勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 経済ニュース時評

    a0960_008712_m
       

    韓国の進歩派を名乗る人々は、理由もなく「自分は道徳的に優れている」と思い込んでいる。韓国朱子学が残した最悪ケースである。自ら努力して徳を高めた人間が、他人を見下すことはあり得ない。思い込みだけで、自分は「道徳家」と信じている。これほど「質の悪い」人種はいないだろう。

     

    日韓外交が溝を深めている背景には、韓国進歩派の度外れた「道徳主義」がある。慰安婦問題、徴用工賠償問題。いずれも日韓で解決したはずの問題を蒸し返す。人権=道徳主義という韓国進歩派に、これ以上の「好餌」はない。「待ってました」とばかりに、穿り返して日本への対決姿勢を強めているのだ。

     

    『日本経済新聞』(8月9日付)は、「日韓外交阻む『善』と『悪』」と題する記事を掲載した。筆者は、同紙編集委員 峯岸博氏である。

     

    日本と韓国の外交は底なし沼にはまってしまったかのようだ。両国の政治家のあいだでは、どう抜けだすかという解決策を飛び越して対抗策の議論がにぎやかだ。こういうときは先人に学ぼうと、英国外交官だったH・ニコルソンの名著「外交」を手に取った。

     

    (1)「外交官の中で最悪の部類として「宣教師、狂信家そして法律家」を挙げている。ある一派の考え方を「善」、他派を「悪」とみなすことで独善などの恐ろしい危険に人々を巻き込みかねないと警告した。人権弁護士出身の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を含め、ナショナリズムを外交の場に持ち込みがちないまの日韓関係を映す鏡のようだ3年前の小欄で、安倍晋三首相と文大統領の指導力に期待した。いずれも小泉純一郎、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権時代に補佐役として首脳外交の失敗をつぶさに見ていた。それぞれ保守と革新を代表する力のある政治家なので手を結べば新たな時代を作れる、必ずしも悪い組み合わせではないと考えたからだ。実際はそうならなかった」

     

    文在寅氏は、大統領の器でなかった。大統領になってはいけない人である。日韓対立のほか、韓国国内では、政権を守るために「検察紅衛兵」をつくる始末だ。韓国没落のトリガーを引く大統領だ。

     

    (2)「ここまでこじれた理由は、日本でも大ブームとなった韓国ドラマにもヒントを見いだせる。「愛の不時着」がヒットした秘訣は、北朝鮮で出会った男女が分断国家ゆえに南北に離れてしまうと会えなくなる切なさに加え、ベールに包まれている北朝鮮の庶民の暮らしぶりが再現された点が挙げられる。やはり人気の「梨泰院クラス」は、運命を狂わされた主人公が強大な敵に復讐(ふくしゅう)を遂げるストーリーが受けている。「分断」「復讐」は文政権のキーワードと重なる」

    文氏が、いくらポピュリズム大統領とはいえ、民衆の「分断」と「復讐」を政治に取り入れることが、いかなる対外的リアクションを引き起すか。それを考えるべきだ。民衆の感情に引きずられていては、韓国の明日を示すシグナルを発することが不可能。文氏は今、その危険な局面にいる。

     

    (3)「民族同士が血で血を洗った朝鮮戦争と分断の固定化による痛みを日本人は実感しにくい。さらにわかりにくいのは、革新派による復讐の矛先が日本以上に国内保守派に向けられている本質だ。3年前の政権交代を機に社会のエスタブリッシュメントが革新派に代わり、保守政権下で長く隠されてきた人権侵害に光が当たるようになった。従軍慰安婦や徴用工問題も、韓国では現代に通じる人権問題としてとらえられる。最近も革新系与党所属の自治体首長にセクハラ疑惑が相次ぎ、多くの大統領府高官にも複数の不動産所有が明らかになると、若者や女性が「道徳や正義に反する」と反旗を翻し、文大統領の支持率が急落した」

     

    反日=国内保守派排撃という公式である。進歩派は、反日をテコに国内保守派を一掃して、進歩派独裁政権を夢見ている。それが、韓国の将来にいかなる影響をもたらすかというマクロの視点はゼロだ。要するに、朝鮮半島を統一する上に、国内保守が邪魔である。それを排除するには、「共通の敵・日本」を標的に据えて保守派を叩く。文氏とその取り巻き連中の描く構図であろう。

     

    (4)「日韓両政府間では、難交渉の末にこぎ着けた慰安婦合意や請求権協定といった取り決めがないがしろにされ、信頼関係は崩れた。日韓外交は善悪二元論で解決することはできない。では、もつれた関係をどう解きほぐすか。ニコルソンが理想とした外交の資質は、誠実、正確、平静、忍耐、よい機嫌、謙虚および忠誠だ。相手を冷静に見つめ直すところから始める必要もあるのではないか」

     

    韓国は、「感情8割:理性2割」とされる国民性である。「誠実、正確、平静、忍耐、よい機嫌、謙虚および忠誠」など、最初から持ち合わせていないと見るべきだ。となれば、日韓関係改善は、不可能であろう。不幸な「隣人」を持ったと言うほかない。

    a0960_008564_m
       

    韓国は、あらゆることで日本と張り合うことを生きがいとしている。その一つが、軽空母の建艦である。軽空母とは、通常の空母と比べて小型である。

     

    日本では、海上自衛隊が運用するヘリコプター搭載護衛艦(DDH)の艦級を指している。「いずも型」は、先行して建造・配備された「ひゅうが型」をもとに大型化し、兵装を簡素化しつつ航空運用機能や多用途性を強化したものとなっている。

     

    1番艦「いずも」が平成22年度予算で、2番艦「かが」が平成24年度予算で建造された護衛艦であるため、ヘリコプター護衛艦を意味する記号の「DDH」を付けて、それぞれ22DDH、24DDHとも呼ばれる。目下、これを改造して戦闘機を登載できるように計画が進んでいる。

     

    韓国は、この日本の計画に刺激されて日本よりも「大型」を狙い、韓国の優越性を世界にアピールする狙いと伝えられている。韓国の軽空母計画は、このように「反日道具」に使おうというもので、早くも韓国国内で異論が出ている。

     


    『朝鮮日報』(8月8日付)は、「韓国型軽空母」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のユ・ヨンウォン論説委員・軍事専門記者である。

     

    (1)「日本は、太平洋戦争初期の時点では世界最大の空母大国だった。降伏後は空母を持てずにいたが、中国の台頭、トランプ大統領の登場に乗じて軽空母を保有しようとしている。「いずも」型ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)2隻を2025年ごろまでに軽空母へ改造し、F35Bステルス垂直離着陸戦闘機を積む計画だ。すると韓国政府と韓国軍も、2030年代前半の実戦配備を目標に、3万トンクラスの軽空母とF35B配備を推進するという。軽空母配備で、安全保障に役立つ側面もあるだろう」

     

    専守防衛の日本が、空母と同じ機能を持つ戦闘艦保有を認められるか否か議論を呼んだ。だが、弓なり状の日本は、尖閣諸島のように遠く離れており、最近の国際情勢変化を織りこめば、空母型戦艦も必要になる、として「ヘリ型空母」が承認された。その後の情勢変化に応じ、2025年頃までに戦闘機登載型の軽空母へと改造することになった。

     

     

    韓国政府と韓国軍も、2030年代前半の実戦配備を目標に、3万トンクラスの軽空母の建艦目標を立てることになった。いずも型は、満載排水量2万6000トンである。韓国の3万トンクラスは、確かに日本を上回る。

     


    (2)「軽空母は、5兆ウォン(約4500億円)以上もの大変な予算がかかる事業だ。運用費もばかにならない。その効用性をきちんと問うてみるべきだ。空母保有国は、ほとんどが広い海や海外活動領域を持っている。日本の排他的経済水域は韓国の8倍を超える。専門家らは「韓国の近海、とりわけ西海は幅が狭く、空母が作戦する上で極めて脆弱(ぜいじゃく)」と語る。中国は、「空母キラー」の対艦弾道ミサイルを実戦配備した。また中ロは、マッハ10以上の極超音速ミサイルも配備している。日本もきちんとこれについていっている」

     

    日本の排他的経済水域は、韓国の8倍を超える。こうなると、軽空母の必要性も高まるが、韓国は黄海と日本海だけ。黄海は空母が作戦する上で海域が狭くて、空母の必要性が薄いという。となると、韓国の軽空母は、「お飾り」程度の役割しかない。

     

    (3)「韓国には、これを防御する手段がない。有事の際、韓国の軽空母が中・日・ロにとってお手軽な「高価値ターゲット」になる-という意味だ。韓国には、F35Bより武装の量が多いF35Aが必要だ。ところが、F35A配備の予算でF35Bを買うのではないか、という懸念が持ち上がっている。さまざまな論争にもかかわらず、むしろ軽空母配備論が加速しているのは、文在寅(ムン・ジェイン)大統領のせいだという話が絶えない。青瓦台(韓国大統領府)が、「日本の軽空母より韓国のものの方が大きいということを積極的にPRすべき」と言った、という話も聞かれる。冷徹に分析、推進すべき戦力増強すら反日の政治論理の影響を受けているのではないかと懸念される」

     

    韓国で、軽空母建艦論が高まっているのは、文大統領に原因があるという。文氏が、反日を意識して、「日本に負けるな」と煽っているのだ。だから、日本よりも大きい「3万トン」を目標にしている。この大統領では、韓国の運命は危ない。経済合理性を考えていないからだ。

    a0960_008531_m
       


    中国の習近平国家主席は、後代の歴史家にどのように評価されるだろうか。「民族主義者」習近平は、国力を無視して米国へ挑戦して退けられ、急速に国力を消耗したと記されるであろう。現実に、中国が真っ正面から米国にぶつかっても、勝てる相手でないのだ。「速度制限」を大幅に上回って疾走してきた中国が、速度制限にゆとりを持たせて走っている米国に、耐久レースで勝てるはずがない。本欄は、米中関係を本質的にこのように見る。

     

    『日本経済新聞』(8月8日付)は、「米怒らせた中国 外交に変化の芽 」と題する寄稿を掲載した。筆者は、豪ロウイー研究所シニアフェロー リチャード・マクレガー氏である。豪紙『オーストラリアン』を経て、英紙『フィナンシャル・タイムズ』で北京、上海支局長を経験した。

     

    米国をはじめ多くの国々との関係が悪化する中国の指導部は、疑問を抱き始めているだろうか。表面的には、習近平(シー・ジンピン)国家主席らが軌道修正し、野心的な外交目標を後退させている兆候はみえない。

     

    (1)「中国人民解放軍のシンクタンクである中国軍事科学院の周波・名誉フェローは7月27日、香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』に寄稿した。周氏は米国との対立を、中国の「平和的」な発展への「逆風」とみているようだ。ポンペオ米国務長官は723日、演説し、米国は国際秩序を転覆させようとする中国の試みをもはや容認しないという姿勢を示した。中国は周氏のような論調を示し、厳しい対中批判をかわそうとしているようだ。中国の学者らの間には以前から、強引な外交・軍事政策によって米国を挑発していると習氏を批判する声が上がっていた」

     

    中国にとって「不運」なのは、新型コロナウイルスがパンデミックとなって世界に甚大な悪影響を与えたこと。もう一つ、香港に国家安全維持法を導入して「一国二制度」を破棄したことだ。これは、従来の中国イメージを一変させた。「何をするか分らない中国」というイメージを欧州に植え付けたのだ。

     

    欧州は、これまで米国と距離を置いて、中国への「親近感」を持ってきた。それが、パンデミックと香港問題で一変した。米国との距離を縮めて対中共同作戦を取るに至ったのだ。

     

    こういう海外における対中姿勢の変化は、中国国内の「習近平反対派」を勇気づけるであろう。中国経済が悪化すればするほど、「習批判」が高まっても可笑しくはないのだ。

     


    (2)「かつて改革開放にカジを切った鄧小平氏は、爪を隠して力を蓄える「韜光養晦(とうこうようかい)」という対外政策だった。習氏への批判派は、控えめな外交路線を貫くほうが、中国の国益にはるかにかなうと考えているようだ。中国のような大国が低姿勢を保つのは不可能なのかもしれないが、批判派は習氏を名指しせず、鄧氏の路線を持ち出して隠れみのにしようとしているらしい

     

    習氏は、実父と鄧小平の関係が悪かったことから、鄧小平を低評価する悪いクセがある。国家指導者としての器量は、鄧小平が断然、習近平を上回っている。鄧小平が健在であれば、現在のような米中関係になっていなかっただろう。

     

    (3)「中国の外交官らが他国に攻撃的な言動をする「戦狼外交」は、一時期に比べ鳴りをひそめているようだ。中国が新型コロナウイルスの感染拡大の危機から脱しつつあった時期、多くの国から激しい反発を受けたため、外務省の「戦狼」は頭を垂れておとなしくしているとみられる」

     

    「戦狼外交」(注:他国への戦闘的発言)は、世界の反感を買った。中国外交部に根拠のあやふやな「ウソ情報」を流させたところに、習近平氏の狭量さが見て取れる。子どもじみた発言だったのだ。習近平氏が、偉大なる指導者であれば「戦狼外交」などさせるはずがない。自ら、視野の狭い民族主義者であることを証明した。

     


    (4)「中国人民解放軍の戴旭氏は対外強硬派の論客とされるが、最近の寄稿で、中国が米国と比べた自らの弱点を認識して行動することを提唱している。戴氏はトランプ米政権の不安定で一方的な外交、特に貿易政策への不支持が広がっているにもかかわらず、米国と対立する中国の友人が増えるわけではないことに注目する。中国とともに、反米同盟を結成しようと名乗りを上げる国はないと論じた」

     

    パンデミックに巻き込まれている各国が、中国の味方になるはずがない。各国とも、中国へ賠償金を請求したいほどである。中国は、これで大きな借りができた。中国外交の制約条件となったのだ。

     

    (5)「戴氏は、中国が(米国の)ドアをたたき「米国を追い越し、米国に取って代わり、世界一になる」と声高に宣言すべきではないとも警告している。中国が先走っていることを認めているようだ。戴氏は、中国は日本に目を向けるべきだという。日本は中国よりも、他国に追い抜かれそうな米国の不安をよく理解しているとみているのだろう。貿易問題で米国の圧力にさらされている中国の政府高官は近年、米国への対処法について、日本の関係者に助言を求めているようだ」

     

    米中関係が悪化すると、中国は不安になって日本へ接近する。これまでの例が、それを示している。日本に、米国への仲介を頼むためである。ただ、これは日本を利用する、便宜的なものに過ぎない。日本と真の友好関係になろうと考えていないのだ。尖閣諸島への中国の姿勢を見れば、それは明らかである。中国の日本への「ニーハオ」は、つくり笑いに過ぎない。それを忘れると大変な目に遭うだろう。

     


    (6)「日本には貿易摩擦で米国の圧力をかわすために使った手法があるが、中国への重要な助言は「米国を怒らせるな」ということだろう。もちろん日本と中国は異なる。日本は(軍事面などで)米国に保護される立場でもあり、不利な立場に置かれていたといえる。中国にこうした制約はない」

     

    日本は、太平洋戦争で米国を怒らせた代償で原爆を浴びた。米国は、「ヤンキー精神」(開拓者精神)であることを忘れると大変な事態を招くのだ。

     

    (7)「中国は日本よりはるかに大きく、軍はより強大で、政治体制は西側に対する強力な敵愾心に根差している。中国の野心や鉄の規律などが、軌道修正を難しくしている。中国は既に「米国を怒らせてしまった」ため、現状の変更は容易でないだろう。米国だけでなく、歩調を合わせた世界の中国への反発が、当面続くことは確実だ。中国に友好国がなくなる懸念はあっても、各国の反発が、中国の行動に影響を及ぼすかどうか定かではない」

     

    中国は、すでに先進国をすべて敵に回してしまった。今さら、「ごめんなさい」とも言えないであろう。中国を救う道は、習氏が引退することに尽きる。中国が、保護主義を守って世界を敵に回せば、亡国の道へ通じるであろう。

    a0960_008567_m
       

    韓国大統領府主席秘書官など6人が、一度に文大統領へ辞表を提出した。理由は、自らが住宅値上がり益に預かった責任をとる、というもの。なんとも締まらない話だ。住宅政策がことごとく失敗したのは、購入規制を掛けて住宅供給面に配慮がなかったからだ。この結果、住宅対策を発表するたびに、住宅が値上りする事態を招いた。この住宅対策は、20回に及んだという。学生運動家上がりで、専門知識もない大統領主席秘書官には荷が勝ちすぎのである。

     

    『ロイター』(8月6日付)は、「ソウル住宅価格高騰、遠のく中流の夢と高まる政権批判」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国では2月、新型コロナウイルスの感染拡大により失業率が跳ね上がったにもかかわらず、インテリアデザイナーのベク・ソンミンさん(35)は妻に看護職を辞めるよう頼んだ。マンション購入という長年の夢をかなえるためだ。高騰する不動産価格を冷やすため、政府は一連の措置を導入。この措置を受けベクさんは、妻が年収5800万ウォン(約500万円)の仕事を辞めればマンションを買える確率は高まると考えた」

     

    住宅購入の所得制限をクリアするべく、妻に仕事を辞めさせることまで考えるとは、異常である。いかにも左派が考えやすい安易な手法だ。それよりも住宅供給を増やせば需給バランスが取れる、という基本原則を忘れていた。

     

    (2)「政府は低所得の「新婚」夫婦が住宅を入手しやすくなるよう、新規開発物件の購入に割当制度を導入した。ベクさんは、妻の収入をしばらく無くすことで、この制度の応募要件を満たす水準まで2人の合計年収を下げようと考えた。だが結局、ベクさん夫妻は職場のあるソウルから西に2時間の仁川に居を構えることに決めた。住宅ローンの借り入れ規則がソウルより緩く、物件価格もはるかに安いからだ。「ソウルの住宅価格は、とても手が届かなくなった。仁川くんだりまで行かなければ住居を買えなかった」とベクさん。「政府はローン規制によって私たちの夢を粉々にし、住宅を買うなと言うようなものだ。頭にきた

     

    ローン規制とは、中国からヒントを得たのであろう。発想法が、市場経済原則でなく、社会主義原則の中国を真似していたことが分った。住まいの恨みは、文政権にとっては手痛い失敗になった。

     


    (3)「文在寅(ムン・ジェイン)政権が20を超える住宅価格鎮静化策を導入したにもかかわらず、調査会社ナンビオによると、ソウルの住宅価格は2017年以来、50%以上も上昇した。上昇スピードは世界一だ。これにより、多くの若い家族の夢は砕けた。韓国経済の発展を支えてきた「中産階級」入りが、手の届かない夢になった可能性もある。進歩派の文大統領は2017年の就任時、全国民に平等な環境を提供し、一生懸命に働けば家族を養い、家を買える社会を実現すると誓った」

     

    過去3年で、ソウルの住宅価格は50%もの値上りである。これでは多くの若い家族が住宅を購入できずにいたはずだ。投機抑制には、住宅供給増と金利引上げを並行すべきであった。不況下で利上げできぬ状況とは言え、住宅ローン金利を操作するなど、きめ細かい手を打てたはずだ。

     

    (4)「しかし、LTV(不動産価格に対する借入金比率)を大幅引き下げる住宅ローン規制の強化と、投機抑制のためのさまざまな税制措置を導入した結果、家賃も上がり、求められる頭金の額も増加。こうした政策で救おうとした人々を害する結果になっている。ソウルの規制では、借り入れ上限が住宅価格の40%と定められている。「金のスプーン」をくわえて生まれた金持ちの子供は現金で家を買えるが、「汚れたスプーン」の子供は二級市民から抜け出せず、文大統領が取り組むと約束した格差をさらにあおるだけだ、との批判も出る」

     

    住宅供給が増えない状況で、住宅ローン規制を強化すれば、住宅はますます希少価値となって、思惑だけで住宅価格は高騰して当然だ。こういう微妙な消費者心理を読めなかったのだ。

     


    (5)「弁護士や税理士への取材によると、持ち家の「階段」を上るためにわざと所得を削る計略のほか、書類上は離婚して不動産税を減らしたり、結婚届を出さず夫妻がそれぞれ住宅購入を申請できるようにしたりするなど、市民はあの手この手で住宅購入を試みている。新型コロナ対策が成功し、一時は支持率が急上昇した文大統領だが、6日発表の世論調査によると、経済政策への怒りから支持率は44.5%と、約9カ月ぶりの低水準に下がった。

     

    下線分は、中国の市民がやっていた手段と瓜二つで驚く。仮装離婚したが、それが「本物離婚」に利用されたなど、中国の巷で話題になったものだ。韓国でも同じようなことが行なわれている。この中韓民族には、実に共通点があって興味深い。韓国市民の住宅にまつわる悲話は、文政権への不信感となる。

    テイカカズラ
       


    韓国政治が狂っている。国民の苦しみを解決せず、政府高官は自らの利益確保を求めて狂奔しているのだ。日本から見れば、「韓国は自壊する」と思わざるを得ない。自らの利益を考えず、国民から負託された任務を全うする。そういう「武士(もののふ)」は、韓国にはいないようだ。韓国の官僚制度は、近代官僚制ではなく封建官僚制そのもの。悲劇の原点はここにある。ルール通りの行政を行なう近代官僚制に対して、韓国は恣意的行政を行なう封建官僚制なのだ。

     

    『朝鮮日報』(8月8日付)は、「複数住宅の青瓦台参謀たちが辞意、マンションではなく公職を手放すのか」と題する社説を掲載した。

     

    盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領秘書室長と青瓦台(大統領府)秘書室所属の大統領首席秘書官5人が昨日、一斉に辞意を表明した。姜ギ正(カン・ギジョン)政務首席秘書官、金照源(キム・ジョウォン)民情首席秘書官、尹道漢(ユン・ドハン)国民疎通首席秘書官、金外淑(キム・ウェスク)人事首席秘書官、金巨性(キム・ゴソン)市民社会首席秘書官だ。青瓦台は「最近の状況について総合的に責任を取るという意味だ」と述べた。

     

    (1)「これら大統領参謀たちが辞意表明で責任を取るという「最近の状況」とは、不動産政策の失敗に伴う民心離反と、大統領支持率・与党支持率の下落だ。不動産政策失敗の責任を取るための辞意だというなら、金尚祚(キム・サンジョ)政策室長と李昊昇(イ・ホスン)経済首席秘書官がまず辞意を表明するべきだった。直接責任がある経済副首相や国土交通部長官が退くという話もない。根本的な不動産政策の基本路線は変えずに、一時的に世論だけをなだめようとしているものだ」

     

    不動産高騰の行政責任を取るならば、直接の政策担当者でなければならない。ところが、最高責任者の経済副首相や国土交通部長官は辞任しない。今回の5人の主席秘書官辞任申し出には、別の理由があった。

     


    (2)「今回辞意を表明した首席秘書官5人のうち3人が複数住宅所有者だ。ソウル・江南のマンションを2物件保有している民情首席秘書官は1物件を処分すると言いながら、相場より高い価格で売りに出して世論の批判を浴び、急きょ撤回した。青瓦台は「不動産取引は男性にはよく分からない場合がある」と言った。売るそぶりは見せたが、ばれると妻を言い訳にしたのだ。今回の辞意で民情首席秘書官は江南のマンションを売らなくてもよくなった。結局、マンション売却を拒否して首席秘書官の職を放り出したということなのだろうか。辞意表明の記事の下には「権力は短く、江南のマンションは永遠だ」というコメントが書き込まれた。結局、今回の一斉辞意表明は青瓦台のポスト(職)を放り出してマンション(家)を選択した参謀たちによる国民欺まんショーに過ぎない」

     

    5人のうち3人は、大統領府からの高官による複数マンション所有禁止令に反して、所有し続けるという意思表示で、主席秘書官を辞めるものらしい。「(職)を放り出してマンション(家)を選択した参謀たち」というのが真相だという。

     

    (3)「今、民心が激怒しているのは不動産問題だけではない。今年4月の総選挙での勝利以降、現政権が見せている暴走ぶりに、国民は首を横に振っている。総選挙圧勝に酔いしれている与党は、ひたすら力だけで押し通している。与党の国会常任委員長独占、補正予算案単独処理、長官聴聞会無視、あらゆる法案手続き・討論省略などが相次いでいる。まるで国が自分のものであるかのように行動しているのだ。参謀をかえる前に、大統領の考えからまず変えなければならない。ごう慢と独走の国政運営をまず止めなければならない。そうしないと、いくら世論をなだめようと青瓦台改編をやっても、背を向けた民心は戻らないだろう」

     

    韓国政治は、漫画そのものだ。進歩派を名乗っているが、実態は「我利我利亡者」の集団である。夜盗が天下を取って、好き勝手にやっている構図だ。その夜盗が、「民主主義」だとか「公正」などと聞いた口をきくから、腹を抱えるほど可笑しく、かつ最後に侘しい気持ちにさせられるのである。

     


    法務部長官(法務大臣)は、さらに上を行くから恐ろしい。検察に「紅衛兵」をつくって、文政権腐敗隠しに懸命である。司法が、時の権力の「防衛隊」に成り下がった。検察が、「正義」を実現する場所ではなくなったのだ。

     

    『朝鮮日報』(8月8日付)は、「政権紅衛兵検事の昇進祭り、秋美愛式の法治破壊人事」と題する社説を掲載した。

     

    (3)「韓国大統領府(青瓦台)と韓国法務部(省に相当)が7日に断行した検察の幹部人事で、政権紅衛兵の役割を果たしてきた検事らが大挙昇進し、核心要職を次々と自分たちの手中に収めた。今年1月まで権力に対する捜査を行ってきた検事らを人事虐殺したのに続き、今回は数少ない「真の検事」たちまで一気に追い出したのだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長は秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の側近グループによって完全に包囲され、孤立無援状態に陥った。

     

    尹錫悦検事総長は、文大統領が指名した人事である。権力になびくと期待していたが、政権の腐敗に切り込む「正義の士」と分るや一転、追い出しにかかるという醜い姿をさらしている。文大統領は、その悪役を秋法務部長官にさせているのだ。日本では考えられないこの「醜悪」ぶりは、韓国政治の未成熟をそのまま晒している。

     


    (4)「検察4大要職」と呼ばれるソウル中央地検長、検察局長、大検反腐敗部長、大検公共捜査部長はいずれも湖南(全羅南北道)出身者が独占し、検察局長は3人連続で全羅北道出身者が占めた。それでも「出身地域などを反映したバランスの取れた人事」と自画自賛している。国民を完全にばかにしているのだ。秋長官は今回の人事においても「検察総長の意見を聞いて検事の補職を提請する」と定められた検察庁法に違反し、尹総長から形式的に受け取った「推薦」の意見はことごとく無視した。この程度の違法行為は今や平気で行うようになったのだ」

     

    検察人事は、検察庁に任せるもの。韓国では法務部長官が、自らの思惑で行なっている。今回の人事は、検察総長を辞任へ追い込む嫌がらせ人事とされている。政権が、「検察紅衛兵」をつくって政権を守らせる。この状態は、まさに権力腐敗の頂点である。「革命」が起こっても不思議がないほどの乱れた政治に落込んでいる。

     

     

     

     

    このページのトップヘ