勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    ムシトリナデシコ
       

    文政権登場とともに、交通違反摘発件数が激増している。韓国ではもともと、乱暴運転が多いと言うが、それにしても文大統領就任後に、交通違反摘発件数が増加した裏には、意図的な取締があったことを示している。この摘発件数増加が、罰金増で財源を潤しているのは、「悪代官」的発想である。

     

    『朝鮮日報』(7月25日付)は、「税収不足の穴埋めに交通違反切符を乱発? 文在寅政権発足後に46%増」と題する記事を掲載した。

     

    交通事故専門のハン・ムンチョル弁護士は最近、動画サイト「ユーチューブ」のチャンネルで過剰な交通取り締まりの事例を紹介した。今月4日に仁川市西区の重峯大路にて、反対車線に待機していた警察車両が、黄色信号で進行したトラックを交通違反で摘発したというケースだった。ハン弁護士は当時のドライブレコーダーの映像を公開し、「(反対車線にいた)パトカーが『ドライブレコーダーを見る必要もない』と強引に信号無視の切符を切った」と指摘した。

     

    (1)「オンライン空間には、韓国警察によるこうした過剰な交通取り締まりの経験談があふれている。ソウル市麻浦区に暮らすAさんは「いつも渋滞している合井交差点で左折するとき、交通警察が急に現れて車線違反の切符を切る」と話す。実際、文在寅(ムン・ジェイン)政権になってから速度違反の摘発件数が50%近く急増したことが24日までに確認された。保守系最大野党「未来統合党」の金睿智(キム・イェジ)議員室が韓国警察庁から提出を受けた資料によると、2016年に809万件だった速度違反摘発件数は、文在寅政権が発足した17年には1184万件と大きく増えた。わずか1年で摘発件数が46.3%も増えたのだ。その後も、摘発件数は181215万件、191240万件とじわじわ増える傾向にある」

     

    交通違反を減らすには、キャンペーン活動が行なわれるものだが、交通教育活動は行なわれていないようだ。交通違反の罰金が、そのような用途に使われていないからだ。となると、ある意図を持っている。それは、「マイカーは贅沢品」という古い認識である。市民団体に支持されている文政権である。「反富裕層」というジェラシーが裏にあると見られる。

     

    (2)「無人交通取締りカメラも、文政権発足後の17年の時点で7016台だったのが、187979台、198892台と毎年11%以上ずつ増えている。交通警察が現場で摘発する速度違反の件数も、1822万件、1924万件、今年は6月までの時点でおよそ115000件と増加傾向にある。警察の全国的な取り締まりと共に、韓国各地の道路で制限速度が引き下げられる傾向にあることも影響している-との分析がある。韓国政府は今月1日、文在寅大統領主催で開かれた初の国務会議(閣議に相当)で、全国の子ども保護区域(スクールゾーン)における車両制限速度を時速30キロ以下に下方修正し、歩行空間がない区域ではさらに低くして時速20キロ以下にすると決めた」

     

    スクールゾーンの制限速度が引下げられている。それはこの7月のことである。過去の交通違反激増の説明理由ではない。韓国では毎年、交通違反の大量恩赦を出している。恩赦の恩典に浴する違反内容が不明だが、「犯則切符」を切られればその時点で済んでいるはず。大量の恩赦を出す一方で、大量摘発とは理屈に合わぬことだ。違反金徴収が目的の「摘発」と言わざるを得ない。

     

    (3)「これに伴い、税外収入である交通過怠料・反則金の賦課額も大きく跳ね上がった。交通過怠料・反則金は178857億ウォン(現在のレートで約783億円。以下同じ)から188429億ウォン(約745億円)、198862億ウォン(約784億円)と急増した。今年も6月までの時点で既に4469億ウォン(約395億円)が収められた状態で、現在の傾向のままだと史上初めて過怠料・反則金が9000億ウォン(約796億円)に達する見込みだ」

     

    毎年、700億円台の交通過怠料・反則金は、なんに使われているのか。取締警官の特別手当に出されているとすれば、発展途上国の「悪徳警官」と同じ振る舞いになる。自分の懐を温かくするための恣意的取締に堕すからだ。

     


    (4)「野党は、「文在寅政権が、不足する税収を埋めるため交通違反切符を乱発しているのではないか」と主張した。税外収入である過怠料・反則金が交通安全のために使われていない、という点もまた、別の問題として言及されている。金睿智議員は「大多数の市民は『税金爆弾』に続いて『過怠料バッシング』にまで遭っているということ」と語った」

     

    文政権になってからの韓国警察は、大統領府の顔色を覗って動くという最悪事態である。裏では何が取引されているか不明という「暗黒面」が気になるのだ。進歩派という看板だが、実態は「ドス黒い」色彩を濃くしている政権である。

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    連日、中国の大洪水を巡る情報が世界を飛び交っている。これまでなかった情報は、三峡ダムが破壊されれば、下流にある原発9基に被害が及ぶというもの。にわかに、危機感が現実のものとして迫ってきた。

     

    24日、『湖北日報』など中国メディアによると、三峡ダムのある長江(揚子江)上流では、2020年第2号洪水が消滅する前に第3号洪水が形成されている。前日、中国気象当局によると、南西部の四川省から北西部の甘粛省に達する地域にも今後数日間にわたり集中豪雨が予想されている。山東省、江蘇省など一部地域にはハリケーン級の強風が吹くだろうとの展望も出ている。

    6月末から1カ月続いている同地域の大雨で、三峡ダムの水位は160メートルを超えた状態だ。最大水位は175メートル、洪水制限程度は145メートルだ。すでに制限水位を超えており、最大水位に達するのも時間の問題だ。

    23日、台湾の英字メディア「台湾ニュース」によると、中国当局は第2号洪水で三峡ダムに一部「変位、侵食、変質」があったが、これも「正常範囲」内にあると明らかにした。また、通常のコンクリートとは異なるコンクリートを使っており、毀損も復旧可能なレベルだと説明した。

     

    だが、中国のSNSには「昨年から三峡ダムが変形されたという主張が出てきた」「近隣地域の住民たちは逃げろ」という書き込みが広がるなど、地域内の不安は強まる様相だ。特に水位が高まった三峡ダムが先月30日に湖北、重慶、貴州など上流地域で増えた水を放流し始め、いわゆる「崩壊説」がさらに加速しながら広まっている。以上は、『中央日報』(7月24日付)が伝えた。



    『中央日報』(7月24日付)は、「中国三峡ダムが崩壊すれば原発9基に被害の可能性、放射能流出の時は韓国にも被害」と題する記事を掲載した。

     

    6月から降り注いだ豪雨で中国南部の揚子江中下流一帯が大氾濫の危機に直面して三峡ダムの水位が限界点に到達している中、このダムが崩壊する場合、上海地域に密集した9基の原発にも影響を与える可能性があるという懸念の声が上がってきた。

     

    (1)「24日、外信と中国当局の発表などによると、中国南部地域の大雨と洪水で江西・安徽・湖北省など27地域で22日を基準に被災者4552万人、死亡および行方不明142人、家屋破損3万5000軒が被害にあった。被災者の規模は韓国人口の約90%に当たる水準であり、直接的な経済損失額だけでも19兆ウォン(約1兆7000億円)に達したと推定される」

     

    中国の大洪水被災者は、韓国人口の9割にも相当する規模に達している。洪水被害の大きさを物語る。

     

    (2)「特に、今回の豪雨で中国南部の揚子江中下流にある世界最大規模の水力発電用三峡ダムが最高水位に近接すると水圧による崩壊の危険まで提起されている。もしこのダムが限界の水位を越えて氾濫、あるいは水圧を耐えられず崩壊すれば、揚子江下流である上海地域の大洪水が避けられず、この地域に建設された9基の原発にも悪影響を与える可能性がある」

     

    万一、三峡ダムが崩壊すると、下流にある上海で9基の原発に悪影響が出ると見られる。

     


    (3)「韓国原子力関連団体のイ・ジョンユン代表は、韓国通信社「ニュース1」とのインタビューで「揚子江下流に位置した秦山、方家山地域(上海付近)に原発がそれぞれ7基、2基あるが、三峡ダムが氾濫してこの地域が浸水すれば大型原発事故が懸念される」として「日本の福島原発が浸水して原子炉の冷却機能を失ったが、同じ事態が再現される可能性がある」と懸念を示した」

     

    9基ある原発は、福島原発が浸水で大型事故を起こしたので、その二の舞いが懸念されるという。

     

    三峡ダム関係者は23日(現地時間)、『人民網』とのインタビューで「崩壊の可能性はない」と一蹴した。中国メディアも不安を抱える民心をしずめるために積極的に記事を出している。『環球時報』は21日、「ダムの変形は復旧可能で永久的ではない」としながら「三峡ダムの変形は常に設計限界内にあった」と報じた。続いて22日付でも「ダムに使ったコンクリートは一般のコンクリートとは違う」としながら「最大強度に到達するまで引き続き改修し強化する」という中国工程院の学者の言葉を伝えたという。

     

    こういう情報を読むと、中国国内でも三峡ダム問題が相当の関心事になっていることが分かる。


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    三峡ダムは、「千年の大計」「1万年に一度の洪水に備える」などをうたい文句で、多くの遺跡や100万人余りの住居を埋没させる犠牲を払って建設された。その三峡ダムについて、「完成以降に大洪水が発生するたびに、その洪水抑止能力に対する疑問の声が高まっている」状態だ。三峡ダムへの信頼感はすっかり揺れている。

     

    「仏国際放送局」(7月20日付)は、「三峡ダムは大丈夫か、中国メディア『位置のずれ、漏れ出し、変形など発生』」と題する記事を掲載した。『レコードチャイナ』(7月20日付)が転載した。

     

    仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、豪雨により警戒水位を突破している三峡ダムの安全性に疑問の声が出ていると報じた。

     

    (1)「記事は、豪雨により三峡ダムの水位が18日現在で160.17メートルに達し、警戒水位を15メートル余り超えていると紹介。下流への放水量が増加する中で、これを上回るペースでダムに水が入っており、21日には再び大規模な水の流入が予想されていると伝えた。記事によると、国営の新華社は18日に「主な数値は正常範囲内で、各種安全指標は安定している」ことを強調した一方で、三峡ダムに位置のずれ、漏れ出し、変形などが発生していることがデータによって明らかになったと報じた」

     

    中国国営の新華社が、「三峡ダムに位置のずれ、漏れ出し、変形などが発生していることがデータによって明らかになった」と重要事項を指摘している。これは、重大な情報だが、その意味には触れていないのだ。不安を煽るだけの無責任情報である。

     


    (3)「三峡ダムの洪水防止能力について、中国水利部長江水利委員会のチーフエンジニアは「三峡プロジェクトは長江の氾濫防止体系の柱であるものの、それだけで万事解決されるわけではない。長江中下流で洪水の心配がなくなるわけではない」と語った。このほか、中国工程院院士で水資源学者の王浩(ワン・ハオ)氏は、「三峡ダムは長江中下流の主要河川の洪水のみを防ぐことができ、支流の洪水問題は解決できない。支流は支流上のダムで調節するしかない」との見解を示し、長江中下流の多くの地域で発生している深刻な水害は「排水システムが不十分であることを露呈するものであり、三峡ダムのせいにすることはできない」と説明したという」

     

    三峡ダムは、なんら問題がないというのが政府側の答弁である。果たしてそうだろうか。次の記事が、三峡ダム神話に疑問を呈している。

     

    『ロイター』(7月14日付)は、「中国三峡ダムの治水効果に疑問の声、大雨で長江流域が最高水位」と題する記事を掲載した。

     

    中国で記録的な大雨による洪水や土砂災害の被害が広がるなか、長江にある巨大な三峡ダムの治水効果に改めて懐疑的な目が向けられている。中国政府は三峡ダムが洪水を抑制しているおかげで、経済的損失は最小限にとどまり、死者や避難者の数も少なく収まっていると主張。しかし、専門家などは、長江やその流域にある大きな湖が観測史上最も高い水位を記録しているのは、同ダムが所期の目的を果たしていないからだと指摘する。

     


    (4)「米アラバマ大学で中国の洪水を研究する地理学者のデービッド・シャンクマン氏は、「三峡ダム建設の主な目的の1つは、洪水抑制だった。近年は、完工から20年も経っていないのに最高洪水量が記録された」と述べ、「結局、今回のような異常な事象は阻止できない」とした。

     

    三峡ダムが、異常気象下で洪水抑制機能は果たせないことを証明したと海外研究者が指摘している。この点は、重要である。

     

    (5)「一方、中国水利省の葉建春副大臣は13日のブリーフィングで今年は三峡ダムなどの貯水施設からの「綿密なスケジュール」に沿った放水が洪水の抑制で効果を表してきたと述べた。同氏によると、647億立方メートルに上る洪水の水が2297カ所の貯水池にためられており、このうち29億立方メートルは三峡ダムにあるという。三峡ダム事業の運営会社も11日に、7月6日以来、下流での放水量を半分に絞っており、「長江の中流および下流域での水位上昇のスピードと範囲を効果的に抑制してきた」と説明。洪水による貯水量は三峡ダムの貯水容量の88%に達したことも明らかにした」

     

    中国政府は、洪水抑制機能を発揮していると主張している。洪水による貯水量は、三峡ダムの貯水容量の88%に達したという。

     

    (6)「放水量の調節にもかかわらず、長江流域の一部とその支流、鄱陽湖や洞庭湖のような大きな湖の水位は観測史上最高に達した。巨大ダム事業に批判的な中国の地質学者、Fan Xiao氏は三峡ダムの貯水容量は、平均的な洪水量の9%未満にしか満たないと指摘。「上流の洪水を部分的かつ一時的に抑えることしかできず、長江の中流や下流で大雨による洪水が起きても何の助けにもならない」とした

     

    中国の地質学者Fan Xiao氏は、三峡ダムの貯水容量が平均的な洪水量の9%未満にしか満たないと、政府見解の88%と真っ向から対立する。上流の洪水を防いでも、中下流の洪水には無関係という。

     

    (7)「中国の地質学者はさらに、三峡ダムなどの大規模ダムは、長江下流で土砂が堆積する流れを変えることで洪水を悪化させる可能性もあるという。三峡ダムで行われている水力発電も洪水を抑制する機能を弱めているとした。アラバマ大学のシャンクマン氏は、気候が正常な年は三峡ダムも洪水の抑制で効果を発揮する。異常気象への対応力は、以前から十分でない可能性が明らかだったと語った」

     

    三峡ダムの建設で、下流は土砂が堆積して水の流れを変える結果、洪水を悪化させていると指摘している。三峡ダムの水力発電が、洪水を抑制する機能を弱めているともいう。気候が正常な年は、三峡ダムも洪水の抑制で効果を発揮する。異常気象への対応力は、以前から十分でない可能性が明らかだったと指摘しているのだ。

     

    これでは、三峡ダムが無用の長物であることを意味する。異常気象下で、洪水抑制機能がないとの結論になるからだ。

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    韓国の首都ソウルの市長が、秘書に4年間もセクハラを行なった事件は、韓国政治の前近代的部分を明らかにした点で特筆すべき内容を含んでいる。それは、市長側近を形成した秘書団が、一般公務員でなく市長が選任した学生運動出身者や市民団体出身者で固められていたことだ。これら秘書団は、被害者が事実を訴えても取り上げず、もみ消してきた点で加害者と同罪である。

     

    前記の秘書団は、学生運動出身者や市民団体出身者であり、口を開けば「人権」「平和」「民主主義」を喋ってきた人たちである。この人たちが、セクハラ事件では隠蔽側に立った点で、「ダブルスタンダード」の典型例と言わざるを得ない。

     

    ソウル市長の秘書団構成は、韓国大統領府秘書官の構成と同じである。文大統領秘書官も学生運動出身や市民運動出身で固められている。官僚の専門知識を軽視して、思いつきや学生運動時代の精神を行政に持込む点では、ソウル市秘書団と大差ないのだ。韓国政治は、こうして中央も地方も行政に「素人秘書」を大量に抱える特異の性格を持っている。

     


    『朝鮮日報』(7月23日付)は、「
    ソウル市庁「6階の人々」によるセクハラほう助、衝撃的事実の数々」と題する社説を掲載した。

     

    朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長にわいせつ行為・セクハラ(性的嫌がらせ)を受けた被害者側の代理人は記者会見で、「被害者は4年以上、ソウル市の関係者らに(朴市長が送信した)下着の写真やテキストメッセージを見せて苦情を訴えたが、黙殺された」と言った。こうした訴えは、ソウル市の人事担当者をはじめ、秘書官ら約20人に対してしたという。正常な組織ならば、こうした深刻な事実がこれほど多くの人々に知られたら、決して葬り去ることができない。それなのに、この件は葬り去られた。

     

    (1)「朴市長の秘書陣など最側近は、ソウル市庁で「6階の人々」と呼ばれているという。その数は30人余りにのぼる。一般公務員出身者よりも、市民団体・環境団体やかつての労働運動団体・学生運動団体などの出身者の方が多いそうだ。当然、実勢を握るのは朴市長が特別職に抜てきした人々だ。彼らは関連法規上、朴市長の任期が終了するか、市長が退職すれば、自動的に免職される。互いを「殉葬組」(任期の最後までトップと運命を共にする参謀たち)で呼び合い、朴市長と一心同体になって動いたとのことだ。だから、被害者に対して、朴市長の「喜び組」の役割まで強要したのだろう」

     

    ソウル朴市長(与党出身)は、30名近い秘書団を抱えて入るが、多くは「特別職」という。市長が、自分につながりのある人物を任命したもので、市長の任期が終われば自動的に退職する。こういうことから、市長との関係は「一心同体」になっている。専制時代の「家臣団」である。こういう制度が、今も残している韓国政治の時代遅れは明白である。

     

    (2)「口を開けば「正義」「人権」を唱える人々(秘書団)が、セクハラの容疑者をかばい、被害者に沈黙を強要する。かつての労働運動・学生運動関係者たちの「組織保衛論」を思い起こさせる。このような人々が9年以上にわたる朴市長の在任期間中、人口1000万人の首都の行政を担ってきた。驚がくを禁じ得ない」

     

    敵と味方になって争う。それが普通の韓国は、宗族制社会の遺制を残していると言うべきだ。だから、組織を守ることが敵に勝つ必須条件である。ソウル市長セクハラ事件は、韓国社会の宗族制を赤裸々に表わしているとみるべきである。

     


    (3)「朴市長に対して被害者の告訴事実がすぐに伝えられたことについても、新たな事実が明らかになりつつある。被害者側が警察に告訴する前日、ソウル中央地検担当部長検事に被害事実と共に、朴市長関連であることをまず知らせたというのだ。すると、部長検事は会う約束を突然取り消したという。おそらく、この事実をソウル中央地検の幹部らに直接、報告した可能性がある。ソウル中央地検は今、大統領の大学の後輩が掌握している」

     

    下線の部分で、文大統領の学閥という糸が、セクハラ事件の告訴を受理したソウル中央地検トップに繋がっている。告訴を最初に知りうる立場を利用して、政治的に動き回ったことが浮かび上がるのだ。

     

    (4)「朴市長の遺書作成、公邸を出た時刻などを考えると、朴市長は告訴事実と内容をほぼリアルタイムで把握していたと思われる。ソウル市と警察、検察、青瓦台などが知らせなかったら不可能なことだ。被害者を危険にさらすかもしれない犯罪行為だ。誰がどの経路で朴市長に知らせたのか、一つ一つ解明しなければならない」

     

    被告訴人が、告訴と同時に情報を入手していたことが分かる。違法は言うまでもない。韓国政治には、こういう前時代的要素が複雑に絡み合っているのだ。

     

    あじさいのたまご
       


    文政権の始めた週52時間労働制が、賃金コストを高めている。外資系企業が、韓国で生産活動する上でこれが最大のネックだ。韓国では、最低賃金引き上げや週52時間労働制が、違反企業に罰則を伴うだけに、「韓国さよなら」が続いている。

     

    『中央日報』(7月22日付)は、「脱香港より脱韓国がさらに心配、6000人の生計かかる企業が撤退」と題する記事を掲載した。

     

    大邱市達城郡(テグシ・タルソングン)にある工場の従業員147人は、今月末になれば職場を失うことになる。自動車部品用ベルトを作る韓国ゲイツが撤退するためだ。韓国ゲイツは米国ゲイツが51%、日本のニッタが49%を出資する外国人投資企業だ。大邱市はパニック状態となった。この会社が廃業すれば従業員だけでなく協力会社とその家族など市民6000人の生計が影響を受けるためだ。

     

    (1)「米国ゲイツは、中国で生産した同じ製品を現代自動車に継続して納品する予定だ。韓国から撤退した後は生産地を中国に移すことになる。このため人件費を削減し労働規制を避けるために韓国から撤退するのではないかとの分析が出ている。韓国ゲイツの昨年の平均給与は5000万ウォン前後とされる。米国ゲイツは中国で生産した同じ製品を現代自動車に継続して納品する予定だ」

     

    米国ゲイツは、韓国から撤退して中国で生産して韓国自動車メーカーに部品供給するという。韓国撤退理由は、人件費を削減し労働規制を避けるためでないかと見られている。韓国の労働規制は、それほど厳しいのだ。



    (2)「週52時間制は企業誘致の最も大きな障害物に挙げられる。2月に外資系金融会社代表は殷成洙委員長に会って「外資系金融会社の社員が海外支店との業務協力などで勤務時間外業務が避けられない場合には週52時間勤務規制適用対象から除外してほしい」と建議した。その後企画財政部が金融センター推進に向け実施した需要調査でも外資系金融会社は「週52時間制を守って働くのは事実上不可能だ」として否定的な回答を送ってきた」

     

    週52時間労働制は、外資系企業にとって時差の関係もあり、事実上不可能だという。韓国の夜は、欧米では昼間だ。韓国政府は、こういう点についての配慮がゼロである。

    (3)「高い税率も、韓国行きを忌避する要因に挙げられる。法人税を見ると韓国は最高税率が25%で、シンガポールの17%や香港の16.5%より高い。所得税率に対する指摘もある。香港は現在まで個人所得税率が最高15%だ。中国政府が最近香港にも本土の所得税率である最高45%を適用するとして高所得エリート社員が他に移るだろうという予想が出ているが、移動候補地として主に挙げられるのは最高税率が22%のシンガポールだ。韓国も勤労所得税率が最高で42%(5億ウォン超過)に達するためだ。産業銀行香港法人長を務めたパク・キスン元中国サムスン経済研究所長は「中国の富裕層がこれまで香港に行っていた理由は所得税のため。韓国が彼らを迎え入れるには所得税問題に手を入れなければならない」と話した。

    韓国の法人税率、所得税率は、反企業や富裕者痛めを目的にして、他国より高くなっている。いずれも労組や市民団体の要望を受入れた結果だ。こういう「鬱憤晴らし」政策が、外資系企業に働く労働者へ災難として降りかかっている。何とも皮肉な結果である。

     

    韓国社会には、「共存共栄」とい考え方が希薄である。「敵か味方」の二分類である。労働者にとっての敵は、企業である。市民団体の敵は、富裕階級である。労組と市民団体は、それぞれの敵をやっつけるために高い税率を掛けて喜んでいるのだ。こういう児戯同然の振る舞いの中で、韓国経済は失速して発展する基盤を失うのであろう。朝鮮李朝時代から、敵味方に分かれて、血で血を洗う闘争を繰り広げてきた。その悪弊は、現代も変わらず生き続けている。私の韓国滅亡論は、こういう社会構造からも説明可能と思う。

     

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