勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > アジア経済ニュース時評

    a0001_000269_m
       

    人口14億人のトップ、中国国家主席の習近平氏に健康不安説が囁かれている。国家主席として君臨するが、後継者が決まっていない異常な政治体制にある。「万一」の場合、中国国内の混乱は避けられない。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(4月25日付け)は、「習氏に健康不安? 後継巡り内部闘争懸念も」と題する記事を掲載した。

     

    中国の習近平国家主席は先月の欧州歴訪で、歓迎式典から晩さん会まで数々の表舞台に立ち、指導者としてのイメージを高めた。だがその背後で、習氏の異例の「足取り」が一部の注目を集めていた。イタリア、モナコ、フランスを訪問する習氏の様子を伝えるテレビ報道では、足をやや引きずりながら、儀仗(ぎじょう)隊に迎えられ現地を視察する習氏の姿が映し出されている。エマニュエル・マクロン仏大統領との会談では、習氏が両腕で椅子を握り、自身の体を支えながら着席する様子が報じられた。

     

    (1)「これを受け、政治に関心がある中国人や海外の外交筋、中国問題の専門家などの間では、6月で66歳になる習氏を巡り、ひそかに健康不安説がささやかれ始めた。臆測は海外の中国系通信社にも波及し、ソーシャルメディア上では、捻挫から痛風までさまざまな臆測が飛び交っている。ある元政治学教授は、中国知識人の間ではソーシャルメディアの非公開チャットルームで『ちょっとした議論』が起こっていると話す。『誰も多くは語らないが、互いに暗黙の理解がある』という」

     

    習氏の健康不安の原因としては現在、ねんざから腰痛までと軽い病状がささやかれている。ただ、今年6月で66歳を迎える習氏だ。中国社会では平均55歳定年制だから、「何か持病でもあるのか」と話が拡散される要因を持っている。

     

    (2)「仮に習氏が職務遂行不能な状況に陥った場合、かつて毛沢東氏の独裁体制を見舞ったような激しい内部の権力闘争が再燃する恐れがある。中国の歴史学者、章立凡氏は、習氏の後継体制を巡る不透明感が「政治制度と社会に対するリスクを増幅する」と指摘する。「後継者を指名しなければ、指導者は病気になることも、職務の遂行を妨げるような問題を抱えることも許されないという危険がある」とし、これがうわさを助長し、求心力の低下を招くという」

     

    習氏が突然、国家主席を辞任する事態になればどうなるか。当然に、党内は混乱する。習氏を支える毛沢東派と経済改革派が激突する。中国経済は、米中貿易戦争によってその弱点が明らかになった。これをいかに修正するかだ。これを阻もうとする保守派が、経済改革派に総攻撃を加えるに違いない。

     


    (3)「2カ国の情報当局者と最近接触したというある研究者は、とりわけ習氏が昨年、任期撤廃を通じ『終身主席』に道を開いて以降、海外の情報当局が習氏の健康状態を注視していると話す。『彼らの懸念は、共産党が熟考された後継計画を策定していないことだ』とし、『習氏に何かが起きた場合にどうなるのか、われわれにも分からない』と述べる。多くの一党独裁政権と同じように、中国共産党は指導者交代に関する明確な規定を欠いている。指導者ポストが空席となる不測の事態が起こった場合の後継順位や手続きを定めていないのだ」

     

    中国では、指導者交代について明確な規定がない。毛沢東時代は、この弱点が現れて混乱を生んできた。仮に、習近平氏の健康に問題が起った場合、毛沢東時代の混乱へ戻るリスクを抱えている。重大な政権移行システムのない中国政治は、前近代的と称せざるを得まい。この状態で、世界覇権などと叫んでいることに、ますます驚くほかない。

     

    (4)「歴史学者によると、共産党は新指導者の選定プロセスを制度化していないため、1世紀近くにわたる党の歴史において、激しい政治闘争を引き起こしてきた。習氏はまさにこれを体現しているかのようだ。習氏は2012年に権力を掌握して以降、共産党が掲げていた集団指導体制を覆し、意志決定を自らの手中に収め、自身をカルト化して個人崇拝を醸成した。2017年には、主席任期の撤廃に動く前に、後継候補を指導部に昇格させることを拒んだ

     

    習氏が普通の市民感覚であれば、下線を引いたような振る舞いをするはずがあるまい。これは、習氏を利用して権力のもたらす利益を私益化しようというグループがいるはずだ。私は、この人物こそ党内序列5位の王氏と見ている。彼は、江沢民、胡錦濤の知恵袋として活躍し、さらに習近平の懐刀となって、これまですでに27年間も権力の密を吸ってきた人物だ。

     

    私は、党内序列5位の王氏を最も危険な人物と判定する。彼は、中国の「ラスプーチン」であろう。習氏は、この王氏によって政策ミスを冒している。一帯一路、南シナ海進出、経済政策奪取、さらに国家主席の任期制廃止まで、王氏の止まるところを知らない権力欲によって、習氏は踊らされているのだ。習氏の健康不安説は、中国政治の脆弱性を余すところなく浮き彫りにしている。

     


    a0960_008417_m
       

    文在寅大統領が力説してきた所得主導経済成長は破綻した。今年1~3月期の実質GDP成長率は、前期比マイナス0.3%に落込んだ。リーマン・ショックの2008年10~12月期(前期比マイナス3.3%)以降、10余年ぶりに最も低い経済成長率だ。

     

    昨年10~12月期が前期比1.0%成長率の反動も重なったが、主要需要項目は軒並み悪化して、事態の深刻さを窺わせた。データは、『聯合ニュース』(4月25日付け)に基づく。

     

    主要需要項目の前期比増減率

    輸出    2.6%減

    輸入    3.3%減

    設備投資 10.8%減

    建設投資  0.1%減

    民間消費  0.1%増

    政府支出  0.3%増

     


    設備投資は昨年1
    .6%の減少に続き、今年1~3月期も前期比10.8%も減少した。特に、国際通貨基金(IMF)の救済金融を受けた1998年1~3月期(前期比24.8%減)以降、21年ぶりの最低水準だった。建設投資も昨年4.0%減り、今年1~3月期に前期比0.1%減となった。

    設備投資は、半導体市況の低迷を反映して着工を繰り延べている影響が大きく出て、二桁の減少に見舞われている。民間消費はわずか0.1%増と辛うじてマイナスを免れた形だ。国民生活の戸惑いが、目に見えるような感じである。最低賃金の大幅引上げによって、所得主導経済成長を推進する目標であったが、逆の結果に終わった。

     

    最低賃金は、昨年と今年で約30%も引き上げた。大企業労組の賃金は上がったものの、中小企業・零細企業では解雇者が増えており、経済全般の活動を押し下げる結果となった。文政権は、最低賃金の大幅引上げを修正する動きを見せず、さらに財政出動を強化するという泥沼にはまり込んでいる。韓国経済は、こうして衰退してゆくはずだ。

     


    11
       

    中国政府は、きょう(25日)から3日間の日程で、第2回「一帯一路フォーラム」を開く。フォーラムには40カ国近い国のトップが参加し、習国家主席との円卓会議に臨むという。2年前の第1回フォーラムでは、共同発表文をめぐり、英・独・仏などEU諸国と意見が衝突して、署名もせず帰国する事態を招いた。中国が自説を主張して譲らなかった結果だ。

     

    今回のフォーラムでは、前回の失敗に懲りて低姿勢に出るという。習近平氏は、「一帯一路」構想が中国の独善的な推進姿勢によって、国際的な批判を集めているので、対外姿勢や管理運営方法について柔軟な姿勢を示す方針だ。

     

    第2回一帯一路フォーラム開催前に、中国の当局者や学者は、他の国や多国間でまた、資金を供給する機関も、今こそ一帯一路に参加して資金を供給すべきだと主張したという。これは、中国の対外投資資金のゆとりがなくなってきたことの証明である。私はこれまで、中国の経常赤字問題が今年から現実化する事実を強調してきた。中国の「弱気発言」は、これを立証したものだ。中国経済は「ウドの大木」であり、すでに最盛期期を過ぎている。辛うじて「大言壮語」でその弱点をカムフラージュしているだけなのだ。

     

    英誌『エコノミスト』(4月20日号)は、「欧米の対中政策、今は団結モード」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国の西側社会に対するメッセージは、次の3段構えからなるとされてきた。(1)中国の台頭は避けられない (2)中国に協力する国は多大な恩恵を受けられる (3)従って抵抗しても無駄だ、と。ここへ来て中国に協力すればそれだけの見返りがあり、従って中国に抵抗することは無駄だという点について疑問視する向きが強まっている」

     

    中国が、外貨準備高3兆ドルを維持しているのは、他国への「見せ金」に過ぎない。この「金力」を武器にして前記3段階メッセージの、(3)中国へ抵抗しても無駄という「成果」を得てきた。だが、「金力」の源泉である経常黒字が消えて、今年から恒常的な赤字国へ転落する。この期に及んで、(2)中国に協力する国は多大な恩恵を受けられる、という殺し文句が使えないのだ。もはや、中国に潤沢な貸付け資金があるはずもない

     

    (2)「中国が中東欧16カ国と開く定例の首脳会議『16プラス1』に、ギリシャが412日、参加を表明したことは中国の勝利を示したかのようにみえた。これは中国が2012年に中東欧諸国との協力を深めるため発足させた枠組みである。ギリシャが資金力の豊富な友好国である中国を喜ばせようとしたのは確かだが、政治的には旬を過ぎたグループに加わったといえるかもしれない。というのも今や『17プラス1』になったこの枠組みの最大の参加国ポーランドを含む各国は、中国から期待したほどの商機や投資を実現できないこの枠組みに次第にうんざりし、不満を高めている、と西側の外交官らはみているからだ」

     

    中国が、中東欧16カ国と開く定例の首脳会議は、中国から期待したほどの商機や投資を実現できず、この枠組みに次第にうんざりして不満を高めているという。「金の切れ目は縁の切れ目」である。これから、経常赤字国になる中国に投資余力などあるはずもない。この程度のことが、なぜ分らなかったのか。外交官の経済分析センスは、意外に低レベルなのだろうか。ましてや、イタリアが新規に一帯一路で覚書を交わしている。空手形になるのは明白だ。

     

    私は、一帯一路は空中分解すると言い続けてきた。勧進元の中国経済がふらついている以上、避けられない結末である。中国が、頻りに日本に対して「ニーハオ」と言ってくるのは、「カネ目当て」である。経常赤字国になる中国が、経常黒字国の日本の存在がまばゆく見えるのは当たり前だ。膨大な軍事費を背負い込んでいる中国が、他国へ融資するゆとりなどあるはずがない。軍拡もいずれ自動ブレーキがかかって縮小するであろう。

     

    (3)「中国への認識を改める傾向は、ドイツのような国にまで広がっていると外交官らは指摘する。ドイツと中国は互いを必要としているとはいえ、ドイツは信頼の高い様々なブランドや誰もがうらやむ技術を抱えていることから、対中国では優位な立場を築けていると考えられてきた。だが、その独有数の大企業でさえ、中国政府の支援を背景に独企業を打ち負かして取って代わろうとする中国企業との競争に巻き込まれ、最近は中国との関係への認識を改めつつあるという。フランスと英国も中国との関係を現実的に考えるようになってきた

     

    中東欧16カ国は、中国の資金に魅力を感じて中国の回りに集まったが、そのメリットを感じなくなり不平不満を持つようになった。一方、英・独・仏という主要国も中国政府の補助金政策に警戒して距離を置くようになっている。こうなると、EUに基盤を築こうとした中国の戦略は大きく揺らぐ。中国の実績のない「演技」は、こういう形で突然、幕を引くのだろう。


    a1370_000549_m
       

    韓国の新生児数が減り続けている。昨年の合計特殊出生率は、「0.98」と歴史上で最悪事態に陥っている。韓国にとっては非常事態のはずだが、文政権の関心は北朝鮮問題一辺倒である。韓国は、一体どうなるのか。

     

    『朝鮮日報』(4月24日付け)は、「韓国で2月の結婚・新生児数が過去最低、増えたのは離婚だけ」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国で、今年2月の新生児の数がまたしても過去最低を記録したことが分かった。韓国統計庁が24日に発表した「2月の人口動向」によると、2月の新生児数は25700人で、1年前に比べ1900人(6.9%)減少した。2月としては1981年の統計開始以来最低の水準だ。月別の新生児数は20164月から35か月連続で最低を更新している。12月の新生児数の合計も56000人で前年同期に比べ3900人(6.5%)減少し、過去最低だったことが分かった。通常、新生児数は年初が最も多く、年末にかけて減っていくため、今年の年間の新生児数は昨年(326900人)より少ない30万人前後にとどまるとみられる」

     

    このパラグラフの中に、韓国の悲劇の種がすべて詰まっている。重大事実だから要約する。

        2月の新生児数は25700人で、1年前に比べ1900人(6.9%)減少した。

     2月としては1981年の統計開始以来最低の水準だ。

    ③ 月別の新生児数は20164月から35か月連続で最低を更新している

    ④ 通常、新生児数は年初が最も多く、年末にかけて減っていく

    ⑤ 今年の年間の新生児数は昨年(326900人)より少ない30万人前後になろう

     

    箇条書したことで、今年の新生児数は約30万人で約9.2%減になる。年間ざっと2万7000人ペースで減り続けたら、どういう事態になるか想像して見れば良い。簡単に言えば10年間で27万人減る。つまり、10年後には新生児がゼロという悪夢が現実になるかも知れない。

     

    文大統領は、労組に義理立てて最低賃金の大幅引上げを行なったが、これが原因で雇用崩壊が起こり、新生児数の急減が始まっている。韓国の将来を考えたら、今すぐに最低賃金の大幅引上げを中止して雇用崩壊を食い止めなければならない。

     

     

    (2)「2月の婚姻件数も18200件で1年前より800件(4.%)減少し、過去最低を記録した。韓国統計庁の関係者は「妊娠可能年齢の女性の人口が減少している上、婚姻件数も昨年まで7年連続で減少しており、新生児数の減少に影響している」と話した。一方、離婚件数は8200件で昨年2月より500件(6.5%)増加したことが分かった」

     

    2月の婚姻件数も1万8200件で1年前より800件減少(4.%)した。失業率の高い韓国では、結婚も経済的な要因が壁になってできない事態だ。

     

    韓国では若者の就職難がますます深刻となり、昨年の青年層(15~29歳)の体感失業率が過去最高の25.1%を記録した。体感失業率とは公務員試験の準備中の人やアルバイトを転々とするパートタイム労働者などを含めた広義の失業率で、今は若者の4人に1人が職場を見つけられずにいることを意味する。ここまで事態が悪化しながら、文政権は最低賃金の大幅引上げを是正しようとしないのだ。

     


    a0960_006618_m
       

    中国政府は3月22日、5月1日の労働節(メーデー)から4日間を連休にすると発表した。消費の喚起をめざすのが目的という。

     

    国務院の発表によると、今年は例年祝日となる労働節だけでなく、2、3両日も休みにする。その代わり、連休前後の日曜日は通常の勤務日とするため、実質的に新たな休日は生まれないが、5月4日は土曜日のため、多くの人にとっては4連休ができることになる。連休とすることで旅行需要が膨らみ、外食や航空券購入、宿泊をする消費者が増える可能性があると関連業界は歓迎している。

     

    だが、この5月初めの連休には政治的な狙いがあるという指摘が出てきた。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(4月23日付け)は、「中国、5月初旬を連休に、政治的思惑で」と題する記事を掲載した。

     

    国民の休日を定める場合、通常は混乱を避けるために十分に余裕をもって発表するものだ。そのため中国政府が先日、突然、51日の労働節(メーデー)を含めて4日間を連休にすると発表すると、学校や企業は対応に慌てふためいた。

     

    (1)「54日は中国の政治・社会の近代化を一気に推し進めた反帝国主義、反日運動『五・四運動』からちょうど100年にあたる。唐突な休日の変更は、この機に乗じて厄介な集会などが行われないように政府が先手を打ったものだ。しかもその1カ月先の64日には、政府がもっと神経質になっている天安門事件から30年を迎える。学生や大衆の抗議活動を武力で弾圧し、多くの死傷者が出た日だ」

     

    5月4日は、反帝国主義、反日運動『五・四運動』からちょうど100年にあたる。

    6月4日は、天安門事件から満30年を迎える。

     

    前記の2つの記念日は、中国共産党にとって「政治的に敏感な日」になった。5月4日は、男女同権や芸術家の自由な表現、民主化を訴えたが、現在の中国ではこれを弾圧している。だからこの日を忘れて欲しいのが本音という。6月4日は3000人以上の学生や若者が犠牲になった。政府にとって、ぶり返されて騒動になったら抗弁のしようがない。だから、今年の5~6月は厳戒体制を敷いている。

     


    (2)「2つの節目の日を前に、音楽配信サイトからは歌詞のある曲が消え、学者に対する締め付けが厳しくなった。メーデーから休みを3日間延ばして土曜日までにすれば、多くの市民が北京郊外で休みを過ごすだろうから、不穏な動きを抑えられるのではないかと期待しているのだ。香港のベテラン記者で編集者の廖建明氏は、『この2つの日は今日でも重要な意味を持っている』と言う。『中国人は大きなイベントの発生日を大切にするし、特に五・四運動の100年の節目は大事な日だ』と指摘する」

     

    下線を引いたところがミソである。国民に休日を与え遊ばせておけば、デモ行進をしないだろうと策を練ったもの。だが、中国人はこういう記念日を忘れない特性がある。何かしでかすかも知れない。

     

    (3)「五・四運動は1919年、国際舞台で列強とわたり合える強い中国を求めて学生がデモ行進したことをきっかけに、全国に広がった。中国共産党は自身を五・四運動の正当な継承者とみなしている。習近平国家主席は4月19日、五・四運動のレガシーを自分の重要な政治スローガンに結びつけようとした。党幹部に五・四運動について研究し「若者に対し、国の活性化に絶えず貢献する意欲を持たせるよう」指示した。だが、党が実際に危惧しているのは、五・四運動で同様に掲げられた男女同権や芸術家の自由な表現、民主化の方だ

     

    中国共産党は、民衆の正統な怒りの前に手を出せないはずだ。専制政治の弱点はここにある。中国の経済力が落ちてきたとき、中国共産党は民衆の怒りに対して、きわめて脆弱な立場に立たされる。現状ですら、これほど恐れているのだ。

     

    (4)「天安門広場の抗議デモについては、党は事件を思い出させるようないかなる行動や議論も禁じている。『当局が注意する出来事の発生日が重要なのは、集会などで過去に関する議論に、現状への批判が織り込まれやすいからだ」と米カリフォルニア大学アーバイン校の中国史の専門家ジェフリー・ワッサーストローム教授は話す。『今日の中国が抱える大きな問題は、当局の統制がすべて十分に利いているようにみえるのに、当局が相変わらず(いかなる不満の芽も潰そうと)神経をとがらせていることだ』と指摘する』

     

    専制政治は強いようでも、崩れる時はあっけないものだ。旧ソ連崩壊がそれを証明した。この5月の連休に見せる中国共産党の怯えは、自らが正統な政権でなく、武力で奪取した政権の弱味を知っているからだ。


    このページのトップヘ