勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > アジア経済ニュース時評

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    昨日、ウォンが1ドル=1200ウォンを割り込んだ。過去2回も通貨危機に見舞われた韓国である。消費者物価指数が、8~9月に前年比「マイナス」へ落込んだことから、「3回目の通貨危機」に襲われる危険性はないのか。そのチェックは怠れない。

     

    ここで重要なチェック点は、韓国政治の劣悪化である。日韓紛争に対する文政権の対応を見ても、きわめて感情的である。理性的とは言い難い振る舞いをしている。経済的には、最も重要な相手国が日本である。日本との通貨スワップ協定は、契約期限切れである。世界でドルに次ぎ安定通貨とされる日本の「円」と、感情的な対立を引きずって白紙になったままだ。

     

    文在寅氏が、大統領の椅子に座れた背景から考えると、ポピュリズム政治の申し子であることが分る。前政権の朴槿惠氏が、一人の親友による国政壟断という想像もできないスキャンダルに倒れた結果である。冷静に考えると、韓国政治の根幹には、他の先進国には見られない脆弱性が宿っている。この点が今後、韓国に何が起こるか分らない不気味さを漂わせている。

     

    『中央日報』(10月3日付)は、「ポピュリズムの罠に掛かった大韓民国」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のコラムニスト、イ・ジョンジェ氏である。

     

    ポピュリズムとは何か。政治に関して理性的に判断する知的な市民よりも、情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、その支持を求める手法。あるいは、そうした大衆の基盤に立つ運動をポピュリズムと呼ぶ。文政権誕生の舞台は、前政権の腐敗追及という感情論が大きな支えであった。その意味で、韓国政治最大の弱点がポピュリズムにあるのだ。これが、潜在的なウォン安を誘う理由であろう。

     

    (1)「韓国の現政権発足後からずっと抱いてきた疑問の一つがポピュリズム政権ではないのか、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はポピュリストかということだった。ポピュリズムの必読書『ポピュリズムとは何か』の著者、プリンストン大学のヤン=ヴェルナー・ミュラー教授はいくつか特徴を挙げた。大きく6つだ。すべて当てはまれば典型的なポピュリストだ。ちょうど1年前、その基準で文在寅政権を診断するコラムを書いた(ポピュリズム鑑別法、2018年10月4日付)。当時は明確でなかった。例えるなら、心証はあるが診断は下せない悪性腫瘍のようだった。1年が経過した後、確実になった。チョ・グク法務部長官事態のおかげだ」

     

    このコラムの筆者は、文政権を観察して典型的なポピュリズム政治と判断している。韓国の国益を優先するのでなく、ひたすら与党の政治が長く続くことだけを希(こいねが)う政権である、と位置づけている。

     

    (2)「永久執権を夢見る=国民の正当な代表者は自身だけであるため永久執権を「当然」と考える。「法より国民の利益が先」と言いながら、それに合うよう選挙制度を変えて憲法を変えようとする。与党代表が「100年執権」を公然と話す理由だ」

     

    永久執権だけが頭にある以上、国民に真実を伝えず、迎合だけしてご機嫌覗いする政治に堕す。

     

    (3)「反エリート主義=ポピュリストは既得権に反対する。この政府は「主流勢力の交代」という。しかし権力を握れば同じく不道徳なことをする。ただ、罪悪感なく厚かましくするという点が違う。身内びいきも堂々とする。不正腐敗や不道徳を取り上げればポピュリストを攻撃できると信じるのはあまりにも単純だ」

     

    与党「共に民主党」は、野党時代は厳しく権力に対峙したが、政権に就くと平気で不道徳なことをやって、「規律」を失っている。政権に恋恋とする余り今後、政策で何をやり出すか分らない危険性がある。

     

    (4)「後見主義=「国家が(個人の生活の)責任を負う」と言う。支持を受ける対価に反対給付をする。文在寅政権は「国家が国民の生活を全生涯周期にわたり責任を負わなければいけない」と話す。このため3年間に予算を100兆ウォン(約9兆円)以上も増やしたが、不平等は深まり、中産層は減り、国の負債は増えている。ポピュリズムの終着地は誰もが知っている。国を分裂させ、国民を分裂させ、財政を破綻させる

    国家が何もかも、国民の生活を保障するような仕草を始めている。下線を引いた部分のように、国家財政を危険に追いやり、国民を分裂させる危険性を帯びてきた。このような政治では、「ウォン投機」に対抗できると思えない。危なっかしい存在なのだ。

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    韓国の自動車産業が危機に立たされている。韓国車生産が、年間400万台割れ目前に迫ってきたためだ。部品業界は、すでに最低賃金の大幅引上げで四苦八苦している上に、生産量が減れば完全な経営危機になる。部品業界の淘汰は、完成車メーカーにとって手足をもがれたのも同然になる。

     

    自動車業界の危機は、無軌道なストライキの連発にある。現代自は今年、8年振りにストなしで賃上げが決まった。日韓関係の悪化で、日本から自動車部品に輸出規制のかかることを恐れたもの。今年は、何らの影響もなかった。来年の賃上げでは、再び旧来路線の過激闘争が始まるかもしれない状況である。

     

    『日本経済新聞』(10月1日付)は、「韓国車生産400万台割れも、ルノー・GM系が減産 」と題する記事を掲載した。

     

    韓国自動車産業の地盤沈下が鮮明になってきた。国内生産台数は5年で1割以上減って部品産業などの維持に必要な400万台割れが目前に迫り、世界順位は5位から7位に転落した。内需の伸び悩みに加え、外資系が世界戦略の見直しに伴って生産を減らしたためだ。1強の現代自動車グループもストを辞さない強硬な労働組合の存在が重荷になって、初の単体営業赤字に陥った。

     

    (1)「8月末、フランスのルノー本社を釜山市の呉巨敦(オ・ゴドン)市長が訪れ訴えた。「来年出す新車の欧州向けを釜山で造ってもらえませんか」。同市には韓国の中堅、ルノーサムスン自動車唯一の工場がある。市長が親会社にまで働きかけをしたのは、地元の雇用への危機感からだ。ルノーサムスンは日産自動車の世界生産の再編を受け、2019年中にスポーツ多目的車(SUV)「ローグ」の生産受託が打ち切られる。全体の半分近くを占めた車種を失い工場の存続は危うい。親会社に新たな割り当てを求めてきたが、決まっていない。ローグの台数が減り始めてきたため、10月から生産ラインのスピードを25%落とす。9月に希望退職を募ったが、1800人の生産職のうち数十人が応じただけだった」

     

    (2)「米ゼネラル・モーターズ(GM)子会社の韓国GMも縮小に動く。国内販売不振に加え輸出も伸び悩み、18年に3工場のうち1つを閉鎖した。GM1811月に北米5工場の閉鎖も決め世界全体で生産体制を再編中。韓国が次の縮小の対象になり得ると見られている。「最大手の現代自も国内生産は縮小傾向だ。グループの国内シェアは約7割を誇るが、韓国での販売は伸び悩む。成長を支える海外向けは北米や中国、インドなど現地での生産にシフトしている。このため1812月期の現代自決算は、単体の営業損益が593億ウォン(約55億円)の赤字となった」

     

    現代自も、中国生産が不振を極めている。すでに、北京の工場を売却するなど戦線整理を迫られている。かつては、斬新なデザインで人気を得てきたが、現在はその面影もなくなっている。韓国の自動車産業は、半導体産業と双璧であるが、自動車の力は確実に低下している。韓国経済の暗い将来を暗示する要因の一つは、自動車産業の地盤沈下にもある。

     

     

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    中国は、きょう10月1日で共産党指導の「建国70年」を迎える。大規模な軍事パレードによって、内外にその威容を示すということだ。だが、軍事力しか誇れるものがないとすれば、それはそれで哀しいことであるに違いない。国民の言論を厳しく制約し、香港では死に物狂いで「自由」への闘争が行われている。アンバランスな建国70年と言わざるを得ない。

     

    習近平氏の国家主席就任以来、国民弾圧路線が鮮明になっている。中国経済に綻びを生じている結果である。胡錦濤時代まで見られた、部分的な「自由化路線」はすでにその影も見られない。米国が、期待していた「民主化」路線は取り払われている。米中対立の火種は、この「民主化」期待が完全に消え去ったことへの失望である。

     

    中国にとって最大の不幸は、中国経済が最盛期を過ぎた段階で、米国と対決する舞台を選んだことだ。ここで言う最盛期(人口ボーナス期)とは、総人口に占める生産年齢人口比が2010年であったという事実である。2010年まで、中国経済は破竹の勢いで成長を続けてきた。2011年以降は、その生産年齢人口比率が下降局面(人口オーナス期)に入っており、経済の最盛期は過ぎたのである。

     

    日本の例で言えば、人口ボーナス期の最終局面は1990年である。日本は、それまでに社会保障の基盤づくりを終えていた。国際収支面では、資本自由化も変動相場制への移行も済んでいた。中国では、これら諸点が未だ終わっていないことだ。中国の経済成長率が急落していく中で、前記の問題をどのようにクリアするのか。軍事パレードをしている精神的ゆとりはないはずだ。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(9月30日付)は、「中国、偉大なる復興への『長い道のり』」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「中国は101日に建国70周年を祝うが、過去の業績と現在の試練がこれ以上ないほどの対比をみせている。根深い構造問題がますます重荷となり、中国経済は減速している。米国との関係は貿易戦争が一因で疑いようもなく敵対的になっている。香港は中国の独裁的支配にあらがう民主化デモにのみ込まれ、台湾は来年の総統選で独立派の候補を選出しそうな状況だ」

     

    下線部分は、中国の抱える根本的な問題である。雪だるま式に増える過剰な債務を返済する道がない。最近、IT企業へ地方政府官僚を大量に送り込んでいる。その理由は、私営企業を公有化して資産を吸い上げる準備作業とも観測されている。中国経済は、ここまで追い込まれているのだ。

     

    (2)「中国の習近平国家主席が、今月行った演説の公表テキストで、「闘争」という言葉を60回近く使ったことは驚くにはあたらない。それでも、中国政府は直面する試練にひるむ様子は見せず、立ち向かう決意を示す。「我々は闘争で勝たねばならない」と習氏は語っている。習氏の目標は長期的だ。中国は2049年までに「中華民族の偉大なる復興」を果たすと、習氏は公約している。経済と領土の両方の意味を込めた言葉だ。経済面では中国が「完全に開発された」国となり、米国を抜いて世界最大の経済大国になることを意味する。領土面では、1949年の革命後に本土から分裂した台湾の再統一を意味する」

     

    習近平氏は、市場機構に信頼を置いていない。市場機構による自然調節機能が、理解できないのだ。これは、経済運営コストを著しく引き上げる点で最悪の手法である。中国が、2049年までに偉大な復興を遂げるには、市場機構を利用するしかない。その肝心の手法を信じていないとすれば、世界覇権論は空中分解する。

     

    (3)「本質的に、中国は数々の「闘争」において旧来の独裁主義的な反応を強めることで対処しようとしている。先週公表された政府の政策文書が、この点を端的に示している。「中国の広大な領土と複雑な国状により、中国の統治には固有の困難がある」と文書に記されている。「中央に一元化された堅固な指導力がなければ、中国は分裂と崩壊に向かうであろう」。柔軟性を高めたほうが国益に資する可能性がある場合にも、厳しい硬直的な政策が採られることが増えている。中国の過去40年間の輝かしい経済的成功は主として経済改革と外資への開放、柔軟で実利的な外交政策から生まれたにもかかわらず、である」

     

    中国は、「闘争」によって内外の問題を解決できる訳でない。まさに、市場機構という「自然調節」機能に委ねるしかないのだ。こうした柔軟な発想法を持てない限り、内外の諸課題の解決は不可能である。中国は、2049年の建国100年を盛大に迎えることができるか。現状では困難と見るほかない。

     

     

     

     

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    韓国大統領府の秘書官の6割は、「86世代」とされている。元学生運動家上がりで、「親中朝・反日米」派とされている。民族主義グループであり、秘かに在韓米軍撤退を画策していると見られている。現に、大統領安全保障特別補佐官の文氏は、公然と在韓米軍撤退論を口にしているほどだ。

     

    将来の在韓米軍撤退について、国民世論は86世代と異なる見解であることが分った。こうなると、在韓米軍撤退論を軽々に口にすることが憚れるであろう。

     

    韓国は従来、北朝鮮軍に対して「主敵」という位置づけであった。文政権になってから「主敵」なる言葉を削除しており、北朝鮮への警戒論を薄める努力をしている。これに代わって、こともあろうに自衛隊を「仮想敵」に仕立てる動きすらあるという偏向ぶりである。

     

    『中央日報』(9月30日付)は、「韓国人78%、在韓米軍『韓国安保に重要』70%『韓米演習は必要』」と題する記事を掲載した。

     

    南北および米朝首脳間対話を見守りながら、韓国国民の半分以上が北朝鮮の完全な核廃棄が不可能、あるいは10年以上かかると考えているというアンケート調査結果が出た。国防部傘下国防大学は昨年8~9月にわたって現代リサーチ研究所に依頼して成人男女1200人と安保専門家60人を対象に安保意識世論調査を進めた。

     

    (1)「国会国防委員会の自由韓国党幹事であるペク・スンジュ議員室を通じて入手した「2018汎国民安保意識調査および政策代案研究」(信頼水準95%、標本誤差±2.83%)の結果によれば、調査に応じた一般国民1200人の中で51.8%が北朝鮮の完全な核廃棄時点を「10年以降(26%)」「10年以降も不可能(25.8%)」と見通した」

     

    韓国国民は、北朝鮮の核廃棄に絶望的見方である。「10年以降も不可能」という見方が25.8%もある。文大統領の楽観論と対照的である。

     

    (2)「年齢別では50代(52.5%)と20代(52.1%)で、地域別では釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)・慶南(キョンナム、75.5%)とソウル(58.6%)で北核廃棄が10年以上かかる、あるいは不可能だという見通しが多かった。韓半島(朝鮮半島)の平和体制への転換も「10年以降」と答えた国民の割合(32.1%)が最も多く、「10年後にも不可能」だろうと答えた割合がその次(24.8%)だった」

     

    北の核放棄に悲観的な見方は、20代と50代が多い。これは、文大統領を支持しない層でもあり、地域的な傾向もそれを反映している。

     

    (3)「在韓米軍に関連しては、国民の77.8%が「韓国の安保に重要だ」と答えた。南北関係が冷え込んでいた前年(76.4%)と大きな差はなかった。専門家の中で95%が在韓米軍は韓国の安保に重要だと考えた。「在韓米軍の縮小時、北朝鮮に対する戦争抑制能力が減少するだろう」と答えたが、一般国民の54.3%、専門家の65%が共感し「在韓米軍撤収の際、北東アジアの情勢が不安になるだろう」という回答もそれぞれ53.2%(国民)、85%(専門家)に出てきた。地域別では「情勢の変化がないだろう(57%)」という回答が最も多かった湖南(ホナム)を抜いて全地域で「不安定になるだろう」という回答率が最も高かった」

     

    在韓米軍の駐留に関しては、国民の77.8%が「韓国の安保に重要だ」としている。「86世代」の見方と対象的である。朝鮮戦争で米軍の支援で国が残った事態を考えれば、当然のことであろう。むしろ、「86世代」の方が思想的に米軍を敵視しており、不自然であることを示している。

     

    (4)「在韓米軍駐留に対しては国民10人の中で4人(40.3%)が「統一の前まで駐留しなければならない」と答えたのに比べて専門家の半分(48.3%)が「統一以降にもできるだけ駐屯し続けるべきだ」と答えた。また、一般国民の70.3%と専門家71.7%が「韓米合同演習が必要だ」と考えた。戦時作戦統制権の転換後、韓米同盟が「強化するだろう」という回答は24.4%で最も多く、専門家の中では「弱まるだろう」(36.7%)という見方が多かった」

    南北統一後も、米軍に駐留して貰いたいという意見が40%強もあることが印象的である。それだけ、北朝鮮は信用ならないということの裏付けである。この場合の統一は、「一国二制度」を想定している。

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    韓国に、司法の中立性はあり得ないことが証明された。文大統領が、韓国検察によるチョ・グク法務部長官の疑惑捜査に対し苦言を呈する事態が起こったからだ。文大統領が、折りに触れて発言する「韓国は三権分立の国家」は疑わしいことを証明するもの。三権分立であるならば、行政のトップである大統領が、司法へ介入発言できるはずがない。

     

    『東亜日報』(9月28日付)は、「文大統領、『検察は省察』をと曺国氏捜査をけん制」と題する記事を掲載した。

     

    文在寅(ムン・ジェイン)大統領が検察に対して、「検察改革を求める声が高まっている現実を検察は省察することを望む」と述べた。検察の曺国(チョ・グク)法務部長官に対する捜査で、被疑事実の公表など論議が起こっている状況で、文大統領は尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長が率いる検察に最後の警告を送った。

     

    文大統領は27日、高ミン廷(コ・ミンジョン)大統領府報道官が代読したメッセージで、「検察改革は高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の設置や捜査権の調整などの法・制度的改革だけでなく、検察権行使の方式や捜査慣行などの改革が共に行われなければならない」とし、このように話した。検察自ら問題点を正し、改善しろという意味だ。

     

    (1)「特に文大統領は、「検察は国民に対して公権力を直接的に行使する機関であるため、厳正だが人権を尊重する節制された検察権の行使が何よりも重要だ」とし、「今の検察は、国民の念願である捜査権の独立と検察改革という歴史的使命を持っており、その改革の主体であることを特に肝に銘じてもらいたい」と述べた。このような発言は、与党で提起している「ホコリはたき式捜査」「人権侵害捜査」という批判と同じ文脈であり、大統領府内外では尹氏の検察改革を見守った後、文大統領が検察人事権を行使する可能性があるという観測が流れている」

     

    法相自宅を11時間家宅捜査したことや、法相の二人の子どもの事情聴取が「人権侵害捜査」と言えるだろうか。文氏の発言は、余りにも法相擁護の姿勢が強すぎる発言である。もともと、文氏が強引に任命した人事である。任命前に、検察からチョ氏に疑惑が多過ぎという報告を受けていたという。それを無視したのは文大統領である。自らの任命責任を棚上げして、検察批判は的外れの発言である。

     

    (2)「それと共に、文大統領は曺氏関連疑惑については、「曺長官が責任を負わなければならないことがあるのかも、検察の捜査など司法手続きによって明らかになることだ」とし、「検察がすべきことは検察に任せ、国政は国政で正常に運営するよう知恵を集めることを望む」と強調した。検察の捜査結果によって曺氏の進退を近く決める可能性があるというメッセージとも読める」

     

    大統領たる者は、こういう「謎解き」のような発言をすべきでない。「三権分立」が本当であるならば、検察捜査にすべてを委ねる。その捜査方法に問題があれば裁判過程で明らかになるはずだ。文氏がいくら弁護士資格を持つとは言え、大統領発言としてふさわしくない。

     

    (3)「文大統領のメッセージに対して、大検察庁は、「検察は憲法の精神に則って人権を尊重し、法の手続きによって厳正に捜査し、国民が望む改革に最善を尽くす」という原則的な立場を明らかにした。しかし検察内部では、「長官に続き大統領まで捜査に干渉している」という不満が出ている。野党「自由韓国党」の羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)院内代表は、「大統領まで出て、検察を攻撃している。これは国民に対する挑戦であり、大韓民国の法秩序に対する攻撃だ」と批判した」

     

    下線をつけた部分は、真っ当な批判である。検察内部で、法相のほかに大統領までが事件の「もみ消し」に動き始めたという印象を持たせたことは得策でない。こうなると、検察改革の狙いが、どこにあるのか疑わしくなる。文氏の退任後、自らの身辺を捜査させないという煙幕に使おうしている。こういう批判を裏付けるのだ。文氏は、慎重の上にも慎重を期して行動すべきである。

     

     

     

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