必要性が急浮上」と題する記事を掲載した。

 

米国の緊縮基調などの影響でウォン安ドル高が急速に進んでおり通貨スワップ締結議論が急浮上している。

(1)「11日のソウル外国為替市場はウォン相場が取引時間中に一時1ドル=1280.20ウォンまでウォン安が進んだが小幅に戻し前営業日より1.1ウォンのウォン高ドル安となる1275.30ウォンで取引を終えた。ウォン相場が取引時間中に1280ウォン台を突破したのは2020年3月23日の1282.50ウォンから2年2カ月ぶりだ」

 


ウォン相場は、11日の終わり値1275.30ウォンであったが、5月13日(午前0時53分現在)、1ドル=1288ウォンまで売り込まれている。韓国の主要輸出先の中国が、4月の輸出が激減しており、韓国からの輸出も伸び悩むことは不可避である。こうしたことから、ウォンが売り込まれたものだ。今後の中国経済には顕著な回復は望めないので、ウォン相場見通しは暗い


(2)「ウォン安ドル高の原因は、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利引き上げなど緊縮の加速化、中国の封鎖令とウクライナ情勢の長期化などにともなう世界的な金融市場不安拡大などが挙げられる。FRBが4日に政策金利を一気に0.5%引き上げたのに続き、追加で大幅な利上げを予告し市場は1ドル=1300ウォンまでウォン安ドル高が進むとみている」

 

すでに1300ウォン直前まで売られている。この線でウォン安がストップする可能性は小さいであろう。中国の実勢悪が今後、かなりのスピードで進むからだ。こういう暗い話になると、例によって、日韓通貨スワップ協定が浮上してくる。

 


(3)「政界と市場では、為替リスクの安全装置といえる韓米通貨スワップ契約締結の必要性を提起している。韓国と米国はコロナ禍を契機に2020年3月に600億ドル規模の通貨スワップ契約を結んだが、この契約は昨年末で終了した。米国ではなく日本との通貨スワップ契約締結の必要性が提起される。「国民の力」の徐秉洙(ソ・ビョンス)議員は2日、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官の人事聴聞会で「政治的問題や両国間の感情問題を離れて必要なものを互いに助けて協力すべきという立場から韓日通貨スワップを再開すべき」とした。これに対し秋副首相は「日本との通貨スワップも外国為替市場に肯定的な影響をもたらすだろう。両国間の政治・外交的問題と絡み合っており、そうしたものをうまく好循環して進められたら良いだろう」と話した」

 

韓国は、2020年3月に600億ドル規模でFRBから緊急融資を受けた。記事にあるようなスワップではない。米国は、日本・英国・EUとしかスワップ協定を結んでいないのだ。それ以外の通貨は排除している。よって、韓国が米国と通貨スワップ協定を結べる環境にない。

 


日本と韓国は、かつて通貨スワップ協定を結んでいた。だが、韓国の反日姿勢が強まり、日本へ横柄な態度をとったことから,期限到来とともに自然消滅となった。当時の韓国当局者が、「日本が韓国との通貨スワップ協定を必要とするならば、協定を延長しても良い」と高飛車な態度に出たのだ。これに、「カチン」ときた日本は、麻生財務相の有名な発言である「日本が頭を下げてまで借りて貰わなくても結構」という結果になった。

 

日韓で、こういうやり取りがあったので、簡単に復活できる話ではない。日韓の友好関係が何年も安定してこそ、「親類付き合い」も可能になろう。韓国が、日本の旭日旗を戦犯旗と呼んでいる限り、甘い期待を持たぬことだ。

 


『中央日報』(5月11日付)は、「徐ギョン徳教授『日本語で旭日旗は戦犯旗のハーケンクロイツと同じであることを強調する映像掲載、外務省に正面対抗』」と題する記事を掲載した。

 

韓国の徐ギョン徳(ソ・ギョンドク)教授は11日、「日本外務省が最近旭日旗関連の韓国語映像広告を韓国のYouTube(ユーチューブ)に出したことに正面対抗する次元で、日本語で旭日旗が戦犯旗であることを強調する映像を掲載する」と明らかにした。

 

(4)「日本外務省は昨年末、「日本文化としての旭日旗」と題する映像を韓国語・英語・中国語で制作して公式YouTubeチャネルに掲示した。この映像は韓国のYouTubeに韓国語の広告としても登場した。徐教授の映像は、旭日旗がナチスの象徴である「ハーケンクロイツ」のような意味を持った戦犯旗であり、ドイツはハーケンクロイツの使用を法的に禁止したという内容が含まれている。徐教授は「外務省の旭日旗映像は、第2次世界大戦や太平洋戦争などで『戦犯旗』として使ったという説明を省いたことが最も大きな問題」とし「これは戦争犯罪を否定するものだ」と批判した」



旭日旗を、ナチスの
ハーケンクロイツと同一視することは、歴史認識の欠如を示している。ナチスは、ユダヤ人撲滅を図った黒い歴史を持っている。日本の戦争も、侵略戦争であることに変わりないが、「大東亜共栄圏」という旗印があった。アジアの繁栄と、アジアの異民族支配排除である。ナチスは、自国本位のユダヤ人抹殺であった。

 

こういう違いが分らないで、旭日旗をハーケンクロイツとか戦犯旗と喚いている韓国へ、通貨スワップ協定を結んで助けてやろうという日本人はいないであろう。日本から支援を受けたいのであれば、それに相応しい礼儀作法を心得るべきだ。