勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 経済ニュース時評

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    文政権は、4月の総選挙で6割の国会議席を占めたことから、「怖い物なし」の政治(内政)を行っている。相次ぐ閣僚のスキャンダルは、与党によってもみ消されている。韓国は、進歩派=善、保守派=悪というイメージで一刀両断する社会だが、これをまんまと悪用しているのが文政権と言える。

     

    本欄では、つとめて右翼・左翼という言葉を避けている。この言葉には、最初からある種の嫌悪感を秘めており、相手を一言の下に切り捨てようという言葉の暴力が込められているからだ。韓国は、日本に対して「右翼」という言葉を多用してで切り込んでくる。こうなると、韓国には「左翼」という言葉を使いたくなるが抑制して、進歩派・革新派という冷静な言葉で対応したい。

     

    『朝鮮日報』(9月20日付)は、「われわれが怒らなければ彼らはわれわれを犬や豚として見るだろう」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の朴正薫(パク・チョンフン)論説室長である。

     

    (1)「文在寅(ムン・ジェイン)政権が成し遂げた「一度も経験したことのない国」は、一度も経験できなかった「ニュー・ノーマル」を確立した。法の上に「陣営」が君臨するということだ。「こちら側の人間、味方」という理由で違法行為をかばい、犯罪を見逃すことが日常茶飯事となった」

     

    文政権は、「敵・味方」の二分論である。これは、全体主義に共通の概念である。敵を徹底敵に弾圧し、味方にはすべてを許すというダブルスタンダードだ。文政権は、この「敵・味方」論で政治を行っている。外交面では、日本を「敵」扱いして今や袋小路である。菅政権になって、ぜひ会ってくれと哀訴している姿は醜いほどだ。

     


    (2)「政権保衛の忠犬として活躍してきた法務長官の場合、息子の兵営脱走を巡る具体的な証言が相次いでいるにもかかわらず、検察は9カ月にわたって手をこまねいている。蔚山選挙介入事件の核心である当時の大統領府秘書室長と国政状況室長らは、これといった調査も受けないまま起訴から除外された。慰安婦被害者を売り込むことで利益を手にしたという市民団体上がりの与党議員を巡る事件は、捜査が進められているのかどうかさえも、なしのつぶてだ」

     

    文政権は、「積弊一掃」で敵と見た司法官僚(検察・裁判官)をことごとく追放・左遷した。残っているのは味方の「忠犬」だけである。お手盛り捜査とお手盛り裁判で珍無類のことが起っている。文政権批判のビラを大学構内に貼った若者は、逮捕され有罪刑に処せられた。大学側は、不起訴を要請したが受入れられなかった。

     

    (3)「違法行為を捜査する検察や警察はもたついては前に進めず、たとえ起訴されても裁判所が考えもよらない論理で無罪放免とする。与党所属の京畿道知事が明らかに虚偽と分かる内容を流布したにもかかわらず、最高裁判所は「(うそを)積極的についていない」という前代未聞の法理を適用し、免罪符を与えた。政権の支持勢力である全教組(全国教職員労働組合)が労働組合法の条項を真っ向から破ったにもかかわらず、裁判所は訳の分からない理由を並べ立てて合法判定を下した。ありとあらゆる手段を行使して強行した文政権の司法部掌握工作が功を奏している。「有銭無罪」ではなく、「親文無罪」がニュー・ノーマルな世の中となったのだ」

     

    旧徴用工賠償問題は、こういう「腐った」韓国司法によって下された判決である。文政権の意向を十分に汲んだものであろう。こういう舞台裏にもかかわらず「三権分立」を声高に言って、日本へ圧力をかけてきた。それが今、「日韓外交の交流再開」と泣き言を言っている。「敵」と見た日本が、韓国の用意した罠に引っかからなく、気付いたら、自分の足が罠にかかっているのだ。

     


    (4)「もはや国民は、この政権の偽善的な本質についてしっかりと理解している。統合を口にしてはあちらこちらで敵味方を分けるなど、自分の味方をかばうことにかけてはどこよりも「優れた」政権だった。不通と独善、力で推し進める国政の独走は、軍事独裁に引けを取らなかった。民主化勢力の末裔(まつえい)としながら民主主義を揺さぶり、脱権威を掲げながら誰よりも権威主義的な行動を見せた。検察を手なずけ、裁判所を掌握し、大統領府警護隊といった名前がお似合いの高位公職者犯罪捜査処(公捜処)を設立し、三権分立の憲法原則を無力化した

     

    韓国進歩派は、発展途上国にありがちな民族主義である。それをカムフラージュしているだけだ。南北統一を絶対的な価値基準としている。そのためには、韓国の民主主義を犠牲にして、北朝鮮並みに揃えても良いという恐るべき企みをしている。進歩派政権を20年続け、2045年までに南北統一を実現させるスケジュールだ。

     

    この南北統一は、米中対立の長期化で実現不可能であろう。朝鮮半島が、北朝鮮並みの政治地図に染められることが分っていて、米国が南北統一を後押しするはずがない。文政権は、恐るべき盲目政権になっている。

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    韓国文政権を支援する『ハンギョレ新聞』が、9月15日、17日、18日と3回も日韓関係回復を要請する社説を掲載した。最初は高飛車であったが、次第に丁寧な調子へと変わりながら、「日本よ、関係正常化に応じてくれ」という悲痛な思いが、文面に表われている。韓国大統領府が、困憊している証拠だ。

     

    GDP世界3位の日本と同12位の韓国である。しかも、日本の技術で動いている韓国製造業が、日本と「ガチンコ勝負」の対決になったら、韓国は勝てるはずがない。こういう日韓の総合力の格差を思い知った韓国が、「門前払いしないで、ともかく会って欲しい」という哀願調になってきた。


     

    前記の通り、4日間で3回も社説を書いて、日本へ懇願する姿を見ておきたい。

     

    『ハンギョレ新聞』(9月15日付)は、「菅次期首相に韓日関係の前向きな姿勢を望む」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「菅氏の実用的リーダーシップが韓日関係でも発揮されることを期待する。そのうえ、すでに一度延期された東京五輪を来年開催するには、韓国との協力が必要な状況だ。日本国内でも実益はなく、かえって日本企業に被害を与えた輸出規制を緩和すべきだという声が高まっている。菅氏が首相就任後に早期総選挙を実施して安定した指導力を確保するなら、安倍首相と区別される独自カラーの政治を推進し、韓国をはじめとする周辺国との関係改善に乗り出す空間が広がるだろう。日本が韓日関係をこのまま放置し続ける意図がないなら、新しく登場する菅内閣が現実的で前向きな態度で韓国に手を差し伸べることを望む」

     

    下線部分は、傲慢そのものである。日本に対して韓国と和解した方が、「利益になる」と言う言い方である。

     

    1)一度延期された東京五輪を来年開催するには、韓国との協力が必要な状況だ。

    2)日本企業に被害を与えた輸出規制を緩和すべきだという声が高まっている。

    3)韓国をはじめとする周辺国との関係改善に乗り出す空間が広がるだろう。

     

    前記項目ごとにコメントを付す。

     

    1)東京五輪は、韓国の力を借りなくても日本独自で開催できる。

    2)輸出手続き規制緩和は、戦略物資の安全流通を実現する手段である。日本国内で、規制廃止論が世論となっていない。

    3)日本外交は、韓国を除けがすべて順風満帆である。韓国だけが異常な振る舞いをして、日本へ対抗しているだけだ。

     

    以上のように、この段階では「日本と外交関係を回復してやる」という調子であった。

     

    『ハンギョレ新聞』(9月17日付)は、「変化の意志見せぬ菅首相の『安倍そっくり内閣』」と題する社説を掲載した。

     

    (2)「菅首相は、当面は新型コロナへの対応、経済回復、五輪開催などの国内課題に集中するとの意思を表明している。安倍政権の政策設計者ではあったものの、外交問題には大きく関与していないことから、権力基盤が安定すれば独自外交を進める可能性もある。米中新冷戦の危機の中、韓日協力の必要性は高い。両国政府が、韓国の推進する朝鮮半島平和プロセスと日本の望む朝日国交正常化などで接点を見出し、韓日関係改善の突破口を見いだすことを願う

     

    下線部を要約する。

    1)米中新冷戦の危機の中、韓日協力の必要性は高い。

    2)両国政府が、韓国の推進する朝鮮半島平和プロセスと日本の望む朝日国交正常化などで接点を見出し、韓日関係改善の突破口を見いだすことを願う。

     

    朝鮮半島問題を巡って、日韓が協力しようというのだ。ただ、この問題の大枠は米朝交渉で決まるというのが現実である。日韓が話合ったところで、ラチはあかないのだ。

     


    『ハンギョレ新聞』(9月18日付)は、「菅首相は文大統領の対話の呼びかけに前向きな対応を」と題する社説を掲載した。

     

    (3)「今年、韓国で開催予定の韓中日首脳会議が開かれ、文大統領と菅首相の初の首脳会談が実現すれば、両首脳の意志によって重要な変化が生まれることもあり得るだろう。両国いずれも悪化した韓日関係をこれ以上このまま放置する余裕はない。米中新冷戦がもたらした不安な国際情勢や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行、経済危機などの状況で、韓日が力を合わせれば、両国国民に大きく役立つだろう。韓日両国が外交空間を作り、機会を生かすための努力を惜しまないでほしい

     

    下線部を要約すると、次のようになる。

     

    1)米中新冷戦がもたらした不安な国際情勢や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行、経済危機などの状況で、韓日が力を合わせれば、両国国民に大きく役立つだろう。

    2)韓日両国が外交空間を作り、機会を生かすための努力を惜しまないでほしい。

     

    コメントをつけたい。

     

    1)昨年から、日本に向けた罵詈雑言は何だったのか。「日本に負けない」「日本に勝つ」「国産化で日本に勝った」という類いの発言を連発してきた。それが今、日韓の協力で成果は上がると言われても、戸惑うばかりだ。

     

    2)日韓外交に空白をつくるな、協力して欲しいとまで言っている。急に、そういう「親密」な関係を装うような発言をされても困るのだ。韓国がつくりだした問題は、韓国で解決すべきである。日本が「協力」する範疇の問題ではない。

     

    以上、3回にわたる社説を読めば、最初の「上から目線」から次第に降りてきて、3回目は「哀願」である。ともかく、韓国外交は完全に行き詰まった。その打開のきっかけを日本に求めてきたのだ。

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    米国FBI(連邦捜査局)長官は、中国による「経済スパイ」が10年前の13倍にも達していると警告した。凄い規模である。これを防ぐには、中国人研究者を米国へ入国させないことだ。ビザ発給を厳しくして「水際作戦」を展開するほかない。

     

    『大紀元』(9月19日付)は、「FBI長官、中国は米国の税金を盗んでいる、知的財産窃盗問題で議会証言」と題する記事を掲載した。

     

    米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は917日、下院の国土安全保障委員会で証言し、中国の諜報活動のターゲットの多くは米国民の税金で生み出された知的財産であり、米国の税金が盗まれているようなものだと表現した。

     

    (1)「レイ長官は、FBIは2000件以上の中国関連の諜報活動を調査しており、新たな調査を「10時間ごとに」開始していると語った。「私たちの対敵諜報活動の報告の中で、群を抜いて大きな割合を占めている」「この脅威の範囲と規模は驚くべきものだ」と付け加えた。レイ長官の証言は、7月に保守系シンクタンク・ハドソン研究所で行った中国に付いての演説内容を踏襲している。レイ長官は当時、「約10年前に比べ、中国が関与する経済スパイの捜査件数は約1300」%増加した」と述べた。

     

    中国は、盗賊国家である。米国の知的財産を狙っている。10年前の13倍というから驚く。スバイが、一大産業である。

     

    (2)「レイ長官によると、一部の大学などの学術機関は中国共産党の脅威に危機感を抱いていないが、潜在的な研究窃盗に対応する機関は増えてきたという。米司法省は最近、世界中の数百社の企業にハッキングしたとされる中国人ハッカー5人を起訴した。中国人と共謀し利益を得た疑いでマレーシア人ビジネスマン2人も起訴した。米国は7月にヒューストン中国総領事館を閉鎖し、中国共産党のスパイ活動の中心地であると非難した。FBIは当時、全米25都市で知的財産権の窃盗に関与した中国軍出身の学者への調査を開始すると発表していた」

     

    米国の大学はオープンな組織であることを狙われた。ファーウェイは、各大学へ巧妙に接近して多額の研究費や実験設備まで供与している。研究成果を窃取してきたのだ。

     

    (3)「さらに、米司法省は同月、新型コロナウイルスの研究データなど、世界の知的財産やビジネスの機密情報を盗もうとした疑いで、中国人ハッカー2人を起訴した。この窃盗行為は中国国家安全部から指示されたものとみられる。中国が米国の審査をかいくぐり、米の公的研究機関に入り込んで技術を盗み出す事件が相次いで発生している。国土安全保障委員会副委員長のマイク・ロジャーズ下院議員は917日の公聴会で、この問題に対応する法案の成立を目指すと述べた」

     

    下線の通り、中国ハッカーは中国国家安全部(諜報機関)が保護すると言われてきた。

     

    (4)「レイ長官は、「中国は人材の争奪戦を起こしている。中国は米国の技術革新と研究の国際評価に嫉妬している。中国は成果を出せないとき、ここ(米国)に人を送り込んでくる」 と語った。レイ氏は書面による証言の中で、「中国は現在、新型コロナウイルスの流行について研究している米国の医療機関や製薬会社、学術機関から関連データを盗もうとしている。費用や価格情報、内部戦略文書、個人情報など、競争上の優位性をもたらすものなら何でも探している」と強調した」

     

    下線部は、1月初めに始まったという。中国は、この時点で新型コロナウイルスという認識があったのだ。

     


    (5)「米政府は近年、中国の経済スパイ活動に対抗するために注力している。マイク・ポンペオ米国務長官は85日、米通信ネットワークから中国の影響力を排除する「クリーンネットワーク」の構想を発表した。2018年、米司法省は、経済スパイ活動を行った疑いのある中国企業や個人を調査する「中国イニシアチブ」を発足させた」

     

    米国は、中国の経済スパイに頭を悩ませてきた。それだけに留学生ビザを極端に絞って、スパイ予備軍の入国阻止を始めている。

     

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    中国軍用機が9月16日、台湾防空識別圏(ADIZ)に進入した。8月の米厚生長官アザー氏の訪台の時も、中国の戦闘機2機が中国と台湾の間の台湾海峡の中間線を越えた。今回は、米国務次官が訪台したことへの嫌がらせである。

     

    台湾国防部は今回、中国軍の対潜哨戒機「運8」2機が台湾南西の防空識別圏に進入したと発表した。台湾聯合報は、爆雷や魚雷などを搭載して単独作戦が可能な対潜哨戒機「運8」が、この地域で繰り返し旋回飛行したのは、米国と台湾に対する一種の警告だと分析した。台湾空軍機が緊急出撃するなど、一時緊張が走った。以上は、『東亜日報』(9月19日付)が報じた。

     

    米国は、中国が台湾に対して不穏な軍事的な動きをする限り、武器を売却する旨を明らかにしている。中国軍による最近の台湾への脅迫的な行為は即、米国の武器売却を促すという「エスカレーター条項」が適応される。中国軍は、痛し痒しである。

     

    『東亜日報』(9月18日付)は、「台湾・李登輝氏の告別式に米国務次官が参列へ」と題する記事を掲載した。

     

    米中対立が激化する中、米国と台湾が接近している。米国は高官を台湾に送ったほか、先端武器の売却も拡大している。米国のこのような親台湾の動きが露骨になると、中国は台湾付近に哨戒機を飛ばすなど、強く反発している。



    (1)「9月17日、中央通信社など台湾メディアによると、米国務省のクラック次官(経済成長、エネルギー、環境担当)が率いる代表団が同日午後、台北に到着し、19日までの3日間の公式日程に入った。クラック氏は国務省高官としては1979年の米国と台湾の断交以来41年ぶりに台湾を訪れた。これに先立ち、米国務省は16日(現地時間)、クラック氏が19日に行われる故李登輝元総統の告別式に参列するために台湾を訪れると明らかにした」

    米国務省のクラック次官の訪台は、米台FTA(自由貿易協定)締結に向けた準備作業である。米国は、FTA締結の際に中国との貿易協定を破棄するように求めている。このことから、10年前に結ばれた中台の貿易協定(ECFA)が、破棄される可能性も残っている。その場合の中国の衝撃は大きく、どのような対応を取るか注目される。

     

    (2)「台湾メディアは、米国務次官クラック氏の今回の訪問を米国と台湾の経済協力の強化の信号弾と見ている。中央通信社は、「クラック氏の訪問を機に米国と台湾の経済分野の協力がさらに拡大するだろう」とし、「台湾が望む米国との自由貿易協定(FTA)の締結も議論される可能性がある」と期待感を示した。これに先立ち、8月にはアザー米厚生長官が台湾を訪れた」

     

    台湾側は、牛肉と豚肉の自由化を決定している。これによって。米台FTAの障害が消えたとされている。クラック次官の訪台で、FTAの話が詰められるであろう。中国にとっては、気懸りな点だ。



    (3)「米国と台湾は経済分野のほかに軍事的にも接近している。ロイター通信は同日、米国と台湾の武器売却と関連する米議会、軍需産業界の専門家ら4人の発言を引用して、米国が台湾に地雷や巡航ミサイル、ドローンなど7種類の武器システムを売却する計画だと報じた」

     

    中国が、台湾を脅迫すればするほど、米国から最新鋭武器を購入できるシステムになっている。地雷や巡航ミサイル、ドローンなど7種類の武器システムを売却する計画というのも誇張した話ではあるまい。現実であろう。

    (4)「米国はこれまで中国を意識して台湾への武器売却を控えてきた。台湾メディアは、「米国が台湾に7種類の武器を一度に売却することは極めて異例」とし、「米国と台湾の関係が過去とは異なる」と伝えた。特に、今回売却される武器は、中国軍の台湾上陸を念頭に置いた武器だという」

     

    中国は、半導体先進工場奪取を狙って台湾を攻撃するという説が流れている。米台当局は、すでにその情報をキャッチして防衛体制を固めるに違いない。

    (5)「中国は反発した。中国国務院の馬暁光報道官は16日、定例会見でクラック氏の訪台について、「台湾問題は中国の内政であり、外部勢力の干渉は絶対容認できない」と反発した。「一つの中国」を強調する中国政府は、台湾を「未収復地域」と見なし、台湾と国際社会の交流そのものを認めていない。さらに中国は李元総統を「台湾独立勢力の首魁」と強く非難してきた」

    中国の弱味は、香港の「一国二制度」を破棄したことだ。ならば、「一つの中国論」も消滅という議論が欧州に生まれている。習近平氏は、「一つの中国論」を失えば、台湾が怒濤のように国際社会で浮上するだろう。


     

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    韓国は、日本の菅政権発足をチャンスと捉え、日韓話合い復活を求めて大騒ぎしている。昨年の今頃は、反日不買運動を展開し「NoJapan」「No安倍」と幟までつくって反日を煽った。4月の総選挙で、与党「共に民主党」は「韓日決戦」とあからさまに反日を前面に立てたのだ。

     

    それが、いまはどうだろうか。米中対立の長期化という国際情勢急変の中で、日韓の冷却関係に不安を覚えて「日本と話し合いをしたい」という変化である。過去1年以上にわたる、日本への罵詈雑言を考えると、おいそれと会談するのは時期尚早である。韓国に反省させる時間を与えるべきだろう。

     

    『ハンギョレ新聞』(9月18日付)は、「菅首相に書簡で対話呼びかけた文大統領、韓日関係回復の契機なるか」と題する記事を掲載した。『ハンギョレ新聞』は、文政権支持メディアである。ある意味で、政権の意思を示した記事が多い。

     

    (1)「菅義偉新首相の9月16日の就任を機に、韓国政府が「歴代最悪」の状態に陥っている韓日関係の改善に向けた強い意志を示した。しかし菅首相が「安倍内閣の継承」を前面に掲げており、短期間で大きな変化を期待するのは難しいとみられる。カン・ミンソク大統領府報道官は同日午後、「文大統領が今日午後、菅新首相宛てに書簡を送って就任を祝うと共に、在任期間中に韓日関係のさらなる発展に向けて一緒に努力していきたいという意向を示した」と述べた」

     

    「歴代最悪」の日韓関係に陥った原因をつくったのは、すべて韓国である。慰安婦合意の一方的破棄や、旧徴用工賠償問題で日韓基本条約を骨抜きにした以上、日本が反発するのは当然である。韓国が、急に思いついたように日韓話合いを求める騒ぎは、自らに非があることを認めたのも同然である。

     

    (2)「大統領府はさらに一歩進んで、「基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的・文化的に最も近い友人である日本政府といつでも向かい合って対話し、コミュニケーションを取る準備ができており、日本側の前向きな反応を期待している」としたうえで、「積極的に協力して歴史問題を賢明に克服し、経済・文化・人的交流などあらゆる分野で未来指向的かつ互恵的に協力を強化していきたい」という意思も明らかにした」

     

    韓国が、「基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的・文化的に最も近い友人である日本政府といつでも対話したい」と揉みてしているが、ならば、なぜ今年4月の総選挙で「韓日決戦」という扇情的なアドバルーンを上げたのか。今さら、お世辞をたらたら言って接近してきても、信じる訳にいかないのだ。

     

    (3)「1カ月前の8・15記念(光復記念日)演説では、「協議の扉を開けている」と対話の意思を強調する水準にとどまった。今回の書簡では、「日本側の前向きな反応を期待する」という大胆な表現まで使い、日本の誠意ある対応を要請した。韓国政府のこのような動きは、米中が鋭く対立しており、朝米間の核交渉で進展が見られない状況で、両国関係をこれ以上放置できないという“戦略的判断”によるものと見られる

     

    韓国は、いつもの調子で「困った時の神頼み」で日本へ接近しているのであろう。米中対立は、短期で終わる問題でない。米国が徹底的に中国へ立ち向かう姿勢を見せているからだ。米韓同盟を結ぶ韓国として、対岸の火事ではない以上、韓国も巻き込まれるのだ。その決意もなく、「米中バランス外交」などという空理空論に酔っている。この韓国空想外交を目覚めさせるには、日本との交流再開が不可欠である。

     

    韓国は、旧宗主国・中国の振る舞いがいかに残酷であったか。忘れたはずがない。それでも秋波を送るという病的な卑屈さである。この際、中国から独立して米韓同盟の基本に立ち返るべきである。それが、韓国の「戦略的判断」というのであろう。その一環として、日本へ接近しているのだ。

     


    (4)「菅首相が、「安倍内閣の継承」を前面に掲げており、短期間に大きな変化を期待するのは現実的に難しい状況だ。菅首相も官房長官時代、両国間の最大懸案である強制動員被害者に対する賠償問題について「韓国が責任を持って解決策を示さなければならない」と述べており、9月5日付の産経新聞のインタビューでも「日韓請求権協定は日韓関係の基本」という認識を示した。日本外交の司令塔と言える茂木敏充外相を留任させたことからも確認できるように、安倍晋三前首相が進めてきた外交路線に今すぐ大きな変化は見られない見通しだ」

     

    韓国は、日本へ呼びかけても無言であることに、焦りを感じている。あれだけ日本を非難した以上、それは当り前のこと。ホイホイと返事などするはずがない。韓国がまず、解決に向けて具体案をつくることだ。日韓がただ会ってみても、具体案がなければ話合いは進まない。むしろ、日本の反対意識を強めるだけであろう。韓国は、外交的に完全な受け身であることを自覚すべきである。 

     

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