勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 中国経済ニュース時評

    a0960_005041_m
       

    豪州のモリソン首相は、パンデミックの中でわざわざ日本を訪問。菅内閣で最初の外国要人訪問となった。モリソン氏は、コロナ防疫のために帰国後14日間、隔離生活を送り国会登院も見合わすという「犠牲」を払っての訪日であった。

     

    訪日目的は、日豪の防衛協力のための「円滑化協定」を協議することにあった。豪州と中国の外交関係は日増しに悪化している。そこで、インド太平洋構想で「クアッド」(日米豪印)を組む日本と、対中で防衛協力を固めるという目的である。中国は、これに敏感に反応している。日豪を結束させているのが中国である。自らの行動を棚に上げての振る舞いである。

     

    『レコードチャイナ』(11月29日付)は、「日豪『円滑化協定』に警戒心あらわ、『地域の安全と安定にも資さない』と中国メディア」と題する記事を掲載した。

     

    日本とオーストラリアが大筋合意した防衛協力のための「円滑化協定」に中国メディアが警戒感をあらわにしている。「中国を警戒し共にけん制する狙いがあるからだ」と批判。「中日関係と中豪関係の不確実性を高め、地域の安全と安定にも資さないことも間違いない」と反発した。

     


    (1)「菅義偉首相と来日した豪州のモリソン首相が11月17日に大枠で合意した「円滑化協定」は、両国部隊の共同訓練や災害協力を容易にするもので、両国の「準同盟国」関係を深化させた形だ。交渉は長く停滞していたが、覇権主義的な行動を強める中国への危機感が交渉進展を促した。両国は今回、司法制度などの詳細部分で折り合わず、署名には至らなかったものの、首脳合意をテコに今後、外務、法務当局が細部を詰める方針だ」

     

    日豪軍の「円滑化協定」は、互いに相手国の領海に入っても特別の手続きをしないで済むと言う、一種の「準同盟国」である。日豪軍が親戚付き合いを始めるという宣言である。

     

    (2)「協定について、『中国網』は防衛省のシンクタンク・防衛研究所が13日に発表した「中国安全保障レポート2021」に言及。「日本としては日米同盟の抑止力と対処能力の向上のために引き続き米国との関係を強化することに加えて、独自に防衛態勢の充実を図ることも重要であろう」とした上、「実際に日本は引き続き日米同盟関係の強化を外交の礎とし、日米安全協力を強化するほか、他国との協力の強化により地域における防御、特に南西方面の防御を補おうとしてきた」と伝えた」

     

    日本にとって、南西地域の防衛が手薄になりがちである。そこで豪軍の協力を仰ごうという狙いもある。これが、同盟国、準同盟国のメリットである。

     


    (3)「豪州に関しては、「中国を自国の国益への『挑戦および脅威』としている。中国への懸念により、豪州は初めて国家安全を口実とし、華為技術(ファーウェイ)による5Gネットワーク構築を禁じた国になった。豪州は今年、新型コロナウイルスの発生源と感染拡大をめぐり国際調査を行うよう求め、中国に汚名を着せることもいとわなかった」と強い調子で糾弾。「豪政府は近年、トランプ政権のアジア太平洋における一連の戦略的行動を積極的に支持し協力するほか、アジア太平洋のいわゆる豪州と同じ価値観を持つ国との安全関係の強化を求めている」と述べた」

     

    中国と豪州の関係が悪化し始めた要因は、新型コロナウイルス発生源の究明問題である。モリソン首相が、徹底調査を要求したことで中国が先手を打って経済報復をしたもの。以来、両国関係は悪化の一途だ。WHO(世界保健機関)でも最近、「新型コロナウイルスの発生源は、中国以外に考えられない」と発言するほど既知の事実になっている。中国はその汚名を被ることに我慢ならないと逃げ回っているのだ。無駄なことである。

     

    (4)「中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報はさらに一歩踏み込んで「日豪は悪い例を示したと言うべきだ」と非難。「両国は各自の最大の貿易パートナーである中国を『安全の脅威』と位置付け、かつ米国の要求に応じた措置を講じ、アジア太平洋の米国を除く初の2国間準軍事同盟の大枠をつくった」と続けた。その上で「米国と共にインドを抱き込み中国を『包囲』するのを回避するよう忠告しよう」と強調。「中国の国益が侵害され、中国の安全が脅かされれば、中国がこれを座視することは決してない。これがシンプルな道理であり、彼らは必ず代価を支払うことになる」などと警告した」

     

    日豪にとって、中国は輸出先ナンバーワンの国である。それでも、安全保障が第一、経済問題は第二の認識である。中国の軍事行動に警戒観を強めているのだ。こうなると、海洋進出第一を目指す中国との摩擦は不可避である。原因をつくったのは中国である。中国が、身のほど知らずに世界覇権を狙うという野望を捨てない限り、周辺国は結束して中国へ対抗姿勢を取るはずだ。

    35
       

    米中デカップリング(分断)が本格化すれば、中国はどこの国を頼るだろうか。米国にバイデン政権が誕生すれば、同盟国の結束を図って中国へ圧力をかけると広言している。EU(欧州連合)も米国と足並みを揃えて、中国への門戸を狭める。となれば毎日、尖閣諸島で嫌がらせをしている日本しか頼る先はないのだ。

     

    中国のことだ。自分から頭を下げてくることは絶対にない。先の王毅外相の訪日は、中国の申入れであったという。菅新政権の対中政策の感触を探りにきたのだろう。すでに、習近平氏が突然のTPP(環太平洋経済連携協定)参加意思を表明した。参加資格もない中国が、名乗り出たのは「中国を忘れないでね」というシグナルである。

     


    『日本経済新聞 電子版』(11月28日付)は、「中国、TPP検討の思惑、包囲網打破へ日本に接近」と題する記事を掲載した。

     

    貿易や投資で高度な自由化を求める環太平洋経済連携協定(TPP11)への参加に、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が前向きな姿勢を打ち出した。もともとオバマ前米政権が主導したTPPの目的は対中包囲網づくりだった。あえてそこに中国が参加検討を表明する背景には、3つの深謀が働いている。

     

    (1)「習氏は20日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で「TPP11参加を積極的に考える」と表明した。15日に東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に署名した勢いのまま、突然の発表だった。予想外の参加表明の狙いは、米国との覇権争いに終わりはないと見越し、TPPをテコに日本に近づき日米関係にくさびを打ち込むことだ。中国外務省の関係者は「日本を味方につけて米国の対中包囲網を打ち破る」と真顔で語る。「塑造周辺(自陣営の周辺国を作る)」という習指導部の外交方針を体現する」

     

    中国は、都合のいいときだけ日本へ接近する。日本は、その意図を見透かしているからニーハオと言ってきても「無駄弾」である。米中関係の密接さも知らないとすれば、中国の外交はどうなっているのか。どう転んでも、日本が中国の味方になるはずがない。基本において、日本は中国を尊敬していないからだ。恋愛と一緒である。お互いが尊敬の念を持たずに愛は続かない。それは、一時の打算に過ぎず破綻する運命だ。

     


    (2)「2つ目の狙いは、米次期政権との対話の糸口を探ることだ。中国では「習氏の表明が米国のTPP復帰を早める」との論調もある。米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は国際的な枠組みを重視する。同氏のもとで米国がTPPに復帰すれば、なかば恒久的な対話の窓口ができると期待する」

     

    このパラグラフの認識も間違っている。米国がTPPに復帰する時期について、当面は無理とされている。ラストベルト地帯の雇用が改善しなければ、米新政権はTPPを持ち出せないと見られている。仮に、22年に米国がTPPに復帰しても、中国を加盟させる意思はゼロである。TPPはもともと、中国排除の目的で結成されたのだ。中国外交は、完全に目算が狂っているのだ。

     

    (3)「3つ目の狙いは、国内改革を進める外圧としての活用だ。中国共産党幹部を養成する中央党校の国際戦略研究院の梁亜浜副教授は「外部の力を借りることも、中国の改革開放を絶えず深化させる重要な手段だ」と中国メディアで指摘した。関税撤廃率が99.%に達するTPPは、貿易や投資の自由度がRCEPを上回る。TPP加入に備えて、国内の構造改革を進めて民間の活力を高める必要がある。習政権のもとで改革の機運がしぼんだが、改革派の知識人らはTPPをきっかけに再び前進させるべきだと訴える」

     

    中国が、TPPに加盟するには現在の「国進民退」を改めて、「民進国退」に戻すことが不可欠である。つまり、国有企業中心の産業政策を捨てて、自由競争基本の市場経済に戻すことだ。それは、中国共産党による統制経済でなくなるという意味だ。中国が、そこまでしてTPPに加盟するとは考えられない。

     


    (4)「ただ中国が実際にTPPに参加するにはハードルが高い。TPPは、政府が国有企業を補助金などで優遇して競争をゆがめることを禁じる。鉄鋼など中国の国有企業がむやみに設備投資を膨らまし、グローバルな供給過剰を生んだことが念頭にある。習氏は4月の党内組織の会議で「国有企業も改革や合理化が必要だ」としつつも「絶対に否定や弱体化はできない」と述べた。国有企業の増強を前提としたままでは、TPP参加交渉はつまずきかねない」

     

    習氏の権力基盤は、共産党二世グループ「太子党」「紅二代」にある。彼らが、国有企業全体を率いているのだ。紅二代の経済的利益は、国有企業から吸い上げている。その結果、栄耀栄華な生活を送くれるのだ。国有企業の縮小・解体はタブーである。こういう事情ゆえに、TPPに加盟できる訳がないのだ。

     

    (5)「習指導部は、経済強国を築くため、国内産業を保護すべく多くの規制を駆使してきた。TPPのルール分野には個別に適用を見送る凍結規定があるものの、多用は認められない。中国内には貿易面だけ参加する「限定参加論」を唱える声もあるが、加盟国の同意が得られるかは読めない」

     

    どう見ても、中国がTPPに加盟することは不可能である。そこで、中国が貿易面だけ参加する「限定参加論」を唱える声もあるという。とんでもない甘えである。社会主義国のベトナムもTPP加盟に当り、国有企業の比率を引下げる努力をしたのだ。中国だけ甘やかすことは不可能である。中国は加盟に当って、既存加盟国すべての承認を必要とする。一国でも反対があればダメなのだ。中国が、こういう「限定参加論」を持ち出すほど、米中デカップリングが深刻であることを物語っている。早くも、中国敗北を示している。

    a0960_006624_m
       

    日本が、日中韓首脳会談に参加する方針を見せないことから、中国が日韓関係修復に一肌脱ぎたいような素振りを見せ始めた。日本は何も、中国の介入を必要としている訳でない。韓国の「反日体質」をこの際、徹底的に矯正させるという「教育効果」を狙っているだけである。二度と再び、歴史問題を蒸返して「謝罪と賠償」というパターンの繰り返しを阻止したいのである。そのために、日本は絶対にここで妥協してはならない。むろん、中国の介入も必要ないのだ。

     

    『レコードチャイナ』(11月28日付)は、「日韓関係は、切っても切れず『糸口もつかめない』状態ー中国メディア」と題する記事を掲載した。

     

    中国商務部が主管するサイト『中国商務新聞網』(12月27日付)は、日韓関係について「切っても切れず、糸口もつかめない」とする記事を掲載した。

     

    記事は、今月23日に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が新しい駐日大使に姜昌一(カン・チャンイル)氏を起用したことを挙げ、「このニュースは2年の間、波風が多かった日韓関係にいくらかの温かみを与えた」と指摘した。姜氏は「日本通」として知られ、東京大学大で修士、博士号を取得した、日本問題に詳しい歴史学者。共に民主党所属の国会議員を4期務め、現在は韓日議員連盟の名誉会長を務める。

     


    (1)「記事は、「イライラと悪化の中にある日韓関係において、『日本通』が駐日大使に就任することは、少なくとも韓国が双方の交流において、日本の意図と要求により耳を傾け、理解したいということを意味している」とし、韓国大統領府関係者が「関係を改善したいという文大統領の意思を反映した人事」と評したことを伝えた」

     

    韓国が、日本との関係修復に全力を上げていることは事実である。だが、韓国は徴用工問題を自国で解決する意向を見せない点が最大の難問である。韓国は、これを逃げ切ろうと狙っている。その底意が透けて見えるから、日本は警戒しているのだ。

     

    (2)「このほど、日中韓が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が署名に至ったことに言及。「これにより、3者間の経済協力がますます緊密になる」とした上で、「2つのパートナーの距離が徐々に離れていく場合、第3者(注:中国)がタイムリーに介入すれば2者の行き詰まりを打破し、互いの負の感情を緩和することができる。RCEPへの署名は日韓関係の正常な発展を促す一定の作用がある」と指摘した」

     

    RCEPは、貿易関係の領域である。別に日韓の経済関係が止まっているわけでないので、中国がRCEPを持ち出して、「介入」する必要性はゼロである。中韓関係も「THAAD」問題でギクシャクしているが、日本が第三者として介入する必要はない。それと同じことなのだ。

     


    (3)「そして、「最近、双方のハイレベル交流が頻繁に行われ、関係改善の突破口を積極的に探している」としたほか、「韓国は拉致問題という『日本の痛いところ』を利用し、東京五輪という接点に乗じて、遠ざかっている日本との関係を縮めようとしている」とも指摘。11月中旬に日本を訪問した韓日議員連盟の金振杓(キム・ジンピョ)会長が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を来年7月の東京五輪に招待することについて「日本が前向きな回答を示した」と明らかにしたことを挙げた。なお、日本側はこれを否定している」

     

    韓国は、自国が譲歩しないで「得する」ことだけを模索している。これでは、日本を納得させられるはずがない。現在の日韓関係悪化は、すべて文政権が仕掛けたものだ。日韓慰安婦合意の破棄。旧徴用工問題賠償は国際法違反である。日本に責任のある問題ではない。文大統領は、日本に喧嘩を売って、最後は頭を下げて解決したという「不格好」な終わり方を避けたいだけである。日本が、それに付合って譲歩する必要性はない。文大統領の「自作自演」の騒ぎなのだ。

     

    (4)「一方で、記事は「日韓関係の正常化は徴用工と慰安婦問題という歴史的な『閉塞点』を避けられないことにも目を向けるべきだ」と指摘する。これまで徴用工問題をめぐって日本企業への賠償を求める訴訟が起こされてきたこと、慰安婦被害者らが日本政府に対して起こした損害賠償請求訴訟を審理しているソウル中央地裁が今月10日、英国の国際法の権威であるクリスティーヌ・チンキン教授から、日本の賠償を認めるようにとの趣旨の意見書を受け取ったことを説明した」

     

    慰安婦問題は、韓国が一方的に破棄した問題である。今後一切、日本の責任は免除されるべきである。徴用工問題は、1965年の日韓基本条約で解決済みである。もはや、日韓の歴史上の問題はすべて解決しているはず。これが、法的な解釈なのだ。

     

    118
       

    北朝鮮が、米国の新政権登場に祝電も送らず息を潜めている。過去の例では、米国に新政権が登場後に必ずミサイル発射などの「脅し」をかけてきた。今回は、これまでにない慎重姿勢を見せている。

     

    『聯合ニュース』(11月27日付)は、「北朝鮮在外公館に米国を刺激しないよう指示=韓国情報機関」と題する記事を掲載した。

     

    韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は27日の国会情報委員会で、北朝鮮が米大統領選後、在外公館に米国を刺激する対応をしないよう指示し、問題が生じれば大使に責任を問う方針を伝えたと報告した。極めて慎重に発言するよう求める指示を出しているという。同委員会幹事を務める与党「共に民主党」の金炳基(キム・ビョンギ)議員が明らかにした。

     

    国情院によると、北朝鮮は米大統領選後、通常は10日以内に結果を報道したが、今回は関連報道をしていない。また、トランプ大統領との親交関係が無駄になり、米朝関係などを一からやり直すことへの不安感を見せている。

     

    (1)「米新政権がオバマ政権時代の対北朝鮮政策「戦略的忍耐」に回帰する可能性があるとの見通しを示す一方、トランプ政権とは異なりシステム的なアプローチが予想され、バイデン次期大統領氏が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)との面会に言及したことから米朝首脳会談の実現も期待しているという。金氏はシステム的なアプローチについて、トランプ大統領の一方的なトップダウン方式ではなく、官僚による検討や政策研究を通じたボトムアップ方式にする意味だと説明した」

     

    トランプ大統領のトップダウン方式に比べ、バイデン次期政権は、ボトムアップ方式とされる。北朝鮮は、次期政権の動きを見て具体策を決める模様。既定路線ではなさそうだ。

     

    (2)「国情院は北朝鮮が来年1月に開く予定の朝鮮労働党の党大会について、新型コロナウイルスの防疫問題などで延期する可能性があるとも報告した。党大会では閲兵式(軍事パレード)を行うとみられ、米新政権への軍事的誇示の狙いがあるとの見方を示した」

     

    朝鮮労働党の党大会では閲兵式(軍事パレード)を行うとみられ、米新政権への軍事的誇示をする可能性も指摘されている。この部分は、過去と同じパターンである。

     

    だが、米軍は北朝鮮に過去のような大掛かりな軍事実験をさせない意思を示している。それは、「死の白鳥」と呼ばれる超音速の米空軍戦略爆撃機B1B機体に、ミサイルを装着して飛行する様子が初めて公開されたことだ。これは、中朝への警告とも言われており、米国が、インド太平洋構想で迅速に対応することを示したものだ。

     


    『東亜日報』(11月26日付)は、「
    対北朝鮮強硬路線のシグナルか、米がミサイル装着の『死の白鳥』公開」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「別名「死の白鳥」と呼ばれる米空軍のB1B戦略爆撃機が、機体にミサイルを装着して飛行する様子が初めて公開された。米国が開発中の極超音速空対地ミサイル(AGM-183A)のB1B爆撃機装着のための実験をしたのだ。最近、F35Aステルス戦闘機で北朝鮮の地下核施設を破壊する改良型戦術核爆弾バンカーバスター(地中貫通爆弾)の投下実験を公開したのに続き、中国の域内の軍事的浮上や北朝鮮の核脅威などに対応するためとみられる。特に、バイデン政権発足を控え、米中関係はもとより米朝関係もしばらく緊張が続くという観測が流れている状況で、米国の戦略的優位を強調する狙いあるとみられる」

    大陸間弾道ミサイル(ICBM)など核戦略兵器を総括する米戦略軍は24日(現地時間)、 B1B爆撃機が最近、カリフォルニア州エドワード基地の上空で長距離空対地ミサイルに見立てた模型を機体下段に装着して飛行する様子を公開した。B1B爆撃機が機体に兵器を装着して飛行するのはきわめて異例のことだ。米戦略軍は、「今回の実験飛行がB1Bに極超音速兵器の装着の可能性を開いた」と明らかにした。

     

    米軍は、北朝鮮の核開発による脅迫には、このB1B爆撃機に登載するミサイルで圧倒する戦略を立ち上げた。

     

    (4)「米空軍が運用中のB1B爆撃機は、機体内部にだけ各種在来式ミサイルや爆弾を搭載している。1990年代初め、米国とロシアの核軍縮協定の合意後、B1Bの核武装が禁止され、核ミサイルを装着する外部の装置を除去したためだ。しかし、中国の軍事的脅威が増し、北朝鮮の核能力が高度化したことで、米空軍はB1B爆撃機の内部だけでなく外部に2022年を目標に開発中のAGM-183Aの多量装着を推進している。この場合、B1B1機に最大約30発が搭載可能だという」

     

    超音速B1Bの1機に最大約30発のミサイルを搭載可能という。「飛ぶ戦車」のような機能を発揮するのだろう。

    (5)「米戦略軍は今後、極超音速ミサイルを装着した約18機のB1B爆撃機をインド太平洋地域に循環配備して中国をより強力に牽制し、対北朝鮮抑止力を強化するという構想を持っている。軍関係者は、「極超音速ミサイルを装着したB1B爆撃機が戦力化されれば、北朝鮮の核挑発など有事の際、対応時間が大幅に短縮される。これは韓国に対する拡大抑止強化にもつながるだろう」と話した」

    米軍が、新政権移行の空白期を狙って不穏な動きをすれば即刻、対応するという強いイメージを発したと見られる。北朝鮮が、各国の大使館に慎重な対応を求めた裏には、米軍の不退転の決意を感じ取っているに違いない。

    a0960_008564_m
       

    中国の王毅外相は、26~27日にわたり韓国を訪問した。その前日は、日本訪問であった。その際、王氏は日韓でそれぞれ挨拶している。日本は、「一衣帯水」、韓国は、「守望相助」と言ったのだ。「一衣帯水」は、平和共存を強調して使った言葉。守望相助」は、隣村同士、外敵の侵入に対抗して共に守り互いに見張りをしながら助けるという意味だという。

     

    韓国では、中国が日本よりも韓国に親近感を持っていると大喜びした日に、導入した中国製の監視カメラが、とんだ食わせ物であったことが発覚した。導入先の韓国軍の情報が、すべて中国へ転送されるマルウェアが仕組まれていた。何が、守望相助」か、と新たな怒りを買っている。

     

    『朝鮮日報』(11月27日付)は、「韓国軍の監視カメラに遠隔アクセス可能 中国に映像流出しかねず」と題する記事を掲載した。

     

    韓国軍の配備した監視カメラシステムが、中国に情報が流出し得るように設計されたものだったことが判明し、大きな波紋が広がっている。

     


    (1)「韓国国防部(省に相当)は26日、「納入された監視カメラシステムからこのような事実が発見され、緊急措置を取っている」とし「監視装置はまだ稼働しておらず、実際に軍事機密が流出してはいない」とコメントした。だが韓国野党は「軍事安保支援司令部が実施した海岸警戒システムに対する調査の結果、随所でセキュリティー上の弱点が明らかになった」と批判した」

     

    中国企業が納品した韓国軍の監視カメラなど警戒地域の監視装備から軍事機密流出の恐れがあるマルウェアが発見され、緊急措置を取っていることが分かった。マルウェアを分析した結果、保存ルートを任意に変更し、情報を別の装置に保存でき、遠隔アクセスが可能になるようインターネット網が開かれており、第3者がシステムに簡単に侵入することができた。このマルウェアと連結されたサーバーが中国・北京にあることが確認された。これは、『東亜日報』の報道である。

     

    韓国によって、ここまで突き止められると、中国はグーの音も出まい。ファーウェイの「5G」にマルウェアが仕組まれていることは、すでに既知のことになったが、監視カメラにもこのマルウェアが仕組まれていたとは恐怖である。米陸軍でも中国製監視カメラを導入して、同じマルウェアを発見している。韓国軍が、こういう情報に疎かったとは驚きである。



    (2)「安保支援司令部が警戒システムの脆弱点を点検した結果によると、中国製の核心パーツを使った215台の監視カメラ全てが中国の悪性コード流布サイトに接続するよう設定されていた。このサイトを通して悪性コードが流入したら韓国軍の映像情報が中国など外部に筒抜けになりかねない、ということを意味する。また、韓国軍の監視カメラシステムに遠隔アクセスできるようになっていた。非認可ユーザーが監視システムに侵入できる、ということだ」

     

    この監視装備の設置は完了したが、実際の運用はまだ始まっていない。現在、運用中の監視装備をすべて緊急調査しなければならないと、韓国軍は大騒ぎだ。

     

    (3)「映像情報の保存先もUSBメモリーなど他の装置に変えることができた。誰が、何の目的でこれを設置したのかは確認されなかった。高麗大学情報大学院の鍾仁(イム・ジョンイン)教授は「個別の監視カメラを管理するシステムが悪性コードに感染したら、韓国軍の監視システム全体がコントロール、操作、歪曲(わいきょく)されかねない」と語った。

     

    韓国の中国への警戒心の甘さを示している。米国では、昨年はじめにファーウェイ「5G」のマルウェアに気づき中国製監視カメラ全体への警戒が広がった。中国製車両にも秘かに監視カメラが据え付けられていれば、米国要人の列車移動を察知して、テロ事件すら引き起されるという警戒にまで発展した。これが、正常な警戒心である。

     

    このページのトップヘ