勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 中国経済ニュース時評

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    1999年にアリババを創業した馬氏が近々、引退するとの報道が米国で行なわれ注目を集めている。馬氏は一代で時価総額が4000億ドル(41兆円)を超える企業に成長させた。中国の消費生活に革命的な変化をもたらした「革命家」であった。

     

    この馬氏は、もともと英語教師が前身であったように、政治とは余り関わりを持たぬように中国政府とは距離を置いてきたと言われている。政府から依頼されたことは実行するが、自らが求めて政府へ接近するタイプではないと指摘されてきた。昨今の政治と企業が密着化して行く中国の空気になじめず、早々と引退へのレールを自ら敷き始めたのかも知れない。

     

    『日本経済新聞 電子版』(9月8日付)は、「退任観測のアリババ馬会長、後継者プラン発表へ、香港紙」と題する記事を掲載した。

     

    「中国、アリババ集団傘下の香港紙は8日、同社を創業した馬雲(ジャック・マー)会長が10日に後継者プランを発表すると報じた。馬会長を巡っては米メディアを中心に退任観測が流れていた。香港紙は即座の会長退任を否定した。来年、創業から20年を迎えるアリババは、カリスマ創業者から若手経営者への移行作業を本格化する」

     

    「アリババが2016年に買収した香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(SCMP)は8日夜、馬氏が54歳の誕生日を迎える10日に後継者に関する戦略を発表すると報じた。具体的に後継者を指名するかどうかは不明だ。米紙ニューヨーク・タイムズは7日、馬氏が10日に会長退任を発表すると報じていた。SCMPはアリババ広報の話として『馬氏は会長に残る』と伝えた。アリババが傘下の香港紙を通じ、馬会長の即座の会長退任を事実上、否定したものとみられる」

     

    「かつて英語教師として働いた経験を持つ馬氏はかねて。『いずれは教育分野の仕事に戻りたい』と語っていた。馬氏は後継者プランを示すことで、アリババが持続的に成長するための戦略を示すと同時に、急なトップ交代により経営が混乱する事態を避ける狙いとみられる」

     

     

    馬氏については、次のような解説(『レコードチャイナ』9月8日付)があるので紹介したい。

     

    「馬雲会長はこれまでも馬雲公益基金を設立するなどで、教育分野を中心に公益活動を行ってきた。経済観察網によると、アリババの広報関係者は「社会的な公益活動にあっても、アリババ集団にあっても、馬雲会長は毎日、教師役を務めています。彼は毎日、再び教師になりたいと夢見ています。彼にとっては、全く正常な考え方なのです」と述べた」

    「馬会長は大学で英語を専攻し、卒業後は6年間にわたり教師を務めた。これまでも『私が最も好きな職業は教師だ』『私がビジネス界に進んだのは、全くの間違いだった。もともとは2年間ぐらいやってみようと考えていたが、20年も続けてしまった』などと語ったことがある。

     

    「また、『今の中国には、教育に対する資源の投入で問題がある』というのが馬会長の持論だ。『大量の資源を大学や大学院生育成に投入している。しかし基礎教育への投入が不足している』『教育のための資源は、幼稚園、小学校、中学校、高校に大量投入せねばならない。大学生や研究生になってからでは遅い。木型はすでにできてしまっている』などの発言を繰り返してきた。また、農村地区や貧困地区にどれだけ教育資源を投入するかが、国としての文明の度合いの指標だとする発言などもある。馬会長が教育関連の公益活動に強い情熱を持っていることは間違いない」

    「米メディアが報じた10日の退任は明らかでないが、いずれはビジネスから遠ざかって公益活動を中心とする可能性は高いと言える。馬会長については、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏の生き方を理想としているとの見方もある」


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    中国は、ほとんど世界と共通の価値観を持たない国家である。中国共産党が、信仰の領域まで干渉するからだ。信じがたい話である。時代錯誤などという言葉では言い表せない恐怖を覚える。14億の民が、この禁令に従うはずがない。必ず、どこかで不満である「命の叫び」が噴出するのであろう。

     

    秦の始皇帝は、ただひたすら自らの長寿を祈っていたようだ。この「即物人間」が、中国のモデルとなっている。他人に富をひけらかす。他人の給料を平気で聞く。こういう驚くような中国社会の日常性は、いつまで続くだろうか、新世代の「80後」「90後」は、人間らしい精神性の充実を大事にしている。彼らが、日本旅行を楽しみ、静かに景色に溶け込んでいる姿は、中国の夜明けを感じさせるのだ。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(9月6日付)は、「中国、非公認宗教への弾圧を強化」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国は政府公認の寺院や教会、モスク(イスラム教礼拝所)での信教を認めているが、それよりも精神性が強く社会に関与しようとする政府非公認の独立系宗教団体が急速に信者を増やしている。そうした宗教団体は今、習近平国家主席の支配下で締め付けられている。習氏は市民社会に対する共産党の統制を強化し、インターネット上での批判を封じ込め、外国の非政府組織(NGO)を弾圧している」

     

    (2)「北京では、プロテスタント系の「錫安(シオン)教会」が弾圧を受けている。同教会は建物の賃貸契約を失っても立ち退きを拒んでいる。錫安教会のエズラ・ジン牧師によると、教会は8月19日に期限切れとなった5年間の賃貸契約を更新することになっていたが、家主と信者が当局に圧力をかけられ、賃貸契約を打ち切られたという。「態度に変化があった」とジン氏は言い、できる限り長く教会を維持するつもりだと付け加えた。「政府は宗教統制を強めたがっている」。教会の信者らによると、数カ月前から警察が家に来るようになり、礼拝への参加をやめないとアパートを失ったり、子どもが就学できなくなったり、職を失ったりすると脅されていた。故郷の町でも警察から電話があった信者もいるという」

     

    (3)「中国政府がバチカンと国交を結ぶ交渉をしているさなかにあっても、同様の圧力が中国全土の非公認キリスト教会、ローマカトリック教会に及んでいる。かつては地下活動だったキリスト教の独立系プロテスタント教会の信者数は3000万~5000万人と推計され、政府公認の教会の信者数3000万人を超えていると、中国科学院の劉鵬氏は言う」。

     

    習氏は、無辜(むこ)の国民に向けた弾圧を続けていった場合、習氏自らの運命がどうなるかを考えたことがあるだろうか。一説によればひたすら「暗殺」を恐れているという。そのために睡眠不足に陥り、国際機関代表者との会見で機関名を言い間違えることがたびたび起こっているという。そこまでして、権力にしがみついている。こうした人間の哀れみを感じるのだ。習氏は、共産党が権力を維持するための犠牲者かも知れない。気の毒だな。


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    2年半も中国で日本大使を務められた丹羽氏に対して、表記のようなタイトルで原稿を書くことがどれだけ失礼であるか。十分に弁えた上で、やはり丹羽氏にお尋ねしなければならない。

     

    丹羽さんと呼ばせていただく。

     

    丹羽さんが接しておられる中国の高官は、自らの胸の内を本音で語ったことはあるだろうか。いつも、「国益第一」の立場で発言しているはずだ。私が、きのうのブログで取り上げたように、丹羽さんは明らかに中国の立場でものを言っておられる。中国の国益を代弁している感じが拭えないのだ。現在のアジアが軍拡に励んでいるきっかけは、中国の防衛費膨張にあることは言うまでもない。どうか客観的に中国を把握する。中国高官が丹羽さんに言ってくる裏を読んで貰いたいのだ。

     

    中国人の裏を読むことの重要性を指摘する記事が目についたので取り上げたい。

     

    『日本経済新聞 電子版』(9月6日付)は、「日中友好ムード、経済・技術交流うたう中国の本音 」と題する記事を掲載した。筆者は、広州=中村裕とある。

     

    (1)「中国は困ったり、苦しくなったりすると非常に分かりやすい国に様変わりする。貿易戦争では、中国はやはり分が悪い。周囲の中国人経営者に聞いても、今回ばかりは「中国は攻め手を欠き、状況は苦しい」と話す。そんな折り、関係の悪かった日本との間で、不自然なほど急に友好ムードがつくられ始めた」

     

    (2)「米中摩擦が白熱する最中の5月には、李克強(リー・クォーチャン)首相が日本を訪問。歓迎レセプションで自ら乾杯を呼びかけ、日中の友好関係と経済交流の重要性を訴えて見せるのに躍起となった。中国側の不自然な積極性に違和感を覚えたので周囲の中国人ビジネスマンにも理由を聞いてみた。「今の日中友好ムードに違和感を感じますが、本物でしょうか?」。多くの中国人の答えもノー。「貿易問題で、今は中国が大変な状況だから、技術がある日本を抱き込み、利用したいのでしょう」。何とも現実的な答えが相次いだ」

     

    (3)「友好ムードをなんとか演出し、日本との経済、技術交流でこの難局面を、少しでも乗り越えたい中国側の思惑が見え隠れする。経済、技術交流の促進などと言えば何だか響きはいい。だが、実態はどうか。米国が最も嫌がっているのは、中国によるなりふり構わぬ技術の盗用、知的財産の侵害だ。過去にも中国は厳しい局面を迎えるたび、日本側に技術交流を持ちかけ、日中の友好ムードは不自然につくられて来た。だが、危機を乗り越えたのち、その後、いとも簡単に友好ムードが消えていったことは、もう忘れるべきではない」

     

    この記事の筆者である中村裕記者は、中国の本質を見抜いている。丹羽さんのブログにはない「鋭さ」を感じるのだ。にわかに降って湧いたような中国側の「日中友好論」に驚く。毎日、8年間も中国関連記事を追っている私の目にも、「今の中国はおかしい」と感じる。外交的、経済的に未曾有の危機に立たされている結果だろう。「溺れる者は藁をもつかむ」という諺が浮かぶのだ。


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    中国の通信機器メーカーZTE(中興通訊)は、米国からの半導体輸出禁止で倒産の淵に立たされた。改めて、高級半導体技術を持たない悲哀を痛感させられた。折しも、米国は「中国製造2025」という中国の産業高度化戦略の阻止に焦点を合わせている。

     

    「中国製造2025」は、中国政府の統制下で政府資金を投じて研究開発する構想である。これは、WTO(世界貿易機関)のルールと完全に違反しており、米国は強い危機感を以て反対している。米国が、貿易戦争と言われる形の高関税を中国製品へ掛けている理由がこれである。また、半導体が将来において、「第二の鉄鋼」のような過剰生産に陥ることを極度に警戒している。

     

    米国を初めとする先進国が、「中国製造2025」に疑惑の目を向けている理由は、中国政府が異常な熱意を示している海外拡張戦略と軌を一にしていることだ。昨秋の共産党大会で、2050年頃をメドに世界覇権へ挑戦すると広言した裏に、「中国製造2025」が組み込まれていることに気づいたからだ。つまり、「中国製造2025」は、中国が世界秩序へ軍事的挑戦する土台である。こういう位置づけが明確になった以上、米国はこれを放置できず強硬姿勢に変わった。

     

    実は、中国の国務院発展研究センターと世界銀行が、2012年2月に共同研究の成果として公表した論文がる。それによると、中国が「中所得国のワナ」を回避し、高所得社会を築くための戦略提言として、市場経済への移行を実現する「体制移行」問題を取り上げていた。ところが、同年秋に国家主席に就任した習近平氏は、これを骨抜きにして逆走を始めた。「体制移行」という市場経済化の道でなく、国有企業中心の計画経済を復活させる経済体制である。

     

    習政権が力点を置く「中国製造2025」は、国家主義の先兵となって、自由主義政治体制へ挑戦する「武器」と見られるにいたった。仮にこういう中国の「逆コース」がなく、体制移行への過程として、「中国製造2025」が登場していれば、現在のような米中貿易戦争も起こらなかったと見られる。国粋主義者の習近平氏でなく、合理主義者と見られる李克強氏が旗振り役であれば、違ったイメ-ジで捉えられていた可能性も否定できない。

     

    「中国製造2025」が、黒い計画と呼ばれ始めたことには、次のような隠れた生産シェア目標が掲げられていたことも災いした。

     

    『ブルームバーグ』(9月5日付)は、「中国の産業育成策驚くべき野心的目標-外国企業は事実上締め出しか」と題する記事が掲載された。

     

    (1)「トランプ米政権が週内にも2000億ドル(約22兆3000億円)相当の中国からの輸入品に対する追加関税の発動を決めれば、中国との貿易摩擦の激化は避けられない。だが、摩擦の中心にあるのは中国の産業育策『中国製造2025』を巡る対立だ。中国製造2025は、ロボット工学から新エネルギー車、航空宇宙に至る産業で優位に立つことを目指す中国産業政策の中核だ。この青写真の主な要素は『中国製造2025重点領域技術ロードマップ』に記載されているが、これは非公式文書のため見落とされやすい。表紙が緑色だったことから『グリーンブック』としても知られる」

     

    中国政府は、「中国製造2025」という言葉を頻発してきた。それが、65日以降になるとピタリと使われなくなったのだ。中国当局は、同戦略が米政権の強い反発を招いたと認識した結果とされている。

     

    「中国製造2025」には公表されていない「グリーンブック」という表紙の青い、マル秘の指示書がある。具体的は国内生産シェア目標を掲げているものだ。

     

    (2)「公式の『中国製造2025』には、中国企業が目指す具体的な国内外の市場シェア獲得目標が記されず、市場主導で実行する必要があるとまで書かれている。だが、296ページに上る『グリーンブック』には驚くべき目標が詰まっている。実現すれば、中国国内の多くの産業セグメントから外国企業を事実上締め出す内容で、世界の企業にとっては市場断絶の恐れがある。

    国内の生産シェア目標は、次の通り。

     

    農業機械    95%

    新エネルギー車 90%

    形態通信器   80%

    産業用ロボット 70%

    集積回路    56%

    汎用機     40%」

     

    農業機械から産業用ロボットまで過半の生産シェアを国内企業が占める。だが、集積回路(半導体)は、56%と控え目の数字になっている。これを見ても分る通り、半導体は「苦手意識」を持っていることが分かる。だが、大量の資金と人材の引き抜きによって、先進国との溝を埋める強気の戦略を立てている。

     

    国際協力銀行(JBIC)の前田匡史総裁が次のように、米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)に対して、中国当局が産業戦略を通じてハイテク技術を入手することは、欧米の民主主義国家にとって「非常に危険だ」と強い警戒感を示した。

     

    『大紀元』(8月29日付)は、「国際協力銀の前田総裁、中国の産業戦略は欧米にとって危険」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「総裁は、中国の産業発展政策「中国製造2025」にも言及した。この政策によって、中国企業が人工知能(AI)や他の新ハイテク分野で優位に立つと、総裁が警戒した。ハイテク技術の開発には、数十億件のオンライン・チャットなどのビックデータ収集・分析が必要だ。総裁はこの状況について『非常に危険だ』と述べ、米・欧州連合(EU)・日本を含む各国が、ビックデータ活用に関する共通の規定を策定する必要があると強調した。中国は現在、ビックデータを応用した顔識別技術大国となった。当局はこの技術を国民監視と体制維持のために使っている」

     

    ここでは、中国が「中国製造2025」の成果によって、人権を蹂躙する「悪魔の手」に変わる危険性を秘めていることを指摘している。先進国が、この「中国製造2025」に警戒感を持つ理由は多方面にわたるのだ。

     


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    中国は、半導体の技術的強化に全力を挙げている。先進国が、技術漏洩に対してガードを固めているためだ。そこで人材引き抜きでは同一民族・同一言語という台湾の技術者の一本釣りに集中しているという。台湾が、政治的に中国に攻め込まれていることもあり、「高い給与」という好条件には抗しがたいようだ。

     

    中国にとって、台湾から人材を引き抜く重要性が高まっている。現在、国内半導体産業を加速度的に成長させ、スマートフォンから軍事衛星に至るあらゆる製品に欠かせない重要な半導体の海外依存度を下げようと努力しているからだ。

     

    中国の半導体への人材引き抜きへの取り組みは、2014年に始まった。今年に入りさらに強化されている、と採用担当者や業界関係者は指摘するという。米中通商摩擦がエスカレートする中で、外国製半導体への過剰な依存が懸念されているからだ。中国は2017年、2600億ドル(約29兆円)相当の半導体を輸入しており、これは同国の原油輸入額を上回っている。中国半導体産業協会(CSIA)によれば、国内需要に占める国産半導体の生産シェアは同年で、20%未満にとどまったという。技術レベルの低さが理由だ。

     

    『ロイター』(9月4日付)は、「中国半導体企業、高待遇を武器に台湾の人材引き抜き加速」と題する記事を掲載した。

     

    (4)「台湾から中国の半導体メーカーに転職した上級エンジニアは今年に入り300人を超えた。中国政府が2014年に半導体産業育成のために220億ドル規模のファンドを創設して以来、トータルで1000人近くが中国本土に渡っている、と台北の転職支援企業H&Lマネジメント・コンサルタンツは推計する。熟練エンジニアを巡る争奪戦を受け、台湾では、経済の重要なけん引役を、政敵の中国に奪われてしまうのではないかとの懸念が高まっている。とはいえ、中国は、ローエンドの半導体製造においては前進がみられるものの、半導体の設計・製造という面では、台湾より何年も遅れているとアナリストは分析している」

     

    2014年以来、台湾の熟練エンジニアは約1000人が中国本土へ渡ったという。中国は、半導体の設計・製造という面で台湾より何年も遅れている。その遅れた期間を取り戻すため、人材引き抜きに精力を使っているものだ。

     

    (5)「今年、米国が中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)に対する半導体の販売を禁じたことで、中国の半導体産業育成計画は加速したと、事情に詳しい中国高官は4月、ロイターに語った。米国政府が160億ドル相当の中国製品に関税を課したことで、中国製半導体は打撃を受けた。同製品への税率は現在25%だ。これにより中国製半導体の競争力は、台湾製や韓国製に比べ低下しており、中国の半導体産業育成に向けた野心に水を差す可能性がある。中国政府が目指しているのは、2025年までに、国内半導体需要の少なくとも4割を国産半導体で満たすことだ」

     

    ZTE事件で、中国の半導体産業育成計画は加速させたという。さらに、人材引き抜きに努力している。だが、米国の半導体にかける関税引き上げが打撃だ。価格面で韓国や台湾の半導体より割高になり、育成計画に水を差す恐れが強い。米国の狙いはここにある。2025年までに量産化して、国内半導体需要の少なくとも4割を国産半導体で満たすことだが、どうなるか。

     

    (6)「中国の人材不足を裏付けるかのように、2つの国営機関は8月、国内集積回路セクターで働く専門スタッフは2017年末時点で約40万人にすぎず、2020年までに必要とされる推定72万人を大幅に下回っている、と発表した。人材不足に対処するため、中国は韓国や日本のエンジニア獲得を狙っているものの、採用担当者によれば、最大の成功を収めているのは、共通の言語や文化を有する台湾だという」

     

    中国の半導体専門家は、2017年末時点で約40万人にすぎない。2020年までに必要とされる推定72万人を大幅に下回っているという。「ローマは一日してならず」だ。

     

    (7)「中国半導体メーカーが提示する高額の給与と充実した諸手当、そして社内での高い地位が、台湾のエンジニアを魅了している。『台湾企業から移籍した彼らが言うには、台湾で10年かけて得る収入を、中国では3年で稼げる。その分、早く引退することができる』。中国のウェハー工場で働く台湾出身エンジニアの場合、5年以上勤務することを条件に、3ベッドルームの新築マンションを相場より4割安い賃料で提供され、さらに当時の給与の5割増しの金額を提示されたという」

     

    台湾で10年かけて得る収入を、中国では3年で稼げるという。実質的に「給料3倍増」である。転籍の場合、5年以上の勤務を条件に新築マンションを4割り安く提供される。しかも5割増しの給与だという。経済的に得かどうか。それは、その人の人生観が決めることだ。

     

     


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