勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > アジア経済ニュース時評

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    韓国政界は、与党が絶対多数を握って「我が世の春」を謳歌している。問題は、何一つないような振る舞いだ。だが、住宅価格急騰に見られるように、20回も不動産対策を打ちながら、そのたびに価格が上がるという「異常時」である。規制強化を図るだけだから、「先行き上昇期待」真理を強めるのだ。

     

    このまま、韓国で理念空回りの政治を続けて行けば、韓国は確実に滅びるという意見が野党議員から出された。本欄は、すでにそういう視点で韓国を見ている。韓国野党議員が、遅まきながら悲観論に立ったのは当然のことであろう。

     

    『韓国経済新聞』(8月6日付)は、「韓国野党議員、『韓国が滅びるとすれば教育のため、不動産よりさらに深刻』」と題する記事を掲載した。

     

    7月30日、国会本会議「5分レジェンド発言」で注目された未来統合党のユン・ヒスク議員は5日、「不動産が現政権の最も大きい『失策』だとは思いません。国家体質の改善に必要な構造改革に関する議論が全くないのがさらに大きな問題です」と、「不動産政策の次に深刻な現政権の失策」に関する質問に意外な回答を出した。

     

    (1)「ユン議員は国会議員会館で行ったインタビューで「慢性化している低成長問題の解決法になる労働、教育、規制改革など3つの事案に対して文在寅(ムン・ジェイン)政府は全く口を開いていない」と指摘した。特に、教育部門を言う時は「長期的に韓国が滅びるとすれば教育のため」としながら声を高めた」

     

    韓国銀行(中央銀行)によれば、韓国の潜在成長率は2000年以降、5年間で1%ポイントずつ低下している。この事実に対して、文政権の出した回答は、最低賃金の大幅引き上げという「誤答」であった。3年間も、この間違いを続けたのだ。まさに、「理念の空回り」である。

     

    ユン議員は、慢性化している低成長問題の解決法として、労働、教育、規制の3改革を上げている。労働改革・教育改革・規制改革は、現政権の下では不可能である。政権支持母体である労組と市民団体が承知するはずがないのだ。つまり、三大改革に反対するのは、現政権支持基盤である。よって、文政権とその後継政権が進歩派であれば、韓国は滅亡する運命である。

     

    進歩派が、三大改革に反対なのは、既得権益を失うからである。仕事をしないで賃金を貰うことが、労組の最大目的になっている。それには、労働改革は不要である。労働改革を避けるには、規制改革を行なってはならない。規制を多くして、一見「国民を守る」ポーズが必要である。教育改革は、進取的な社会をつくるという合意を捨てて、「安心・安全」という誰にも受け入れられようにオブラートに包んで、国民の合意を取り付ける教育をすることだ。間違っても、「努力が報われる社会」などという競争を煽るような文言は禁句になる。

     

    韓国の偽進歩主義は、3大改革をさせない口当たりの良い「宣伝文句」を探してくるだろう。文政権は、煽動政権である。中身は問わないのである。

     


    (2)「ユン議員は、「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府だけでなく、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政府はいずれも経済体質を改善できる『改革アジェンダ』を前面に出した」とし、「成功の可否に対する評価は違うかもしれないが、低成長から抜け出せる解決法が構造改革という事実では共通点があった」と説明した。彼は「だが、この政府はこのような構造改革問題について完全に口を閉じている」として「まるで『韓国は構造改革をする必要がない国』と政府が規定しているようだ」と批判した」

     

    文政権が、構造改革問題に触れないのは、改革を前提にするからだ。改革は、労組と市民団体にはタブーである。「楽をして賃金を得る」ことが最大目的の団体には不向きなのだ。文政権は、「供給面」に無関心である。「需要面」には最大の関心を寄せる。改革が不要であるからだ。

     

    (3)「彼は最も重要な構造改革分野を尋ねた質問に「労働改革、教育改革、規制改革など3つ」と話した。ユン議員は崩れた公教育システムを例にあげて「かつて韓国の教育は全世界1位と競争すれば1位をとることはできなくても世界のビリと競えば1位はとれた」として「だが、今は1位同士で競争してもビリ、ビリ同士で競争してもビリ」と比喩した。教育水準が違う生徒たちがともに勉強する平準化教育システムは、開発時代に適合していたというのがユン議員の判断だ

     

    韓国の教育システムを、平準化教育から個性化教育へ転換すべきとしている。学生の水準に合わせた「多様性教育」をしなければならないという主張である。これは、進歩派が「差別」

    として反対するだろう。韓国の最大の欠陥は、政治信条で左右に分かれて対立し、妥協があり得ないという偏狭さにある。これは、民族特性ゆえに不可避であり、改革はあり得ないのだ。よって、対立しながら滅亡するのであろう。

     

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    米国に亡命した中国人ウイルス研究者、閆麗夢(えん れいむ)博士はこのほど、中国高官は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症を予防するのに、抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン(HCQ)」を服用していると明らかにした。

     

    米食品医薬品局(FDA)は今年4月、新型コロナウイルス感染症の治療薬とするヒドロキシクロロキンの副作用について警告した。トランプ大統領も愛用した薬だ。6月、FDAはヒドロキシクロロキンを新型コロナウイルス感染症の治療に使用することを認めた緊急使用許可を撤回した。米中では、ヒドロキシクロロキンに対する評価大きく割れている。

     

    『大紀元』(8月3日付)は、「米亡命の中国人研究者『中国高官は予防でヒドロキシクロロキンを服用』」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「閆博士は7月31日、トランプ政権の元首席戦略官スティーブ・バノン氏の時事番組に「ウォールーム」に出演した。博士は、「中国の高官らはみんな、ヒドロキシクロロキンの治療効果を知っている」「国家主席、副主席とその他の高官、軍関連病院と大型病院の医師がみんな服用している」と述べた。しかし、中国の国民と最前線で新型ウイルスと戦っている医療従事者らはその効果を「知らない」という。中国当局がこれらの情報を公開しない理由について、「これはワクチン開発と関係する。ワクチン開発には、膨大な利益集団が関わっているからだ」と閆氏が指摘した。

     

    中国の国家主席、副主席とその他の高官、軍関連病院と大型病院の医師高官らはみんな、ヒドロキシクロロキンの治療効果を知って服用しているという。ただ、中国当局がこれらの情報を公開しない理由は、ワクチン開発で膨大な資金が必要なため、一定の「感染者」が必要

    なためでないか、と推測している。

     

    (2)「一部の専門家は、ヒドロキシクロロキンに副作用があるとして、ウイルスの感染者の治療に投与することに反対している。博士は「薬ならどれにでも副作用がある。これを理由に、ヒドロキシクロロキンの治療効果を否定すべきではない」との見方を示した。博士自身も、予防策としてヒドロキシクロロキンを服用していると明かした」

     

    (3)「閆氏によると、2005年にヒドロキシクロロキンのSARS(重症急性呼吸器症候群)治療効果が認められた。「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)はSARSウイルスの強化版で、ヒドロキシクロロキンを治療に使うべきだ」と話した。「もちろん、ヒドロキシクロロキンは特効薬ではない。この世に特効薬は存在しない。しかし、世界各国が衛生健康危機に直面している今、効果のある薬物で人々の命を救う必要がある」「私の研究経験に基づいて、現在の時点では、ヒドロキシクロロキンはCOVID-19の治療・予防に最も効果があると言えるだろう」

     

    ヒドロキシクロロキンは、副作用があるとしても特効薬がない現在では、「代替薬」として使用すべきとしている。下線の通り、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)は、SARSウイルスの強化版である。SARSに効いたヒドロキシクロロキンは、新型コロナウイルスの治療にも使うべきだ、としている。

     

    (4)「閆麗夢博士は、中国当局が新型ウイルスの由来、発生源についての真実、中共ウイルスの情報を公表しないのは、「国際社会にこのウイルスの実態を知られたくないからだ。同時に、各国のワクチン開発、治療薬の研究を長引かせるためだ」と批判した」

     

    中国が、新型コロナウイルスについて詳細情報を発表しないのは、各国のワクチン開発、治療薬の研究を長引かせるため、としている。中国は、コロナワクチン開発で米国への必要までのスパイ活動を行なっている背景がよく分かるのだ。中国が、米国の研究成果を盗み出して、「世界一」を狙いたいという願望によるものだ。

     

     

    (5)「同氏は、中国当局は新型ウイルスのほかに、他のウイルス研究も行っていると警告した。「私が勤務していたP3(バイオセーフティーレベル3)実験室では、例えば、西ナイルウイルスの研究実験を行っていた」。中国軍の生物化学兵器防衛専門家の陳薇少将は今年2月、新型肺炎感染者が最初に報告された武漢市に入り、武漢ウイルス研究所の責任者を引き継いだ際、新型ウイルスに関する研究資料を廃棄したとみられる。閆博士は「証拠が廃棄されたとしても、(武漢ウイルス研究所の)実験室に入ることができれば、調査はできると確信する」とした」

     

    このパラグラフの発言を要約すれば、武漢ウイルス研究所にすべての断片的にせよ証拠が残っていると指摘している。発生源は、この研究室にあるのだ。


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    鼻持ちならぬエリート主義

    野党を無視のスピード法案

    韓国軍は北朝鮮へ「腑抜け」

    進む韓国軍弱体化計画とは

     

    4月の総選挙で与党「共に民主党」は、絶対多数の6割180議席(定員300)を得た。これが、韓国政治を大きく変えている。与党が強引な国会運営を行い、国会審議も省略して法案を成立させるという前代未聞の振る舞いを始めているのだ。

     

    文大統領は、口を開けば「民主・平等・正義」を強調するが、与党の議会運営ぶりを見ると、全くかけ離れた行動である。北朝鮮政治とさほど違わない「強権政治」を行なっているのは、与党独特の「エリート主義」が、こういう破廉恥政治を正当化させていると見られる。

     

    鼻持ちならぬエリート主義

    与党独特の「エリート主義」とは、韓国朱子学が背景にある。韓国朱子学では、自らを道徳主義者となぞらえており、他に対して優越的地位に立っていると錯覚しているものだ。これは、韓国全体にも当てはまる。日本に対する反日活動の原点は、韓国朱子学そのものである。これほど身勝手な優越感はなく、韓国社会が「浮き草」同様の存在である背景がこれだ。

     

    与党の「エリート主義」は、韓国社会の底流にある自己優越論をさらに凝縮したものである。とりわけ「86世代」(1960年代生まれ、80年代に学生生活)は、韓国民主化闘争の前面に立って軍事政権と対抗したという自負心が強烈である。それゆえ、「韓国民主化」の申し子と自任するほど。これに、韓国朱子学のエリート意識が加われば、向かうところ敵なしという「強引さ」を身につける結果となった。

     


    この「86世代」は、経済問題の解決に無策という弱点を抱えている。韓国が、軍事政権下で高度経済成長「漢江の奇跡」を実現したお陰で、1960年代は極貧生活から豊かな生活を送る身分に変った。その結果、80年代には大学へ進学可能な社会環境が醸成されたのである。この韓国大変革の起爆剤は、1965年の日韓基本条約による日本の経済協力金(有償2億ドル・無償3億ドル・民間借款3億ドル以上)がテコとなっている。

     

    当時の韓国の国家予算は3億5000万ドル程度であった。日本からの経済協力金と民間借款合計8億ドル以上が、どれだけ韓国経済を潤したか。韓国の国家予算規模と比較すれば2年分以上のドル資金を手にしたのである。「86世代」は、この動かしがたい歴史的事実に目を伏せているのも共通している。韓国は、日韓併合によって近代化への道を歩み、戦後の経済協力金8億ドル以上によって、朝鮮戦争の疲弊から脱却できたのだ。

     

    「86世代」は、自らに不都合な事実はすべて黙殺している。ちょうど、親が苦労して子どもに高等教育を受けさせても、子どもはなんら感謝の気持ちがなく、親に「不平不満」だけを漏らす、市井のありふれた話に重なるのだ。

     

    この不平不満が、「86世代」のエリート主義と結びついている。自分たちは、過激な受験競争を勝ち抜いて大学生活を送れた。だから、何をやっても許される特権階級という誤った意識を持っているのだ。この子どもじみた特権意識が、韓国政治を大きな危険な角を回らせたと言えよう。

     


    野党を無視のスピード法案

    韓国与党・共に民主党が7月29日、国会法政司法委員会で単独採決を行った「住宅賃貸借保護法改正案」は、国民生活に大きな影響を及ぼす法案である。それにも関わらず、わずか2日間の時間で採決・成立させた「スピード法案」になった。小委員会での審査や討論などは1回も行われなかったという。与党は法案の原案を思い通り修正したが、その内容を野党に伝えることもなかったのだ。

     

    野党議員らは開会直前になって、採決される法案の内容を目にすることができた。委員会の議員たちさえ知らない法案が採決される事態は、議会制民主主義を標榜する国でどうやって可能になるのか。『朝鮮日報』(7月30日付社説)は慨嘆するのだ。

     

    共に民主党は、前日にも国民に税負担をさらに押しつける11の法案を常任委員会で採決し、小委員会の構成など法案審査の手続きを省略した。国会が存在する理由は、国民生活への影響が大きい法案について、肯定・否定の両面からチェックすること。その審議の手続きを全て省略し、法案を出してからわずか1時間後に採決が行われたというのだ。

    (つづく)

     


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    韓国軍は文大統領就任後、明らかに気の緩みが起こっている。韓国軍の主敵は従来、北朝鮮であった。文大統領は、北朝鮮軍に対する「主敵」の文字を削除して曖昧にした。これが、韓国軍の士気を大いに落としており、北朝鮮への警戒心が薄れたままだ。

     

    『朝鮮日報』(8月1日付)は、「監視装置が7回も捕捉した越北に気付かない韓国軍」と題する社説を掲載した。

     

    7月18日に脱北民のキム氏が漢江を渡って北朝鮮入りする過程は、韓国軍の監視装置に合計7回も捕捉されていたことが確認された。海兵隊所属の哨所の監視カメラ(CCTV)および近距離・中距離監視装置に5回、熱映像監視装置(TOD)に2回、記録が残っていたという。にもかかわらず韓国軍は、北朝鮮のテレビが7月26日にキム氏の北朝鮮入りの事実を発表するまで全く気付いていなかった。越北当時、監視兵は北朝鮮に山火事が起きたのを見ており、標的を認識できなかったという。

     

    (1)「問題になった海兵隊哨所は、本来は4交代体制であるべきなのに、人員不足のため3交代で運営されていたという。6時間が集中力を維持できる限界なのに8時間に伸ばしたのだから、隙が生じることは避けられない。また合同参謀本部は「画面上では識別が難しい面があった」と釈明した。画面を見ていたとしても、熟達した専門家でなければ気付くのは困難だったというのだ」

     

    海兵隊哨所は、人員不足に悩まされているという。6時間が集中力を維持できる限界なのに、8時間に伸ばしたのだから、隙が生じるはずと言っている。軍隊で、そのような言い訳が通ると考えているところが、「韓国社会」らしいのである。

     


    (2)「文在寅(ムン・ジェイン)政権が推進する国防改革2.0によると、常備兵力は2018年7月の61万8000人から、2022年までに段階的に50万人へと減らすことになっている。師団ごとの担当前線が1.2倍ほど増えることになる。軍服務期間も21カ月から18カ月に減る。これに伴い、自己の任務を十分にこなし難い非熟練兵の比率は67%に増加すると分析されている。兵力削減と服務短縮に伴って懸念されていた問題点が、今回の越北探知失敗でそのまま露わになったのだ」

     

    韓国の常備兵力は、2018年7月の61万8000人から、2022年までに段階的に50万人へと減らすことになっている。その上、軍服務期間も21カ月から18カ月に減る。こういう軍部の改革が行なわれる中で、韓国軍の熟練度はおおいに低下する危険性が強まっている。非熟練兵の比率は67%も増加するという分析が出ているという。

     

    米軍が、韓国軍を「インド太平洋戦略」の一環に組み込んでも、期待通りの働きをするかどうか疑問である。米陸軍の研究レポートでは、日本・豪州・台湾の軍隊をパートナーに選ぶとしている。米国も、韓国軍の中身をよく分析している。


    (3)「かねてより、18カ月服務の韓国軍50万人で7~10年にわたって長期服務する北朝鮮軍128万人を相手にできるのか、という懸念があった。韓国軍は「ドローンボットや無人偵察機のような先端監視偵察システムで補完が可能」と豪語していた。高い金を払って先端装備を購入して、何をするのか。その装備をきちんと運用できる熟練した人員が足りなければ、無用の長物にほかならない」

     

    18カ月服務の韓国軍50万人が、7~10年にわたって長期服務する北朝鮮軍128万人を相手にできるのか。これは、誰でもが抱く疑問である。北朝鮮軍兵士は、上官に賄賂を渡せば、演習にも出てこないというから、強い軍隊とは言い難い。それにしても、韓国軍もたるんでいる。この南北軍が、戦争するとは信じがたい架空の話に思えるのだ。

     

    (4)「キム氏が北朝鮮に渡ったそのルートを利用して北朝鮮特殊部隊の精鋭要員が潜入してきたら、どうなっていたか。今年になって、酒に酔った人物や認知症の高齢者が韓国軍部隊に入り込む警戒失敗事件が繰り返されるたび、国防相は「弁明の余地はない」「反省する」「特段の対策を講究したい」と言ってきた。監視装置に7回も捕捉された越北場面にまるで気付かなかった今回の事態では、またどんな弁明をすることになるのか」

     

    韓国軍の士気低下は激しいものがある。部隊内へ酒に酔った人物や、認知症の高齢者が入り込むとは、衛兵が任務を全うしていない証拠である。聞けば聞くほど呆れた軍隊である。

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    韓国でデモ行進するのは、労組と市民団体というのが一般的である。現在は、経済問題で30~40代の人々によって行なわれている。明らかに「反政府運動」である。問題は、不動産価格高騰による家賃の値上りだ。家賃が値上げされれば、「3040」は生活を圧迫されるという不満である。

     

    もう一つは、仁川空港で非正規雇用を一挙に正規雇用へ切換えたことへの不満だ。正規職員になるには大変な勉強をして厳しい試験を経てきた。一方では、空港でのサービス業に従事する非正規雇用者が、勉強という努力もしないで、文大統領の「一声」で正規職員になるのは不公平という怒りである。韓国という「試験社会」では、勉強もしない連中を正規職員にするのは不公平というのである。

     

    『韓国経済新聞』(7月31日付)は、「反政府集会の世代交代『住宅価格の怒りの3040』が主導」と題する記事を掲載した。

     

    反政府デモを率いる主導勢力が変化している。政府の不動産政策と非正規職の正規職化などに反発する3040世代(30代~40代)が前面に登場している。政治的な問題ではなく、経済的な問題が社会問題に浮上したことによるものだ。現政権初期に政権反対を叫んでデモを率いた5060世代の「太極旗集会」は、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)事態などの影響で急速に弱まった。



    (1)「ネイバーカフェ(オンライン・コミュニティ)「6・17規制遡及適用被害者救済のための市民の会」などで活動しているメンバーは、8月1日にソウル汝矣島(ヨイド)広場で集会を開く。彼らは汝矣島LGツインタワー前の広場に集まり、共に民主党党舎まで行進し、民主党の金太年(キム・テニョン)院内代表と金賢美(キム・ヒョンミ)国土交通部長官に対する面談要請を提出する計画だ。彼らは7月18日と25日にもソウル中区預金保険公社前で不動産対策糾弾のろうそく集会を開いた。18日には、主催者の推算では500人が参加したが、1週間後には参加者が10倍の5000人に増えた。カフェの関係者は「今回は参加人数を3000人と事前申告したが、もっと多く集まると予想している」とし「不動産政策に変化がない場合は、毎週末に集会を開く計画」と語った。続けて「政府の対策で被害者が続出しているが、現実を知っているのか卓上行政なのか、政府に聞いてみたい」と付け加えた」

     

    政府の不動産対策失敗を批判するデモである。文政権は、不動産対策でことごとく失敗してきた。対策を出すたびに価格が高騰するというヘマを演じてきた。規制一点張りが、価格先高予想を招いたもの。住宅価格が上がれば、家賃が高騰する。被害者は借家住まいの30~40代に集中した

    (2)「同日午後7時には仁川(インチョン)国際空港公社労働組合(正規職労組)が政府の一方的な正規職転換政策に抗議するために預金保険公社前で「透明で公正な正社員への転換を促す文化祭」を開催する。労組関係者は「仁川国際空港公社創立以来、公社の職員が自発的に乗り出してソウル都心での集会を開催するのは今回が初めて」とし「正規職転換対象第1号の事業場であるだけに、国民の目の高さに合致する正規職転換モデルを確立できるように訴えたい」と述べた」

     

    就職先としての仁川国際空港は、就職人気度1位という花形企業である。ここへ就職するには、高い英語力が求められ「艱難辛苦」して、ようやく就職できる狭い門である。一方の非正規雇用者は、難しい試験もなくアルバイトの腰掛け就職だった。それが2017年5月、文氏が大統領に就任するや3日目に、「非正規雇用者を正規雇用にする」と発言したのがことの発端である。棚からぼた餅の話に喜んだ非正規雇用者に対して、正規雇用者は冷たい反応だ。こういう一律の昇格でなく、それなりの試験を行なえという主張である。



    (3)「中年層と高齢者が主に参加していた太極旗集会は、政治的性格が濃かった。弾劾された朴槿恵(パク・クネ)前大統領を支持する勢力が主導した。しかし、最近開かれた反政府集会は若年層が率いており、デモで主に扱うのは経済問題だ。仁川国際空港正規職労組の場合、30代の若い職員が声を上げている。不動産集会に参加する人たちも彼らと同世代だ」

    最近の反政府集会は、本来の文政権支持者が、「反対」に回った点に注目すべきであろう。文政権の人気取りの「非正規雇用の無条件正規雇用化」に反対が出ている点である。この問題は、正規雇用側がどこで折り合いをつけるかという「感情論」であろう。正規雇用者にとって、「非正規雇用者」は仲間として認めがたいというのだ。いかにも韓国的な「敵・味方論」の話に帰着する。

     

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