勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 経済ニュース時評

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    韓国のGDPは、7~9月期が前期比1.9%増と3期ぶりにプラス成長になった。これに気を良くした洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は、「経済正常化に向けた回復軌道に入った」と発言。まだ、1年前に比べたGDPは1.3%減である。パク・ヤンス韓国銀行統計局長は、「V字反騰ではない」クギを刺しているほどだ。

    洪楠基経済副首相は、これまでも楽観論を口にしており、国民の不満は根強い。洪氏への信頼感は地に墜ちている。それを象徴するように、「洪楠基副首相兼企画財政部長官の解任を強く要請する」という、韓国大統領府の国民請願に対する同意が28日、21万人を超えた。経済の指令塔に対して20万人もの国民が、「解任すべき」と請願するのは洪副首相が初めてという。

     

    写真で見る洪氏の印象は、極めて楽観的に物事を見るタイプのお人柄のようだ。緻密に経済データを分析して行く官僚型ではなさそう。それだけに、放言・失言は「毎度」という感じを受ける。国民から嫌われている点はそこであろう。

     


    『中央日報』(10月29日付)は、「『解任請願』21万人、こんな経済副首相はいなかった」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「これまでの経済副首相や企画財政部長官は「専門性に基づく揺るがない独自のリーダーシップ」という軌道を維持してきた。政治的な影響と非専門的な入れ知恵に対して所信に基づく対応を見せるのが基本だった。しかし、洪副首相は災難支援金給付決定、財政健全性論争などでみられるように、青瓦台・与党の言いなりになることが多かった。延世大のヨン・ガンフム経営学部教授は「今の洪副首相は自分の声を出すよりも、青瓦台や与党が要求することを執行するだけのようだ」と指摘した」

     

    洪副首相の最大の欠点は、経済専門家として失格発言を連発していることにある。政府・与党のロボットであり、「イエスマン」に過ぎないという不満である。

     

    (2)「市場と認識の乖離も信頼を落とす要因だ。いわゆる「伝貰(チョンセ、契約時に一定の金額を賃貸人に預け、月々の家賃は発生しない不動産賃貸方式)物件不足」が深刻化する状況で「伝貰価格の上昇幅が鈍化している」(14日)、「伝貰物件の取引が増えた」(18日)などと発言し、ひんしゅくを買った。洪副首相本人が「伝貰難民」になるという事実まで伝えられ、世論の批判と嘲弄はさらに強まった。新型コロナのため今年9月に就業者数が前年同月比で39万人減少したという統計が発表された16日にも、洪副首相は「10月から雇用市場が回復するはず」と楽観的な発言をした」

     

    韓国の経済失政の一つは、住宅価格の高騰である。いわゆる「伝貰」という韓国独特の家賃が急上昇しており、「住宅難民」が出る騒ぎとなっている。この家賃急騰への対策を間違えており、洪氏自らがその被害者になったといわれているほど。住宅価格高騰で大儲けした政府高官がいるとされている中で、洪氏は「失敗組」に数えられている。

     


    (3)「任命初期から続いている「パッシング」の声も負担だ。今年7月、開発制限区域(グリーンベルト)について洪副首相が解除を検討する可能性に言及したが、翌日、国土交通部次官は「検討しない」と否認した。結局、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「グリーンベルトは保全する」と述べて一段落した。不動産政策のほか、税制改編案、各種マクロ・財政政策でも洪副首相の主張が黙殺されたり覆されたりする事例が多かった」

     

    経済副首相というポストは鬼門である。文大統領自身が間違った経済政策を撤回しないので、そのしわ寄せは経済副首相のところへ集中する格好だ。

    (4)「『更迭説』『パッシング』の声が出るたびに、文大統領は「今後も頑張ってほしい」(3月13日)、「力強く進めてほしい」(7月21日)など力を与える発言をした。しかし、洪副首相が政策決定過程で実際に主導権を発揮した事例は少ない。漢陽大のキム・テユン行政学科教授は「個性の強い政治家出身者を傘下の経済部処長官に座らせておいて、副首相は調整に限界がある人物を任命した」とし「結局、調整をするなという話であり、洪副首相個人の限界もあるが、任命権者の失策も確実にある」と述べた」

     

    文大統領は、洪副首相を信頼している。これまで報じられた更迭説を、覆してきたのは文氏の信任が厚い結果であろう。この両者は、「同病相憐れむ」であろうが、国民が最大の被害者である。

     

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    事前合意はアフリカ出身者

    WTOに全力投球した裏

    韓国の深慮遠謀を見抜く

    日本を黒幕視する敗北感

    反日・甘えの構造とは?

     

     

    韓国が、総力を挙げて当選を目指してきたWTO(世界貿易機関)事務局長選の最終選考において、韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長の敗北が決まった。EU(欧州連合)27ヶ国が、韓国のライバル候補であるナイジェリア元財務相のオコンジョイウェアラ氏を支持することで合意した結果だ。

    『共同通信』(10月29日付)は、次のように伝えた。

     

    WTOは28日、事務局長選で最終選考に残った2人の女性候補のうち、ナイジェリアの元財務相のオコンジョイウェアラ氏が、韓国の兪明希・産業通商資源省通商交渉本部長を上回る支持を得ており、次期トップに推薦されたと明らかにした。オコンジョイウェアラ氏が事務局長となるには、一般理事会で承認される必要がある。ただ、韓国側が反対姿勢にこだわればトップ選びが長期化する可能性もある。この日の加盟国代表会合では、日本、中国、欧州連合(EU)などはオコンジョイウェアラ氏の選出に賛成を表明し、米国のみが兪氏支持を明言した。

     

    以上の記事で、WTO事務局長選は決着がついた。

     

     

    WTO加盟国は164ヶ国である。地域別の内訳は次のようなものだ。

    アフリカ   44カ国

    欧州     37カ国

    アジア太平洋 49カ国

    中南米    31カ国

    北米      3カ国

     

    事前合意はアフリカ出身者に

    WTO事務局長選は、単純に票数では決められず、米国、EU、中国、日本などの最終意見を聞いて決まるという。ただ、票数が基盤になることは当然であろう。これを頭に入れて兪明希氏とオコンジョイウェアラ氏の票数を占うと、だいたいの見当がつくのだ。

     

    オコンジョイウェアラ氏は、アフリカ44ヶ国とEU27ヶ国が基礎票である。これだけで71票になる。WTO加盟国は164ヶ国であるから半数は82ヶ国だ。オコンジョイウェアラ氏は、基礎票71票にあと12ヶ国の支持を積み増せば過半数の83票になる。オコンジョイウェアラ氏は、数日前に79票を確保したと話したが、決して過大に言っていなかった訳だ。

     

    今回のWTO事務局長選の前に、「次の事務局長はアフリカ出身で女性」がコンセンサスになっていた。最終選考に残った二人の候補者は、いずれも女性である。そういう意味では、事前のコンセンサス通りに選考が進んでいる。

     

    韓国大統領府が、事前コンセンサスの「アフリカ出身で女性」を理解していなかったとは思えない。韓国出身者が、過去2回のWTO事務局長選に立候補して、あえなく第一次選考で敗退している。今回は、二次選考をパスし最終選考二人の候補の中に残っただけに、「あるいは勝てるか」という希望を膨らませたのであろう。

     

    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、これまで約90カ国と電話首脳会談をしたり親書を送ったりして「兪明希支持」を訴え、総力戦を繰り広げてきた。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官も外交チャンネルを通じて支持を訴えてきた。康長官は、「毎日、電話での依頼が仕事である」とぼやくほど、韓国の外交網を総動員した。

     

    WTOに全力投球した裏に

    韓国政府が、これだけ熱意を込めてWTO事務局長選を支援した理由は何か。

     

    第一は、文政権が就任以来、何らの業績も上げていないという実態がある。

    経済面では、最低賃金の大幅引き上げが雇用を破壊した。生産性を上回る大幅な賃金引き上げが、解雇者を増やして、最賃引上と真逆の結果をもたらした。

     

    外交面では、日韓外交が最悪事態に落込んでいる。文氏が大統領就任によって「反日政策」を矢継ぎ早に行った結果である。米韓同盟も軋んでおり、米国の主導する「インド太平洋構想」にも中国の鼻息を気にして、曖昧姿勢をとっている。このまま進めば、文在寅氏は何一つ業績のない大統領という刻印を押される。それを覆すには、WTO事務局長選で勝ち抜いたという「宝物」が不可欠である。韓国の国格を引上げると考えているからだ。

     

    韓国政府のWTO事務局長選支援チーム・トップは、大統領府の金尚祖(キム・サンジョ)政策室長が当った。金氏は、外交部によるサポートを康京和(カン・ギョンファ)長官に要請。康長官は「(当然のことであり)要請までする必要はない」とやり返すほどだった。このやり取りの中に、文大統領がWTO事務局長選に最大の関心を寄せていたことを物語っている。政権浮沈の鍵が、WTO事務局長選にあったことを示している。

     


    第二は、韓国がWTO事務局長ポストを手に入れれば、日本との紛争において極めて有利な立場になることだ。韓国が提訴している「半導体3素材の輸出手続き規制強化」撤廃は、安全保障上の問題であり、日本の手続き規制は正しいというのが米国の立場だ。だが、韓国がWTO事務局長に当選すれば、韓国に有利な判断を出せる立場になるのだ。

     

    韓国は、福島県産ほかの海産物について、WTOで「風評被害」という雲を掴むようなことを根拠に、日本に不利な輸出禁止条件を科すことに成功した。科学データで無害が立証されながら、WTO上級審を煙に巻いて輸入禁止措置を合法化させたのだ。こういう「奇襲作戦」が、韓国の特技である。WTO事務局長が韓国出身者になれば、いかなる奇策が罷り通るか分らないリスクを発生させる。日本として、韓国出身WTO事務局長を避けたいのが本心であろう。(つづく)

     

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    ドイツ外相が、世界秩序へ挑戦する中国に対して欧米は、正しい付き合い方をしなければならないと発言した。来年は、メルケル首相辞任が予定されているので、「ポスト・メルケル」を見すえて積極的外交政策を展開する前兆であろう。

     

    ドイツ政府は92日、インド太平洋地域は「外交政策の優先事項」と位置づけ、地域との関係強化を正式に表明した。地政学的な権力構造の変化が、ドイツに直接影響を及ぼすことなどを理由にあげている。「ドイツ・ヨーロッパ・アジア:21世紀を共に形作る」と題された政策ガイドラインは9月2日に閣議決定された。ドイツが、「インド太平洋地域の国際秩序の形成に積極的に貢献する」ことを目的とするもの。

     

    へイコ・マース外相が先の記者発表で、「インド太平洋地域がドイツの外交政策の優先事項である。インド太平洋という重要な地域との関係を強化し、多国間主義、気候変動の緩和、人権、ルールに基づく自由貿易、コネクティビティ、デジタル交易、特に安全保障政策の分野で協力を拡大する」としている。また外相は、インド太平洋は「国際秩序の形が決まる場所であり、強者の法に基づくのではなく、ルールと国際協力に基づくものだ」とした。

     

    ドイツが、このようにインド太平洋問題に積極的に関わる姿勢を見せたことは、中国にとって不気味であろう。EUが、一丸となって中国へ対抗する姿勢をみせているからだ。次の記事は、NATO(北大西洋条約機構)は、自主的に防衛費を増やし中国へ対抗すべきと示唆している。これで、米国の負担を軽減させ、欧米が真のパートナーになるべきという。注目すべき内容である。

     

    『大紀元』(10月28日付)は、「米欧関係の将来、中国との付き合い方にかかっているー独外相」と題する記事を掲載した。

     

    ドイツのハイコ・マース外相は11月3日の米大統領選を控え、米大統領選でどちらの候補が勝っても、対中問題において、米EU間の大西洋横断パートナーシップは維持しなければならないと述べた。また、将来の米欧関係は、中国との正しい付き合い方にもかかっていると主張した。

     

    (1)「マース氏は10月25日、独紙『ディ・ヴェルト日曜版』に寄稿した。同氏は中国問題について、米欧関係の将来は中国問題にどう対処するかにかかっており、米欧間の相違を解消して、力を合わせて対応すべきだとした。マース氏は、ドイツ政府が新大西洋アジェンダの新たな5つの提案を、米大統領選後にワシントンに提示すると述べた」

     

    トランプ氏はこれまで、NATOは防衛費を対GDP比2%以上に引上げるように勧告してきたが、ドイツが積極的にこれに応じる姿勢のようだ。これまで米独関係は悪化していたが、「ポスト・メルケル」では米独が緊密化する場面ができるのだろうか。

     


    (2)「マース氏は、「欧州主権」を訴え、欧州は独立性を維持する必要があると述べた。「必要に応じて独立して危機に対応する」ことを欧州は主眼とするべきだが、これは大西洋パートナーシップの後退を意味するものではないと強調した。安全保障上の利益を独自に守る努力をする欧州だけが、米国にとって魅力的なパートナーだとした。マース氏は、欧州各国は米国の国際問題への関与を減らすことに備えなければならず、米国のこの姿勢は大統領選の結果によって変わることはないとした」

     

    NATOは、いつまでも米国の負担で存在するのは限界があるという認識である。米国に過重な負担を強いることなくNATOが、「必要に応じて独立して危機に対応する」心構えを主張している。これまでの米国による「おんぶにだっこ」を是正すべきという主張だ。それが、中国に対する正しい戦略をもたらすという意味でもあろう。

     

    (3)「欧州は、欧州における共同防衛能力の構築に引き続き注力すべきだとした。今こそ大西洋横断パートナーシップ関係が再開される時だ。北京とモスクワ、テヘランと平壌は、私たちの対立を利用している」とマース氏は語った。さらに、米欧が中国に対処する積極的な方法として、人権や公正な貿易、強制的な技術移転や国有企業(補助金問題)への対応など、新しい基準を設定することを提案した

     

    米欧が、中国に対して次のような基準を設けた提案をすべきとしている。

    人権

    公正な貿易

    強制的な技術移転

    国有企業への補助金問題

     

    米欧は、これらの基準を設けて中国へ共同の要求を出すべきとしている。これまでは、米国が一国で中国と交渉してきたが、今後は米欧が一体になって対応すべきというのだ。中国にとっては、逃げ場がなくなる。

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    中国は、GDP統計ですら改ざんする国である。中でも出生データは誤魔化しのし放題である。合計特殊出生率(一人の女性が生涯に生む子どもの数)は、国際統計でも噓の数字を掲載している。2018年は臆面もなく「1.69」と記載した。中国は、出生データを誤魔化している。中国の国力が、外部からのぞき見されるためである。自らの弱点を隠しているのだが、無駄なことである。2019年の正しいデータは、末尾に記載した。

     

    中国が人口データを水増ししているとの主張を裏付けるため、次の出生と入学のデータの相違を挙げたい。例えば2000年の新生児は統計局によると1771万人だったが、2014年の中学入学者(14歳)はわずか1426万人だった。14年間で345万人が「死亡」したことになる。2000年の乳児死亡率3%前後である。約43万人に過ぎない。となると、約300万の差は説明できないのだ。結局、最初から生まれていなかったことになる。

     


    『大紀元』(10月28日付)は、「中国の高齢者人口、5年内に3億人突破」と題する記事を掲載した。

     

    中国民政部(省)養老サービス司の李邦華副司長は10月23日の記者会見で、2021~25年までの5年間、中国の60歳以上の高齢者の人口は3億人を超えると明らかにした。同氏は中国の高齢化が急速に進んでおり、当局の「養老サービスが一段と厳しい局面に直面する」と示した。

     

    (1)「中国の民間シンクタンク、恒大研究院は今月、出産調査報告書、「中国生育報告2020」を発表した。同報告書は、2021~25年にかけて、中国の人口は「マイナス」になると予測した。また、2022年に、総人口に占める65歳以上の国民の割合は15%以上となり、33年には同割合が20%以上に達し、中国は超高齢化社会に突入すると指摘した」

     

    民間シンクタンク恒大研究院の報告書によれば、2021~25年にかけて、中国人口は減少過程に入る。これまでの人口推計では、2028年の14億4200万人をピークに減少に転じる見通しであった。これ以降、中国の「苦難の時代」に直面すると予想されていた。それが、最新の人口推計では、かなり繰り上がる見通しが強まっている。2022年には、総人口に占める65歳以上の国民の割合は15%となり、中国が「高齢社会」(14%以上)に入るのだ。「高齢化社会」は65歳以上が7%以上である。「高齢社会」の中国が、世界覇権を狙うというのだ。80歳のお年寄りが、エベレストに登頂するようなもの。不可能である。

     

    (2)「同報告はさらに、「日米韓などの各国では、総人口に占める高齢者の割合が12.6%に達した時、1人当たりの国内総生産(GDP)がすでに2万4000ドル(約251万円)を上回った。これに対して、中国の1人当たりのGDPは1万ドル(約105万円)程度にとどまっている。これは、中国社会は、豊かになる前に老いるという深刻な状況に陥っていることを反映している」との見解を示した」

     

    総人口に占める高齢者の割合が12.6%に達した時、日米韓1人当たりの名目GDPは、2万4000ドル(約251万円)を上回った。中国の1人当たりの名目GDPは、約1万ドル(約105万円)に過ぎない。この差は大きい。習氏は、この現実に目もくれずに「中華の世界」を夢見ている。不可能なのだ。

     


    (3)「中国問題専門家の薛馳氏は、以前の大紀元とのインタビューで、中国当局が今まで厳しく実施してきた「計画生育(出産)政策」が、人口構造のアンバランスを招いた最大の原因だとした。また、当局が伝統文化を破壊したため、家族間で高齢者を扶養する伝統的な考え方がなくなり、「政府が高齢者介護サービスの課題を解決しなければならなくなった」。しかし、「中国当局は年金制度や社会福祉への財政投入が非常に少ないのが現状」と同氏は批判した」

     

    中国は1979~2014年までの一人っ子政策に馴れきってしまった、一人の子どもにたっぷりと教育費をかける生活が定着しており、「二人以上の子ども」を持つ気持ちは消え失せている。こどもが減れば「高齢化」の進行を早める。2017年の65歳以上の高齢者は1億5847万人となり、人口の11%に達した。2022年には「高齢社会」へ移行する。中国社会にこれを受入れる準備がないのだ。最大の悲劇はここにある。

     

    (4)「近年、中国では少子高齢化が進んだため、生産年齢人口や人口ボーナス(総人口に占める働く世代の割合が増え続けて、経済成長が後押しされること)が激減した。中国当局は出生率の上昇を促そうと、2016年「二人っ子政策」の実施を決定した。しかし、一般市民の多くは、住宅ローン、医療費、教育費などの負担が大きく、「産めても養えない」との不安を抱いている。このため、同政策の効果は限定的だ。2019年、中国本土の合計特殊出生率はわずか1.048%だった。1949年以来の過去最低を記録した

     

    2019年の合計特殊出生率は、わずか「1.048」である。初めて秘密のベールが剥がされたのだ。国際統計では、前述の通り「1.69」(2018年)である。中国当局は、大嘘の数字を発表している。これほど噓にまみれた国家も珍しい。

     

     

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    韓国では物事がうまく行かない場合、必ず誰かに責任を擦り付けるクセがある。今回のWTO(世界貿易機関)事務局長選の決戦投票で、韓国候補の産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は、敗色濃厚になってきた。その原因は、日本が反対運動をしたからだと非難の矛先を向けている。

     

    WTO事務局長選を大きく左右したのは、EU(欧州連合)27ヶ国が結束して、ナイジェリア元財務相のオコンジョイウェアラ氏を支持することで合意したからだ。この大票田が、アフリカ候補支持で決まった以上、大勢に影響を与えたのだ。日本を逆恨みすることはない。

     

    『朝鮮日報』(10月28日付)は、「文大統領が兪明希氏にテコ入れしていたのに

    U27カ国はナイジェリア人候補支持」と題する記事を掲載した。

     

    文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこれまで約90カ国と電話首脳会談をしたり親書を送ったりして「兪明希支持」を訴えるなど、総力戦を繰り広げてきた。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官も外交チャンネルを通じて支持を訴えた。しかし、選挙終盤に日本が韓国に対する「ネガティブ・キャンペーン(落選運動)」に乗り出し、形勢が不利になってきている。外交関係者の間では「政府が韓日関係を管理さえしていれば、このような状況にはならなかっただろう」という声が上がっている。

     

    (1)「外信や複数の消息筋によると、EU加盟27カ国の大使たちは同日、ベルギーのブリュッセルで支持候補を決定するための会議を2回開いた。1回目の会議では一部の東欧・バルト地域加盟国が兪明希氏支持の意向を明らかにした。しかし、これらの国々は2回目の会議で大勢に従ってオコンジョイウェアラ氏を支持することにしたという。EUはWTO事務局長を選出する際、団結のため伝統的に支持候補を統一している」

     

    EUの結束力を高めるには、統一行動をすることが肝心である。WTO事務局長選でも同じこと。過去の欧州とアフリカの植民地関係から言えば、アフリカ人候補を支持するのは当然であろう。

     

    (2)「EUではどんな事案でも、二大加盟国であるドイツとフランスの意見が一致した場合、これを覆すのは難しい。ある消息筋によると、今回のWTO事務局長選出に関して、ドイツ、フランス、イタリア、スペインなど影響力が強い国々は早くからオコンジョイウェアラ氏を支持してきたという。現在までの情勢を総合すると、WTO会員国164カ国のうち、半数の82カ国を上回る96カ国前後がオコンジョイウェアラ氏を支持するものと思われる」

     

    大票田のEU27ヶ国がアフリカ候補を支持すれば、選挙の大勢に大きな影響が出るのは当然である。

     


    (3)「韓国政府は、「第2の潘基文(パン・ギムン=前国連事務総長)の奇跡」を生むとして、WTO事務局長選挙に外交資源を総動員してきた。初の韓国人WTO事務局長輩出により国の格を高め、国際通商外交力を一層強化する契機にしようという構想だった。文大統領は27日、カナダのジャスティン・トルドー首相との電話会談を含めて合計14回、電話首脳会談を行い、73カ国に親書を送った。一部では「今回の選挙に動員した外交力を北朝鮮の非核化や韓米防衛費分担金交渉、韓日徴用問題解決に使っていたら、かなりの成果を挙げられていただろう」と指摘する声が上がっているほどだ」

     

    韓国にとって、WTO事務局長ポストを射止めれば、世界における韓国の地位が上がるという思惑が働いていていた。それは、文大統領のレガシーにもなる。それだけに、文氏は必死の思いで首脳電話会談14回、73カ国に親書を送ったのだ。

     

    (4)「選挙序盤に劣勢だった兪明希氏は、青瓦台の全面的な支援に支えられ、最終的に決選にまで進出した。ところが、WTOで影響力の強い日本が最近になって「兪明希反対運動」を展開、雰囲気が変わったと伝えられている。オコンジョイウェアラ氏は親中性向を持っており、日本も好ましくは思っていないと言われている。それでも日本が兪明希氏に背を向けたのは、韓日関係と無関係ではないとみられている。韓国人がWTO事務局長を務めれば、輸出規制など韓国との貿易紛争で不利になるとの懸念が日本政府内に広がっているということだ」

     

    日本の反対で、韓国は大魚を逸したとみているが、それは間違いだろう。何と言ってもEUが、アフリカ人候補支持で結束したことが大きな力だ。韓国大統領府では当初、日本が反対したら堂々と戦うと宣言していたのである。今さら、日本の反対が原因で、WTO事務局長選で敗れたというのもおかしな話だ。

     

    (5)「日本のこのような立場は、今回のEUの支持候補決定にも一部影響を及ぼしたとの分析がある。外交消息筋は「政府は、欧州の一部の国とアフリカの特殊な関係は『常数』と見て、東欧諸国を集中的に攻略してきた。しかし、中国に続き日本までオコンジョイウェアラ氏を支持しているため、東欧側も全員一致が難しい候補(兪明希氏)にこれ以上こだわれなくなってきた」と語った。このため、「兪明希氏が落選した場合、しばらく小康状態だった政府の対日強硬路線が復活するだろう」との見通しも出ている」

     

    中国が、兪明希氏を支持しなかった点では日本と同じである。その中国には文句を言えず、日本だけに、再び強硬路線をとるという。どうぞ、ご自由にと言うほかない。

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