勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 中国経済ニュース時評

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    中国南部は、大洪水に悩まされている。世界最大のダム・三峡ダムの最高水位まで、「あと何センチ」という危険状態にある。一方、東北部の遼寧省などでは、ほとんど雨が降らない状態である。昔から、「南船北馬」と言われる通り、南の豊富な水に対して、北は僅かと言う事情から、交通機関は南が船。北は馬である。この南北の差が、今年は極端な形で表面化している。

     

    背景について、南はインド洋や南シナ海の海水温が高く、湿気が多く多量の雨を降らしていると説明される。北の干ばつの理由はなにか。環境破壊によるものと考えられる。中国政府がこれまで、高度成長一点張りで環境を破壊し尽くした「報い」というもの。地下水を過度にくみ上げており、これが降雨を妨げているのだ。この環境破壊説は、説得力を持っており、中国は「半永久的」にこの状態から抜け出すのは困難となろう。

     

    中国企業による地下水くみ上げが、豪州で水飢饉をもたらした例がある。『大紀元』(1月17日付)が報じた。

     

    「中国企業ジョイフル・ビューは、2019年12月末から地下水の汲み上げを開始した。同社は2008年、サザンダウンズで開発計画に基づき地下水汲み上げと配分の許可を得ている。2018年、同社はミネラルウォーターの販売業と、ゴールドコーストなど都市部へ輸送される計画を提案した。住民はサザンダウンズのスタンソープ地域評議会を通じてこの提案に反対し、その年は水の抽出計画は否決された」

     


    「しかし、住民にほとんど知らされないまま2019年12月下旬、ジョイフル・ビューは再び申請を行い、評議会で許可された。水の汲み上げが始まると、数週間でほとんど水が枯渇し、痛々しいほど干からびた大地が露わになった」

     

    地下水の異常なくみ上げをやると、降雨に影響が出る。豪州で、その「最新実験」が行なわれたのだ。中国北部では、過去何百年も地下水のくみ上げで灌漑を行なってきた。それが限界を超えたのだ。地下水の枯渇は、1000年単位の修復期間が必要である。

     

    『大紀元』(7月31日付)は、「遼寧省で深刻な干ばつ、トウモロコシなど収穫できず」と題する記事を掲載した。

     

    中国中南部の地域で洪水被害が広がっている一方で、東北部の遼寧省で干ばつに見舞われている。同省阜新市や錦州市などでは、トウモロコシなどの収穫は皆無に近い状況だ。

     

    (1)「中国水利部(省)729日の発表によると、61日~727日まで、遼寧省の平均降水量は108.8ミリで、平年同期と比べて53.1%減少し、昨年同期比では20.6%減少した。1951年以降、降水量が最も少ない年となった。また、728日までの統計では、省内の干ばつによる農作物の被害面積は1792万畝(約119.5万ヘクタール)。省西部の被害が最も深刻だ」

     

    遼寧省の平均降水量は108.8ミリで、平年同期と比べて53.1%減少し、昨年同期比では20.6%減少した。1951年以降、降水量が最も少ない年となった。この状況は今後、ますます酷くなるだろう。

     

    (2)「中国紙『新京報』730日付によると、遼寧省西部はトウモロコシの主要産地で、7月末に収穫期を迎える。しかし、この2カ月間、降水量の不足で、トウモロコシは成長できず、収穫ができなかった。一部の村ではトウモロコシ畑の大半が水不足で枯れた。動画配信サイト「梨視頻」の報道では、同省錦州市の干ばつ被災者数は約70万人。地元の農民は「家の飲料水はなんとか確保できるが、トウモロコシの栽培には全く足りていない」と話した」

     

    干ばつ被害は、中国政府も手の施しようがない。ただただ、過去の過剰地下水のくみ上げを反省するしかない。

     

    (3)「地元の河川にも水がない状況が続き、ポプラなどの樹の葉が黄色くなって枯れたという。地元のネットユーザーは、「南部の雨を北部にいる私たちに分けてください!」「もうだめだ!村に飲料水が全く入ってこない。井戸から水を取れないこともあるし、トウモロコシの収穫は全滅。生活が本当に大変だ」と相次いでSNS上に投稿した」

     

    事態がここまで悪化するまで、地下水のくみ上げを規制しなかった報いである。過去の「帝国」では、外延的発展(領土拡張)に専念し、内政問題に無頓着という共通現象が起こっている。中国は、その典型例である。干ばつ発生=地下水過剰くみ上げという内政問題解決に力を入れなかった結果が、現在の悲劇をもたらした。

    ポールオブビューティー
       


    『ブルームバーグ』によると、ドイツ銀行のアジア太平洋地域の最高経営責任者(CEO)に8月就任するアレクサンダー・フォン・ツァ・ミューレン氏は、本拠地を香港ではなく、シンガポールに移すという。これは、香港にとって悪いニュースだ。ドイツ銀行と言えば、ドイツで最大規模を誇りEUでも大きな存在感を持っている。そのドイツ銀行の移転は、他行にも影響を与えそうだ。

     

    習近平氏は、香港へ「国家安全維持法」を強引に持込んだが、外国人も同法の適用を受けることが判明した結果、中国共産党の毒牙に引っかかったら身の破滅。難を逃れて香港を離れる選択が不可避となった。

     

    『ロイター』(7月23日付)は、「金融センター『香港』ロンドンと同じ運命をたどるか」と題する記事を掲載した。

     

    香港は近くロンドンとの共通点が増えるかもしれない。このほど施行された香港国家安全維持法により、アジアの金融センターとしての魅力が想定的に薄れているためだ。ロンドンも、英国の欧州連合(EU)離脱を受けて金融センターとしての魅力が以前よりも低下している。『ブルームバーグ』によると、ドイツ銀行でアジア地域を統括する新トップは、シンガポールを拠点とする。前任者は香港を拠点としていた。こうした流れは今後も続くだろう。

     


    (1)「ドイツ銀行は、アジアに2つの拠点を置く構造を維持する方針。同行では、過去にアジア部門のトップがシンガポールを拠点としていた例もある。だが、香港では抗議活動が続き、表現の自由も制限される措置がとられた。現地の米商工会議所が今月実施した調査によると、回答者の過半数が、国家安全維持法の適用範囲や施行方法のあいまいさなどに懸念を表明。約30%は香港から他の地域に資本や事業を移すと答えた。ただ、香港から移転する計画はないとの回答も半数近くを占めた」。

     

    人間の習性で、トップを切って行動を起こすのは「先覚者」である。後から動くのは、「付和雷同組」と決まっている。習近平政権の動きから見て、香港に残留していれば災難を被るばかりだろう。習氏は、経済合理性に基づく判断でなく、「習氏にとってプラスかマイナス」という狭い価値基準で動くであろう。典型的な独裁者である。

     

    (2)「大量脱出の可能性は低いとみられる。香港の金融業界は約26万3000人を雇用。域内総生産(GDP)に占める比率は2004年の13%から2018年には20%前後に上昇している。オックスフォード・エコノミクスによると、この比率は今後も拡大する見通しだ」

     

    米国が、これまで香港に与えてきた恩典がすべて取り消されるデメリットを考えるべきだ。香港ドルと米ドルの「ペッグ」が、香港側の事情で打ち切られれば、香港金融センターとしての役割は終わる。米国は、最終的にそれを狙っており、中国を追い詰めるであろう。米中関係は、そこまで悪化している。この現状を重視すべきであろう。

     

    (3)「フランクフルトやパリは、ロンドンからの金融機関の誘致で苦戦を強いられたが、台北やシドニーも、香港からの金融人材の獲得で苦戦を強いられるとみられる。昨年9月のEYの調査によると、EU離脱の是非を問う2016年の英国民投票以降、大手投資銀行がライバル都市に移した職は1000人分にとどまっている。もちろん、英国が正式にEUを離脱するのは今年末で、現在ロンドンからEUの顧客にサービスを提供している金融機関は、欧州大陸に子会社を設立する必要がある」

     

    英国のEU離脱と、香港問題を同列に論じることは、理屈に合わぬ話である。英国のEU離脱は、主義主張の対立ではない。純然たる経済問題の対立である。香港問題は、政治的対立で、中国が西側企業に罰を与える野心を持っている。これが、根本的な違いである。野心ゆえに、いかようにも法律を拡大解釈されるのだ。これが危険なのだ。

     


    (4)「アジアでも今後、欧州同様に他の都市の魅力が増していくだろう。金融機関の間では、出張を減らして遠隔勤務を活用する意欲がみられ、これが一定の影響を及ぼすはずだ。複数の拠点を維持すればコストもかさむため、他の都市に引き寄せられる引力も強まるとみられる。コンサルティング会社Z/Yenの3月の最新調査によると、国際金融センターのランキングで香港は3位から6位に転落。シンガポールや東京の後塵を拝している。新たにアジアに参入する金融機関は、香港以外の選択肢を検討する理由が今後増えていくだろう」

     

    下線部分の解釈は、その通りであろう。世の中は、遠隔勤務時代である。今回のコロナ騒ぎが、人間社会に教えた教訓である。香港に残って政治的な圧迫を受けるリスクを考えれば、「脱香港」が正解と思われる。

    テイカカズラ
       

    英米がしのぎを削っているコロナワクチンの効果について、英国専門家から「冷めた」指摘がされた。1回の接種で、生涯にわたりコロナに感染しないという保証はないというのだ。庶民にとっては、「それでも結構です」という心境であろう。新型コロナウイルスが、いかに悪質であるという意味だろう。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(7月30日付)は、「英専門家、『コロナワクチン』免疫持続は期待薄」と題する記事を掲載した。

     

    この1週間、新型コロナウイルス感染症の予防接種に向けた有望な試験結果が相次いで発表された。だが、英政府の専門家組織であるワクチン研究・開発タスクフォースのケイト・ビンガム座長は、生涯免疫が持続する「特効薬」はないとして、高まる期待に水を差した。

     

    (1)「ビンガム氏はフィナンシャル・タイムズ(FT)との取材で、科学者が開発するワクチンは、1年間の免疫を獲得するものか、感染症の症状を緩和するだけのものにとどまる可能性が高いとする見方を示した。英国でのワクチン開発や生産、普及に向けた取り組みを統括する立場の同氏は、「現時点の想定は、1年の免疫を獲得するところまで(開発を)急ぐということだ」と話す。「気がかりなのは、人々は特効薬が手に入ると考えていることだ。だが恐らく、そうはならない」と指摘する」

     

    ワクチン専門家から見ても、開発するワクチンが1年間の免疫を獲得するものか、感染症の症状を緩和するだけのものにとどまる可能性が高いという。1回の接種で生涯安全という保証はないというのだ。

     

    (2)「ヘルスケアに特化した資産運用会社SVヘルス・インベスターズのマネジングパートナーも務めるビンガム氏は、2回に分けて接種するワクチンであっても、免疫効果が長続きしないかもしれないとくぎを刺す。「毎年、追加で接種する必要があるかもしれない。我々としては最低限、症状を抑え、感染者の死亡を食い止めたい。おそらくそれが(現在開発中のワクチンでは)限界であろうことを受け入れなければならない」と指摘する。

     

    下線のような限界はあるとしても、現在のような無防備な状況から一歩も二歩も進められれば、「急場しのぎ」になる。その後は、研究でワクチン改良版の出現を期待したい。

     


    (3)「専門家は依然として、1回もしくは2回の接種で永続的な免疫が獲得でき、ウイルスを死滅・不活性化するワクチンを開発する希望を捨ててはいない。だがビンガム氏は、現時点ではどのコロナウイルス株に対してもワクチンが存在しないことを指摘。その上で「ゼロからそのレベルまで持って行くというのは、相当な飛躍がある」と話す。後期のワクチン治験の目的は、参加者が新型コロナウイルス感染症にかかるのを防ぐことだ。だが、研究者らは、患者が重症化するのを食い止められるかどうかにも注目している。つまり、初期のワクチンは感染予防というより、感染者の入院を減らすことにとどまる可能性を認めた格好だ」

     

    現在、ワクチン治験はいずれも3万人規模というもの。英米が、それぞれ第3相治験に入っている。米国では、大統領選にも影響するとあって、トランプ政権は多額の資金を提供して、ワクチン完成を後押ししている。

     

    (4)「ビンガム氏の見立ては、複数のワクチンに新型コロナ感染症の重症化を軽減する効果が認められた場合、免疫反応を高めるために、患者によって異なる選択肢の組み合わせが与えられるというものだ。1回接種タイプか、2回に分けて接種するタイプのワクチンになるのかをまだ明らかにしていないアストラゼネカとオックスフォード大学を除けば、これまでの治験はすべて、最初の接種後に追加で免疫を高める「ブースター」を接種する、2回接種タイプのワクチンだ」

     

    英国のアストラゼネカとオックスフォード大学の研究中ワクチンは、1回接種で効果を維持できるのか不明である。他の医薬品メーカーは、2回接種タイプのワクチンである。米国の医薬品メーカーのモデルナは、2回接種タイプだ。

     


    以上のように、コロナワクチンは完成目前で微妙な段階にある。中国ハッカーは、ここを狙って猛烈なハッキングを米国モデルナ社に仕掛けている。

     

    『ロイター』(7月30日付)は、「中国政府系ハッカー、米モデルナ標的 コロナワクチン情報巡り」と題する記事を掲載した。

     

    中国政府と関係するハッカーらが今年に入り、新型コロナウイルスワクチンに関するデータを盗むため、米バイオ医薬大手のモデルナを標的にしたことが、米治安当局者の話で分かった。司法省は先週、新型コロナウイルスに関する研究データや軍事機密などをサイバー攻撃により盗んだとして、中国人2人を起訴したことを明らかにした。起訴状によると、2人は今年1月、コロナワクチン開発で知られるマサチューセッツ州のバイオ企業のコンピューターネットワークに対し「偵察」を行ったとされる。

     

    (5)「モデルナはロイターに対し、連邦捜査局(FBI)から接触があり、ハッカーらが行ったとみられる「情報偵察活動」を認識していると表明。「当社は、潜在的なサイバーセキュリティーの脅威に引き続き厳重に警戒しており、当社の貴重な情報の保護や継続的な脅威の評価に向け、社内外の支援を確保し、外部当局との良好な協力関係を維持している」と述べた」

     

    モデルナの極秘情報は、当局によって守られている。ハッカーが、今さら手を出してもFBIに尻尾を掴まれるだけだ。中国も往生際が悪い。


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    中国のスパイ活動は、際限ないことが分かってきた。新たに中国サンフランシスコ総領事館が、近くにあるシリコンバレーに照準を合わせ、技術窃取活動を行なってきたことが判明した。泥沼の中国スパイ活動である。

     

    『大紀元』(7月30日付)は、「サンフランシスコ中国領事館もスパイ拠点ー米政府関係者」と題する記事を掲載した。

     

    米国はスパイ行為などの安全保障問題を理由に、ヒューストン中国総領事館を閉鎖させた。米国政府関係者は相次ぎ、米国技術系の大手や研究機関が集まるシリコンバレーに近い、サンフランシスコ中国総領事館を名指しして「スパイ活動の拠点」と明言した。日本メディアNNNの単独インタビューに応じた、米国務省のクラッチ次官は、サンフランシスコ中国総領事館「中国人をスパイをかくまうスパイの拠点」であり、ターゲットはシリコンバレーであると述べた。

     

    (1)「サンフランシスコの総領事館は7月23日、米司法省によりビザ詐欺で起訴されている中国人民解放軍所属の研究者ら4人のうち1人をかくまった。この1人は、25日までに拘束された。クラッチ次官は、中国領事館の追加閉鎖の可能性については、中国側の様子を見ると述べるにとどまった。いっぽう、米メディア『アクシオス』は7月29日、米国の元情報当局者の話を引用して、サンフランシスコ中国総領事館が主要なスパイ活動の重要な拠点だと伝えた」

     

    サンフランシスコ中国総領事館が、主要なスパイ活動の重要な拠点とされている。中国人民解放軍所属の研究者が、米国へビザ申請で身分を欺いたことで逮捕される際、このサンフランシスコ総領事館へ逃げ込んでいる。スパイの隠れ屋であったのだろう。

     

    (2)「中国共産党政権は以前から、大使館や領事館を通じて、在外中国人の反体制派の情報を収集したり、中国人留学生の情報収集活動を指揮していると非難されてきた。2018年、ある中国学生・学者協会(CSSA)会長はフォーリン・ポリシー誌に「領事館がCSSAをますます厳しくコントロールしようとしている」と語った。『アクシオス』の報道によると、中国大使館や領事館は、共産党の影響力を広げるために中国人留学生に資金援助している。また、留学生たちに対して「党のイデオロギー」に関するセミナーを開催し、報告書を出すなど「条件を満たしている」ことを確認するよう、CSSAの会長に求めているという。米メディア『ポリティコ』は、サンフランシスコ領事館のスパイ活動は横行しており、ベイエリアのシリコンバレーは標的とされ、企業秘密やハイエンド技術が盗まれていると報じている。情報筋は、サンフランシスコ領事館によるスパイ活動は、「ほぼ毎日、この地域で行われていた」と付け加えた。「企業をターゲットにした諜報活動の微妙な形だ」という」

     

    サンフランシスコ総領事館は、シリコンバレー情報を日常的にスパイしていた。米国は、こういう抜け穴を塞がなければならない。

     


    (3)「海外の中国当局者は、技術的な情報収集に加えて、米の政治情報も長年、収集してきた。ポリティコの報道によると、2018年、カリフォルニア州の民主党上院議員ダイアン・ファインスタイン氏の補佐官で中国系アメリカ人の男性はサンフランシスコ中国総領事館を通じて、長年にわたって中国安全部に政治情報を渡していた」

     

    中国は、米国の政治情報をスパイすることで対米戦略を立てていたのだろう。もはや、その道も閉ざされたであろう。

     

    7月24日に閉鎖された米テキサス州ヒューストンの中国領事館が、新型コロナウイルスワクチン研究資料を盗み出そうとしていたという主張が提起された。米連邦捜査局(FBI)が教授陣と研究陣を相手に近く調査を始める見通しという。

     

    『大紀元』(7月30日付)は、「『ヒューストン中国総領事館閉鎖の背景は新型コロナワクチン』、FBI、テキサス大学に捜査通知」と題する記事を掲載した。


    24日に閉鎖された米テキサス州ヒューストンの中国領事館が新型コロナウイルスワクチン研究資料を盗み出そうとしていた。米連邦捜査局(FBI)が教授陣と研究陣を相手に近く調査を始める見通しだ。



    (4)「7月30日付の香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』は、テキサス大学が教授陣と研究陣に27日に送った電子メールを入手してこのように報道した。テキサス大学はヒューストン中国領事館と関連し、FBIから先週に捜査通知を受けた事実を認めた。大学は電子メールで「FBI捜査官が新型コロナウイルスワクチン研究を含め中国領事館の役割、米国の大学の研究に対する中国政府の不法な取得などについて研究陣に会い尋ねることになるだろう」と知らせた」

     

    中国は、新型コロナウイルスの開発で米国と張り合っている。その裏では、米国の研究情報の窃取に全力を挙げていたのだ。汚い国である。米国では、「アンフェア」(汚い)が、相手を侮辱する最大のことばだ。ついに、中国もそれに該当する国となった。

     

    (5)「同紙によると、テキサス大学の一部研究陣は現在進行中の新型コロナウイルスワクチン候補物質研究に参加している。代表的なものが新型コロナウイルス表面の「スパイク蛋白質」を認識して免疫反応を起こす研究だ。テキサス大学のジェイソン・マクレラン副教授が率いる研究チームはモデルナとノババックスが開発中のワクチン候補物質2種類に使われる合成スパイク蛋白質を作り出した。ところが中国と関連しているワン・ニェンシュアン研究員がこの研究の核心メンバーだった。ワン研究員は新型コロナウイルスのスパイク蛋白質を安定化する遺伝的変移を明らかにしたという。ただしワン研究員がどのような違法活動と関連していたかは確認されていない」

    中国が狙ったのは、テキサス大学による新型コロナウイルス表面の「スパイク蛋白質」を認識して免疫反応を起こす研究という。この研究は、中国人研究者が担当しており、良好な研究結果が出ていたという。中国が、これを奪ったかどうかについてはFBIの捜査活動の結果待ちである。

     

    仮に奪ったことが判明すれば、米国は中国に対してコロナワクチンの製造禁止手続きを取る必要があろう。そういう不正手段で得た技術に基づくコロナワクチンの製造は認めてはならない。

     

    (6)「テキサス州が地元のマイケル・マッコール下院議員は、最近「中国領事館は米国のバイオ医学研究を奪取しようとする中国のスパイ工作の中心。(がん専門病院)MDアンダーソンの科学者3人がスパイ容疑で解雇された」と話した。また、彼は「テキサスメディカルセンターでワクチン研究が進んでいるが、彼ら(中国人)がワクチンを積極的に盗み出そうとしていると承知している」と主張した」

     

    テキサス州で、中国が活発なスパイ活動をしていたことが判明している。この際、徹底的に調べて、ウミを出し切るべきだ。これにより、中国との関係を断ち切ることだ。

      

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    習氏が強硬策になった背景

    墓穴掘る中国の世間知らず

    経済は住宅に頼るしかない

    恐怖の「ダモクレスの剣」

     

    中国の4~6月期実質経済成長率は、前年同期比で3.2%成長になった。1~3月期が同マイナス6.8%成長率であったことから言えば、先ずは見事な回復と言えるだろう。だが、これは、経済成長率の中身を見ないで「外見」から判断したもの。多くの問題点を含んでいることに注意すべきだ。

     

    楽観論では、4~6月期の貿易黒字が予想外の黒字幅であったことを指摘している。1~3月期の131億ドルの黒字が、4~6月期は1547億ドルの黒字へと急拡大したことを上げている。これは、中国の内需が不振で輸入が減った結果、貿易黒字が増えたに過ぎない。こういう内部事情を考えれば、今年後半の中国経済が順調な回復過程に進むのか疑問である。

     

    習氏が強硬策になった背景

    今年に入って、中国国家主席の習近平氏がにわかに強気の対外姿勢を見せている。これを巡る解釈は二通りある。

     

    「自国がより強力になったと感じているからなのか。あるいは、習近平国家主席の立場が、脆弱となっているからなのかについて議論している」。これは『ウォール・ストリート・ジャーナル』(7月27日付)社説「米の対中強硬姿勢 選挙対策にあらず」で指摘したもの。新型コロナウイルス後に、中国が強くなったと気配はない。そうとすれば、習氏の国家主席として地位が脆弱化したことの証明と見るほかない。

     

    私は、習氏の立場が脆弱化している現状を打破すべく、あえて対外的に強硬策に出て「煙幕」を張っていると見ている。この立場は、一貫したものだ。習氏の中国における立場が強固であれば、香港国家安全推進法を強硬採決するはずがない。「一国二制度」を反古にすることが、西側諸国からいかなる反応を引き出すか、予測できないはずがないのだ。それをあえて強行し、香港不安が国内不安へ飛び火することを防止したと見る。

     


    「一国二制度」は、中英協定によって1997年に成立したものだ。本来ならば、50年の有効期間であるから2047年まで継続しなければならない義務がある。中国は、その義務を一方的に破棄し、抗議する英国に対して暴言を吐くという前代未聞の振る舞いを演じている。習近平氏が、自己の地位を守るべくあえて打った「芝居」であろう。

     

    この「芝居」は、今後の中国経済に死活的なインパクトを与えるはずだ。米国が、香港に与えた「特恵」(関税率・ビザ発給の優遇・輸出面の優遇)をすべて廃止すると発表した。これは、香港の築いた国際金融センターとしての役割を低下させる。中国は、香港市場を活用して、ドル資金の調達をしてきたのだ。その「恩典」が消えれば、中国経済の受ける打撃は、大きくなるはず。習氏の「芝居」では済まされ事態に陥るであろう。

     

    習近平氏の誕生日の夜、人民解放軍はヒマラヤ山中でインド軍を急襲して20名も殺害した。習氏は、国家主席と同時に国家軍事委員会主席である。人民解放軍トップである。中印国境で、中国軍がインド軍を急襲することに事前承認を与える立場だ。

     

    墓穴掘る中国の世間知らず

    習氏は、自らの誕生日を血で塗る惨事を命じたことが、インドとの外交関係をどれだけ複雑化させるか。その点について思い至らなかったようだ。インドは、全面的な対中報復策として経済面で中国を追い詰める戦術に出た。インドにおける中国製ソフトの流通を禁止したのだ。

     

    これは、中国IT企業にとって「死」にも等しい仕打ちになった。将来、インドのソフト需要が増える見込みの中で、中国がここから排除されるからだ。世界のIT競争で、インド市場を失えば即、世界競争で落後を意味する。この間隙を縫って、米国IT企業は総額1兆円投資を発表して、「インド市場」攻略の第一歩を印した。米国が、インド市場を手中にすれば、世界IT市場での勝者は確実である。中国IT企業は、習氏の「短慮」によって膨大な市場を失った。(つづく)

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