勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 中国経済ニュース時評

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    中国は、人民解放軍装備の近代化に全力を挙げている。サイバー攻撃やスパイなどと手段を選ばずにきたが、意外なところで盲点が指摘されている。指揮官や兵士の能力が、最新兵器について行けないことだ。

     

    日清戦争でも同じ現象が見られた。清国は、英国から最新鋭の軍艦4隻を購入したが、日本海軍の攻撃に屈して大敗した歴史がある。当時も今も、人材不足が共通の悩みである。

     

    『大紀元』(6月28日付)は、「中国軍の問題は人材不足―米国会諮問機関」と題する記事を掲載した。

     

    米国会諮問機関の米中経済安全保障審査委員会(USCC)は20日、拡張する中国の軍事的野心に関する公聴会を開いた。専門家は中国軍の核心的問題は、指揮官の不在、兵士の現代化した機器の操作能力不足など、人材不足の問題だと指摘した。

     

     

    (1)「中国の習近平主席は2017年、2035年までに国防と軍隊の現代化を基本的に実現し、2049年までに「世界一流の軍」を完成するという明確な目標を定めた。公聴会に参加した、米国防大学中国軍事研究センター長フィリップ・サンダース氏は、中国軍が「世界一流の軍」になりえない最大の障壁は、人材の問題だとした。「ハード面、組織の問題は大きくない。しかし、彼らに共同作戦を率いる参謀、作戦指揮官がいるだろうか」と指摘した」

     

    このパラグラフで、総論的な指摘がされている。中国軍は、人材不足が深刻であり、「世界一流の軍」に成長する機会を奪っているという。「尚武の精神」が不足しているのだろう。

     

    (2)「サンダース氏は、解放軍の陸軍将校を例にあげた。将校になる前、彼らの主な活動は1つの軍区に限られていた。「広い見方を持っていないため、どのように全体の共同作戦を展開し、指揮するかを知らないだろう」と付け加えた。中国共産党が掲げた「戦って勝つ」という攻撃的な軍事目標によると、共同作戦能力の強化は、中国の軍事改革の焦点になる。しかし、中国の軍事改革のひとつの焦点は、共産党による軍の統制の強化だった」

     

    中国軍は、ゲリラ戦は得意である。だが、大軍を率いて組織的に戦う上で必要な指揮官と兵士が足りないという。これは、日清戦争や日中戦争でも同じ弱点が指摘されている。近代戦は、ゲリラ戦と基本型が異なっている。中国軍の弱点なのだろう。

     


    (3)「サンダースは、この共産主義に基づく軍のあり方が大きな問題になるとした。「レーニン主義に基づいた部隊は党の上層部に服従的で、このような部隊が能動的に作戦を展開できるのだろうか」。さらに、よく訓練された、高度な教育を受けた兵士がいないことは、中国軍が「世界クラス」の目標を達成するためのもう1つの障害になるとした。5月の米国防総省の中国の軍事報告によると、人工知能、高度なロボット技術、およびIT技術で大きく進歩した。同月、米シンクタンク・ランド研究所の国際防衛研究者ティモシー・ヘルス氏は、現代的な戦争には、技術的に相応した学歴、技術を満たしている必要があると解説した」

     

    人民解放軍では、政治将校がいて思想教育を行っている。これが、すべて「指示待ち」兵士を生み出しており、戦況に応じて自由自在な戦闘体系を組めない点で限界があるという。兵士は農村部出身者が圧倒的である。高等教育を受けた兵士の少なさが、中国軍の弱さになっているという。「一人っ子政策」が、皮肉にも弱い兵士を生み出した背景にある。

     

    (4)「2016年のランド研究所の報告「中国軍の変化:人民解放軍の短期的な戦力評価」は、中国の軍事作家や海外のアナリストの分析から、中国軍の部隊の主要な弱点は、組織構造の欠陥によるものだとした。軍の人材は、効果的に任務を遂行するための必要な水準に達していない、と指摘している。このなかで、将兵の教育水準の低さと技術の熟練度の不足が長らくの問題であるとした。ほかにも、心理面の管理の問題として、たとえば軍事規律の保守、安全保持、士気の保持、腐敗などの問題も抱えている。特に、将来の戦争で重要な海軍、空軍、情報化主導の戦場の中で、中国軍の人員は、新たな作戦装備を調整し、それを実際の作戦能力に反映させる力が不足していると分析した」

     

    「一人っ子政策」が、子どもを甘やかして育ててきた。これが、兵士向きでない若者を生んでいる理由である。となると、近代兵器をいくら揃えても戦力化しないであろう。宝の持腐れである。


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    中国の国営メディアは、米中貿易交渉は最後まで戦うと意気軒昂だが、経済的に見ればきわめて危険である。「韓信の股くぐり」の故事に倣って、ここは冷静沈着に対応しないと、後々、中国経済に禍根を残すという指摘が現れた。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(6月27日付)は、「輸出を軽視する中国、成長損なう可能性も」と題する記事を掲載した。

     

    G20首脳会議に向かう中国の指導者たちは自信に満ちている。ドナルド・トランプ米大統領との通商合意が成立すればありがたいが、合意に至らなくても別に構わないと考えているようだ。当面はそれで良いのだろう。だが長期的な見通しはもっと暗い。輸出の急成長が続かなければ、中国は高所得国となるのに手こずるはずだ。

     

    (1)「中国は、好調な輸出と債務拡大がない状態で現行ペースに近い成長を遂げられることをいまだ証明していない。輸出市場が重要なのは成長のためだけではなく、中国の「社会主義市場経済」につきものの弱さを市場の規律を導入することで補うためでもある。この規律がないと、思わしい結果が得られないことが多い。ポールソン研究所の宋厚澤(ソン・ホウザ)研究員は、成長が遅く債務の多い遼寧省を例に挙げた。広東省などの新興経済地域が国の改革初期に急発展を遂げたのに対し、遼寧省は取り残された工業地帯となったが、2000年代初頭にはまだ他省や国外にかなりの輸出をしており、貿易収支は約12%の黒字だった。しかし、近年になってそれも消滅した。エアコンやビールや化学繊維といった生産品の国内市場では遼寧のシェアが崩壊した」。

     

    中国経済は、債務拡大と輸出好調によって維持されている。中国の不況の代名詞となっている「東北3省」は、かつて輸出が盛んで地域の成長を維持してきた。現在は、輸出不振で地域経済を牽引する産業が消滅している。

     

    (2)「ポールソン研究所の宋厚澤研究員は遼寧省の低迷について、過剰な投資と保護主義が組み合わさったことが大きいと考えている。華晨汽車集団などの遼寧省にある企業がつまずいた一因に、多額の債務を抱えた地元企業からの購入を求める圧力があった。また、政府への販売が容易だったため、輸出を重視する理由がなかった。同様の状況は、国の投資と国産比率の向上をうたう悪名高い産業育成策「中国製造2025」でも顕著だ。「未来の華為技術(ファーウェイ)」の群れは本当にテクノロジー業界をけん引するかもしれないが、多額の投資を回収しなくてはならない政府系企業から高くて質の劣る中国製半導体やロボットを購入することが、重荷になるかもしれない」

     

    遼寧省の低迷は、「過剰な投資と保護主義が組み合わさったことが大きい」と指摘している。これは、現在の中国経済全般に当てはまる現象である。国産を目的にして過剰投資と保護主義は、輸出競争力を奪うという最悪事態を招く。「中国製造2025」も補助金漬けによる、過剰投資と保護主義によって「ダメになる」リスクを抱えている。この指摘はきわめて重要である。

     

    皮肉にも、米国は「中国製造2025」について、補助金による保護主義を批判しているが、大変にありがたい「助言」をしてくれていることに気付くべきだ。

     


    (3)「債務の影響も気がかりだ。中国は過去2年間、容赦ない債務増加を完全に止めないまでも何とか鈍化させてきた。しかし、この限定的な勝利の陰には輸出の伸びがあった。18年には輸出額の伸びが10%弱と、11年以来の高水準を記録した。同年は中国の債務比率が前年から低下した最後の年でもある。堅調な輸出による成長や生産性上昇なしに債務を安定させることはできないのかもしれない
    中国にとって、世界輸出市場との深い統合は発展に欠かせない要素だった。それが反転すれば、中国経済の奇跡も反転するかもしれない」

     

    対GDP比で300%に達する債務比率の中国経済は、なんとか持ちこたえられてきたのは、堅調な輸出があったからである。債務を安定させるには、堅調な輸出が不可欠である。「中国にとって、世界輸出市場との深い統合は発展に欠かせない要素」という指摘は、拳々服膺(けんけんふくよう)すべき重要事項だ。米中貿易戦争によって、中国が輸出市場を失えば、「高債務国」ゆえに死に至るであろう。



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    世界の不動産市場が上昇エネルギーを失ってきた。最大要因は、中国マネーの流れが細ってきたからだ。その中国マネーの正体は、バブルマネーである。

     

    中国国内の不動産価格頭打ちが、世界不動産市場の下落を招く負の連鎖を形成する構造ができあがっている。皮肉にも、世界不動産市場の悪化が、中国不動産市場へ反映される関係である。相互依存関係の密接化だ。この危険性にいち早く警鐘を鳴らす研究レポートが現れた。

     

    『大紀元』(6月27日付)は、「英シンクタンク、世界不動産市場の下落を警告、中国が真っ先に」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「英シンクタンク、オックスフォード・エコノミクス(Oxford Economics)が発表した最新研究報告書は、世界不動産市場の価格下落を警告した。各国の中でも、住宅価格がピークとなった中国は、最初に急落する恐れがあるとした。米メディア・マーケットウォッチが25日伝えた。同報告書は、世界各国の住宅価格と住宅投資が落ち込み傾向にあり、2020年全世界の国内総生産(GDP)成長率が過去10年間最低水準の2.2%に下落するとの見通しを示した。不動産価格の下落により世界各地で与信危機が発生すれば、2020年の全世界の成長率が2%以下に下落する可能性も排除できないという」

     

    中国の不動産バブルで荒稼ぎした資金が、海外で「中国マネー」となって猛威を振るい不動産価格を押上げてきた。ところが、中国不動産市場に陰りを見せており、中国マネーが海外の不動産市場を押上げる力を失っている。まさに、両者はターニングポイントを迎えたのだ。こうして、中国と海外の不動産市場の相互押上げ関係が絶たれる危機を迎えようとしている。オックスフォード・エコノミクスの分析では、中国が最初に急落するリスクを抱えていると指摘している。見逃せないポイントである。

     


    (2)「報告書は、中国で10年間続いた不動産バブルによって、不動産価格がピークを迎えたと指摘した。国際決済銀行(BIS)の統計によると、住宅購入のための家庭債務は68000億ドル(約733兆円)に達した。個人債務(主に住宅担保ローン関連)はこの3年間70%増加した。中国での住宅投資が減速しおり、新築住宅建設件数も減少しているため、世界各国のなかで真っ先に不動産価格の急落に見舞われるとの見方を示した。中国紙『証券日報』(614日付)は、中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)トップの郭樹清主席が上海市で開催された経済フォーラムで演説を行い、不動産市場を言及したと報じた。郭氏は、「近年、一部の都市部の家計部門債務が急速に拡大している。多くの家庭の負債率が厳しい水準に達した。さらに深刻なのは、新しく増えた貯蓄の半分が不動産セクターに投じられた」と強い懸念を示した」

     

    中国での住宅投資が減速しおり、新築住宅建設件数も減少している。このため中国が、世界各国のなかで真っ先に不動産価格の急落に見舞われると分析している。中国の不動産バブルは、世界的に見ても「空前絶後」の規模に達している。中国政府が、土地国有制をバックにして引きおこした「官製バブル」である。

     

    中国の大手国有企業15社が、51日から614日まで、不動産事業の売却を相次いで行った。これは、政府が「信用危機」を予知している結果であろう。偶然の一致はあり得ない。こういう中国国内の緊迫した事態を受けて、習近平氏は29日の米中首脳会談でトランプ氏に妥協せざるを得ない局面と見る。結果は、どう出るかだ。

     

     


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    ロイターの最新ニュースによれば、トランプ大統領は米中通商交渉が大詰めであることを明らかにした。中でも、中国側が合意したがっていると漏らしている点が注目される。中国は、トランプ氏の意表を突く強硬策に翻弄されているのだ。

     

    5月初め、中国は「不平等」や「国家主権の侵害」を理由に、150ページにまとまっていた米中合意の文書案を突然、105ページにまで修正・圧縮して米側に送り返した。この強気の習近平作戦が、米国によるファーウェイへの「核爆弾」投下を招く結果になった。中国経済は混乱しており、日本の「終戦前夜」にも似た雰囲気が伝えられている。

     

    『ロイター』(6月26日付)は、「米大統領、中国との通商合意は可能、物別れなら追加関税」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「トランプ米大統領は26日、今週予定する中国の習近平国家主席との会談で通商合意を得ることは「可能」と言明した。同時に、物別れに終われば、中国製品に追加関税を発動する考えを示した。トランプ大統領はFOXビジネスネットワークとのインタビューで、大阪20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて開かれる米中首脳会談で妥結することは「間違いなく可能だ」と語った。同時に「合意に達することは可能だが、現状にも満足している」とした。さらに、中国指導部は「合意を望んでおり、私以上に合意にこぎ着けることを望んでいる」と語った」

     

    下線を引いた部分は、きわめて重要だ。トランプ流の「張ったり」があるとしても、中国が合意を切望しているとすれば、長期的にサプライチェーンの再編成が行なわれることに危機感を強めている結果であろう。鈍感な中国が、「最後まで戦う」と粋がってきたが、足下の潮流変化に気付き始めたのか。

     

    トランプ氏は、100%の成果を上げる意向を示している。現状は、すでに「90%」ぐらいの満足すべき水準だが、いま一息粘って、この際「有終の美を飾ろう」としているのかも知れない。

     


    (2)「また、「合意できないのであれば大幅な追加関税を課す」とも表明。追加関税を発動する場合、関税率は25%でなく10%になる可能性があると述べた。同時に可能性は残されているとも強調した。さらに中国との通商合意が実現できなければ、同国との取引を縮小する計画だとした。企業の生産拠点を中国からベトナムに移転する点については、ベトナムと通商問題を協議しているが、ベトナムの対応は中国より悪いと指摘した」

     

    第4弾の関税率を当初の25%から10%程度に下げる意向を示した。その背景には、次のような事情があるトランプ政権は25日、中国からのほぼすべての輸入品に制裁関税の対象を広げる「第4弾」に関する公聴会を終えた。その結果、スマートフォンやノートパソコン、衣料品など対象品目では輸入総額に占める対中依存度が平均4割に達し、産業界からは「代替調達が困難」「値上げが避けられない」など反対意見が相次いだ。米通商代表部(USTR)は結果を踏まえて最終案を作成する方針を示したもの。

     

    トランプ氏は、ベトナムを中国に代わる生産基地にする意向を見せている。ベトナムがまだ、それに十分に対応できないことを示唆しているのであろう。ベトナムにとって、夢のような話であるから、前向きに取り込むはずだ。「打倒中国」が、ベトナムの歴史的な悲願である。


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    中国は、空前絶後の不動産バブルを引き起こし、未だにその渦中にある。バブル経済がいかなる後遺症をもたらすかは、日本経済のそれが証明している。中国の不動産バブルは、債務総額の対GDP比によっても明らかだ。中国は、すでに300%を上回っている。

     

    米中貿易戦争による輸出減を補うべく、中国はさらなるインフラ投資を全額債務で行う羽目に陥っている。これは、債務がさらに膨らむことを意味する。GDPを押し上げる目的だけの投資ゆえに非効率投資である。債務返済は、最初から望めないものだ。まさに、泥沼経済である。

     

    『レコードチャイナ』(6月11日付)は、「中国はなぜ日本と同じ轍を踏むことはないかー露メディア」と題する記事を掲載した。

     

    中国メディア『参考消息』(6月7日付)によると、ロシアメディア『スプートニク』は、「中国が日本の轍(てつ)を踏むことがないと言える理由」とする記事を掲載した。この記事の特色は、中国に不動産バブルが起こっているという事実認識がゼロであること。こういう観察不十分な記事にありがちな、「中国万々歳」である。

    記事は、「米国が貿易戦争と技術面での脅しを加えることによって中国経済を弱めようとしているが、これはかつて日本に使ったのと同様の方法だ」と分析。「しかし、中国には優位性があるため日本と同じ轍を踏むことはない」とした。

    この記事では、「80年代の日本は経済の実力が最高になっていた時期だ」と紹介。「自動車やその部品、オフィス設備、電気製品などが世界中でよく売れており、米国は日本に対して巨額の貿易赤字となっていた。技術面でも日本が米国を超えると世界中の人から期待されていた。しかしその後、85年のプラザ合意から困難な状況に陥り始め、90年には東京株式市場が暴落し、そこから失われた10年が始まった」と指摘。「中国はこの隣国の失敗から教訓を学んでおり、一連の優位性も持ち合わせているため、日本と同じ轍は踏まない」と論じた。



    (1)「中国が有する優位性について記事は、1つに「人民元は当時の円と違って、国際金融システムに深く溶け込んではいないこと」を挙げた。「中国は国際金融の義務という束縛を受けることはないため、プラザ合意のようなことは発生しない」と記事は分析。「米国に対する依存度も中国は当時の日本より低いため、平等という基礎の上で交渉することができ、独自の道を歩める」とした」

    中国の貿易黒字のうち対米貿易で稼ぎ出しているのは、約6割にも達している。この大半が外資系企業の輸出によるものだ。当時の日本の輸出はすべて日本企業によるものだった。サプライチェーンの再編が行なわれれば、中国の輸出機能は大幅な低下を余儀なくされる。

     

    人民元相場は、自由変動性でなく管理変動性である。中国の貿易黒字減少は、人民元相場に一方的な売り投機を誘い込むリスクを孕んでいる。それが、資金流出をもたらし一層の投機を生み出す要因になるはずだ。自由変動相場制では、相場の自律変動が期待できるが、管理変動性にはそのような自律的相場変動要因はない。一方通行の「人民元危機」を招く。

     

    (2)「2つ目は、「中国には14億の人口という巨大な市場がある」こと。このため中国は、米国からの圧力に首尾よく対処することができ、中国政府は国内需要を喚起することで、全面的な小康社会を実現している」

     

    中国は、少子高齢化の急激な進行が起こっている。14億の人口でも生産年齢人口(15~59歳)が減少し、名目GDP比の個人消費は39%(2017年)と日本よりも特段に低い。日本のバブル崩壊時(1990年)は、51%であった。

     

    中国は、名目GDP比の個人消費が40%に満たない。この状況では、とても「小康状態」と言いがたい。米中貿易戦争の影響で失業者は増えており、社会不安が高まっている。

     

    (3)「3つ目は、「現在の中国経済の規模はピーク時の日本と比べてもより強大である」こと。「現在の中国の輸出規模は80年代の日本よりずっと大きく、しかもハイテク製品に重点を置いている違いがある」とし、「輸出で大きな部分を占めているのが、パソコンやオフィス設備、集積回路、スマートフォンなど価値の高いものだ」と論じた」

     

    ハイテク製品のブランドは、過半が外資系企業のブランドである。中国は、世界企業の「下請け」に過ぎない。外資系企業が、サプライチェーンを中国から他国へ移せば、中国からの輸出はゼロになる。こういうサプライチェーンの再編成が、米国政府の狙いである。中国の弱味は、「下請け」に過ぎない点だ。

     

    自社ブランドのファーウェイは、米国政府から技術とソフトの輸出規制で欧州市場からの撤退を余儀なくされる。一貫生産でない中国ブランドの弱味が現れている。

     

      

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