勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 中国経済ニュース時評

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    中国は、米中貿易戦争で誤算をした。トランプ支持者の農家に対して農産畜産物の関税を引上げれば、強気のトランプ氏を突き上げ、中国と妥協せざるを得まい。そう見てきたのだ。だが、農家は依然としてトランプ支持。全体の世論調査でも過去最高の45%(WSJNBCニュースの共同世論調査)に達した。

     

    米国は世論の国である。関税引き上げが、米国民の生活に影響を与え、関税引き上げ合戦の無益を覚るはず。中国の目論見は、こうだった。この線にそって、「大豆アニメ」をつくって、米国農家に「厭戦気分」を起こさせる宣撫工作を始めている。

     

    「皆さん、こんにちは。私は大豆。こう見えて、とても重要なんだ」

     

    この「大豆アニメ」をつくった中国の意図は、米国民に届かないようだ。米国の世論調査で、中国の願いとは逆の結果が出ているからだ。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(7月23日付)は、「トランプ氏支持率、最高の45%、共和党系の支持拡大」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースの共同世論調査によると、トランプ大統領の支持率は45%。6月の調査から1ポイント上昇し、就任以来最も高くなった。調査が行われたのは、米ロ首脳会談前日に当たる15日からの4日間。同調査では、共和党支持者の88%がトランプ氏を支持した。直近4人の歴代大統領のうち、就任2年目の7月時点で与党支持者の支持率がこれより高かったのは、同時多発テロ(01年9月11日)後のジョージ・W・ブッシュ元大統領だけだ。登録有権者全体で見たトランプ氏の支持率は依然、同時期としては現代の歴代大統領の中で最低の部類に入り、同氏にとって危険信号は消えていない」

     

    米国経済界では、中国の報復関税を受けることから、「トランプ関税」への批判の声が強い。まだ、関税引き上げの影響が出ていないこともあり、トランプ氏の「米国第一」が情感に訴えているのかも知れない。その結果が、トランプ支持率45%という数字に表れていると読めるだろう。

     

    中国が米国の技術を窃取して、米国覇権への挑戦を企んでいる。こういうトランプ氏の訴えは、安全保障論と絡んで与野党を問わずに共感されている。トランプ氏の「米国第一」は、「世界覇権は米国だけ」に置き換えると、意外と納得がいくのだろう。

     

    (2)「11月の中間選挙後にどちらの党が議会を制するべきかとの質問については、民主党と答えた人の割合が約49%と、共和党の43%を6ポイント上回った。民主党優位の差は6月調査(10ポイント)や4月調査(7ポイント)から縮小した」

     

    中間選挙における共和と民主の支持率は、民主が依然として優勢である。次第に、その差は接近している。米朝問題は、北朝鮮の粘り腰で膠着状態であるが、一歩動き出すと「共和党有利」という可能性も出てくる。

     

    トランプ氏支持で「岩盤」の役割をしている農家の動向を見ておきたい。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(7月3日付)は、「貿易紛争、逆風の米農家にトランプ氏支持の声」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「多くの農家は、トランプ政権が貿易政策の目標に掲げるNAFTA改定や貿易赤字縮小、不公正だという中国の貿易慣行との闘いを支持すると話す。トランプ氏のアプローチは交渉術だとみており、収穫期の秋までには実りをもたらすと期待しているのだ。その一部は、米経済に長期的にプラスであれば経済的な犠牲もいとわない覚悟だ。ミシガン州で養豚農家を営むジョン・ホワイト氏は『結局、大統領は国全体のために最善を尽くそうとしているのだと思う。同時に全ての人を喜ばせることはできない』と話す。ホワイト氏は年間7万頭の豚を出荷するが、価格低迷のため向こう3年は赤字だと予想している。記録的な豚肉生産が既に圧力となっている市場での損失は、輸出が減るとの懸念で拡大している」

     

    農家は、不公正だという中国の貿易慣行との闘いを支持するという。この裏には、収穫期の秋までにトランプ氏が話をまとめる期待も滲んでいる。中国は、季節的に10月~3月まで米国産大豆に依存せざるを得ない事情もあるからだ。中には、米国の国益を守るためには避けられない犠牲という声もある。米国の農家は、古きよき時代の米国民の面影を残しているように思える。

     


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    今から10年前、中国河北省でメラミン入り粉ミルクが販売され、世界中を騒がせた大事件が起こった。メラミンによってたんぱく質を偽装する事件だ。今度は、吉林省と四川省で検査不合格ワクチンが乳児に接種されて中国社会に衝撃を与えている。

     

    事件の概要は次のようなものだ。『大紀元』(7月24日付)が報じた。

     

    (1)「7月20日、吉林省の薬品管理当局は、ワクチンメーカーの長生生物科技(長生生物)が2017年に製造したDPTワクチンが品質基準に満たさないまま、山東省疾病予防センターに販売して接種された。このワクチンの対象は、3カ月の乳児から6歳の幼児までだ。販売した数は25万2600本という。吉林省当局は昨年10月27日にすでに、同社の製造状況について調査していた。しかし、中国国家薬品管理当局によると、吉林省当局が最近まで調査結果を伏せており、不正ワクチンの自主回収を実施しなかった」

     

    吉林省当局は、ワクチンが検査で不合格にもかかわらず、回収命令を出さなかったこと。調査結果を公表しなかったことなで、明らかにワクチンメーカー側に立って行政を行なっている。これは、メーカーとの癒着結果であり、補助金が絡んだ問題であろう。中国の当局と企業は補助金で結ばれ、今回の事件を誘発した要因と見られる。

     

    (2)「吉林省薬品当局は、長生生物に対して在庫のDPTワクチン186本を没収し、罰金344万2900元(約5853万円)の処分を科したに留まった。中国メディア『澎湃新聞』の22日の報道によると、山東省薬品管理当局の責任者は問題発覚直後、不適合ワクチンが省内に『どれぐらい残っているのか、どこの市・県に流通したのか、またすでに接種を受けた子供はどれくらいいるのかを、全く把握していない』と話した。中国国内メディアによると、他のワクチンメーカー、武漢生物が製造するDPTワクチンも当局の出荷基準に不合格であった。昨年11月に問題発覚にもかかわらず、ワクチン40万本が四川省重慶市、河北省各地に流通した。そのうち、144万本がすでに乳児に接種した。長生生物と武漢生物2社の問題ワクチンを接種した乳児は39万人に上る」

     

    他のワクチンメーカーの武漢生物でも長生生物と同様な事件を引き起こしている。検査不合格ワクチンは、流通しないように処分するはずだが、それを行なわなかった点で、全く同じである。官民癒着が背景にある。長生生物と武漢生物2社の問題ワクチンを接種した乳児は39万人にも上がる。今後、副作用が発生した場合、不合格ワクチンを処分せず流通を黙認した政府の責任が問われよう。

     

    中国政府が現在、取り組んでいる「中国製造2025」は、前記のワクチン同様に補助金が絡んでいる。中国ではあらゆる部門で補助金が湯水のように使われ、企業において緊張感を欠く原因になっている。補助金頼りの起業活動は、最終的な起業リスクを招かれるという甘えを許す結果になっている。この点が、中国経済を脆弱化させる大きな要因だ。甘えを許すことになっている。

     

    冒頭で取り上げた「メラミン入り粉ミルク」事件では、官は関係していなかった。個人の酪農家がミルクのタンパク質比率を高めるために行なった犯罪である。この悪事によって、毒粉ミルクを購入した家庭では、幼児が痛ましい犠牲になった。毒入り牛乳を知らずに購入した粉ミルクメーカーはその後、毒牛乳混入事実を知ったが伏せていた。秘かに回収に動いていたことが被害を拡大する結果となった。

     

    今回の不合格ワクチン問題では、地方政府がその事実を公表せず、流通させている。この点では、毒入りミルク製造企業と全く同じ対応をしている。「一般に知られなければ」という隠蔽体質が、中国の特質であることを示した事件である。


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    際限なかった中国バブル経済に、最後の断がくだったようだ。国中を舞ったバブル・マネーの象徴であるネット金融の「P2P」(ピア・ツー・ピア)が、ついに実質「店じまい」を迎える。「P2P」とは、個人間のお金の貸し借りをインターネットで仲介するもの。「フィンテック」(ファイナンスとテクノロジーの結合)の先駆ともてはやされたこともあった。隆盛を極めた「P2P」が、あっけない幕切れを迎えたのは、昨年12月の中国政府による「通告」から始まる。

     

    『ロイター』(2017年12月15日付)は、次のように報じた。

     

    中国銀行業監督管理委員会(銀監会、CBRC)は、消費者金融に対する規制を強化し、未承認の借り手への融資および、現金貸付や学生ローンなどへの投資を禁止した。証券時報が15日報じた。同国では銀行口座を持たない人が多く、その需要を満たすため消費者金融市場が活況。小口の高金利ローンを扱う小規模な業者が増えている。CBRCが消費者金融業者に配布した文書では、承認を受けていない借り手に対し「ピア・ツー・ピア」(P2P)や第三者を介した融資を拡大することを禁止。投資先は債券のみに限定される」

     

    この記事の中に、ネット金融の危なさが余すところなく示されている。「未承認の借り手への融資」を禁じたからだ。中国では銀行口座を持たない人々が多い社会である。これでは、身元確認が不可能である。こういう不確かな相手への融資が、回収上危険であるのは自明である。金銭貸借のイロハの手続きを無視して金融が行なわれていたことに、中国の前近代的社会状況が浮かび上がる。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(7月21日付)は、「中国PP金融、相次ぐ倒産や閉鎖、投資家に動揺広がる」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「新たな登録規制の実施期限である6月末が近づくに連れ、業界では逆風が強まり始めた。そこに景気減速が加わったことから融資返済に窮する企業が増え、一部は事業閉鎖を決めたようだ。さらに警戒した投資家の資金引き揚げも重なり、こうした融資プラットフォーム会社をさらに追い込んでいるとみられている。オリエント・キャピタル・リサーチのアナリスト、アンドリュー・コリエ氏は『資本チェーン全体への不安が広がっている』と話す」

     

    昨年12月の中国銀行業監督管理委員会(銀監会、CBRC)の通達によれば、「承認を受けていない借り手に対し『ピア・ツー・ピア』(P2P)や第三者を介した融資を拡大することを禁止。投資先は債券のみに限定される」。この結果、身元不確かな相手(銀行口座を所有しない者)への融資が禁じられた。インターネットによる消費者金融には、箍(たが)をはめられた形で、もはや従来のような発展どころか、縮小への動きである。

     

    (2)「P2P金融とは、小規模な借り手と一般投資家をつなぐ融資事業だ。中国では通常、投資家の資金を集め、運転資金に窮している企業に短期融資や高金利融資を提供しており、資本プールのような働きをする傾向がある。中国では、当局が経済成長のけん引役としてフィンテック業界の育成を推進したことで、2010年代に入りP2P金融が拡大。だが2015年終盤に、あるネット金融プラットフォーム会社が倒産し、投資家に76億ドル(約8500億円)の被害をもたらしたことで、審判の日を迎えた。当局はこの事件を『ポンジ・スキーム』(注:自転車操業)詐欺だとしている。その後、金融当局は規制強化に乗り出すが、実施は難航した。アナリストによると、P2P金融会社の多くは通常のビジネスとして登録しており、また地方当局者はネット金融を規制する経験がほとんどなかったという」

     

    中国当局は、P2P金融についてポンジスキームと呼んだという。こういう不健全な金融事業を「フィンテック」の走りとしてちやほやしたことが悔やまれる。また、P2P金融会社の多くは、通常のビジネスとして登録していたことも問題である。金融ビジネスの一環という認識がなかったのだ。この認識不足が、「P2P」を歪んだ形にしてしまった。

     


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    中国当局は財政省と中国人民銀行が鋭く対立している。景気対策をめぐる意見対立だ。人民銀行は財政出動を求めており、「具体的に財政赤字を計上することで態度を明確にせよ」という激烈な調子であった。財政省は、人民銀行に預金準備率引き下げや人民元操作を要求して置きながら、自らは様子見を決め込んできた、人民銀行の反発は、当然であろう。

     

    この内部対立にケリがついたのか。中国国営ラジオによると23日深夜、国務院(内閣に相当)は閣議後の声明で「先を見越した財政政策は今後一段と活発になる」とした上で、法人税減税や地方政府による特別債の発行加速などに注力していくと述べた。

     

    興味深いのは、発表内容(後述)よりも、深夜という遅い時間帯で閣議が行なわれていたことが、緊急性を浮き彫りにしている点だ。米中貿易戦争では、トランプ氏の強硬策の前に、中国は防戦の一方である。人民元相場を安値に誘導して、輸出テコ入れを狙ったが、トランプ大統領とムニューシン財務相の厳しい反発で断念した。中国外務省の耿爽報道官が23日、人民元の価値は市場の需給によって決定されるとし、「中国は輸出を刺激するために通貨の競争的な切り下げなどの手段を講じる意図はない」と述べ、為替騒動には一応幕を下ろしたいのであろう。こうなると、財務省の財政出動しか道はない。

     

    財政省発表の具体的な内容は、次のようなものだ。

     

    (1)「法人税減税については、当初目標としていた今年1兆1000億元規模の税金等引き下げに加え、新たに650億元(96億ドル)規模の減税を実施するほか、優遇政策の適用対象を中小ハイテク企業からすべての企業へと拡大する。国として、引き締めでも緩和でもない穏健な金融政策の下、潤沢な流動性や社会融資総量を維持する方針も示した」(『ロイター』7月23日付「中国、一段と積極的な財政政策を推進、法人税減税など実施へ」)

     

    法人減税の追加規模は650億元である。当初の減税規模1兆1000億元に対して5.9%に過ぎない。また、地方政府の特別債発行を加速させるという。これらの措置が、傾きかけている中国経済にどれだけの効果があるか不明。狙いは、中国人民銀行を納得させるための「儀礼」と見られる。中国経済では、財政出動のゆとりがなく金融政策で応急措置を済ませたいのが本音だ。

     

    中国財政は、他国財政にない大きな負担要因がある。9000万人に及ぶ共産党員の「維持費」だ。この問題について、次のような指摘がある。

     

    (2)「中国経済学者の巩勝利氏はこのほど、米『ラジオ・フリー・アジア』(RFA)に対して、『約9000万人の党員を養っている当局にとって税収は非常に重要だ。他国のように、簡単に関税を引き下げたり撤廃をしないだろう』と述べた。他の国と違って、中国政府の歳出には共産党員に支給する手当なども含まれている。『国家財政の一部が党中央宣伝部、党中央統一戦線部、各省・市・県の党委員会と各レベルの党組織に割り当てられていく。西側諸国の政府にはこのような財政負担がない』(『大紀元』7月23日付「中国、日欧EPAでさらに窮地に陥る」)

     

    この記事では、中国財政が9000万人もの共産党員を抱えていく人件費負担を指摘している。共産党員になると「貴族」扱いである。卑近な例で言えば、昼食や夜食は政府持ちある。一事が万事、全てこの調子だ。その上、膨大な国防費予算である。中国の二大「金食い虫」は、共産党員維持費と国防費である。減速過程に入っている中国財政が耐えられる限界に達している。


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    中国海軍は現在、ハワイ沖で演習中のリムパック(環太平洋合同演習)で、米海軍から招待を取り消される大恥をかかされた。その腹いせに東シナ海で演習中である。

     

    中国の発表では、18日午前8時から23日午後6時まで、東南部海域で武器を使用した演習を行うと発表した。ラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、中国軍の演習目的は招待されなかったリムパックへの反応と指摘した。海軍の立場からいえば、米海軍からリムパック招待を取り消されたのだから、「一矢報いる」意味でも演習をやらなければ気持ちが収まらないであろう。ところで、この演習には違う目的もあるという報道が出てきた。

     

    『大紀元』(7月18日付)は、次のように伝えている。

     

    (1)「中国政治評論家は、中国軍の演習期間は、習近平主席の外遊と時期を重ねており、対習近平派閥に対する政変を抑止する目的もあると語った。習主席は719から28日まで、アラブ首長国連邦、セネガル、ルワンダ、南アフリカの外遊が予定されている。『星島日報』は軍事専門家の話として、中国軍の演習は台湾に深刻な警告を送っていると述べた。17日、台湾の蔡英文総統は、米国から購入した29機の最新型攻撃ヘリからなる台湾軍の部隊『アパッチ・ガーディアン』の正式運用にあたり、式典を開いた。台湾北部からの中国軍の上陸部隊を防衛する作戦に用いられる」

     

    中国海軍の東シナ海演習では、いくつかの意味が含まれている。①リムパックへの「腹いせ」。②習近平氏の海外出張中の「政変」に対するけん制。③台湾軍が最新鋭攻撃ヘリ部隊の正式運用への警告、などだ。これら多重の目的があるとしても、②の習近平氏の海外出張中の「政変」に備えるという目的には驚かされる。

     

    習氏は、国家主席の任期制を外し、「終身国家主席」への道を開いたはずだ。その絶対的な権力者になったはずの習氏が、早くも「反習派」の登場に頭を悩ますとは、中国の政情が一筋縄でいかないことを示している。昨晩(22日)、NHK総合TVは、中国人権派弁護士300人が、正当な理由もなく逮捕勾留している状態が特番で放映された。これを見ると、習近平氏が最も恐れているのは、庶民の怒りを弁護する人権派弁護士の存在だという。中国が、選挙制度を敷かない理由も全てここにある。中国共産党は、国民から支持されていない事実を自覚しているのだ。はっきり言えば、「人民占領軍」という位置づけだ。

     

    中国海軍の「力量」は、どの程度なのか。

     

    米華字メディア『多維新聞』(7月18日付)によると、ロシアメディアが「中国海軍の実力が過大評価されている」と評している。『レコードチャイナ』(7月18日付)が転載した。

     

    (2)「中国の大艦隊建造プロセスは決して順風満帆にはいかなさそうだ。094、093原潜の騒音は、20世紀のソ連の潜水艦よりも大きい。原潜分野におけるロシアの技術的優位に中国は遠く及ばない。外国の武器や軍備のクローン化に慣れている中国は、技術的な難題を抱えている。武器製造技術のブレイクスルーを実現するには、10年では足りないと指摘している。そして、技術的な問題のほか、中国の艦隊には世界の大海における水上作戦の経験もなければ、水中や空中の作戦経験もない。潜在的な相手を見くびることは致命的だが、過大評価すれば金が無駄になる。中国海軍の真の実力を判断するには、もう少し冷静になるべきだと論じている」。

     

    中国海軍の手の内を知り尽くしているロシアが、ここまで中国海軍の技術と戦術を分析しているのは参考になる。原潜の騒音は、20世紀のソ連潜水艦よりも大きいと指摘している。通常潜水艦も騒音が大きく、海上自衛隊は簡単にその位置を捕捉できる。これでは、いざ戦闘という事態では、海上自衛隊の潜水艦部隊の餌食にされ、海の藻屑と消える運命だ。このように、戦闘能力で著しく劣る潜水艦を建艦する目的は何か。相手を「数」で驚かす、「孫子の兵法」に則っているのだろう。


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