勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国は、岩屋に隠れた天照大神に会うような騒ぎである。安倍首相と文大統領の首脳会談を開き、日韓関係の膠着状態を打開したいためである。この事実こそ、日韓紛争で困難な立場に立たされたのは韓国という事実を世界に公知している。

     

    『朝鮮日報』(10月21日付)は、「安倍首相側、『韓国の変化がない限り、我々からの贈り物はない』」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「22日の李洛淵(イ・ナクヨン)首相訪日について、韓国では悪化している韓日関係の解消のきっかけになると期待しているが、日本の安倍晋三内閣は冷ややかな雰囲気だ。安倍首相の側近は、李洛淵首相が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の親書を持参してきたとしても「韓国の見解に変化がない限り、我々側からの贈り物はない」という考えを明らかにしたと東京の消息筋が20日、伝えた。李洛淵首相が強制徴用問題に関して従来の韓国の見解から日本企業の賠償責任を除外する案を出さなければ、両国関係に進展はないということだ」

     

    韓国側は、李首相の訪日に大きな期待をかけている。なんとか、打開の糸口を得たいと必死である。だが、日韓関係が悪化した原因を除去しない限り、好転はあり得ないという認識がない。不思議な外交感覚である。「無原則国家」というイメージが強まるだけだ。「反日」という感情論は、この「無原則国家」がもたらした衝動的な動きである。

     

    「反日不買」騒ぎによって、韓国の航空界が壊滅的な打撃を受けている。航空8社の7~9月期業績は大きな打撃を受けているのだ。自身に害が降りかかってきて、李首相の訪日に期待をかけるというチグハグな振る舞いになっている。

     

    (2)「この消息筋は「安倍首相は李洛淵首相から『1965年に締結した韓日請求権協定を守っていくことが韓国の立場』という言葉を聞きたがっている」とも言った。韓日請求権協定には、徴用被害者の請求権問題は完全かつ最終的に解決された、と明記されている。安倍内閣は、韓国大法院の賠償判決を韓国の内部的な問題としてまず解決した上で、日本側から徴用被害者や遺族、子孫のために寄付金または奨学金を出すという案を考慮しているとの立場だ。「安倍-李洛淵会談」調整の過程で、李洛淵首相側は面談時間を20分間希望したが、安倍首相側は10分間にこだわり、「10+α」ということで合意した」

     

    韓国は、日韓基本条約の精神に戻れば、すべて丸く収まることだ。反日カードとして使い、政治的な得点に結びつけようとした文氏の間違いである。

     

    (3)「安倍首相は韓日首脳会談にも否定的な考えだと別の消息筋が伝えた。「両国の見解の違いが大きい状況で会えば、かえって状況を悪化させる可能性がある」ということだ。日本の外務省関係者は8月、「問題解決の兆しが見えないなら、安倍首相に首脳会談をしようとは言えない。両首脳が会ってもうまくいかなければ次はない」と語ったが、こうした見解は依然として同じだということだ。しかし、国際社会の世論を意識して、来月タイで行われる「ASEAN(東南アジア諸国連合)+3(韓中日)」首脳会議や、チリで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などで、立ったままでも少しの間会い、対話する方式は考慮することもできるとの立場だ」

     

    文大統領は、徴用工問題を棚上げして、「ホワイト国除外」と「GSOMIA廃棄」をバーター取引しようとしている。韓国にとって損にならない取引なのだ。日本が、こんな見え透いた話に乗るはずがない。先ずは、徴用工問題に対する韓国の態度を表明することである。ほぐれた糸は、ここが解決の出発点になるだろう。

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    韓国左翼は、中国へ熱烈な思いを寄せている。「不動の経済成長国家」というイメージだ。その中国が、7~9月期に前年比6.0%成長率に止まったから意気消沈している。韓国の輸出の約25%が中国、米国を含めれば約40%が米中がらみである、その米中が貿易戦争で争っている。韓国の立場は建前上、米国だが本音は中国贔屓である。

     

    『東亜日報』(10月19日付)は、「中国が27年ぶりの低い成長、韓国経済に影落とす」と題する記事を掲載した。

     

    中国の第3四半期(7~9月)の経済成長率が27年ぶりに最低の6.0%にとどまった。韓国企業が輸出と直接投資を最も多くする中国市場が縮んだことで、韓国経済成長の足掛かりが揺らいでいるという分析が出ている。

     

    (1)「中国国家統計局は18日、「第3四半期の国内総生産(GDP)が24兆6865億元(約4119兆ウォン)で、昨年の同期間より6.0%伸びた」と明らかにした。このような成長率は、四半期ごとの成長率統計を取り始めた1992年以来、27年ぶりに最も低いもので、当初の市場予測値より0.1%ポイント下落したものだ。中国は2015年第2四半期に7.0%成長を示した後、4年間6%台の成長にとどまったが、6%の線が崩れる状況に追い込まれている。昨年第1四半期から四半期の成長率が毎回下落傾向を見せていることを考慮すれば、第4四半期の成長率は5%台に落ちる可能性があるという見方が多い」

     

    今年の10~12月期は、前年比で5%台へ低下するのと見方が強いという。中国経済は、明らかに力を失っている。この中国に肩入れしている。先見の明がない国である。

     

    (2)「英フィナンシャル・タイムズ(FT)は、「地方政府が道路・橋などのインフラ建設を通じて、成長率目標を達成してきたが、このような事業もからびている」と明らかにした。中国経済が低迷に陥ったことで、製造業と金融部門で密接に関連している韓国経済が打撃を受けかねないという懸念が少なくない。韓国経済研究院などの民間研究所は、中国成長率が1%ポイント下がれば、韓国の成長率は0.5%ポイント下落しかねないと見ている。現代(ヒョンデ)経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は、「世界経済の低迷が長期化し、中国政府の様々な刺激策も功を奏しなければ、成長鈍化は来年まで続きかねず、韓国経済が否定的な影響を受けることもありうる」と語った」

     

    中国経済は、もはやこれ以上、インフラ投資に依存できないほど、依存している。もともと広大な国土である。人口密度の低い地域で行なうインフラ投資だ。投資効果は上がる訳がない。それでもGDPの下支えをしなければ、メンツが立たない。こういう独特の理屈付で、遮二無二GDPを押し上げてきた。それだけでは足りず、GDPの水増しをするという前代未聞の国である。それも限界に達している。

     

    個人消費は、自動車も不振である。新エネルギー車に補助金を出してきたが、地方政府の財政負担が膨らみすぎて中止のやむなきに至っている。こういう中国経済の現状を見れば、韓国の輸出に長期の暗雲が出たとの判断を下さざるを得まい。その中国輸出の落ち込み分をカバーする方法は見つかっていないのだ。

     

    ここで、対日関係の改善がいかに必要であるかが分ってきたのだろう。韓国政府は、年内をメドに対日問題を解決したいと焦っている。こちらも、具体的な対応策は見つかっていない。徴用工問題を棚上げして、日本と融和策をとりたいという手前勝手なことを言っている。これでは、日本政府が相手にするはずがない。文字通り、四面楚歌の状況だ。文大統領は、「二度は日本に負けない」と啖呵を切ったが、「敗北」は必至となってきた。

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    韓国では、ノーベル科学賞受賞者がゼロの理由について、あれこれ詮索している。大方は、基礎科学の発展が遅れているから致し方ないということで納得している。この説では、いずれ韓国からノーベル科学賞受賞者が出るという前提だ。

     

    昨日、韓国メディアに登場した「新説」を読んで、「少し違うな」という違和感を持ったので、「参戦」することにした。

     

    『朝鮮日報』(10月20日付)は、「壮元及第のDNAと職人根性のDNA」と題する寄稿を掲載した。筆者は、イ・ヘジョン教育科革新研究所長である。

     

    (1)「日本からまたノーベル賞受賞者が誕生した。科学分野だけですでに24回目だ。最も批判されるのは韓国の教育だ。ソウル大学物理学科のキム・デシク教授は、著書『勉強論争』(チャンビ刊、2014)の中でその理由について語っている。キム教授は、韓国の勉強文化を表す壮元及第(トップ合格)DNAと日本の勉強文化を表す職人根性DNAという二つの概念で説明している」。

     

    韓国と言うよりも、儒教文化圏では「科挙」(高級官僚)試験に合格しさえすれば、一生安泰に生きられた。ただ、この科挙試験を受けるには厳しい受験資格があった。「職人」には受験資格が与えられなかったのだ。儒教文化圏からノーベル科学賞の受賞者が出ない背景は、「技術軽視」という根本的な背景がある。もう一つ、「労働軽視」も共通している。中国人は労働しないことを誇りにし、その証に手の詰めを伸し放題だったという事実もある。

     

    現在も、韓国の理系学部では、細かい技術を教えず街の塾に任せているという。こういう風潮のなかで技術が発展するような伝統が生まれなかったのだ。日本では、江戸時代から数学(和算)が発達していた。江戸時代に、幾何の問題を自分で解いて「算額」をお寺に奉納して住民に見て貰うことがはやっていた。

     

    このように、日本では論理学(帰納法・演繹法)が和算という日本独特の「算術」によって発展していた。中国や朝鮮では、こういう実用的な学問が発展しなかったのだ。明治になって。西洋から高度の科学知識が入って来ても和算という裏付けがあったので簡単に受容できた。これが、近代化過程を難なく乗り越えさせた理由である。 

     

    (2)「長年にわたって韓民族は、官吏を試験で選抜してきた。全国民を対象にしているわけではないにしろ、身分が個人の努力によって上昇する余地が同時代の他の国々よりも多かった。従って、古くから勉強の目的は立身揚名(社会的な地位や名声を得ること)だった。トップ合格が勉強する全ての人々の夢だったのだ。韓国のそうめん屋のオーナーは、子どもがそうめん屋を継ぐよりも、一生懸命に勉強して立身揚名するのを願う」

     

    韓国の勉強は科挙の歴史を汲むので、「一番」が目的になる。立身出生だ。日本は、技術を受入れていたから職業の幅広い選択が可能であった。官僚にならずとも道はいくらでもあった。福沢諭吉は、慶応の卒業生に官僚の道を薦めず、民間へ就職させた。朝鮮ではあり得ない職業選択である。

     

    朝鮮李朝時代、そうめんやの息子は科挙試験の受験資格はなかったはずだ。名門出身でないと受験できない制約があった。庶民の子どもが、科挙試験を受けられるはずがない。この点は、明らかにしておかなければならない。

     

    (3)「ところが、日本には一生懸命に勉強して立身揚名する体制がなかった。勉強するというなら、その道で大家になるのを望んでいるわけで、その勉強を足場に他の何かを期待するといった認識そのものがたやすいものではなかった。数千年にわたって王朝が一度も変わったことがなく、身分制度が引っ繰り返ったことがないため、侍の家系は代々侍になり、うどん屋の息子はより良いうどんを作るのが誇らしい生活だった。つまり、韓国ではとんカツ屋の息子が国家試験にパスして判事や検事になるのが誇らしい文化であるのに対し、日本は3代がとんカツを作るのが誇らしい文化なのだ」

     

    日本の身分制は、明治維新でひっくり返った。江戸時代の武士は、明治になって仕事がなくなり、巡査、教員、吏員となって働いた。技術を重視しており、算数知識が普及していたのでそれを生かして新しい技術に挑戦した人たちも出たのだ。韓国ではあり得ない職業の展開である。

     

    近代になって、日本でもとんかつ屋の息子が学者や官僚になれたはずだ。韓国も事情は同じであろう。ただ、韓国には科挙試験における技術軽視という伝統が牢固として生き残っており、それがノーベル科学受賞者の出現を阻止していることに気付くべきだ。

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    韓国の潜在成長率は、2.5%程度と見られる。だが、現実の成長率は2%割れが濃厚となってきた。成長できる能力がありながら、それを踏み潰しているのが文政権である。最低賃金の大幅引上げと週52時間労働制という性急な対策が、労働コストを大きく引上げて内需萎縮の原因になっている。文政権支持層である労組の要求に従った結果だ。

     

    大企業労組の賃金は、最低賃金大幅引き上げと無縁のはずだ。それが、なぜか上がっている。そのカラクリは部外者に分らない。韓国の労働問題は、多くの闇の部分を抱えている。韓国労働市場は、世界でも最悪の評価だ。その改善については、労組の反対で手がつけられないという絶望的状態である。

     

    『中央日報』(10月18日付)は、「緊急さに欠けた青瓦台の緊急経済長官会議」と題する社説を掲載した。

     

    サムスン電子・現代車のトップと相次いで会って親企業的な動きを見せている文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨日(17日)招集した緊急経済長官会議で「民間活力が高まってこそ経済が力を発揮することができる」と言って輸出企業に対する支援強化など政府の積極的な支援を約束した。また「世界製造業景気が萎縮している状況で、我が国のように対外依存度の高い国はこのような流れに影響を大きく受けるほかない」とし「経済活力と民生安定に最善を尽くさなければならない」と話した

    (1)「文大統領が自ら経済長官会議を主宰したのは昨年12月以降、10カ月ぶりだ。さらに洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相が米国出張で留守中であるにもかかわらず、突然会議を招集したことから、これまで楽観論で一貫してきた青瓦台(チョンワデ、大統領府)の経済認識に変化が起きたのではないかという見通しも出ていた。しかし、この日の会議はこのような期待を満たすにはあまりにも力不足だった」

     

    大統領自身が突然に招集した経済会議である。それだけに、韓国経済の悪化を認識したのかと期待された。実際は、それとはほど遠い内容であった。

     

    (2)「国内外機関が相次いで韓国成長率見通しを低くする渦中で、韓国銀行は景気防御次元で歴代最低水準まで基準金利を低くし、会議の前日に公表された9月の雇用動向では韓国経済の軸ともいえる40代の雇用が17万9000人も減った最悪の雇用成績表を手にすることになった。それでも文大統領はむしろ「政府が政策の一貫性を守って努力した結果、雇用改善の流れが明確になっている」として自画自賛性の発言を繰り返した。反面、週52時間制や最低賃金引き上げなど企業が地道に問題提起をしてきた核心政策方向とその速度については全く言及しなかった」

    文大統領は、完全に経済を診断する能力を失っている。表面的な雇用数の動向に惑わされて、中身を見ようとしないのだ。40代の雇用が17万9000人も減った最悪事態を理解出来ずにいる。これが、弁護士という「証拠」に基づくやり取りを職業にした人間の判断力であろうか。ただ、人権とか民主主義とかいった型にはまった弁論ばかりやってきた弁護士稼業のなれの果てとも見える。「40代の雇用減少」という証拠をどう判断するのか。それが問われている。

     

    (3)「この日の会議は文大統領の経済認識が1カ月前の青瓦台首席・補佐官会議の時に話した「韓国経済が正しい方向に向かっている」という既存の楽観論に留まっているところを見せたといえる。懸念された点がもう一つある。文大統領はこの日、「民間活力を高めるために建設投資の役割も大きい」とし、来年の総選挙を控えて政治的誤解を受けかねない建設景気浮揚カードまで切った。現場の声に鈍感な経済認識であるうえ、野党の反発を呼びかねない財政拡大カードとしては、下降している経済活力を引き上げることはもちろん国会の協力を得ることすら難しい。このような会議をなぜあえて「緊急」としたのか、疑問が残るばかりだ」

     

    この日の経済会議が緊急の名において招集した狙いは、大型公共事業を始める狼煙であったようだ。来年4月の総選挙を前に、地方に空港を建設するなど大型建設プロジェクトを用意しているからだ。韓国は現在、8社の航空会社がある。さらに、5社が進出する計画である。人口5000万人の国家に13の航空会社が必要であるはずがない。空港を建設する手前、航空会社新設を許可しているのだろうが、すでにとも倒れ状態だ。

     

    政府の反日不買で、日本旅行を減らさせており、航空会社は一斉に社員へ「無給の強制休暇」をとらせるほどの落込みである。そこへ、空港の建設を正式に決めるとなれば、国民はどう受け取るであろうか。文政権は、もはや理解を超えた不可思議な政権になっている。

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    歴史を見る上で、欠かせない視点の一つは経済であろう。だが、政治学だけしか専攻しなかった人の見解は、著しい偏りが見られる。韓国の反日論においても、日韓併合時代の経済発展のすべてを無視し、ただ日本に搾取されたと主張している。日本によって、近代化が進んだという視点をすべて無視した議論を行なっている。およそ、実証科学でなく想像の世界である。

     

    朝鮮の近代化の基盤が、日本の財政負担で作られたという事実すら抹殺している。こういう歴史に向き合う態度が、公平であるはずがない。良い面も悪い面もすべて飲み込んで理解する。その時はじめて、朝鮮の発展史が身近ものとして理解できるであろう。

     

    日本人学者が、中韓経済が危機に瀕している事実を忘れ、とんでもない見解を韓国紙『ハンギョレ新聞』のインタビューに答えている。日本の政治学者が、中韓経済についてその構造的な脆弱性も知らずに評価しているのだ。その姿は、気の毒にすら見える。日本では、中韓のGDP成長率が高いから、中韓を羨んで反感を持っていると主張している。この日本人学者に、経済の素養が少しでもあれば、こうした恥をかかずに済んだと思う。

     

    中韓の読者でも、日本と中韓の経済発展の段階が異なっているぐらいのことは知っている。人間に喩えれば、初老の人間(中韓)は高齢者(日本)よりも身のこなしが早いもの。その中韓の体力が急に衰え、日本の後を追っているのだ。現実には、年齢差を超えて日本の方が健康体である。失業率は、日本の方がはるかに低いことで立証済みである。日中韓の体力比べでは、中韓の衰えが目立つ。

     

    『ハンギョレ新聞』(10月17日付)は、「日本社会に横たわる韓中への嫉妬、韓日関係を難しくする」と題する記事を掲載した。

     

    筑波大学の進藤榮一名誉教授は、アジア未来フォーラム初日の今月23日午後「東アジアの新たな秩序と平和」と題して中国・清華大学人文学部の汪暉教授と特別対談を行う。進藤教授は米国外交、アジア地域統合、国際政治経済学の専門家で、現在は国際アジア共同体学会代表、『一帯一路』日本研究センターのセンター長も務める。フォーラムでは、アジアの持続可能な未来のためにどのように協力すべきかに焦点を当てる予定だ、という。

     

    (1)「進藤教授は最近のハンギョレとの電子メールでのインタビューで、安倍晋三首相をはじめとする保守政権だけでなく、日本社会全般に広がっている「潜在的嫉妬」感情が韓日関係を悪化させると説明した。進藤教授は「日本のバブル崩壊後、急速な経済発展に成功した中国と韓国に対する『潜在的嫉妬』が日本社会にある」と指摘する。同氏は「韓国、中国の経済発展と日本の長期低迷期間が重なる。『ジャパン・アズ・ナンバーワン(世界一の日本)』が終わりをむかえたことで、政府、財界、メディア、一般国民の間で中国、韓国に反発する感情が高まり始めた」という」

     

    日本人が、中韓に経済面で嫉妬しているという「進藤説」は、初めて聞く話である。韓国を喜ばせるという意図によるのでないかと疑うほどである。国民1人当りのGDPを持出すまでもなく、日本と中韓の差はある。この差は今後、逆転するだろうか。潜在的な経済発展性は、合計特殊出生率で大方の見当がつくもの。この値が、日本は「1.4台」であるが2025年までに「1.8」へ引上げる総合的な施策が行なわれている。幼稚園から大学まで、教育費の無料化がその推進役である。

     

    中韓の合計特殊出生率はどうか。中国は、低下しすぎて公表を取り止めてしまったほどだ。推計では、「1近辺」とされる。韓国は昨年で「0.98」で世界最低である。今年はさらに悪化して「0.89」と見られる。合計特殊出生率一つ見ても、中韓は日本よりも低く、経済発展力は息切れ状態である。学者であるならば、この程度の基本データを抑えて発言すべきだ。

     

    (2)「日本社会の世代変化も影響したと分析する。日本の植民地支配など「戦争を知らない世代」が日本社会の主流となり、「日本が犯した歴史の過ちを忘れて狭い意味での『愛国主義』に閉じ込もっている。従軍慰安婦(性奴隷)、強制徴用問題などを解決しない日本を見る時、アウシュビッツの歴史的誤りをいまも謝罪し続けているドイツとは対照的」と指摘する。そして、進藤教授は「本当に心配だ。日本がアジアと世界の信頼を失うことになるだろう。困難であっても韓日の知識人、報道関係者、政治家、経済人が活発に交流し、連帯できる仕組みを作らなければならない」と強調した」

     

    ドイツは、ユダヤ人を抹殺しようとした人類への犯罪である。日本の太平洋戦争が、他国領土を侵害した意味では深い反省が必要である。だが、その冒した罪を、ナチスと同列に扱う進藤氏の意図を疑うほかない。それは、日本の天皇の罪を問うという思想上の動機でないだろうか。日本が、再び軍事国家になるという認識は、世界情勢を見誤っている。集団安全保障時代に、日本一国が軍事国家になれば周辺から浮き上がり、集団安全保障体制は成り立たないのだ。

     

    (3)「進藤教授は、米国が主導した世界秩序「パックスアメリカーナ」が終わり、世界の軸がアジアに移りつつあると主張する。これは中国の「一帯一路」を念頭に置いたものだ。一帯一路とは、2013年に習近平主席がカザフスタンを訪問して初めて提起した構想で、古代シルクロードのように内陸と海洋に多様な道を作ってユーラシアとアフリカ大陸を一つに繋げようというものだ。進藤教授は「一帯一路は軍事的同盟ではなく、社会的・経済的関係をもとに信頼を築いて、貧困を解消し、テロの可能性を縮小し、地球環境の持続可能性を高める方向に進もうというもの。中国だけでなく日本、韓国が参加してシンクタンクの設立など積極的に取り組むべき」と述べた」

     

    下線をつけた部分は、中国共産党の代弁にすぎない。「一帯一路」が、中国による「債務漬け」を引き起こしている事実に何の疑問も持たないのは、学者としての公平性に欠けると見る。私も研究を志す一人として、余りにも研究スタンスの違いに驚くのだ。

     

     

     

     

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