勝又壽良のワールドビュー

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    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    日本政府が、決めた福島原発のトリチウムに関する海洋放出について、韓国政府の作業部会は昨年10月に「問題ない」との結論を出していた。また、日本政府が突然、決定したとして非難している点について、「100回も説明した」と反論している。

     

    常識的に考えても、このような重大な決定について、外交的な説明をしないことは考えられない。現に、米国政府は日本の手続きを了解して賛成しているからだ。

     


    『中央日報』(4月15日付)は、「『日本の原発水、影響大きくない』 韓国政府TF、昨年報告書出していた」と題する記事を掲載した。

     

    日本政府が13日午前、閣議で福島原発汚染水の海洋放出を決定したことと関連し、韓国政府は昨年「科学的に問題ない」という趣旨の報告書を出していたことが確認された。

    (1)「14日、野党「国民の力」の安炳吉(アン・ビョンギル)議員によると、海洋水産部をはじめ政府部署合同タスクフォース(TF、作業部会)は昨年10月、「福島原発汚染水関連現況」という題名の対策報告書を作成した。当時の状況を「日本が福島原子力発電所内に保管中の汚染水処分方案の決定を完了し、発表時期の決定だけが残っている」と評価した報告書で、韓国政府は日本が放出する汚染水が国民と環境に及ぼす影響を分析した」

     

    韓国の政府合同の作業部会が7回も研究して、福島トリチウムの海洋放出は科学的に問題ないと結論をだしていた。また、米国政府も科学的根拠から問題ないと同様の結論である。国際原子力機関も承認済みである。

     


    (2)「報告書によると、原子力安全委員会は専門家懇談会を7回開き、「汚染水を浄化する日本の多核種除去設備(ALPS)の性能に問題がない」との判断を下した。また、国際標準と認められる原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の手法を使い、日本海岸近隣地域の放射線影響を評価した結果、放射線数値が「妥当だ」とも評価した」

     

    韓国の原子力安全委員会は、専門家懇談会を7回開いており、その結論が「問題ない」「妥当である」となっていた。

     

    (3)「韓国沿岸海域を対象にした放射能濃度調査では、2019年基準0.892~1.88ミリベクレル毎キログラムが検出されたが、これは福島事故以前の平均値(2006~2010年0.864~4.04ミリベクレル毎キログラム)と類似していると分析した。三重水素(トリチウム)露出の可能性に対しては、「生体で濃縮・蓄積されにくく、水産物摂取などによる有意味な被ばくの可能性は非常に低い」とし、汚染水の韓国海域拡散の可能性に対しては「海洋放出から数年後、国内海域に到達しても海流により移動して拡散・希釈されて有意味な影響はないだろう」とした」

     

    下線部は、極めて重要である。トリチウムの海洋放出によって魚介類に摂取されたとしても、人間が被爆する可能性は非常に低いとしている。そのほか、韓国領海へ海洋放出されたトリチウムは海流により移動して影響力なないとまで結論づけている。

     


    (4)「論争が広がると総理室はこの日午後、「一部の専門家の意見が政府の立場にはなりえない」という資料を出した。該当報告書と政府の立場は違うという主張だ。あわせて「韓国政府は日本の汚染水海洋放出決定を断固として反対し、国民の安全に危害を及ぼすいかなる措置も容認できない」と改めて強調した。国民の力のキム・イェリョン報道官は、「日本の原発水に対して政府TFは問題ないという趣旨の報告書を出す一方で青瓦台(チョンワデ、大統領府)は提訴すると言うのなら、国民は一体誰の言葉を信じたらよいのか」とし「汚染水の放出を前もって防ぐことができなかった責任は避けられない」と話した」

     

    韓国政府は、福島原発のトリチウム問題を政治化して、反日世論を焚きつけ文政権の支持率アップにつなげようとしている。だが、このことにより文政権が失う対外的信用力は回復不可能なほどの打撃を受けるだろう。科学的な問題は、冷静に科学的な見地から議論すべきである。

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    韓国が十八番の「反日カード」を切ろうとしている。福島原発トリチウムの海洋放出をめぐって、「念願」の中韓連合を組む勢いである。「事大主義」韓国の実態を示している。

     

    文大統領は14日午前、青瓦台(大統領府)の内部会議で日本の海洋放出決定を巡り、国際海洋法裁判所に対し、暫定措置の要請や提訴する案を積極的に検討するよう指示したという。青瓦台の高官によると、暫定措置は国際海洋法裁判所が最終判断を下すまで日本が海洋に放出しないようにする一種の仮処分申請を意味する。同高官は「国際海洋法裁判所は紛争当事者の利益を補塡(ほてん)するため、または海洋環境に対する重大な損傷を防ぐため、暫定措置を命令できる」と説明。「きょうから法務秘書官室が具体的な検討を始める」と述べた。以上は、『聯合ニュース』(4月14日付)が伝えた。

     


    米国と国際原子力機関(IAEA)が、海洋放出を肯定する姿勢を見せていることに関しては、「他国の立場について言及することは適切ではない」とした上で、「韓国政府はさまざまな対応手段を検討している。国際海洋法裁判所への提訴もその一つ」と述べた。IAEAが、TVに出演して、日本の措置はなんら違法でないと強調している。国際機関が、このような判断を下しているにも関わらず、騒ぎを大きくする狙いは、文政権の支持率低下対策である。反日カードを切れば、再び支持率が高まると計算しているのだ。

     

    韓国外交部と中国外務省はこの日、第1回韓中海洋協力対話をテレビ会議方式で開催し、両国間の海洋協力全般について協議した。この席で両国は、日本が汚染水を海洋放出する方針を固めたことについて、直接的な影響を受ける周辺国との十分な協議がなかったと指摘し、強い遺憾の意と深刻な懸念を共有した。

     


    十分な協議がない状態での海洋放出に反対する立場を改めて確認。今後、日本側の対応が不十分だった場合、外交的、司法的な解決を含め、多様な対応策をそれぞれ検討することを決めた。ただ、外交部当局者によると、国際海洋法裁判所への提訴など具体的な協力について議論する場ではなかったという。以上は、『聯合ニュース』(4月14日付)が報じた。

     

    韓国は、「念願」の中国と共同歩調を取ることを決めた。これで、韓国の底意が透けて見える感じである。「事大主義」そのものである。

     

    自民党の佐藤正久外交部会長は14日、東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の海洋放出をめぐり、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国際海洋法裁判所への提訴検討を指示したことを非難した。自身のツイッターに「虚勢そのもの。国際海洋法裁判所に提訴すれば赤っ恥! 韓国原発のトリチウム放出量が日本よりも大きいことが明るみになり、笑いものになるだけ」と書き込んだ。以上は、『産経新聞 電子版』(4月14日付)が伝えた。

     


    韓国は、なぜこれだけ騒ぎ立てるのか。

     

    『中央日報』(2020年10月20日付)は、「本、福島汚染水放流にどうしてこれほど過敏に反応するか  韓国月城原発にも言及」と題する記事を掲載した。

     

    東京電力福島第一原発の汚染水を海に放流することに対して、韓国はもちろん日本国内でも懸念が尽きないが、日本政府は眉一つ動かさないでいる。科学的根拠からみた時、このような懸念は杞憂にすぎないとして、かえって国内外の世論戦に積極的に乗り出している。

    (1)「今年5月、日本政府が作成した資料「ALPS処理水について(福島第一原子力発電所の廃炉対策)」には、該当汚染水を放流せざるを得ない状況と、放流妥当性をまとめた日本政府の対応論理がそのまま記されている。資料は汚染水を「処理水」と表現するなど放流物質が環境と人体に無害である点を強調するのに大部分を割愛した」

     

    (2)「放流前に多核種除去設備(ALPS)を使うため、セシウム・コバルト・ストロンチウム・アンチモン・三重水素(トリチウム)など核分裂生成物および活性化物質をほぼ浄化することができるという説明だ。資料にはセシウムの場合、放射能濃度を数億分の1に低減することができるという内容も付け加えられた」

    (3)「問題は、トリチウムと呼ばれる三重水素だ。トリチウムは現技術では処理水から分離が不可能なためだ。特にトリチウムは発がん性物質として知られており、福島汚染水放流をめぐる論争で最大の争点に浮上した。トリチウムをめぐっても「放流されても特に問題ない」という日本側の主張は続く。トリチウムが雨水、海水、水道水はもちろん、体内からも吸収・排泄されるほど幅広く存在しているだけに誇張された恐怖だという論理だ」



    (4)「あわせて日本政府は、資料に韓国の月城(ウォルソン)原子力発電所について言及し、ここからも年間140兆ベクレル(放射能の測定単位)のトリチウムが排出されていると記述した。福島第一原発に貯蔵されている全体トリチウム量が860兆ベクレル、日本に降る雨に含まれる年間トリチウム量が220兆ベクレルである点と照らしてみた時、少なくない量のトリチウムが韓国からも排出されているのに、なぜ日本の汚染水だけに過敏に反応するのかということだ」

     

    韓国は、月城原発のトリチウム排出量がいかに大きいかという問題を抱えながら日本批判に没頭しようとしている。矛楯も甚だしいのだ。

     

    (5)「日本政府は、「世界の原子力施設ではトリチウムが放出されているが、これら施設周辺でトリチウムが原因と思われる影響は見つかっていない」とし、「仮にタンクの全量(福島第一原発に貯蔵されている860兆ベクレル)を一年で処分した場合でも、日本で生活する人が1年間に自然界から受ける放射線(自然放射線)の1/1000以下と、十分に小さいもの」との結論を下している


    韓国では、科学の話を政治問題化して騒ぎ立てるのである。ソウルの自然放射線は、東京よりも高いことを知っているだろうか。下線部はIAEAも承知のはず。なぜ、韓国だけは理解できないのか。風水(占い)の国らしい騒ぎである。

     


    (6)「放流の正当性のために日本政府はIAEAの解釈を引用した。IAEAが昨年2月、日本の報告書に対して「海洋放出は世界中の原子力発電所や核燃料再処理施設で『日常的に実施されている』と記述した」というのだ。日本政府は争点をQ&A形式で整理した部分では、汚染水放出に関する透明な情報公開努力を強調した。在京外交団のための説明会を100回以上開いたほか、IAEA調査団の訪問も4回受け入れたと強調した」

    (7)「また、「国際社会は日本のALPS処理水にどのような見解を持っているか」という質問には「昨年9月に開かれたIAEA定期総会で韓国政府代表団が日本の東京電力福島第一原発対策に対して批判的な発言をしたが、韓国以外の国々からはそのような発言はなかった」という回答を付けた。これをめぐり日本が、韓国が大げさな反応を見せている」という枠で国際世論戦に乗り出したのではないかという話が出ている

    韓国は、「反日」を生きがいにしている国である。どう説明しても無駄だろう。理解しようという気持ちがないからだ。

     

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    薄氷に乗る与党180議席

    二大市長選が示唆する転落

    経済基盤大穴が敗北の序曲

    政党選択は脱イデオロギー

     

    4月7日のソウル・釜山の市長選において、与党「共に民主党」候補者は、野党「国民の力」候補者に惨敗した。今回の両市長選は、来年3月の大統領選の前哨戦とも位置づけられてきた。それだけに、韓国与党は危機感を強めている。

     

    選挙後に、与党民主党1年生議員56人が集まって反省会を開いた。民主党は、所属議員174人のうち46.6%の81人が1年生議員だ。これら議員が、与党敗因の理由について反省の弁を述べたのである。この席では、国民の意思を聞かず与党の多数決論理で、国会運営をしたことへ痛烈な批判が飛び出た。文大統領への批判でもある。文氏は、早くもレームダックの前兆を示している。

     

    与党指導部は、今回の二大市長選敗北の責任を負って全員が辞任した。まだ、新指導部は選出されていない。一方、文政権では内閣改造と大統領府の更迭人事が行なわれる予定である。ただ、伝えられているところでは「親文派」、つまり、文大統領に忠誠を誓う側近から選ばれるのでないかと報じられている。早くも、文大統領の限界説が囁かれている。

     


    文大統領の政治師匠であった盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は、政権の新鮮味を打ち出すために、あえて野党の朴槿惠(パク・クネ)氏を閣僚に登用する案まで検討したという。挙国一致の内閣にするという狙いであった。この案は立ち消えになった。文大統領にはとてもここまでの柔軟性を期待できまい、とされている。

     

    となれば、文氏は旧態依然の人事によってレームダック化へ進むほかないと見られている。だが、ここで降って湧いたように福島原発の処理水であるトリチウム(日本基準の40倍に希釈)放出問題が起こった。韓国政府は、絶好の「反日カード」を手にした訳で、傾いた政権を支えるべく活用の方針である。

     

    ただ、韓国メディアが報じているように、日本は外交団に対して100回も説明会を行なって周知徹底を図ってきた。韓国政府が言うように「突然」「抜き打ち」の発表ではない。IAEA(国際原子力機関)の承認を得た発表である。IAEAでは、日本の措置が違法でなく他国も行なっているものと発表した。また、米国務省も「適切な手続きを踏んでいる」との声明を出している。こうなると、韓国がこの問題を反日カードに使うとしても、孤立のお恐れが強いだろう。

     

    結局、福島原発トリチウム問題は、傾き掛けた文政権を支えるほどの強力「反日カード」に使えないことが明らかになろう。文大統領はこれから一年、厳しい政権運営から逃れることは不可能だ。

     


    薄氷に乗る与党180議席

    韓国与党は、系列を含めれば180議席(60%)を占めている。絶対多数に達している形だが、昨年総選挙では保守野党が約40%の得票率に達していたのだ。実態は、「野党惨敗」ではなかった。小選挙区制のカラクリで、与党が絶対多数を得た形になっただけである。これは、与党が政権運営の姿勢を誤れば、簡単に政治の主導権を失うリスクを抱えていたことを意味していた。文政権・与党は、この不安定な支持基盤に乗っていることを忘れて暴走した。そのツケが、今回の二大市長選に現れたに過ぎない。

     

    前記の与党一年生議員は、次のような反省の弁を述べた。極めて痛烈な自己批判である。

     

    1)いつの間にか民主党は「既得権政党」になっていた。

    2)私たちはあらゆることをできるという過信、ひとまず始めて計画を作っていけば良いという安逸さに浸っていた。

    3)自分たちの過去に行なった民主化運動の実績を掲げ、すべての批判を遮断して私たちだけが正義だと固執する傲慢さが民主党の姿をこのようにした。

     

    前記の一年生議員とは別に、20~30代の議員5人は次のような声明文を発表した。これも痛烈な文政権・与党批判である。

     


    4)与党幹部は、惨敗の原因を野党のせい、メディアのせい、国民のせい、青年のせいにする声に私たちは同意できない。

    5)党内批判がタブー視されていたチョ・グク元法務部長官をめぐるスキャンダルを、「検察改革」の代名詞としたことが国民の共感を失った。

     

    以上5項目の政権・与党批判は、韓国メディアがこれまで行なってきた批判と同一視点である。与党一年生議員が初めて、二大市長選敗北で目が覚めたということであろう。私も、文政権の非民主的な政権運営を批判し続けてきた。以下、私のコメントを付したい。

     

    1)民主党が既得権政党になったのは、支持基盤の労働組合と市民運動の利益を優先してきたことだ。労組の要求は100%受入れてきた。最低賃金の大幅引き上げがそれである。3年間で30%強の最賃引き上げが、個人業主・中小零細企業など低生産性部門の業種を直撃した。韓国では、最賃引き上げに応じない雇用主には罰則を科される。これを避けるべく、多くの雇用主が泣き泣き従業員を解雇した。最低賃金の大幅引き上げが、失業者を増やすという逆立ちした結果を生んだ。

     

    市民運動には、原発廃止による太陽光発電推進で報いた。無事故・黒字の原発を無理矢理に操業停止に追い込んだ。しかも、経営データを改ざんするという犯罪行為を行なったのである。韓国の市民運動は、NPOの非営利・非政治という原則を逸脱して、営利・政治を前面に出して文政権の別働隊に成り下がっている。文政権は、市民運動へ補助金すら与えているのである。こうして、労組と市民運動が文政権を支える二大勢力になっている。

    (つづく)

     

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    韓国政府は、悪質である。福島原発のトリチウム(三重水素)海洋放出について、科学的に無害であることを知りつつ、日本への反対姿勢を打ち出している。文政権は、先の韓国二大市長選で与党候補が惨敗したことから、福島のトリチウム放出を格好の反日テーマに据えて、人気挽回策に利用しようという魂胆である。

     

    トリチウムは自然界に存在しており、人間はその中で生きているから、希釈すれば「無害」である。この常識が通じない韓国は、小学生以下の科学知識と言うべきだろう。実は今年1月、韓国の月城(ウォルソン)原発でトリチウムが溜まっていたことが判明し、韓国与党と政権支持メディア『ハンギョレ新聞』が尻馬に乗って大騒ぎしたことがある。

     

    韓国原子力学界は、月城原子力発電所の敷地で見つかったトリチウムが、年間バナナ3~6本を食べた時の被爆量にすぎないと明らかにした。学界は「トリチウムで恐怖を助長する非科学的怪談は止めなければならない」と注文をつけたほど。この原子力学会の説明でその後、「月城トリチウム問題」は消えた。それにも関わらず、福島原発トリチウムで再び騒いでいるのだ。

     


    福島原発トリチウムの海洋放出は、なぜ無害なのか。

     

    日本政府の放出基準は1リットルあたり6万ベクレルである。この水を70歳になるまで毎日約2リットル飲み続けても、被曝は年間1ミリシーベルト以下におさまるという。日本で1年間に自然界から受ける放射線による被曝量と同等かそれ以下で、国際的に許容されるレベルにとどまる。福島原発では、この基準の40分の1まで薄めるとしている。以上は、『朝日新聞 電子版』(4月13日付)から引用した。要するに、韓国政府の言分は、反日のための言いがかりである。

     

    『中央日報』(4月13日付)は、「韓国、原発汚染水の批判だけを繰り返している時 日本は、米国とIAEAから支持を引き出していた」と題する記事を掲載した。

     

    日本政府が13日、東京電力福島第一原子力発電所に保管中の汚染水を海洋放出することに正式に決定した。韓国政府はその直後に具潤哲(ク・ユンチョル)国務調整室長の主宰で関係部署次官会議を開いて「一方的措置」として強い遺憾を表わした。



    (1)「韓国政府は会議後に公式コメントを出して「日本政府に反対と懸念を伝えてわが国民の安全と海洋環境の被害防止のための具体的な措置を強力に要求する」と明らかにした。また「あわせて国際原子力機関(IAEA)など国際社会に韓国政府の懸念を伝えて今後日本の措置に対する安全性検証情報の共有、国際社会の客観的検証などを要請する計画」と説明した」

    日本政府は、これまで海外のメディアに対してもトリチウムの海洋放出が無害であることを懇切丁寧に説明してきた。IAEAの検査も受けており万全を期している。韓国政府の発言は、単なる「嫌み」としか言いようがない。


    (2)「日本は放流決定以前にすでにIAEAの支持を確保していた。ラファエル・グロッシ事務局長は昨年12月、日本の報道機関とのインタビューで、汚染水放出が「技術的に可能だ」と明らかにしていた。米国も直ちに支持の立場を出した。国務省のネッド・プライス報道官は公式立場を出して「日本政府がいくつかの選択肢と効果を綿密に検討してきたことを米国はよく知っている。日本は決定を下す過程で透明な態度を取り、国際的に容認される核安全基準に符合する方法を選んだとみられる」と明らかにした」

     

    トニー・ブリンケン国務長官は別途、「放出決定に対する努力の透明性に感謝する」とツイートしたほど。韓国政府は、十分な協議がなかったという点をあげて容認できないといったが、米国は日本の透明性に謝意を表わしたのである。冷え切った日韓関係である。日本が、韓国の承認を得るような行為をするはずがない。



    (3)「国際社会でも韓国政府が、日本に対する外交的抗議や糾弾の他に取ることができる妙手がないのではという懸念が出ている。文在寅(ムン・ジェイン)政府任期末、韓日関係改善への努力にまた別の悪材料が持ち上がったといえる。これに関連し、当初から韓国政府は福島問題に対して科学的にアプローチするのではなく、日本に対する政治的対応カードとして利用しようとしたが、結局行き詰まってしまったのではないかという指摘もある」

     

    韓国は、トリチウムを科学的問題として取り上げず、反日カードに利用しようと企んでいた。だが、科学的に無害であるゆえ、日本を圧迫する材料にはならず、逆に日本の反発をうけることになった。今回も、米国が事前に事情を知りながら、隣国の韓国へ通報しなかったのは、韓国の底意を見抜いていたからだ。反省すべきは韓国である。

     

    (4)「日本の輸出規制による経済報復で、日韓両国の関係が最悪に突き進んでいた2019年中旬ごろ、韓国政府は福島問題で日本を圧迫する方案を考え出した。2019年8月の1カ月間だけでも、外交部報道官の汚染水放出危険性公開議論、担当局長の駐韓日本大使館経済公使招致、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官の韓日外相会談時の公式問題提起などが続いた。当時、国際社会でこの問題を提起したのは韓国だけだった」

    韓国は、反日に利用して失敗したのだ。トリチウムが無害である以上、政治問題化できなかったもの。

     


    (5)「当時の福島強硬対応が残した実益は、何だったのかという疑問が外交界から出ている。その間、日本はIAEAと米国の支持を確保して、駐韓日本大使館は今年3月に東日本大震災10周年を契機に韓国メディアに汚染水放出の安全性に対して大々的に説明会まで開くなど緻密に放流決定を準備してきた」


    韓国は、対日感情外交で失敗したというのが結論だ。科学的問題は、科学的見地で議論すべきである。これが、今回の教訓である。

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    韓国外交が、米国から批判されている。「クアッド加入」を確約せず、のらりくらりしている結果だという。韓国大統領府の説明では、クアッド加入の豪州などに技術開発などで問合せをしていると説明している。米国側は、そういう受取り方ではない。韓国の「曖昧戦術」なのだろう。

     

    韓国の煮え切らない態度の裏には、文政権独特の朝鮮半島「平和論」が影響している。米国につかず離れずの外交姿勢で、朝鮮半島の平和を維持しようというものだ。この「バランス外交論」の主唱者が、前韓国大統領統一・外交・安保特別補佐官であった文正仁(ムン・ジョンイン)氏である。

     

    『中央日報』(4月11日付)は、「文正仁氏『韓国が米国側に立てば韓半島平和の担保は難しい』」と題する記事を掲載した。

     

    世宗(セジョン)研究所の文正仁理事長が、米中対立の中で韓国が米国側に立てば韓半島(朝鮮半島)の平和と繁栄を担保するのは難しいため、一つの陣営に属さない「超越的外交」が韓国の進む道だという考えを明らかにした。2月まで大統領統一・外交・安保特別補佐官を務めた文理事長は4月11日付の朝日新聞のインタビューで、先月の韓米外交・国防閣僚(2プラス2)会談の共同声明に中国牽制が明示されていない点に関する質問を受け、このように答えた。



    (1)「文理事長は、「韓国が米国側に立てば北を含む韓半島の平和と繁栄を担保するのが難しくなる」とし「(その場合)中国は北への支援に注力し、ロシアも加勢して同盟を強化することになり、最前線で対峙する韓国の安保負担は限りなく増加する」と説明した。中国牽制のためのクアッド(日米豪印)参加について「韓国政府は、『特定国を排除する地域協議体に参加するのは難しい』という立場を持っている」と確認した」

     

    中立論は、他国の善意に自国の安全保障を託するという空想的平和論である。ドイツ哲学者カントは、著書『永遠平和のために』(1795年)で、共和国(民主主議国)が専制主義国家に対抗して平和を維持する手法として「共和国同盟論」を主張した。あのカントが、説いた現実平和論である。

     

    朝鮮戦争が、なぜ起こったかを考えれば理解できるだろう。当時の米国は、韓国防衛に関心を持っていなかった。北朝鮮・ソ連・中国は、この間隙を突いて38度線を越えて侵攻した。こういう歴史的事実を考えれば、米国が韓国に対して無関心であることは悲劇を生む原因になる。韓国が、米国と同盟を結んでいるから、その後の侵攻を食止めていると考えるべきだ。現に、北朝鮮は核開発を活発に行なっている。侵攻の機会を狙っているのだ。

     


    北朝鮮の後ろには中国が控えている。北朝鮮は現在、中国の「傀儡政権」化しつつある。この中朝が軍事的に一体化して、韓国に対抗していることを見落としては危険である。中朝が緊密化すれば、米韓が一体化して防衛力を固め対応することは当然である。この現実的対抗を忘れた韓国の「バランス外交」は、朝鮮戦争以前の状況へ戻せという暴論に過ぎない。

     

    (2)「日本側から見れば、韓国が中国に傾いたように見えるという指摘に対しては、「米国が中国牽制のために北東アジア地域への介入を強化していて、韓国が中国一辺倒に方向を定めるのは可能でない」と反論した。続いて、「米中の対立が激しくなるほど韓国の選択は制限されるため、対立を緩和する方向に進む必要がある」とし「私はこれを韓国の生きる道と考えていて『超越的外交』と呼んでいる」と答えた。超越的外交とは「米中のどちらか一方の陣営に属するのではなく、多国間協力と地域統合の新しい秩序を作って米中の衝突を防ぎ、外交的に動く空間を確保する積極的な外交」と説明した」

     

    文・前大統領特別補佐官は、中国の海洋進出について全く言及していない。中国が、南シナ海へ侵攻する権利はないのだ。また、尖閣諸島の領海を侵犯する国際法的な正統性もゼロである。こういう中国の横車を棚に上げて、米国が中国の行動を糺すことを問題視する一方的な議論は成立しない。南シナ海と東シナ海で国際法無視の行動する中国は、いずれ朝鮮半島でも侵攻に出る可能性があろう。韓国が、アジア全般における地政学的リスクを忘れた振舞は、危機を自ら招くことになるのだ。

     

    (3)「文理事長は、現在の日本の外交について「リーダーシップを十分に発揮できずにいる」とし「受動的であり、過度に米国に依存している」と評価した。かつて大平正芳首相が主張した「環太平洋連帯構想」がアジア太平洋経済協力会議(APEC)につながるなど日本が国際社会の「アジェンダセッティング(議題設定)」を主導してきたが、現在はそうでないという指摘だ。また、「日本の過度な米国寄りは米中新冷戦の固定化をもたらす」とし「この場合、韓日ともに安全保障の面で負担が増え、経済的にも損失が大きい」と話した。したがって「新冷戦になるのを防ぐために韓日が協力しなければいけない」と強調した」

     

    文氏の主張では、日本も米国から距離を置けと主張している。一方で、中国については一切言及していない。これは、アジアの盟主として中国を担ぎ出そうという魂胆に違いない。専制主義の中国が、アジアの支配権を握ったらどうなるか。文氏には、現実世界に目をやった建設的な平和論を聞かせて欲しいのである。カントほどでもなくても、「学究の徒」であった文氏には、それを提示する義務があるはずだ。

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