勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 経済ニュース時評

    a1180_012431_m
       

    習近平中国国家主席が、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加を検討すると発言した。日米中など21カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にオンラインで出席して述べたもの。習氏がTPPへの参加検討を表明するのは初めてだ。

     

    習氏がこういう発言をした背景は、米中デカップリング(分離)が現実に進んでいる中で、西側諸国からの孤立を最も恐れている結果であろう。「中国も忘れないでね」という程度のことで、積極的に参加する意思は疑わしい。リップサービスと見るべきだろう。

     

    TPPを積極的に推進した米国オバマ前大統領の狙いは、中国を米経済圏から排除することにあった。当時オバマ氏は、南シナ海で他国領有の島嶼を占領する中国を苦々しく見てきた。この中国を反省させるには、武力でなく経済的に窮地に追込むことであり、これで間接的に安全保障を確立するという「オバマ的防衛」であった。だから、オバマ氏は自らの大統領任期が切れる直前まで、米議会へTPP承認の根回しをしていたほど、執着を見せたのだ。

     


    オバマ氏が、中国を排除する上でもっとも拘ったTPP加入条件は、国有企業の比率をギリギリまで下げることであった。将来、中国が加盟したいと申し出てきても断るための条件として、国有企業比率を下げておくことであった。中国が、高い国有企業比率では参加不可能になるからである。

     

    習氏は、逆に国有企業を中国産業の中核に据える方針へ切換えていた。従来は、「民進国退」で民営企業を発展させる方針であった。それが、習氏によって国有企業を前面に据える「国進民退」方針へ大転換したのである。

     

    この「国進民退」の狙いは、習氏が中国革命に貢献した人々の二世(習氏も二世)の支持を取り付けるには、国有企業を核に据え二世の権益を保護する必要があった。習氏は、こうして自らの権力基盤を確立したのだ。国有企業保護は、結果的に国有企業の経営効率を大きく損ねることになった。民営企業の生産性と比較して、国有企業は大きく出遅れた。

     


    習氏は、国有企業の非効率をカバーすべく、同業大手との合併を進め、巨大な国有企業の規模をさらに大きくした。こうして、TPP基準から見た国有企業のウエイトは、あまりにも大きくなりすぎており、TPP加盟が不可能なほどの事態を招いている。

     

    中国が、TPP加盟を真剣に模索する条件は、習氏が国家主席を引退した後だろう。それは、計画経済の誤りを精算せざるをえない状況に追込まれた時だ。「国進民退」路線を放棄して、「民進国退」に戻る時だ。中国が、先ごろ署名した「RCEP」(東アジア地域包括的経済連携)の工業製品自由化率は91.5%である。TPPのそれは99%である。この工業製品の自由化率が示すように、RCEPとTPPは自由化レベルがかけ離れているのである。

     

    中国における醤油と日本酒の関税撤廃は21年後である。これを見れば一目瞭然、中国の産業保護は度を超している。RCEPですら、これほどの超スローモーである。中国が、TPPへの参加も検討するとは、単なる口先の話と見るべきだろう。

     


    『日本経済新聞 電子版』(11月20日付)は、「習氏、TPP参加『積極的に検討』、APEC首脳会議」と題する記事を掲載した。

     

    中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は20日、環太平洋経済連携協定(TPP11)への参加を「積極的に考える」と表明した。日米中など21カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にオンラインで出席して述べた。習氏がTPP11への参加検討を表明するのは初めて。

     

    (1)「習氏は中国や日韓、ASEAN(東南アジア諸国連合)など15カ国が署名した東アジア地域包括的経済連携(RCEP)にも触れ「歓迎する」と成果を誇示し、アジア太平洋地域への影響力拡大に意欲を示した。米国はTPP11、RCEPに参加していない。議長を務めるマレーシアのムヒディン首相は首脳会議の冒頭で「世界の国内総生産(GDP)の約6割を占める我々はコロナ後の経済回復を先導する役割を期待されている」と結束を訴えた。会議にはトランプ米大統領も出席した」

     

    菅義偉首相は首脳会議で自由貿易を推進する必要性を訴えた。TPPを拡大して、アジア太平洋の自由貿易圏の実現を目指す考えを示した。TPPで、新規加盟交渉が始まると見られるのは、英国、台湾である。台湾については現在、福島など5県産食品の禁輸を継続している。台湾は、TPP加盟時に撤廃する意向だ。

     

     

    a1320_000159_m
       

    中国は、迫りくる気候変動で最大の被害を受けることが決定的になっている。中国辺境のチベット地帯の氷河が急速に融解しており、黄河や長江の水資源枯渇が不可避となったからだ。チベット地帯は、北極・南極と並ぶ世界三大氷河とされている。そのチベット氷河の融解速度が加速化している。

     

    こういう厳しい現実を突付けられており、世界一の二酸化炭素排出国である中国は、EV(電気自動車)シフトに舵を切っている。この結果、2030年までに原油時代の終焉を迎えるという大胆予測が登場した。こうなると中国は、世界一の原油埋蔵量であるベネズエラへ貸し付けた500億ドルの回収が、さらに困難になるという新たな問題が発生する。あちら立てればこちら立たずで、中国の盲滅法の政策が破綻する運命だ。

     

    『ロイター』(11月20日付)は、「中国主導のEVシフトで『原油時代』が終焉へ」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「シンクタンクの「カーボン・トラッカー」は20日、中国主導による電気自動車(EV)への積極的なシフトにより、世界の原油需要伸び率が2030年までに70%縮小し、「原油時代」の終焉が後押しされるとの調査結果を発表した。新エネルギー車(NEV)の競争力が高まるのに伴い、中国は今後10年以内に、原油輸入コストを年間800億ドル以上節約できる可能性があるという」

     

    中国のEVシフトが、世界の原油需要伸び率が2030年までに70%縮小させ、「原油時代」の終焉が後押しされるというのである。こういう時代がくれば、世界原油事情の大激変は必至。この鍵を握るのは、蓄電池の能力開発がどこまで進むかにも掛るが、趨勢としてはこの方向であることは間違いない。

     


    (2)「この算出は国際エネルギー機関(IEA)の「控えめな」シナリオに基づくもので、シナリオではEVが中国自動車販売全体に占める割合は2030年までに40%、インドその他の新興市場では20%と予想している。「カーボン・トラッカー」によると、平均的な自動車燃料としての原油の輸入コストはEVを動かすためのソーラー機器の10倍。カーボン・トラッカーのストラテジストで調査結果の筆頭執筆者、キングズミル・ボンド氏は、「これは海外のカルテルが生産した高価な原油への依存度を高めるか、時間とともに価格が下落している再生可能資源による国内電力への依存度を高めるか、という単純な選択だ」と述べた。

     

    前記の前提が実現するには、2030年までに中国のEVが年間自動車販売の40%に達することが必要になるという。現状から言えば夢物語だが、飛躍的な蓄電池開発に掛っている。これは同時に、再生可能資源による国内電力供給が、過半を占める時代が来なければ困難であろう。

     

    このように、難しい条件はいくつかあるとしても、「人智」がそれを乗り越えていくに違いない。そこで、2030年までに原油依存経済が終焉を迎えることが明らかになれば、原油生産国は干上がる。中でも、世界一の原油埋蔵量とされるベネズエラは、現在の苦境がさらに深刻なものとなろう。中国は、このベネズエラに500億ドルも貸し付けている。債権回収が、一段と難しくなる。

     


    『フィナンシャル・タイムズ』(11月18日付)は、「ベネズエラ、埋蔵量世界一の石油は埋もれたままか」と題する記事を掲載した。

     

    かつて石油輸出で潤っていたベネズエラは、崩壊した経済を再興させるため、世界で最も炭素集約度(エネルギー消費当たりの二酸化炭素〈CO2〉排出量)が高い部類の一つである同国産原油を採掘するための投資に期待をかける。だが、気候変動問題で世界のエネルギー市場が揺さぶられるなか、一部の専門家はベネズエラで最も価値の高い資産の多くが採掘されずに終わるとみる。

     

    (3)「ベネズエラ国営石油会社PDVSAの元取締役で今は米国でコンサルタント業を営むペドロ・ブレリ氏は、「石油では今のこの国を救えない」と話す。ベネズエラ国営石油会社PDVSAの元取締役で今は米国でコンサルタント業を営むペドロ・ブレリ氏はこう話す。「国と経済を自分たちの手で造り直さなければならない」。ニコラス・マドゥロ大統領の革命的社会主義政権下で、ベネズエラは平時としては世界で最悪の経済破綻に見舞われた。国際通貨基金(IMF)によると、国内総生産(GDP)は過去5年で4分の3以上収縮した。約500万人が難民となり極貧に陥った祖国を逃げ出した」

     

    ベネズエラは、かつて最も経済的に豊かな国であった。それが間違った社会主義政策で破綻した。GDPは5年で4分の3以上も収縮。約500万人が難民なって流出した。この破綻国家に500億ドルも貸し付けたのが中国である。

     

    (4)「年を追うごとに、石油企業に(温暖化ガス排出を実質ゼロにする)カーボンニュートラルを求める投資家からの圧力は高まり、ベネズエラがかつての強大な産業を取り戻すチャンスは消えていく。比較的安く採掘できるオリノコベルトの豊富な原油は、世界の中で最も炭素集約度が高い部類に属する。「ますます多くの企業が重質原油に背を向けており、ベネズエラ産は超重質原油の一つだ」。英王立国際問題研究所のエネルギー専門家、バレリー・マルセル氏は話す。「ベネズエラへの投資家がいないわけではないが、どんどん減っている」と付け加えた」

     

    ベネズエラ産原油は、超重質原油の一つとされる。CO2の塊のような原油を欲しがる国は消えたはず。地下には、世界一の原油が埋蔵されているとしても、もはや「宝の持腐れ」となった。中国は、原油に目が眩んで融資したのだが、「こんなはずでなかった」と頭を抱えているだろう。

     

    a0960_008567_m
       

    文政権は、恥も外聞もなく自らが任命した尹錫ヨル(ユン・ソクヨル)検察総長を辞任へ追込むべく圧力を掛けている。政権の暗部である原発廃止を巡るデータねつ造捜査から手を引かせる目的であろう。進歩派を名乗る文政権であるが、保守派も顔負けのデータ隠蔽を恥ずかしくもなく行っている。文氏が大統領引退後は、必ず検察のメスが入るだけに、それを阻止する狙いもあるのだろう。

     

    『中央日報』(11月20日付)は、「法務部長官を前面に出して検察を修羅場にするのが大統領の考えなのか」と題する社説掲載した。

     

    検察は本当に修羅場になりつつある。言うことを聞かない検察総長を追い出すために世論や慣行も無視して、ついには法規まで破る秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官と法務部の暴走は目を開けて見ていられない状況だ。

    (1)「法務部(法務省)は19日午後2時、検察総長を対面監察する計画をひとまず引っ込めた。だが「最高検察庁が協力せず、訪問調査ができなかった」とし「原則通り手続きを進める」と明らかにした。監察拒絶フレームを作るための名分づくりのように見える。類例のない総長監察推進の意図が尹錫ヨル(ユン・ソクヨル)総長を追い出してこそ任期末と退任後の安全が保障されるという青瓦台(チョンワデ、大統領府)・与党の判断のためであることは国民全員知っている。検察を政権の忠犬にするという陰険な意図を今や隠そうともしない」

     


    秋法務部長官は、これまで硬骨漢であるユン検察総長を辞任させるべく、捜査指揮権を発動してユン総長の捜査指揮権を3回も奪うという強硬手段を取ってきた。それにも関わらず、辞任しないユン総長に対して、今回は「対面監察」という侮辱手段で追込むという前代未聞の奇襲作戦に出ようとした。だが、あまりの強硬策だけに、ひとまず中止することになった。

     

    こういうなり振り構わない政権側の「自衛策」で、検察機構を操っていることの誤りに気づかないほど、文政権は堕落している。今後20年間、政権を維持して南北統一するのが与党「共に民主党」の夢とされる。そのためには、検察機構を乗っ取ってまでも暴走する危険な政治集団に成り下がった。

    (2)「監察手続きも慣行に合わない水準を越えて違法に近い。法務部は一方的に総長秘書官に電話をかけて日程を決めようとし、返事がないと分かると若手検事2人の手に公文書を握らせて派遣した。中国文化革命時期の紅衛兵を連想させる。平検事を監察する時でさえもこのようにはしない。法務部監察規定によると、監察時に検察の独立性を損なってはならない(第3条)。同じ条項には所属機関長と関係者の意見を取りまとめて、十分に準備する時間を与えなければなければならないとの手続きが明示されている。また、不正があったと認めるほどの相当な理由がある場合に限り調査するように(第15条)、監察要件を明記している」

     

    検察の監察時には、検察の独立性を損ねないようにいくつかの条件がつけられている。第3条と第15条がそれだ。それにも関わらず、法務部は総長秘書に電話して返事がないとみるや、若い検事に公文書を持たせて強行しようという異常さである。検察総長の誇りを踏みにじる蛮行である。

     

    (3)「したがって、監察理由を十分に通知してこそ違法かどうか判断することができるという最高検察庁側の主張にはなんら問題はない。もし誰かが秋長官を告発し、告発があったから捜査すると言って、検察が公開的に出席を要求すれば秋長官は何も反論せずに従うだろうか。今回監察を任せようと緊急に選出した部長検事が違法な監察として拒否し、2日後に送り返したという話もある。法務部は一線の地検人材を配慮した派遣解除だとしたが、派遣発令を出す時は眼中になかった一線の庁の事情をわずか2日間で考慮したという説明を本当に信じろということなのか知りたい」

     

    検察庁内部でも、政権の法規を無視した強行策に批判が出ている。ユン総長を「対面監察」することをまかされた部長検事が違法監察として拒否したとも伝えられる。ユン総長の部下である部長検事が「対面監察」を行えば、下克上そのものになる。

    (4)「このように違法だらけの監察の動きは後で職権乱用として処罰を受ける可能性がある。監察を主導した秋長官と監察担当官だけでなく、いわれなく動員された若手検事たちも対象に含まれるおそれがある。常識に外れることを秋長官一人でやっていると見るのは難しい。人事権者である大統領の沈黙は、検察組織が機能不全になり、秋長官が非常識な人になっても、尹錫ヨルさえ追い出せばいいという暗黙的な追認としかみることができない」

     

    文政権は、何一つ業績になることをしなかった。やったことと言えば、自らの政権を守る違法行為だけである。ここまで、自らの政権を守るために違法行為を重ねるケースは、韓国政治史上でも珍しいであろう。

    結局、この非正常的な状況を収拾する責任は大統領にある。法務部を違法部にしている秋長官をとめなければ検察と秋長官はもちろん、大統領も危なくなる。熱血支持層だけで政権を永久に維持することができると考えるならば、同じ道を歩んだトランプの末路を参考にしてほしい。

     

     

    a0960_005040_m
       

    韓国は、日本が新政権になったのを捉え、日韓「友好ムード」をかき立てている。国家情報院長や韓日議員連盟代表を訪日させるなど、あの手この手を使ってきた。東京五輪に全面協力を謳い文句にし、北朝鮮選手団を出場させる努力をする。その際、金正恩氏が訪日すれば、懸案の拉致問題解決への糸口が掴めるのでないか。こういう「バラ色」の話を持込んできたのだ。

     

    韓国の真の狙いは、四面楚歌に陥っている韓国外交の立直しを、東京五輪で実現しようというものだ。遮断されている南北関係の復活。旧徴用工問題で対立する日本との関係改善。そのためには、徴用工問題を凍結する。だが、日本側は「徴用工問題について、韓国側で解決案を出すことが前提」と原則論に終始している。韓国は、日本に白旗を掲げた形である。日本は、「二度と騙されない」と警戒心を解かないのだ。一度目の騙しは、韓国による日韓慰安婦合意の一方的な破棄である。

     


    『中央日報』(11月20日付)は、「安倍氏も離れトランプ氏も離れて」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のユン・ソルヨン東京特派員である。

     

    先週、朴智元(パク・ジウォン)国家情報院長のほか、金振杓(キム・ジンピョ)議員ら韓日議員連盟所属国会議員が日本を相次いで訪問した。朴院長は「両国首脳が、韓日関係を改善するべきだということで意見が接近している」として、(韓国における)年内の韓日中首脳会議開催に菅首相出席を促す信号を送った。

    金振杓議員は「強制徴用問題はしばらく凍結しよう」という破格的な提案までした。日本被告企業の資産現金化が当面進行しないという一種の「モラトリアム宣言」だ。手を使うという話ではないが、被害者側でもこのような提案に反発しないでいる。東京に赴任した過去3年間、このように前向きなメッセージが一度に出てきたことがあったかしらと思うほど積極的なアプローチだ。



    (1)「日本側の反応はすっきりしない。核心懸案である強制徴用被害者の賠償問題に対して、日本が受け入れられるほどの具体的な提案が出てこなかったという理由だ。菅義偉首相が朴院長、金議員一行と広く会ったことは「単に米国を意識したジェスチャー」という分析も出てきた。バイデン当選者側に「われわれもやるだけのことはやった」というところを見せるためのものにすぎないということだ」

     

    日韓関係は、形の上では「友好国」である。その韓国から訪日して日本側の首脳陣と面会したいという申入れがあれば、これに応じるのが外交儀礼である。日本が、米国を意識して行っているジェススチャーではない。

     

    韓国は、大きな誤解をしている。韓国が提案した東京五輪に協力することや、徴用工問題凍結は、徴用工問題の抜本的な解決になんら資するところがないのだ。いずれも、一時的な事柄である。韓国が昨年、東京五輪問題で何を言っていたか。「東京五輪ボイコット」を主張していたのだ。その韓国が掌返しで、協力するというのだ。日本が、素直に受け取れないのは致し方あるまい。

     


    (2)「日本政府関係者は、韓日局長級会議の再開と相次ぐ韓国高官要人訪問に対して「強制徴用問題の解決とは関連性が1ミリもない」と言って最初から期待をバッサリ切り捨てた。「文在寅(ムン・ジェイン)-菅義偉(共同)宣言」の提案に対しては、「非現実的」「東京オリンピック(五輪)に協力するというのは北朝鮮関係に利用しようとする魂胆ではないか」という話まで出ている。メディアは、「日韓関係を健全に戻していくきっかけを韓国側がつくってほしい」という菅首相の発言にあるという点を強調した」

     

    韓国は、これまでの反日で何を発言したか。すべて忘れている風を装っている。昨年7月からの政府煽動の「反日不買運動」は、度を超したものだった。それが今、韓国の外交的な利益を求めて「韓日友好」と叫んでも、日本は戸惑うばかりだ。

     

    (3)「菅政権から韓日関係を見るには、「韓日慰安婦合意」に言及せざるをえない。2015年安倍政権に官房長官だった菅首相は合意締結過程を裏側で仔細に見守った。安倍首相を説得して成功させた慰安婦合意が紙切れになってしまった事件は、菅首相に「トラウマ」として残っている。韓日関係を改善するということは、このトラウマを正す過程だ。一気に解決されることも、不信をすっかり払拭することも期待できない。忍耐力を持って、そして誠意を持って接近しなければならないのはこのためだ」

     

    文政権が、日韓慰安婦合意を一方的に破棄したことで、日本から見た韓国は「信頼度ゼロ」の国である。真面目に合意した事項が、政権交代で反古になる。まさに、革命政権と同じ非合法な手段を弄したのである。その文政権が、「韓日友好」と言ってきてもにわかに信じがたい話だ。日本が、警戒するのは当然である。

     

    a1320_000159_m
       


    韓国政府は、賃貸住宅難の解決策として、空室のホテルなどを買収して転用することになった。原因は、「賃貸借3法」によって借り主の権利を保護しすぎたために、貸家が減ったことにある。政府が、応急措置をせまられたものである。家族が、ホテルの一室で煮炊きをしながらどのように生活するのか。非難が殺到している。解決策は、賃貸借3法の緩和であるが、政府にその意思はない。

     

    戦後の日本でも住宅難の解決策として、借家人の権利を保護したところ、韓国と同様のことが起こり、貸家の権利も回復してバランスをとった経緯がある。

     

    『朝鮮日報』(11月19日付)は、「56坪のホテル客室が賃貸住宅難対策? 鶏小屋に住めというのか」と題する記事を掲載した。

     

    韓国政府は19日、不動産関係閣僚会議を開き、公共賃貸住宅拡大を骨子とする賃貸住宅対策を発表する。政府は最近全国的に拡大した賃貸住宅難に無策だと批判を受けてきた。このため、対策は公共機関に短期間に確保できる住宅を最大限かき集め、賃貸市場に供給することが主眼とされる。ホテルや雑居ビル、工場などを改造し、賃貸住宅として供給する案も検討されている。これについて、野党は「ホテルの客室を改造するといったいい加減な弥縫(びほう)策を打ち出そうとしている」と反発している。不動産専門家の間でも「既に実施中の政策の二番煎じで、供給戸数を増やすことにばかりにきゅうきゅうとしている」との批判が聞かれる」

     


    (1)「韓国政府が示す今回の賃貸住宅対策の核心は「買い取り賃貸」と「保証金物件賃貸」だ。韓国土地住宅公社(LH)やソウル住宅都市公社(SH)など公企業が既存の住宅を買い取るなどして確保し、賃貸住宅として提供する方式だ。住宅物件を新築して供給する建設賃貸よりも早く供給できるメリットがある。しかし、マンションよりも多世帯、多世代住宅が多く、賃貸需要者のニーズには合わない。立地条件も悪いことが多く、「良質の賃貸住宅」とはかけ離れているとの声がある」

     

    賃貸住宅難というご時世に空き家・空室になっている物件は、相当に立地条件が悪いか物件自体に問題があるはず。それを構わず、政府が応急対策に乗出すというのだ。文政権は、すべてこういう場当たり主義である。最低賃金の大幅引上げによる失業増も、同じ過程から生まれた失敗である。

     

    (2)「都心の空きオフィスや雑居ビル、工場、ホテルなどを改造し、賃貸住宅として供給することも検討される。民主党の李洛淵(イ・ナギョン)代表は17日、ジャーナリスト団体「寛勲クラブ」の討論会で、「ホテルの客室を住居用に変更し、賃貸する案が(政府発表に)含まれると聞いている」と述べた。ただ、ホテルは客室ごとに仕切られており、すぐに住宅として活用できるようにも思えるが、キッチンがない上、ワンルームが多く、一人暮らしでなければ生活が困難だ。2人以上の世帯も暮らせる住宅として供給するためには、大規模な工事が必要となるが、それには時間も費用もかかる」

     

    ホテルで生活するリッチな人もいるが、それは例外的な存在である。庶民が、ホテルで生活することは困難である。そういう設備や構造になっていないからだ。コロナ禍で空いているホテルも、コロナ問題が終息すれば、必ず需要が回復するはず。そのとき、「ホテル住人」を追出す積もりか。そういう配慮がゼロである。

     


    (3)「野党は政府・与党のホテル改造計画について、「鶏小屋に住めというのか」と強く批判している。国民の力の劉承ミン(ユ・スンミン)元議員は「ホテルの客室を住居用に改造することを対策として打ち出すとはあきれる。7月に民主党が単独で成立させた賃貸借3法から元に戻すべきだ」と迫った。同党の河泰慶(ハ・テギョン)議員は「ホテルと住居用マンションは基本構造や住居環境自体が完全に異なる。市民に鶏小屋に住めというに等しい」と述べた」

     

    野党が、こぞって反対しているのは当然である。文政権には、将来を見通す力がゼロである。すべてが思いつきで決めている感じだ。

     


    問題は、賃貸住宅3法にあることは間違いない。この法律は、今年7月に制定された「悪法」である。「賃借人は2年の契約期間終了後、特別な理由がない限りさらに2年の契約延長が保障される。延長時の値上げ幅は、従来の賃貸料の5%以内とし、地方自治体が条例で上限を決める」としている。

     

    この法律は、貸家側には不利である。2年契約でさらに2年の契約延長が可能。その際、値上げ幅は5%以内となっている。経済情勢がどう動くか不明の時代に、最長4年で値上げ幅僅かである。これでは、貸家側のリスクが大きくなりすぎる。しかも、同改正案は所管の常任委員会である法制司法委員会に上程されてから、わずか2日にして施行されることになった。こういう、せっかちな法律に誰でも不安を覚えて当然である。貸さないという選択によってリスク回避しているのだ。すべての責任が、文政権にある。

    このページのトップヘ