勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 経済ニュース時評

    a0960_005453_m
       


    世界的な投資家として知られるジム・ロジャーズ氏が、相変わらずの「日本批判・韓国絶賛」を続けている。日本中で講演したり、雑誌インタビューに答えているのだ。内容は、判で押したようなもの。日本の出生率低下、財政赤字拡大、東京五輪後の大不況などである。代わって韓国が、これからアジアのリーダーになるという。北朝鮮と統一すれば、高度成長が間違いなし、としている。すでに、大韓航空株を買い入れていると発言している。

     

    ロジャーズ氏は、1942年10月生まれだ。満76歳になる。そう言っては失礼だが、論旨に一貫していないところがあり、「大丈夫だろうか」と健康面を訝るのだ。単なる印象で喋っており、世界の著名投資家ならば、もっと綿密な調査と世界経済の展望、米朝問題の進展など、総合的な議論があって当然である。そういう精緻な議論はなく、市井の「八さん、熊さん」レベルの四方山話に止まっている。それが、健康上の懸念材料である。

     

    韓国の大韓航空株を大量に購入しているようだが、大外れになった。大韓航空が赤字に陥り人員整理を始めた。赤字の原因は「反日不買」で韓国からの訪日観光客が減ったこと。ウォン相場安で収入減・経費高を招いた面もある。韓国経済の脆弱性が全面化したのだ。

     

    米朝関係が悪化しており、南北統一問題を議論するような雰囲気でなくなった。北朝鮮のGDPは、韓国の40分の1と言われる。韓国は、この北朝鮮を財政面で支援する力がない。要するに、ロジャーズ氏は往年の著名投資家のイメージから著しく乖離しており、何かに迷い込んでしまった感じが強いのだ。

     

    『Forbes Japan』(12月12日付)は、「ジム・ロジャーズから見た日本の問題点 『日本は好きだが、日本株は持たない』」と題する記事を掲載した。

     

    世界3大投資家のひとりに数えられる、ジム・ロジャーズ。なぜ、彼には強い発言力があるのか。安倍政権の問題点や、東京2020オリンピック後の日本の景気後退など、なぜ日本は衰退すると主張するのか。

     

    (1)「ジム・ロジャーズは以前より、「安倍政権は日本を破滅させ始めた」と批判。安倍政権の負債の多さを指摘している。日本政府の借金は1100兆円とも言われており、今も借金を重ね続けている状況だ。彼は借金だけでなく、人口減少に伴う、借金を返済する人が減少していることも懸念している。日本好きとしても知られるが、現在は日本の株は保持していないという。さらに、10%へ増税となった消費増税に対しても「クレイジー」な判断だと語る。ジム・ロジャーズは、まず防衛費等の支出を大幅に抑える必要性を指摘。20年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴う大きな出費が予定されている中での増税は、日本の課題の一つである少子化にも影響を及ぼす危険性が高いのだ」

     

    日本の財政収支について、詳細な知識もなく「聞きかじり」で喋っている。国債発行残高は1053兆円(2019年6月末)である。だから、消費税を上げて国債依存度を下げる努力をしているのだ。ロジャーズ氏は、国債発行を非難し、消費増税を非難するという矛楯した発言だ。国債残高を非難するなら、消費増税を認めるべきである。防衛費縮小は、現下の国際情勢から見て不可能。中国の餌食になれと言うつもりなのか。ここら当りに、ロジャーズ氏は、投資家としての資格を疑わせるのだ。

     

    国債残高は、実額で議論するよりも対GDP比で見ると、237.13%(2018年)。だが、多額の国有財産を保有している。これを差し引いた純債務残高の対GDP比は、153.20%(2018年)に圧縮される。財政収支から国債発行収入と支払い金利を除外した、基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、マイナス2.92%(2018年)で、ひと頃のマイナス8%台から改善され、2025年には基礎的財政収支はゼロの目標だ。中国の基礎的財政収支は、マイナス3.78%(2018年)で日本よりも悪化している。

     

    (2)「日本経済の具体的な問題点は何だろうか。ジム・ロジャーズが指摘するのは、債務が増加しているにも関わらず、人口減少・少子高齢化が起き続けていることだ。厚生労働省が191126日に発表した人口動態統計(速報)によれば、19月に生まれた子どもの数は673800人。前年同期に比べ5.6%減っており、19年の出生数は30年ぶりの大幅減となる可能性があるという。女性が子供を産みたがらない環境であることや、外国人労働者にとって働きにくい環境であることをジム・ロジャーズは指摘する」

     

    韓国は、日本以上に新生児の誕生が減っている。韓国の合計特殊出生率は昨年、「0.98」で史上最悪の記録だ。今年はさらに減り「0.88」が予想されている。日本は、「1.4台」である、2025年に「1.8」へ回復させる計画を、「働き方改革」と「学費無料化」の推進で実行中である。人口問題で言えば、日本の方こそ希望が持てるのだ。

     

    (3)「ジム・ロジャーズは数々のメディアに対して、現在の関心は韓国に向けられていると述べている。なんと、韓国と北朝鮮の朝鮮半島が統一する未来が近いと予言しているのだ。韓国には潤沢な資本がある一方、北朝鮮には高い教育を受けた労働者が多数存在する。両国間の経済活動が開放されれば、大きな発展が見込めるという。また、北朝鮮の豊富な資源にも着目。金正恩はスイスで教育を受けていることもあり、経済開放に積極的に動く可能性が高いとジム・ロジャーズは見ている」

    南北統一は、北朝鮮の金正恩氏の言動を見ていれば分る通り、簡単ではない。ロジャーズ氏が、存命中に実現する可能性はゼロと見るべきである。現実の裏付けもないない状態で、韓国株を買うのは愚の骨頂に思える。まさに、博打であって健全な投資とは言えない。北朝鮮に地下資源が豊富というのが定説だが、かなりの部分は中国へ売却されているという。地下資源よりも、「知財」が経済発展の原動力である。これは、投資に当っての初歩的知識である。南北朝鮮には、それがないのだ。すべて、日本の技術に依存している。よって、仮に南北朝鮮が統一しても、日本の技術支配が続く。



     

    a0960_008407_m
       

    身の程知らずと言えば、中国から叱られようが、欧州分断を狙って工作しても無駄となろう。欧州と米国とのつながりが深いのだ。トランプ氏という「破壊型大統領」が米国に登場したとは言え、米国のルーツは欧州だ。中国は、世界的な謀略網を張巡らして優位性を狙うが、「米欧」は最後に一体になる。「血は水よりも濃し」なのだ。欧州のプライドには、アジアの成金国・中国が逆さになっても敵わないであろう。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(12月9日付)は、「中国より米国を選ぶしかない欧州」と題する記事を掲載した。

     

    NATO(北大西洋条約機構)の公式声明には、新たに重要な要素が盛り込まれた。中国について初めて言及し、中国政府の影響力拡大がもたらす課題に「同盟として協力して対処する必要がある」と明言した。文言は平凡だが、この声明は中国政府では警戒感、米政府では喜びをもって受け止められるだろう。米中の対立が激しさを増すなか、今回の会議ではそろりと遠慮がちに、欧州の米同盟国が米国側に傾き始めたことが明らかになった。

     

    (1)「目下の焦点は、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)が世界各地で次世代通信規格「5G」網整備の入札に参加していることだ。米国はファーウェイをブラックリストに加え、米企業からの部品購入を禁じる制裁を科している。トランプ米政権の高官はファーウェイ機器にはスパイ活動に悪用されるリスクがあると熱心に説いて回っている。ファーウェイの技術を採用するのは「中国政府を自分の寝室に招き入れるようなものだ」とある高官が言うのを筆者は聞いたことがある。この高官はさらに、自国の5G網にファーウェイ機器の採用を認める欧州各国の政府を「ばかげている」とも評した」

     

    ファーウェイ製品にバックドアがついていることは、もはや疑う余地のない事実となった。米国の危機感は異常なまでに高まっている。米国はNATOに対して、ファーウェイの「5G」導入を見送るように説得を重ねてきた。もし、導入すれば機密情報を流さないと牽制している。

     

    (2)「目下の焦点は、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)が世界各地で次世代通信規格「5G」網整備の入札に参加していることだ。米国はファーウェイをブラックリストに加え、米企業からの部品購入を禁じる制裁を科している。トランプ米政権の高官はファーウェイ機器にはスパイ活動に悪用されるリスクがあると熱心に説いて回っている。ファーウェイの技術を採用するのは「中国政府を自分の寝室に招き入れるようなものだ」とある高官が言うのを筆者は聞いたことがある。この高官はさらに、自国の5G網にファーウェイ機器の採用を認める欧州各国の政府を「ばかげている」とも評した」

     

    通信の専門家は、ファーウェイ「5G」の危険性を熟知しているが、政治家は無頓着である。ファーウェイ「5G」が低コストであるので、予算面での制約もあり、ファーウェイに傾いている。「4G」がファーウェイ製品である場合、自動的に「5Gもファーウェイで」となりがち。これを、ひっくり返すのは大変なエネルギーを必要とする。

     

    (3)「欧州の態度はここにきて変化しつつある。トランプ米大統領は今回の首脳会議でも熱心に働きかけ、イタリアからファーウェイ排除の合意を取り付けたと主張した。ジョンソン英首相はこの問題のせいで米国と機密情報を共有する「ファイブアイズ」が危険にさらされるのなら、英国は自国の5G網へのファーウェイ参入を認めないと明言した。この誓約は米国にとって強力な武器となった。米議会では、英国がファーウェイ機器を採用するのなら、米英の自由貿易協定(FTA)を締結すべきではないとの声もある」

     

    米議会は、中国への警戒感が強くなっている。仮に、英国がファーウェイ製品を導入するなら、米英FTAを結ぶなというほど強硬だ。これは、他の国にも当てはまる話だ。トランプ氏だけが、ファーウェイ製品警戒論でなく、米議会を巻き込んでいるところに大きな特色がある。

     

    (4)「メルケル独首相はファーウェイに門戸を開いてきた。だが、ドイツ議会では連邦議会(下院)外交委員会のノルベルト・ロットゲン委員長を筆頭に反発の声が広がっている。ロットゲン氏はこれを「欧州の主権」に関わる問題の一つと位置付けている。こうした突き上げを受け、メルケル政権は立場を変え始めた。ドイツのアルトマイヤー経済相は最近のインタビューで、ファーウェイに対抗するために欧州の5Gサプライヤーを奨励する必要があると語った。欧州が態度を変えたのは米国の圧力に屈したのも一因だ。だが欧州では既に偏見の目で中国を見る傾向が強くなっている。欧州委員会が3月に発表した文書で、中国を「構造的なライバル」と位置付けたのが大きな節目となった

     

    ドイツは、米国に対して距離を置く。ドイツ議会が、ファーウェイ製品を警戒している。中国が、強引にEU分断を策した高度を取っていることが、反感と警戒を強めている。中国外交は、決してスマートと言えず、功を焦っている感じが強い。

     

    (5)「欧州連合(EU)は、中国が単なる大きな市場ではないことにようやく気付いた。中国は欧州で影響力を強めつつある強権国家でもある。中国政府が定例の首脳会議「17プラス1」を通じて欧州17カ国に接近を図っているのは、影響力をカネで買い、EUの足並みを乱そうとする行為ではないかとEUは疑念を強めている。欧州の産業界も中国に懐疑的な立場をとるようになり、市場アクセスや知的財産権の侵害に対する米国の多くの不満に同調している」

     

    中国外交の欠陥は、札束で相手の頬を叩くような強引な振る舞いをすることだ。こういう不作法をもっとも嫌うのが欧州である。中国国内でのやり方を、外交戦略に応用することは間違いなのだ。発展途上国で効果を上げても、欧州は反感を買うだけである。こう見ると、中国外交はお世辞にもスマートと言えないのだ。

     

     

     

    a0960_008780_m
       

    著名投資家のジム・ロジャーズ氏は、南北統一の夢に賭けて韓国株を買っているという。統一後韓国は、日本に代わってアジアのリーダーになるという惚れ込みだ。日本を貶して韓国を褒めあげるというのだが、その南北統一に赤信号が出てきた。韓国の世論調査でここ3年、毎年「統一よりも平和共存」という堅実な見方が増えているからだ。

     

    北朝鮮は専制国家。韓国は民主国家。この水と油の南北が、どうやって統一するのか。そんな七面倒なことよりも、平和共存でそれぞれが争いごともなく暮らす。そういう現実的な解決法が増えている。北朝鮮のGDPは、韓国の40分の1とされる。この北朝鮮の経済レベルを引上げるには、韓国が大変な財政支援をしなければならない。これでは、とも倒れになる。

     

    かつて、東西ドイツ統一の際、西ドイツは東ドイツ救済の財政負担で、約10年間も経済停滞に追い込まれた。ドイツが10年ならば、南北朝鮮は経済格差ゆえに、韓国は30年以上も負担にあえぐことになろう。韓国の世論が、これを受入れるはずがない。ましてや、北朝鮮は専制政治である。韓国国民の負担で「金ファミリー」の贅沢を支えることに「No」と言うであろう。

     

    『聯合ニュース』(12月12日付)は、「南北統一よりも平和共存、毎年増加」と題する記事を掲載した。

     

    韓国と北朝鮮が平和的に共存できるのであれば、あえて統一する必要はないと考える人が韓国で毎年増加していることが12日、政府系シンクタンク、統一研究院の調査で分かった。統一研究院は毎年、成人男女約1000人を対象に対面調査を実施し、韓国人の統一に対する意識を調査している。

     

    (1)「統一研究院はこの日、ソウル市内のホテルで開催したイベントで、「2016~19年の統一意識調査」の分析結果を発表した。 調査結果によると、「南北が戦争することなく平和的に共存できるのであれば、統一は必要ない」という意見に同意した人の割合は2016年が43.1%、17年が46.0%、18年が48.6%、19年が49.5%と毎年増加している」

     

    南北統一よりも平和共存を希望する比率

    2016年 43.1%、

    2017年 46.0%、

    2018年 48.6%、

    2019年 49.5%

     

    2017年から平和共存派が一段と増えたのは、文政権の統一論への反発かも知れない。文政権による経済悪化で、もはや統一は不可能という「絶望の証」とも読める。

     

    (2)「 一方、「統一しなければならない」と回答した人の割合は同期間に37.3%、31.7%、32.4%、28.8%と減少傾向を示した。 その差も16年の5.8ポイントから19年には20.7ポイントに広がった。 特に20代の場合、17年以降、約4割が「統一」よりも「平和共存」を選んでいる。 統一研究院のイ・サンシン研究委員は、若者世代、保守系最大野党「自由韓国党」の支持者、女性などは統一よりも平和共存を望む明確な傾向がみられたとし、「これは統一に対する新しい国民的な合意が必要な時期であることを示唆している」と説明した。ただ、このような認識の変化は統一を求める意識の弱まりを示したものではなく、統一に対する考え方自体が変化していると解釈しなければならないとの見解を示した」

     

    南北統一しなければならないという比率

    2016年 37.3%

    2017年 31.7%

    2018年 32.4%

    2019年 28.8%

     

    確かに、統一賛成派が減っている。平和共存派は、若者世代、保守系最大野党「自由韓国党」の支持者、女性などとされている。統一賛成派は、政権支持派、中堅・高齢者、男性という分類になろう。これが総選挙のテーマになれば、政権与党は敗北するであろう。

    a0003_ki_0012_m
       

    韓国は確実に没落する。現代自動車労組は、これまで映画を見ながらの組立作業であった。これでは、生産効率も落ちるし故障車を作る要因になりかねない。会社側が、悪しき慣例を改めるべく「ながら作業」を禁止した。だが、労組は土曜日の特別勤務を拒否するなどストに突入した。結局、会社側が折れて、映画を見ながらの「組立て作業」を続行するという。世にもまれな、「無規律作業現場」が続くのだ。

     

    現代自動車では、1台当りの作業時間が日米独よりもかかっている。これまで、その理由は不明だったが、原因は映画を見ながらの作業にあったのだ。この驚くべき事例は、韓国経済の生産性向上を不可能にすることを示唆する。労組が、会社の経営方針に従わない前代未聞の事態だ。

     

    『朝鮮日報』(12月12日付)は、「映画を見ながら組み立て作業、国民はこんな車に乗らなければならないのか」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「現代自動車の生産ラインで作業員たちがスマートフォンを使って野球やサッカーなどのスポーツ、さらには映画などを見ながら組み立て作業を行っていたため、会社側が安全確保を理由に作業時間中のWi-Fiを遮断することにした。しかし労働組合の激しい反発を受け措置を撤回した。組合は「弾圧」などと主張して非難声明を出した上に、土曜日の特別勤務を拒否したため会社側が譲歩したのだ」。

     

    映画を見ての組立作業で、ネジのつけ忘れなどの問題が絶無であるはずがない。遊び気分で取り組む自動車が、完璧でないのだ。気が散って作業に集中できず、「オシャカ」を出せば、企業にとっては損失だ。「職業人」としての義務を忘れた振る舞いと言うほかない。

     

    (2)「これほどまで勤務態度がひどく安全意識が低い工場は海外はもちろん、労働組合が非常に強い韓国国内でも見られないだろう。現代自動車の米国工場では作業員が携帯電話を個人の保管箱にしまってから作業場に入るという。韓国GMではスマートフォンの使用が禁止されており、ルノー・サムスンや双竜自動車でも作業員は自らスマートフォンの使用を自制している。ところが現代自動車の韓国国内にある工場では作業員がベルトコンベアの動く前で5-6台の自動車を一気に組み立てることで時間をつくり、余った時間にスマートフォンで動画を見ているという。コンベアベルトのスピードが遅く、余剰人員が多いためこのようなことが可能になるのだ」

     

    現代自労組には、3つの原則がある。

    1.   仕事は少なく=生産性向上に協力しない

    2.   お金は多く=年功序列賃金

    3.   雇用は長く=終身雇用

     

    この3原則のうち、映画を見ながらの作業は、労働モラルにも反するであろう。こういう生産性向上に協力しない企業が、激しい国際競争に勝ち残れるはずがない。韓国経済の明日の没落する姿が見えるような気にさせるのだ。

     

    (3)「現代自動車の国内工場で車1台の組み立てに必要な作業時間は28時間で、これはトヨタやGMなどライバル企業に比べて1125%も長い。100人でできることを200人で行いながら、給与は世界でも最高水準を受け取っている。現代自動車作業員の年収は平均9000万ウォン(約820万円)で、トヨタやフォルクスワーゲンのようなグローバル企業よりもはるかに高い。それでも「給与をもっとくれ」と言ってはストを定期的にほぼ毎年のように行ってきた」

     

    先進他国の自動車メーカーに比べて、現代自は1台当り長い作業時間と最高の賃金を得ている。これで、経営が保つはずがない。営業利益率は2%台であり青息吐息だ。労組は、それでも企業に協力しない。現代自が仮に潰れる事態になったら、労組員はどうするのか。こんな労働者を雇う企業はないだろう。

     

    (4)「今では「車を組み立てながら映画を見ることも邪魔するな」と言っている。組合が権利を主張するのであれば、職業人として最低限の基本は守るべきだ。多くの国民はそれでも国産車であることを理由に現代自動車を利用する。しかし国民はスマートフォンで動画を見ながら組み立てられた車に乗りたいとは考えないだろう。現代自動車労働組合の態度を見ると、この企業が没落する日もそう遠くはないように感じる

     

    韓国進歩派の論理は、「敵と味方」の二分法である。話合ったり協力し合うことを想定していないのだ。相手を潰すまで戦う主義である。労組にとって、企業は敵なのだ。だから、前記の「労組3原則」を主張して止まないのであろう。

    a0001_000268_m
       

    結局、北朝鮮に時間稼ぎされてICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発時間を与えてだけになったのか。25日の北朝鮮による「クリスマス・イブ」は、予想もしなかった事態へ進んでいるようだ。米国は、この瀬戸際政策をどうさばくのか注目が集まっている。

     

    米空軍は、高高度無人偵察機「グローバルホーク(RQ-4)まで朝鮮半島上空に出撃させている。北朝鮮の武力挑発を事前に遮断しようとする圧力と分析されている。グローバルホークは、20キロメートル上空からレーダーと赤外線探知装備などにより、地上の30センチメートルの大きさの物体まで識別できるという。作戦半径は、3000キロメートルに達する「空飛ぶ怪物」である。北朝鮮全域を監視できるように、休戦ライン近くを飛行したのも、普段とは異なると指摘されている。

    米国が、ここで一部なりと見返りを与えると、従来の「失敗コース」の再現にある。過去二回も先に見返りを与えて「食い逃げ」にあった。今回は、その轍を踏まないと強硬策に出ているが、北朝鮮の「粘り作戦」で米国が忌避してきたICBMに火がついてしまった。トランプ大統領の「甘さ」も指摘できる。

     

    『中央日報』(12月12日付)は、「再燃される厳重な韓半島の安保危機 韓国政府は現実を直視せよ」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「北朝鮮は燃焼実験に続いて今月クリスマスの前に大陸間弾道ミサイル(ICBM)、またはミサイルを偽装した人工衛星を発射する可能性がある。このような挑発行為に米国は北朝鮮をさらに締め付け、あるいは軍事オプションを再び選ぶ可能性があるという。その結果はひたすら戦争に飛び火する恐れがあった2017年の悪夢の再燃だ。過去2年間北朝鮮の非核化のために注いだ努力がすべて水の泡になるかもしれない。非核化の交渉期間がそれまでむしろ北朝鮮に核武装とICBM開発の時間だけを稼いだ格好になった。それでも手をこまぬいているような政府の雰囲気に懸念が大きい」

    中央日報の軍事記事は、確度の高いものが多い。それだけに、下線を引いた部分の米軍による軍事オプションの行使ないし締め付けが行なわれる公算も捨てきれなくなってきた。米国高官は、すでにそういうニュアンスを漏らしてきた。北朝鮮がさらにICBMに関連した実験へ踏み切れば、完全に米国の指定する「デッドライン」を超えてしまう。

     

    (2)「今月7日、北朝鮮が平安北道鉄山郡(ピョンアンブクド・チョルサングン)東倉里の西海(ソヘ)衛星発射場で実施したミサイルエンジン燃焼試験は思ったよりはるかに深刻な意味を持つ。北朝鮮はこれまで発射場でほとんどのICBM用エンジンをテストした。北朝鮮は2017年にも3月18日、エンジン燃焼試験の4日後にミサイルを発射した。今回もそのような可能性があるという。北朝鮮は試験翌日である8日、国防科学院報道官名の発表で「非常に重大な試験」とし「遠からず朝鮮人民民主主義共和国(北朝鮮)の戦略的地位(核とICBM能力)をもう一度変化させる重要なきっかけになるだろう」と明らかにした。その言葉通りに発射場の周辺には試験の痕跡が明らかに見えた。米国のミサイル専門家、ミドルベリー国際問題研究所のジェフリー・ルイス所長が公開した東倉里試験場の映像には発射場周辺の広い地域の草木が火炎に焦がれた」

     

    北朝鮮はICBM用のエンジンの実験を済ませている。後は、ICBMの発射実験を行なうかどうかである。国防科学院報道官名の発表では、それを臭わせている。米国が、強襲攻撃に出るか。米国が、既成事実を積み重ねさせて傍観していれば、「張り子の虎」と蔑まされる恐れが強い。トランプ大統領としては、苦しい決断が求められよう。

     

    (3)「米国はこのような北朝鮮の挑発をあらかじめ感知したようだ。北朝鮮の挑発の兆しと高まっている声のためだ。北朝鮮の口調がまずますます荒くなっている。「年末の時限付きが近づいている。クリスマスのプレゼントを何に選ぶのかは全的に米国の決心にかかっている」「米国が武力を使用するなら私たちも迅速な相応の行動を取るだろう」「私たちはこれ以上失うものがない」「トランプ、年老いた亡霊」などだ。これに備えて米国は普段韓半島に送ったことのない特殊偵察機を最近連日飛行させている。トランプ米大統領は安保理理事会を招集した。今日開かれる理事会では当初予定された北朝鮮の人権問題の代わりに、ミサイル(ICBM)挑発の可能性と韓半島状況を協議する予定だ。会議の結果によっては北朝鮮の反発で挑発がさらに露骨になる可能性が大きい

    猛り狂う北朝鮮だ。言葉尻を捉えて、何を始めるか分からない不気味さがある。

     

    (4)「年末の安保危機が拡大しているが、韓国政府は反応がない。最近北朝鮮の度重なるミサイル発射にも息を殺し、今でも同じだ。米国特殊偵察機の韓半島飛行に国民の不安が高まるにもかかわらず、青瓦台(チョンワデ、大統領府)安保室や軍と情報当局の説明はない。北朝鮮の今回のミサイルエンジン燃焼実験に対する鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官の控え目の発言だけだった」

     

    韓国政府は、米朝間の緊迫した雰囲気に対して傍観している。何らの対策もないようだ。北朝鮮を信じてしまったことで、今は金縛りに遭ったような状況だろう。無闇に北朝鮮を信じた報いが襲ってくるのか。全体主義国とは、予測しがたい行動を取るのだ。

    このページのトップヘ