勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > アジア経済ニュース時評

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    昨日14日は、韓国の大学入試の日だった。飛行する飛行機も止まり出勤時間も遅らせるという、世界に例がないほど国中が「静寂」を心がける唯一の「修学能力試験日」である。多くの受験生が、高校3年間の苦闘を締めくくるために試験場に向かった。

     

    皮肉にもこの14日に、前法相のチュ・グク氏が娘の不正入試に関わったのでないかという疑惑で、検察の取り調べを受けた。結果は、供述拒否で黙秘権を行使した。あくまでも検察と闘う姿勢を取っている。全ては、裁判過程で明らかにされるのだろうか。

     

    『聯合ニュース』(11月14日付)は、「チョ前法相、検察の聴取で供述拒否」と題する記事を掲載した。

     

    韓国のソウル中央地検は14日、娘の大学不正入学疑惑などに関与したとしてチョ国(チョ・グク)前法務部長官を呼び約8時間にわたり事情聴取を行った。チョ氏や検察関係者によると、同氏は供述を拒否した。

     

    (1)「チョ氏は11日に追起訴された妻のチョン・ギョンシム東洋大教授が問われた15の罪のほとんどに関与したとされ、容疑者としてこの日午後9時半ごろ出頭。事情聴取を終えた後、午後5時半ごろに弁護団を通じて自らの立場を説明する文書を出し、「たった今、調査を終えて出てきた。前法務部長官としてこのような調査を受けることになり、惨憺(さんたん)たる心情」と記した。また「妻の起訴状やメディアなどで私と関連して取り沙汰されている疑惑全体が事実と異なることを明確に否定する立場であることを何回も明らかにしてきた」と強調した。

     

    検察は黙秘権行使を認めているが、任意取り調べという段階ゆえのことでないか。結局は、逮捕という形で取り調べない限り、裁判を維持できないと見られるが、どうなるのか。ただ、供述拒否によって、マスコミに大々的に報じられるリスクを避けることができた。この点では、文政権にとって救いであったろう。

     

    (2)「供述を拒否したことについては、いちいち答えて釈明することは不要だと判断したと説明した。疑惑が広範囲にわたるため、さらなる事情聴取は避けられないという見方が強いが、チョ氏が供述の拒否を続けた場合、取り調べ期間が短縮される可能性もある。法務関係者の間では、2カ月以上にわたる強制捜査により幅広い関連証拠が押収されたため、チョ氏が供述をするよりは黙秘権を行使して裁判で争うという戦略を選んだとの見方も出ている」

     

    チョ・グク氏は、検察改革の恩典を受けることになった。メディアが、捜査推測で記事を書いてはいけないというルールの初適応である。だが、一時的にマスコミの追及を交わせても、いずれは証拠によって断罪される運命だ。妻の犯罪容疑について、夫がなんら関知していなかったと苦しい弁明をしているが、検察や裁判所の目をクリアできるだろうか。

     

    この事件は、海外からも注目されている。

     

    『中央日報』(11月14日付)は、「ネイチャー誌がみた韓国の修学能力試験」と題するコラムを掲載した。

     

    世界的な学術誌が韓国の大学入試の日を知っていたのだろうか。それとも教授の論文不正と「チョ・グク事態」を見守ってきたからだろうか。修学能力試験を2日前にした12日、ネイチャー誌がオンラインニュースコーナーで子供の名前を論文にのせて摘発された韓国教授の「伏魔殿ストーリー」を報じた。韓国入試の問題点と教授の不道徳が全世界の学界にすべて暴かれたわけだ。

    (3)「ネイチャー誌記事の形式は教育部の発表を引用して教授の子供論文不正問題を事実に基づいて伝えているが、最後にKAISTと成均館(ソンギュングァン)大学教授のコメント引用を通じて話したいことを伝えた。「このような慣行は私たちが思ったよりはるかに広範囲にわたって広まっていると思う」「高校生が研究過程にまともに参加することもできず、また論文が入学に間違って使われる可能性があるため、大学入試に論文の実績を活用するのは賛成できない」

    韓国の学歴社会の歪みが、今回のチョ・グク氏の娘の不正入試を招いた。高校3年生が、大学医学部論文の筆頭研究者に名を連ねることなど、想像もできない話である。この種のことは、韓国で珍しくない。父親の大学教授が、子どもと共著の論文を書いたり、著書を出すからだ。これは、いずれも大学入試で有利に取り扱われるというメリットを狙ったもの。

     

    これらの例を見ると韓国社会が、儒教社会の特色である「人縁社会」の構造に止まっている証拠である。近代社会の一歩前の段階である。人間関係が、「縁故」「恩顧」「顔」「義理」という関係で取り結ばれているのだ。日本の社会構造とは、大きく異なり出遅れた未成熟社会である。二言目には「誠意ある謝罪をせよ」と迫ってくるのは、韓国の前近代的社会構造が言わせているものだ。日本が、まともに付合いかねる国家である。

     

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    韓国与党「共に民主党」は、法相「チョ・グク事件」の後遺症に苦しんでいる。20~30代の民心の離反が深刻であるからだ。この若者世代の人心を取り戻せなければ、来春の総選挙で勝利を収めることは不可能と言われている。「20年間政権維持」という妄念から、「積弊一掃」を掲げて保守派の根絶を狙ってきた。反日運動もその一環である。徹底的に日本を叩き、返す刀で韓国保守派を同根として切り捨てる積もりだったのだ。

     

    疑惑の多かったチョ・グク氏は、世論調査では進歩派の圧倒的支持を受けているという理由で、文大統領はあえて法相に任命した。結果的に、家族の不正発覚により30日で辞任という最悪事態に終わった。この問題は、進歩派への疑念を生んでいる。朴槿惠政権と文在寅政権とどこが違うのかという根本的な疑念である。

     

    『中央日報』(11月13日付)は、「批判的欧州進歩、守旧的韓国進歩」と題するコラムを掲載した。筆者は、チョン・サンドン韓国外国語大学政治行政メディア大学院招聘教授である。

     

    (1)「欧州では1968年の学生運動で新左翼(ニューレフト)が胎動し進歩の革新が始まった。その底辺には批判精神が流れる。ソ連式社会主義も労働の解放を構造的に抑圧するとして批判し正統性を認めなかった。欧州の左派は北朝鮮を社会主義国と見ない。首領を神格化する唯一支配体制であるためだ。マルクスの唯物論的歴史観によると北朝鮮は資本主義より先に克服されなければならない体制だ。北朝鮮は巨大な監獄だ。韓国ドラマを視聴して発覚すれば公開処刑されたりもする。それでも韓国進歩は北朝鮮の人権状況に沈黙する。旧西ドイツは統一前に東ドイツの人権状況に沈黙しなかった。韓国の進歩は南北関係改善のためやむを得ず戦略的にアプローチすると話したいが、国際社会はこれを理解できない」

    韓国進歩派を痛烈に批判している。北朝鮮の人権問題に沈黙し、ひたすら北朝鮮の弁解・代理人を務めているからだ。この原因は、韓国進歩派のエセ社会主義にある。それは、北朝鮮の「チュチェ思想」という個人崇拝・独裁主義が、南北分断という悲劇を克服する接着剤と信じているからだ。要するに、韓国進歩派は単純な民族主義集団であり、金一族による朝鮮統一という夢を抱いている集団と規定できよう。欧州左派とは、思想・哲学など全く異なる政治集団と言える。その頭目が、文在寅氏だ。

     

    (2)「北朝鮮のあらゆる非正常な形態を容認・黙認して彼らが一流国家になることを期待するのは愚かだ。南北関係の正常化を望むなら南北間で行われることが国際社会の普遍的基準に合致するのかから確認しなければならない。ところが韓国進歩は北朝鮮の侮辱と威嚇には沈黙して北朝鮮を弁護・代弁したりもする。韓国社会で欧州の進歩のように北朝鮮を批判すれば冷戦守旧保守扱いされる。失敗した社会主義モデルの代案を探すため絶え間ない批判精神で自己省察と革新を追求する欧州の進歩の見方では想像できない時代錯誤だ。韓国的進歩の後進的で守旧的形態だ

    下線を引いた部分は、韓国進歩派が保守派以上に守旧であることを示している。北朝鮮を一切批判せず、批判者を逆に「冷戦守旧保守」として排撃する。その戦闘集団が、労組と市民団体である。これらが、反日集団として組織的な日本非難運動を世界中に繰り広げている団体でもある。ともかく、豊富な資金を持っている。市民団体は、文政権に原発廃止を迫り、太陽光エネルギーに巨額の補助金を流し込ませた張本人である。

     

    こういう「あくどい」やり方で資金を作ったのは、今後20年間も「共に民主党」政権を続けさせる野望を実現させるためだった。最低賃金の大幅引上げが、雇用構造を破壊しても手直しを拒否した理由は、支持団体の労組へ利益誘導を図る目的であった。こうした政権維持のため、国民を犠牲にしても構わないという発想法は、北朝鮮の金一族と同じである。

     

    韓国進歩派が、西欧進歩派と同列に語れないのは当然であろう。韓国進歩派は、進歩というイメージを悪用して北朝鮮の金一族を理想型として描いている。ここには、批判精神など、最初から持ち合わせていない「事大主義一派」とも呼べよう。

     

    (3)「韓国の政治発展の次元からも、進歩は真の社会的対案になれずにいる。手段と方法を問わず組分けして争い、自分と考えが違えば積弊と追い詰める狂気が社会を支配させたためだ。正義と真理を独占し支持者以外の国民とは疎通の門を閉ざす。過去の軍事政権時代に理念問題で弾圧を受けた韓国進歩が、理念対立解消に向けこれまで何か役割を果たしたという声を聞くことはできなかった。退行的韓国進歩の学習能力喪失を意味する」

     

    韓国進歩派は、軍事政権と闘ったという勲章をぶら下げて、韓国保守派を軽蔑している。しかし、それももはや時効である。現在の政治行動が、下線を引いたような醜悪な振る舞いをしているからだ。文政権が発足して以来、「積弊という狂気」で、約20名の人々が侮辱に耐えきれず、自ら生命を絶ったという。こういう社会的な拷問を行いながら、正義と真理を独占するような言動が、20~30代の若者に理解されるか疑問である。


     

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    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11日、5年任期の残り半分に入った最初の公式会議で、後半期の国政運営に対する覚悟を語った。残りは2年半と言っても、半年後の4月には総選挙が行なわれる。その後は、次期大統領選挙の準備が始まるなど、落ち着いて政策を練っている時間はない。そういう意味では実質上、大統領任期の7割は終わったと見るべきだ。

     

    そうなると、「後2年半ある」ではなく、「実質的に1年余」である。この短い期間で、
    「国民が望む本当の変化を作り出」し、「その過程でよりいっそう幅広く意思疎通し、他の意見にも耳を傾けながら共感を広げていく」という抱負の実現は難しいのだ。

    文大統領は任期前半期の実績として、韓半島(朝鮮半島)情勢で「奇跡のような変化を作り出した」と自賛した。一触即発状況にあった南北関係が、米朝首脳会談が開催されるまでになったことは認めるべきだろう。韓国はその後、米朝首脳会談で全くの傍観者の位置に置かれたままだ。これは、文大統領自身にとって不本意であろう。だが、韓半島に「奇跡のようなことが起こった」と文氏は言うが、これからが胸突き八丁である。入り口を探し当てたが、出口を探し当てるのは文氏の手腕には負えない問題だ。

     

    文氏は、理想論として南北問題解決を語るが、実現は高度の外交テクニックが必要である。韓国政権にその力量は備わっていない。北朝鮮の言い分をそのまま認める、そのナイーブさが解決を困難にさせているからだ。ここは、保守党の外交手腕に任せるべきテーマだ。進歩派政権では、北朝鮮を理想化しすぎてその条件を全て受入れ、交渉ではなくなる恐れが強いのだ。

     

    『朝鮮日報』(11月12日付)は、「文在寅政権、『これまでの2年半』と全く同じ『残りの2年半』」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11日、「これまでの2年半は、越えなければならない過去を克服し、新たな未来を進む転換のための時間だった」と語った。文在寅大統領は同日、任期の半分(119日)を過ぎて初めて行われた青瓦台首席秘書官・補佐官会議で、「崩れた国を建て直し、国を正常化した。そして正義と公正の価値を社会の全領域に拡散させている」として、このように自らを評した」

     

    前政権が弾劾で退出する異常事態の後、文政権は前政権を批判する影で、政権としてやってはならない「お手盛り人事」を満喫した。それは、裁判所・検察・放送メディアへの人事権を発動して、軍事政権同様の「あこぎ」なことを行なったのだ。これは、現政権が退陣後、大掛かりな調査を行なって、「積弊一掃」の美名に隠れて行なった悪事を暴き出すべきだろう。現政権には、保守政権以上の腐敗部分が存在している。

     

    (2)「盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領秘書室長がこの前日、「これまでの2年半は大転換、残りの2年半は飛躍の時期」と評価したのと相通じるものがある。文在寅大統領の発言は、景気低迷、雇用の悪化と貧富の差の拡大、南北関係と米中日外交の悪化など、厳しい状況を自省するよりも、成果のPRに焦点が合わせられていた。過ぎ去った任期2年半を「転換」の時期と規定しつつ、残りの任期2年半も現在の基本路線を継続していくと表明したものだ」


    文政権の前半2年半は、経済・外交・安保の諸政策で何らの成果も上げられなかった。行なったことは、最賃の大幅引上げと原発廃止である。いずれも、自らの支持基盤への利益誘導である。最賃の大幅引上げは労組、原発廃止は市民団体への「利益供与」である。国家経済という視点で見れば、負の効果しか生まなかった。原発については、海外へは輸出しており、文氏が売り込みに当っている。これほどの矛楯があるだろうか。原発廃止は、あくまでも国内の市民団体が再生エネルギーで利益を上げられるよう、多額の補助金を与える口実に過ぎない。

     

    文政権の最大の欠陥は、自らを支持したグループへの利益誘導であり、韓国の経済構造を破壊した政権であることだ。司直の手によって、利益誘導の政治構造を摘発すべきである。


     

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    当たり前の結果が出て、韓国大法院(最高裁)は大騒ぎになったという。OECD(経済協力開発機構)が、2年ごとにアンケートで調べる「国民の信頼度」が、加盟国中で最下位になったからだ。文政権の「言うがまま」になっている大法院が、信頼されるはずがない。間違えた徴用工判決を出した大法院である。

     

    司法は、条約に介入しない「司法自制論」という国際的な慣例を破って、文大統領の意思を「忖度」した判決を出した。反対した判事は2人だけ。こういう、時の政権の意のままになる韓国司法が、国民から信頼されていたらおかしい。茶番劇である。

     

    『朝鮮日報』(11月10日付)は、「司法機関への信頼度OECD最下位、韓国大法院で大騒動に」と題する記事を掲載した。

     

    韓国大法院に今年9月、一通の公文書が届いた。標題は「一目で見る政府2019」。経済協力開発機構(OECD)が加盟37カ国を対象に各国の司法機関に対する信頼度を調べ、ランキングを付けた調査結果の草案だった。韓国は最下位だった。OECDが加盟国ごとに国民1000人に「裁判所を信頼するか」を尋ねた設問で、「信頼する」との回答は韓国が最も少なかった。

     

    (1)「大法院は大騒ぎになった。裁判所関係者は「(大法院の)幹部の間で韓国の順位をどうにかして削除すべきだ」という話が出た。大法院は9月中旬、外交部を通じ、OECD本部に異議を申し立てた。異議は質問事項が正確ではないという趣旨だった。OECDは司法機関への信頼度を調べる際、「韓国の司法システムと裁判所を信頼するか」と尋ねたが、「司法システム」には裁判所だけでなく、検察や刑務当局も含まれるため、裁判所だけに限った信頼度調査とは言えないというものだった。大法院関係者は「裁判所と検察でどちらの信頼度が低いのかあいまいだ」と話した。大法院の問題提起を受け、OECDは近く発行予定の最終報告書の司法機関信頼度ランキングから韓国を除外する方針とされる

     

    下線を引いた部分は、笑ってしまう内容だ。大法院は司法の最高峰である。仮に、検察が間違った内容で起訴した事件でも、大法院がそれを糺す判決を出せば、自然に検察も捜査方法を変えるはずだ。大法院は、それだけの権威と公正のシンボルである。それが、どうであろうか。文大統領の意向を忖度した判決を出している。そして、日韓関係が大揉めになっている。大法院は、今回のOECDアンケートを素直に聞いて反省すべきなのだ。

     

    (2)「論争を受け、2年前にもOECDの司法信頼度調査から韓国が除外された。大法院関係者によると、梁承泰(ヤン・スンテ)元大法院長の時代の17年にも大法院がOECDに同様の異議を申し立て、結局最終報告書から韓国が除外されたと説明した。当時韓国の裁判所に対する信頼度は最下位ではなかったが、下位圏だったとされる。ただ、今年の調査が示唆する点は大きいとの指摘も多く聞かれる。金命洙(キム・ミョンス)大法院長は179月の就任以降、司法改革を目指した。司法行政権乱用疑惑を調べるとして、前任大法院長の時代に要職に就いていた判事に大規模な「積弊清算」作業を展開した。その過程で100人を超える判事が検察の取り調べを受け、判事数十人が懲戒された。名分は「司法の信頼回復」だった。しかし、その2年間の人的な清算が裁判所の信頼回復ではなく、信頼低下につながった格好だ

     

    下線部分は、文大統領が自分の意向に沿った判決を出させるために、判事の色分けをした。その結果、100人を超える判事が検察の取り調べを受けた。数十人が懲戒されたという。

     

    日本では考えられないことを行なった。裁判官の身分は保証されているはず。その裁判官を罷免するには、国会で特別の手続きが必要だ。こういう裁判官を辱める行為を公然と行なう文政権は、まさに軍事革命政権とどこが違うだろうか。暴力的である。国民から見れば、最悪・最低の司法機関である。

     

    (3)「過去2年間の「司法積弊清算」を主導した勢力が進歩傾向の判事サークルであるウリ法(我々の法)研究会と国際人権法研究会である点も信頼低下に少なからず影響を与えたとみられている。両組織に所属する判事は、「梁承泰行政処」の判事に対する3回の独自調査、弾劾の働き掛けで先頭に立った。金命洙大法院長は両研究会の会長を歴任した人物だ」

     

    司法における「判事選別」を強行した判事が、文グループである。私は、次期政権が保守派に代われば、文政権の行なった「邪(よこしま)な行為」を全て法の下で裁くべきであると思う。「進歩派」のお面をつけて、国民の権利を奪い一部グループ(労組・市民団体)に奉仕した政権の実態を明かすべきであろう。この過程なしに、韓国は近代化されないと見る。

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    習近平氏は、なぜか鄧小平に対抗意識を持っている。習氏の実父が、鄧に受け入れられなかったという「私怨」があるとの見方もある。だが、公平に見て習近平と鄧小平では人物の格が違う。さらに、毛沢東の我が儘に振り回され3度も左遷された鄧小平である。中国経済の根本的な弱点を見抜いており、市場経済化を推進した。同時に権力の集中化を防ぐ手立ても講じていた。

     

    習近平氏は、江沢民氏の依怙贔屓で拾った国家主席の椅子である。習氏は、毛沢東崇拝の民族主義者である。それゆえ、毛沢東の間違った路線に迷い込む危険性はきわめて強い。彼が、鄧小平を嫌う理由は、実父の恨みを晴らすという私怨のほかに、体質的に毛沢東張りなのであろう。

     

    『日本経済新聞』(11月9日付)は、「中国安定成長へ民間に活力を」という寄稿を掲載した。筆者は、英『エノド・エコノミクスチーフ』エコノミストの ダイアナ・チョイレバ氏である。

     

    (1)「中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)が1031日に閉幕した。(20182月の3中全会から)18カ月ぶりの開催だったが、中国は米国との対立や国内経済の減速などの対応に追われている。今の中国の状況を考えると、過去数十年にわたる中国経済の発展に、民間企業の活力や試行錯誤を重ねて実行された政策改革がどれほど寄与したかを政府高官が認識することが極めて重要だ」

     

    習氏は、「中華の未来」に夢を託すあまり、過去の中国経済がどのような過程を経て成長してきたか、そのプロセスを知ろうとしない欠点がある。鄧小平の改革開放路線があったことと、「人口ボーナス期」という人口動態がもたらすボーナスによって発展できたのだ。それは、市場経済を目指し民間企業を先兵にしてきたからだ。習氏は、この改革開放路線に背を向け、国有企業中心の産業構造再編を狙っている。習氏と同じ「紅二代」(太子党)の利権を守り、自らの政権基盤の安泰を図るという「邪念」の結果だ。

     

    (2)「世界に保護主義が広がり、グローバリゼーションが揺らぐ中で、中国が前進するには、民間企業の活力や政策改革は不可欠な原動力だ。米中対立の影響で貿易は縮小し、製造業は東南アジアなどに生産拠点を移転している。企業によるサプライチェーン(供給網)の再構築が加速している。共産党による事実上の一党独裁体制が続く中国で、「国進民退」と呼ばれる国有企業の優遇と、民間企業の厳しさは外国投資家の懸念材料になっている。民間企業はイノベーション(技術革新)の最前線にあり、多くの中国人を雇用している。にもかかわらず、習近平(シー・ジンピン)政権は国有企業の改革を進めるどころか、民間企業の社内に共産党組織の設置を促している

     

    習氏は、自己の政権基盤を強化する狙いと、そのためには国有企業が中国経済の核になるべきという間違った考えに囚われている。民間企業にまで共産党組織を作らせているのは、共産党が中国経済の全てを掌握するという意思表示である。

     

    (3)「習政権が発足して以来、中国で40年以上にわたって機能してきた政策改革の動きが鈍化した。「改革開放」政策を掲げた鄧小平時代は、中央政府が決定した政策であっても、地方政府がそれぞれの地元の状況に応じて調整しながら実行する余地があった。だが今は習氏への権力集中が進み、管理も強まった。地方政府の高官は自らの責任で行動することをためらうようになった。目立った行動をすれば、「反腐敗運動」の名の下に(あらぬ腐敗を追及されかねないと)萎縮し、リスクを冒さない方が得策と考えるようになってしまった」

     

    中国文化は、汚職である。これが、市場経済のインセンティブになって中国経済を成長させてきた。現在は、反腐敗で取締っている結果、このインセンティブが抑圧されている。一方では、国有企業による民間企業への圧迫が進んでいる。こうなると、中国経済を動かす市場経済機構が、完全に押し潰されてしまうリスクを抱える。

     

    「水清ければ魚棲まず」という言葉がある。中国に合理的な市場機構が育つ社会基盤はないのだ。人縁社会の中国では、賄賂が市場機構の役割を果たしてきた。「中国文化は汚職である」というのは、決して詭弁でなく現実である。汚職を取りしまうのであれば、徹底的な民営企業中心の経済に転換すべきである。国有企業中心では、汚職取締と両立できず、中国経済は必ず、衰退する運命だ。

     

    (4)「習政権は金融危機で債務が急増して経済が不安定化した場合、それを抑制しなければ、共産党の存亡の機になりかねないと考えているようだ。過剰債務の圧縮に取り組む中央政府は、不動産売買に伴う規制を緩めていない。買い手に対し、銀行を通さず資金を融通する「影の銀行」の取り締まりを続けている。ほかにも、習氏は最貧困層をなくす生活改善プロジェクトや大気汚染などにも取り組んでいる。大気汚染は依然として深刻だが、官製イノベーションは急ピッチで続いている」

     

    習氏は、それなりに合理的な政策を実行しようとしている。それは正しいが、経済政策の根本である市場機構を弱める国有企業再編では、実効を上げられないで壁に突き当たる。習氏が、ここまで国有企業=共産党支配にこだわるのは、習近平支持派の「太子党」の利権確保が目的だ。これによって、習永久政権を目論んでいるはず。ここまでくると、豊臣秀吉の姿と二重写しになろう。

     

    (5)「しかしながら、国進民退路線が貫かれたままだ。中国共産党の中央委員会は40年以上にわたってなし遂げられた経済成長という金の卵を産んできたガチョウを殺しかねないリスクがあることを認識しなければならない。先行きが見通しにくい中で、中国が世界で成功するには、自国経済をけん引してきた民間企業の活力や起業家精神を押しつぶさないように慎重に行動することが重要だ。地方政府にも政策を実践することを容認する必要がある」

     

    国進民退路線(国有企業優先・民営企業後退)は、中国経済における過去の発展を逆さまにすることである。この分りきったことが、習氏には分らないのだ。それは、自分の永久政権に目が眩み、真の発展策を見失っている証拠であろう。鄧小平思想否定は、習氏の個人的な欲望がそうさせているに過ぎない。

     

     

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