勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 経済ニュース時評

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    中国の国営通信社、新華社が米中通商協議で合意を目指すと10日深夜に報じた。異例の報道である。11日には訪米中の劉鶴副首相が、トランプ大統領と会談するとも報じられているので、米中通商協議がヤマ場を迎えているのかも知れない。

     

    『ロイター』(10月10日付)は、「中国、米と通商合意目指す、摩擦の悪化回避へー劉副首相」と題する記事を掲載した。

     

    中国の劉鶴副首相は10日、米中貿易摩擦の一段の悪化を防ぐために、中国は米国との通商協議で双方が重要とみなす問題で合意を目指す意向を持っていると述べた。中国国営新華社が報じた。

     

    (1)「米中閣僚級通商協議のためにワシントンを訪れている劉副首相は、米中ビジネス評議会のクレイグ・アレン会長、全米商工会議所のマイロン・ブリリアント副会頭(国際部門責任者)、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事と会談した新華社によると、劉副首相は会談で「中国は誠意を持って交渉に臨む。貿易収支、市場アクセス、投資家保護などの面で米国と協力していきたい」と述べた。その上で、中国は国際社会が世界の安定と繁栄の維持に向け共に取り組んでいくことを望んでいると述べた。また、米中の経済、貿易関係は世界的な影響を持つため極めて重要であるとの認識も示した」

     

    下線をつけた部分が重要である。「中国は誠意を持って交渉に臨む。貿易収支、市場アクセス、投資家保護などの面で米国と協力していきたい」が真実とすれば、中国経済が相当に参っていることを示唆している。「誠意を持って」という言葉のなかに、中国が真に妥結を欲している事情が滲み出ている。

     

    『ロイター』(10月4日付)は、「米中、通商合意に向け『絶好の機会』=トランプ米大統領」と題する記事を掲載していた。

     

    (2)「トランプ米大統領は、中国との通商合意に向け「絶好の機会」があると述べた。カドロー米国家経済会議(NEC)委員長によると、週明けの7、8日は次官級、10、11日はムニューシン米財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と劉鶴・中国副首相らによる閣僚級協議が行われる予定。トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し「中国は合意締結を試みている国で、合意締結に向けた絶好の機会がある」と指摘。「合意締結の可能性という観点では今が非常に重要な段階であり、合意に至れば、過去最大の通商合意になるだろう」と語った」

     

    これまでの例では、米国側が事前に情報を漏らすなど「お膳立て」をしてきた。今回に限って、過剰な期待を持たせるような情報も漏らさず手堅い対応である。今回、新華社が「米中通商協議で合意を目指す」と先に報じたように、中国側が妥結に向けて真剣かも知れない。

     

    (3)「カドロー氏はこの日、米通商交渉チームは来週開催される中国との通商協議に「予断を持たず」臨むと語った。さらに、中国による金融サービス市場開放で進展することに期待を表明した。今回の協議でプラスのサプライズが生まれる可能性はあるとしつつも、憶測は控えるとした。さらに、米国が対中関税発動を一部延期し、中国が米農産品の購入を再開する中、過去数カ月で米中双方の「心理は和らいだ」とも述べた

     

    先に米国は、中国の監視用カメラ企業への「禁輸措置」を発表した。その際、中国は反発もせず、米国農産物の買付けを再開していた。これまでの中国であれば、すぐに反発して買付け中止策に出たはずである、それをしなかったのは、真剣に米国との妥結を願っていた証でもしれない。

     

    『ロイター』(10月10日付)は、「中国政府、ファーウェイなど中国企業への圧力停止を米国に要請」と題する記事を掲載した。

     

    (4)「中国外務省の耿爽報道官は10日、中国政府は米国に対して、華為技術(ファーウェイ)などの中国企業に不当な圧力をかけることを止めるよう要請してきたと述べた。定例会見で語った。トランプ米政権は今年5月、ファーウェイを安全保障上の懸念がある企業を列挙したリストに追加し、同社に対する事実上の禁輸措置を決定したが、9日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の報道によると、米政府は、ファーウェイに対して機密性の低い製品を供給することを一部の米企業に認めるライセンスを近く発行する見込み、という」

     

    中国政府が、米国に対してファーウェイなどへ「禁輸措置」撤廃要請したことは、米中通商協議妥結へのシグナルであるのかも知れない。中国政府が、冷静に振る舞っていることは、「妥結」という目標を決めたことの現れとも読める。

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    北朝鮮のSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)発射成功は、韓国にGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)の必要性を迫る事態となってきた。北朝鮮は、陸地面積が狭く陸上発射弾道ミサイルの発射が敵側に発見されやすいため、海上発射のSLBMが重要という指摘が出てきた面も大きい。韓国が、反日感情に基づくGSOMIA破棄の危険視がいかに大きいかを証明している。

     

    『朝鮮日報』(10月10日付)は、「GSOMIA破棄で北朝鮮潜水艦探知に支障の可能性」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄で北朝鮮の潜水艦探知に致命的な支障が出る可能性がある、と米国の専門家らが警告した。米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が8日(現地時間)に報じたところによると、ジェームズ・ホームズ米海軍参謀大学教授は「北朝鮮の潜水艦と船舶の追跡には、水域を最もよく知っている韓国海軍と日本の海上自衛隊が最適な力量を保有している。これらの不和は(潜水艦防御)共助作戦にとって致命的だ」と語ったとのことだ。水中の潜水艦は探知が難しいため、情報共有が不可欠だということだ」

     

    海上自衛隊の潜水艦は敵艦探査能力の高さで知られている。韓国は、ここから得られる貴重な情報を頼って、GSOMIAを締結したという事情がある。改めて、米国からこの面を指摘されたものだ。

     

    (2)「GSOMIA締結から5カ月後の20174月、韓米日3カ国は済州島近くで初めて合同の対潜水艦作戦を実施した。ジェームズ・ホームズ米海軍参謀大学教授は、「潜水艦の情報共有がきちんとできなければ、味方同士が互いを敵だと誤認して魚雷を発射する事態も起こりかねない」と言った。米ハドソン研究所の村野将研究員も「北朝鮮の潜水艦は(移動中に起こる騒音によって)探知されないようにするため、移動をやめた状態で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射できるよう射程距離を伸ばすことに力を入れている。このため、北朝鮮の潜水艦が出港した瞬間から3カ国が追跡情報を共有できるシステムがSLBM抑制には不可欠だ」と述べた」

     

    北朝鮮の潜水艦探知には、出港した時点からその動きを捕捉する必要がある。それには、日米韓三ヶ国が密接に協力する必要があると指摘している。北朝鮮のSLBMの動きが重視される背景には今後、SLBMに依存するであろうという北朝鮮の立地条件が挙げられている。

     

    『朝鮮日報』(10月10日付)は、「日本、北ミサイル発射から7日後に東京でミサイル迎撃訓練」と題する記事を掲載した。
     

    中国では、北朝鮮のSLBM「北極星3型」について、「北朝鮮が2次核攻撃能力をアピールした」と評されている。2次核攻撃能力とは、他国からの核攻撃を受けた後、核で反撃可能な能力である。

     

    (3)「中国メディア『澎湃新聞網』は9日、北極星3型ミサイルを分析した記事で、「北朝鮮は陸地面積が狭く、(敵の攻撃から)陸上発射弾道ミサイルの生存に確信を持つのが難しいため、海上発射が重要だ。20155月に発射した)北極星がSLBM技術を試すものだとすれば、射程距離と弾頭を改善した北極星3型は北朝鮮の海上核戦力の主力になるだろう。北極星3型の発射は、北朝鮮が今後も引き続き海上核能力を築いていくというシグナルだ」としている。同メディアは、北朝鮮が陸上試験発射をせずに海上発射をしたことについては、「水中発射技術について自信を持っており、時間とコストを削減し、実戦能力を早く備えるためと見られる」と分析した。

     

    下線を引いた部分は重要である。北朝鮮が、立地条件からから見て発見されにくいSLBMに依存することを指摘している。また、陸上試験発射をせずに海上発射したことに技術的な自信を持っているだろうとしている。このような事態を受けて、韓国が感情論でGSOMIAを破棄するとすれば、正気の沙汰とは思えなくなる。

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    韓国大統領府は、未だに今年の経済成長率目標を2%台半ばに設定したままである。一方、海外の投資銀行は状況の変化のたびごとに見なしており、一貫して引下げペースで進んでいる。韓国銀行(中央銀行)もすっかり弱気になっている。

     

    『中央日報』(10月9日付)は、「海外投資銀行、韓国の成長率見通しをまた下方修正 結局1%台に」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「海外の投資銀行(IB)9社の今年の韓国経済成長率見通しの平均が結局1%台まで落ちた。9日、国際金融センターによると、海外投資銀行9社の今年の韓国成長率見通しは先月末1.9%を記録した。これらの成長率見通しの平均は昨年末の時点で2.6%だったが、2.3%(5月末)2.2%(6月末)2.1%(7月末)2.0%(8月末)と急落している」

     

    海外投資銀行9社の韓国経済成長率見通しの推移

    .6%(昨年末)

    .3%(5月末)

    .2%(6月末)

    .1%(7月末)

    .0%(8月末)

    .9%(9月末)

    この調子では、まだまだ引下げられて行きそうな気配である。これだけ、内需が不振であることを物語っている。来年4月の総選挙は、与党不利は明らかであり敗北を喫することは不可避になっている。


    (2)「企画財政部・韓国銀行などは特定の時点にならないと成長率見通しを修正しないが、海外IBはその時その時の経済の流れに合わせて変えるので経済状況の変化を把握できる「バロメーター」と見なされている。韓国の投資と消費が不振の中で、米中貿易紛争や半導体の景気回復遅延に加えて輸出まで萎縮したことが影響を与えたという分析だ」

    海外投資銀行の具体的な、予測値を以下に見ていきたい。

    クレディ・スイス 2.2%→1.8%へ(0.4%ポイント引下げ)

    HSBC     2.3%→2.0%へ(0.3%ポイント引下げ)

    バークレイズ   2.1%→1.9%へ(0.2%ポイント引下げ)

    バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ 1.9%→1.8%(0.1%ポイント引下げ)

    S&P 2.0%→1.8% (0.2%ポイント引下げ)

     

    韓国経済研究院(1.9%)など、別の国内外機関の見通しも1%台に落ちて韓国の成長率が世界金融危機時である2009年(0.8%)以降10年ぶりに2%台割れになるのではないかとの懸念が広がっている。今年の経済成長率見通しはきわめて暗い。



     

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    韓国社会は、集団で意思表示することを好む民族である。文政権賛成派と反対派が、互いに譲らず集会を開いて気勢を上げているのだ。現在は、チョ・グク法務部長官を巡って、長官擁護・検察改革派と法務部長官辞任要求派の二派に分かれて街頭活動を盛んに行っている。

     

    法務部長官の家族に関するスキャンダルで、法務部長官が検察改革を行うという構図は、日本では想像もできない「非道徳的な話」である。本来ならば、捜査の公正を期す観点から法務部長官は、その椅子を離れるのが常識だ。それが逆であり、地位に恋恋として離れようとしない。信じがたい行為である。

     

    文政権支持メディアの『ハンギョレ新聞』が、この騒ぎをどう見ているのか。「身贔屓」でチョ・グク法務部長官は席に止まり、検察改革を行えという意見なのか興味深いので取り上げて見た。結論は、そうでなく文政権に厳しい注文をつけている。

     

    『ハンギョレ新聞』(10月9日付)は、「革新の誇りをよみがえらせる道」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のクァク・ジョンス論説委員である。

     

    (1)「先日5日午後。ソウルの瑞草(ソチョ)駅交差点に向かった。1週間前より多い膨大な数のろうそくが一つになって検察改革を叫んだ。しかし、雰囲気は3年前のろうそく革命の時とは全く違っていた。2016年の「光化門(クァンファムン)のろうそく」は国民全体がひとつになった「広場民主主義」の祝祭だった。革新だけでなく、中道や合理的な保守までもが共にろうそくを手にし、「国らしい国」を作るために力を合わせた。一方、(現在の)「瑞草洞のろうそく」は感動と楽しさがだいぶ小さくなってしまった」

     

    検察改革派は、チョ・グク法務部長官擁護派である。3年前の朴槿惠弾劾の時に見せた雰囲気とは違って、やや冷めた雰囲気があると指摘している。

     

    (3)「「チョ・グク論争」は革新の隠された「恥部」を露わにした。表向きは「社会正義」を叫んでいても、裏では既得権・特恵・慣行に安住してきた生き方が衝撃を与えた。これを自省の契機にすべきだということに反対する革新はいないだろう。チョ・グク法務部長官も国民の否定的な世論について、「期待とは裏腹に私と家族の問題が(国民の)尺度に満たず、失望させてしまったため」と語った」

     

    進歩派は、必ずしも改革派でない。そういう現実を余すところなく示したのが、今回のチュ・グク騒ぎである。進歩派の看板を掲げて、裏では卑怯な利益追求を行っていたとは驚きである。進歩派も欲深い人間の「業」を背負って生きていることを証明した。

     

    (3)「にもかかわらず、「瑞草洞のろうそく」が「チョ・グク守護」に固執しているのには理由がある。行き過ぎた検察捜査に対する反発と、すでに権力機構化している検察に対する不信があまりにも大きい。検察改革が雲散霧消することへの懸念や、ここで押し返されれば、ともするとろうそく政府も危険になりうるという懸念も大きい。「瑞草洞のろうそく」に合流しない革新も、これを知らないわけではないだろう。しかし、「チョ・グク守護」が革新の「二重性」批判に力を与え、ややもすると革新の道徳性にまで大きな傷がつくことを懸念する

     

    革新派を標榜するには、人一倍身辺を身ぎれいにする努力が求められる。それが、どうだろう。選りに選って、「疑惑満載の人物」がチョ・グク氏であった。革新派の人物選択眼の狂いを証明した。 

     

    (4)「軍部独裁終息以降の30年間、革新も否応なく社会の既得権構造に足を浸すことになった。その間に選出された6人の大統領のうち半分である、金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)・文在寅(ムン・ジェイン)が革新陣営だ。もはや革新も自らを変革しなければ、守旧勢力に転落する危険性を内包することになった。これこそ韓国放送通信大学のキム・ギウォン教授が生前に「もはや革新派すなわち改革派ではない」と強調した理由だ」

     

    「もはや革新派、すなわち改革派ではない」という現実は、文政権と与党の面々が証明している。大きな幻想であったのだ。このダメージは、次期総選挙で議席減となって現れであろう。

     

    (5)「保守寄りの経済界の関係者は、「革新が来年の総選挙まで『チョ・グク守護』に固執したとすれば、おそらく自由韓国党がもっとも喜ぶだろう」とし、「朴槿恵(パク・クネ)前大統領もウ・ビョンウ民情首席とチェ・スンシル氏を最初に切っていれば、弾劾は成立していなかっただろう」と語った革新がより厳しい物差しを自らに当てるのは宿命だ。革新の誇りをよみがえらせ、分裂を防ぐ出発点は、検察改革と「チョ・グク守護」の分離である」

     

    下線の部分は、意味深長である。文政権もチョ・グク氏の首を切っておけば良かったという事態の到来を危惧しているのだ。その点で、文大統領は人を見る目がなさそうだ。「盲目の愛」で突っ走っている。老練な政治家というイメージとほど遠い。

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    けさ、下記の目次で発行しました。よろしくお願い申し上げます。

     

    天安門事件から30年

    自由が守る香港の未来

    中国共産党の死角どこ

     

    昨年7月から始まった米中の通商協議は、今なお結論が出ないまま、相手の腹の探り合いを続けている。大きなヤマ場は、今年の5月にあった。妥結寸前までこぎ着けたものの、中国が反対派の動きで反古にして、振り出しに戻ったままだ。そうこうしているうちに、香港で民主化デモが始り、米国は国是から言って支援せざるを得ない立場になっている。

     

    米中通商協議は、香港デモの終息と深い関係を持つようになってきた。香港デモは、次第に過激化している一方、中国人民解放軍が介入機会を待つ動きを見せているからだ。今年は、天安門事件が起こってから30年になる。おびただしい人々が犠牲になった事件だ。中国学生の民主化請願運動が、「暴徒」扱いされ銃剣の犠牲になった。

     

    天安門事件から30年

    当時の天安門請願デモに比べた現在の香港デモは、はるかに「実力闘争」スタイルに変っている。中国最高指導部としては、いつまでも放置できない動きであろう。あくまでも「武力鎮圧」の方針をちらつかせており、香港政府にその準備をさせている。「マスク使用のデモ禁止」がそれだ。香港議会の議決を経ずに強権的に発動したもので、次の一手はさらに強硬策となるのだろう。

     

    香港の12大学の学生会は10月6日、「覆面禁止法」の施行を受け共同声明を発表した。香港政府と中国共産党政権が、香港の法治を破壊していると強烈に非難したもの。12校の学生会では、「香港『基本法(憲法に相当)』によれば、行政長官が直接立法する権限を持っておらず、「覆面禁止法」などの非常事態は宣言できない」と、その違法性を指摘している。声明の最後では、「自由を与えよ。さもなければ死を与えよ」と強調。香港の若い世代は、「暴政に屈服することなく、自由を手に入れるまで命を懸けて抗争していく」と締めくくっている。

     

    学生会の声明では、今後、香港行政当局が外出禁止令、通信や集会の権利規制、市民の資産没収などの行政命令を次々と施行し、香港市民の自由を奪っていく恐れがあるとの認識をも示した。「覆面禁止法」を発令した緊急条例は、英国統治下の1922年に制定された。1967年、中国共産党支持者による大規模な暴動を鎮圧するために初めて発動された。今回が2回目にあたる。以上は、『大紀元』(10月7日付)から引用した。

     

    香港行政当局は、長く続くデモ収拾策として「覆面禁止法」を持出したが逆効果になっている。香港12大学の学生会が、団結して対抗する姿勢を見せており、中国政府は黙認できない立場である。30年前の天安門事件を鎮圧した実績を持つだけに、「学生をつけあがらせるな」という感情的反発が強い。

     

    中国政府は、香港デモに必ず報復するという見解が登場した。『フィナンシャル・タイムズ(FT)』(10月8日付)が、中国政府の怒りの声を伝えている。

     

    中国の指導者たちは、香港の問題を話し合うために「秋後算帳」という格言を使っているという。一般的な言い回しでは、「機が熟した時に復讐する」ことを意味する。中国が専制時代に民衆を統治した裏に、この秋後算帳による復讐で脅かしてきたに違いない。今や、GDP世界2位の中国だ。誰に遠慮することもない。香港の学生ごときに舐められてたまるか。必ず踏み潰して見せる、と荒い鼻息が直に伝わってくる感じである。

     

    中国の歴史をよく知っているデモ参加者は、中国政府が後で必ず報復することを承知している。そのため、抗議運動は絶望的な様相を伴っている。香港中心部のビジネス街の各地にスプレーで書かれた、最もよく見られるスローガンの一つには、「我々を燃やすなら、お前たちも一緒に燃える」とある。香港の若者が、徹底的に香港政庁とその後ろに控えている中国共産党に対抗して、香港の自由を守る覚悟を見せ始めている。危険な対決の様相を呈しているのだ。(つづく)

     

     

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