勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    韓国政治は屈折している。同じ歴史問題でも中国への批判は遠慮しがち。日本へは速射砲で反応してくる。この違いは何か。中国へは恐怖感が先立ち、言いたいことも言えない遺伝子が、過去3000年の歴史の中で生まれているのだろう。片や日本へは遠慮会釈なく非難の矢を放つ。儒教における日本は、化外(けがい:野蛮国)扱いである。韓国政治は、現実を無視して古代の価値観に縛られて日本を見ている。歴史観にいささかの進歩もなさそうだ。

     

    『中央日報』(10月26日付)は、「また中国の顔色伺い? 同じ歴史わい曲めぐり日本には『遺憾』、中国には『疎通』」と題する記事を掲載した。

     

    韓国政府が韓国戦争(朝鮮戦争)の責任を米国に転嫁した中国に対して一歩遅れて「ローキー(low-key)」基調の立場を明らかにして問題になっている。



    (1)「韓国外交部は25日、中国の習近平国家主席が韓国戦争を米国帝国主義侵略に対抗した戦争だと規定したことについて「韓国戦争勃発など関連事案はすでに国際的に論争が終わった問題で、このような明らかな歴史的事実は変わり得ない」とし「韓国戦争が北朝鮮の南侵によって勃発したというのは否定することができない歴史的事実」と明らかにした。続いて「韓国政府は関連動向を鋭意注視していて、われわれの関心事案について中国側と必要な疎通と措置を取っている」と強調した」

    朝鮮戦争の勃発の過程は、旧ソ連の崩壊によって「秘密資料」が公開された結果、北朝鮮と中国が開戦責任を負うべきであることが明らかになっている。中国は開戦時に朝鮮人部隊を編成して、38度線を突破させた。こういう経緯から言えば、習近平国家主席が朝鮮戦争を米国帝国主義侵略に対抗した戦争だと規定したことは、大嘘というべきだ。

     

    (2)「習主席は今月23日、「抗米援朝参戦70周年記念式」で「米国政府は国際戦略と冷戦思考から出発し、韓国の内戦に武力干渉することを決めた」と演説した。米国から北朝鮮を守るために参戦が避けられなかったという中国の韓国戦争観がそのまま反映された発言だった。朝鮮戦争の責任を否定する中国の態度は新しいものではないが、中国最高指導者の口から直接出た発言だったため波紋を呼んだ。特に、習主席のこの日の行事出席は、2000年の江沢民元主席以来、20年ぶりのことだった」

     

    習近平氏は、「抗米援朝」(米国に対抗し北朝鮮を支援)という意味で、朝鮮戦争の責任を米国に押し付けようという魂胆である。これは、現在の中国が米国の圧力を受けて身動きできない状態に陥っていることへの意趣返しである。

     

    (3)「中国最高指導者のこのような歴史わい曲発言が出てくると、韓国内では直ちに批判世論が起きたが、政府は動かなかった。満一日が過ぎた24日夕方になってから立場を表明した。「また中国の顔色伺いをしているのではないか」という指摘が自然に出てきた。一歩遅れて発表された政府の反応も水準が低かった。抗議どころか遺憾表明もしないまま疎通を強調したのは、低姿勢とは何が違うのかということだ」

     

    韓国政府は、習近平氏による歴史を歪曲する発言に対し沈黙した。この無様な態度を、韓国メディアが批判している。醜いほど、中国に傾斜しているとしか言いようがない。

     

    (4)「一部では、「日本の指導者級が歴史わい曲をしてもこのような形で対応するだろうか」という批判まで出てきた。実際、今月17日、日本の閣僚や議会関係者らが靖国神社に供物を奉納した際、外交部は直ちに報道官の論評を出して「深刻な遺憾を表す」とし「韓日関係の未来志向の発展要求に応じるよう強力に促す」と明らかにした」

     

    韓国は、靖国神社問題まで干渉してくる。厳密に言えば、韓国は日本によって「戦場」になった訳でないから、「発言権」はないのだ。戦勝国気分で、日本を批判しているにすぎない。便乗組である。

     

    話は変わるが、福島原発処理水問題で政府として抗議しているのは韓国だけである。他国からは、そのような声が聞かれないのだ。韓国という国が、日本に対していかに越権行為をしているかを物語る事例である。

     

    (5)「今回の習主席の発言に関連し、政府の立場表明の方式も釈然としなかった。外交部は政府の立場を当局者名義の論評などを通して公開するのではなく、メディアの問い合わせに回答する形式を取った。それもせいぜい3行にすぎなかった。これは日本の靖国供物奉納に対して報道官名義の論評だけではなく、フェイスブックでコメントまで出しながら強力に対応したこととは対照的だ

     

    韓国政府は、対中国については腫れ物に触るような態度だ。日本には言いたい放題。こういう矛楯に気付かないとすれば、韓国進歩派の「いいからかげん」さを象徴している。まともに相手にならない政権である。

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    WTO(世界貿易機関)次期事務局長選で、日本政府は韓国候補者を支持しないと決定した。目下、空席のWTO事務局長選は、最終候補者が二人に絞られている。韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長と、ナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相の二人だ。ともに女性候補である。候補者選定の調査は、27日まで行われる予定という。

     

    『共同』(10月25日付)は、「日本、韓国候補を不支持へ、WTO次期事務局長選」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「日本政府は、韓国とナイジェリアの2人に絞られた世界貿易機関(WTO)の次期事務局長選を巡り、韓国候補を支持せず、ナイジェリアの候補を推す方針を固めた。韓国は日本による輸出規制強化を不当としてWTOに提訴しており、韓国候補が当選した場合、紛争解決手続きの公平性に影響しかねないと判断したもようだ。複数の政府関係者が25日、明らかにした」

     

    韓国は、兪明希氏の当選を目指した猛運動中である。文大統領と康外交部長官は、電話で各国首脳へ攻勢を掛けている様子が報道されている。さすが、日本へは敷居が高いと見えて、電話攻勢を控えている。韓国が、WTO事務局長ポストに執念を見せているのは、今後の日本へ圧力を掛ける目的である。

     

    日本にとって、韓国は「天敵」になった。理由の如何を問わず、「憎い日本を叩く」ことが韓国の国是である。福島原発処理水問題もしかり。科学的根拠を無視して反対する韓国だ。

     

    (2)「近くWTO側に日本の立場を伝える。WTOは各加盟国にどちらを支持するか聞き取りし、11月上旬までに次期事務局長を選ぶ予定だ。最終候補は、韓国産業通商資源省の兪明希通商交渉本部長と、ナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相である」。

     

    ナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相は、政治経験が豊富である。電話一本で各国首脳と話せる立場だという。

     

    『聯合ニュース』(10月24日付)は、「WTO事務局長選、韓国がナイジェリア候補を猛追」と題する記事を掲載した。

     

    世界貿易機関(WTO)事務局長選を巡り、韓国政府が初の韓国人トップを誕生させるための努力を続けている。

    (3)「韓国政府は多少不利だった状況がやや改善したとみて、欧州連合(EU)など主な激戦地に対する支持要請を行っている。韓国外交部は23日、WTOが19日から164カ国・地域の加盟国を対象に事務局長選で最終の2人に残った産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長とナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相のうち、どちらを支持するかについて最後の調査を行っていると伝えた。調査は27日まで行われる予定という」

     

    27日までに、各国の意向が判明する。

     


    (4)「投票権がないEUを除いた163カ国・地域中、82カ国・地域からの支持を得れば過半数を超える。オコンジョイウェアラ氏は16日に開いた記者会見で、79カ国・地域が自身を支持していると主張した。韓国外交部はアフリカの43カ国・地域の多くはオコンジョイウェアラ氏を支持し、アジア地域の国の多くは兪氏を支持するとみている。まだ支持する候補を示していないEUから支持を受けることが重要と考え、支持要請に注力している」

     

    オコンジョイウェアラ氏は79カ国・地域が自身を支持していると発言。韓国外交部はアフリカの43カ国・地域の多くはオコンジョイウェアラ氏を支持し、アジア地域の国の多くは兪氏を支持するとみている。82ヶ国の賛成があれば「当選」である。オコンジョイウェアラ氏は、すでに79ヶ国の支持を得たという。あと3ヶ国の支持があれば当選という圧倒的に有利な立場である。

     

    (5)「EUに加盟する27カ国は慣例で同じ候補を支持するため、1人の候補に27票が集まる可能性が高い。東欧諸国の場合は韓国企業による現地への投資で良好な関係にある国がある。だが、欧州諸国は植民地支配など歴史問題のため、アフリカと特殊な関係にあることは韓国が不利と言える。韓国外交部の当局者は記者団に対し、「韓国の候補はすべての地域で均等な支持を得ている」とし、「対外的に明らかにすることはできないが、アフリカでもかなり多くの国が韓国の候補を支持している」と伝えた」

     

    EUは、候補者を一人に絞って投票する。過去の欧州とアフリカの関係から、韓国は不利とされる。

     


    (6)「WTO事務局長選は加盟国による全会一致を必要とするため、過半数の支持を得ても、米国、中国、EUなど影響力の強い国や地域の反対がないことが重要となる。WTOは調査に基づき、11月7日までに加盟国による合意を目指す。一方が圧倒的な支持を得れば合意は難しくないものの、大差がない場合、全会一致までの過程が複雑で時間がかかる可能性もある。米国は11月3日に投開票される大統領選が変数になるが、韓国に友好的で、中国は立場を明らかにしていない。米中ほどの影響力はないものの、日本が反対する可能性もある。日本は水面下で韓国候補への不支持を広めているもようだ。当初韓国政府はナイジェリア候補の国際的な評価が高いことから、苦戦を予想しており、兪氏が最終の2人に残ったこと自体が期待以上の成果との評価もある」

     

    日本が、水面下で韓国候補への不支持を広めているという。感情的に言えば、「韓国候補者支持」とは言えない立場だ。反日の韓国が、こういうときだけ日本へ接近できるはずもあるまい。

     

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    文在寅大統領は、韓国を極めて危険な方向へ導いている。米中対立の長期化という国際問題が起こっていながら、その方向性を見通す努力がゼロである。米中が対立すると、韓国からの中国向け輸出が減って困る、という程度の認識なのだ。混迷した事態の中で、韓国の安全保障をどうすべきか、という根本的な問いかけはない。

     

    豪州は、対中貿易比率がトップでも中国の経済報復に敢然と立ち向かっている。経済的問題は一時的だが、安全保障問題は永遠の問題である。豪州には、こういう認識があるから「インド太平洋構想」に積極的に参加している。片や韓国は、豪州とは真逆で「インド太平洋構想」に背を向けている。この違いは、国際情勢への認識の差によるものだろう。もっと突き詰めれば、文大統領の「従北・反日」という民族主義で、世界を見る目が曇っているからだ。

     


    『朝鮮日報』(10月25日付)は、「反日・従北の民族主義が大韓民国を脅かす」と題する寄稿を掲載した。筆者は、ユン・ピョンジュン教授である。所属大学は不明。

     

    光復(日本の植民地時代からの解放)75周年が過ぎた今も、反日民族主義は続いている。文在寅(ムン・ジェイン)政権の「官制民族主義」により韓日関係は崖っぷちに立たされた。市民社会は、日本帝国主義の残滓清算を掲げて中学、高校の校歌を変更したのに続き、幼稚園という名称を幼児学校に変えようという動きが盛んだ。政権支持率の絶対兵器である官制民族主義は、民心に根差した反日感情と爆発的な相乗作用を呼び起こしている。反日民族主義を批判すれば、土着の倭寇(注:日本人の海賊)というレッテルが貼られ、やがて生き埋めにされる。

     

    (1)「民族とは想像された共同体」という主張がある。「民族が民族主義をつくったのではなく、民族主義が民族をつくった」というのだ。血統と言語を共有する5000年の白衣民族を誇る韓国人には驚くべきことのように聞こえる。長期にわたって持続した血統、言語、文化の上に建設された韓国民族主義と、近代の産物である西洋民族主義を平面的に比較するのは難しい。しかし、民族主義が民族を呼び起こすというのは明白な事実だ」

     

    「民族が民族主義をつくったのではなく、民族主義が民族をつくった」という指摘は、現在の文政権にピッタリの言葉である。文氏は政権就任以来、「反日一筋」である。過去3年間も「反日」を叫んできたのだから、韓国の反日感情が絶頂に達して当然だろう。一方では、虚しさもあるはず。日本を批判して何のプラスがあるのか。安全保障面で、韓国を危機に追い込むだけである。

     

    (2)「北朝鮮問題も感性的な民族主義が主流となっている。北朝鮮労働党創建75周年記念閲兵式の筋肉自慢でも、文在寅政権は金正恩(キム・ジョンウン)委員長のリップサービスによって一喜一憂する。しかし、大韓民国を焦土化する北朝鮮の核兵器と「愛する韓国の同胞たち」を慰める金正恩委員長の民族主義の修辞は、正反対の概念だ。「まさか北朝鮮が核で同族を攻撃することなどあろうものか」といった「同民族」に対する願望思考が、金正恩委員長による韓半島(朝鮮半島)統一戦略を見事なまでに覆い隠している」

     

    文大統領は、日本を危険視し北朝鮮愛に燃えているが、これほど視野狭窄症はない。ソウルの目と鼻の先では核が日々、製造されている。その核が韓国で使われない保障はどこにもない。朝鮮戦争を始めたのは中国と北朝鮮である。その中朝に燃えるような愛をたぎらせる文在寅氏とは、いかなる頭脳構造であろうか。

     

    (3)「反日感情の縦糸と従北情緒の横糸が韓国民族主義を歪曲している。北朝鮮が日本植民地時代の残滓をなくし、民族史的正統性でリードしたという偽りの歴史観が民族主義を汚染している。感傷的な民族主義は、厳しい国際政治に対する冷徹な認識を妨げる。21世紀の新冷戦時代を迎え、朝鮮半島は米中の帝国覇権競争の最前線となっている。民主主義と市場経済を共有した韓日間の相互協力は、「帝国中国」の無限なる膨張から韓国の主権を守る合従連衡の国家戦略資源だ。即物的な反日感情を超え、冷静な克日と用日が新たな韓国民族主義のキーワードにならなければならない」。

     

    文氏の民族主義は、北朝鮮出身の両親が抱いた「望郷の念」と変わるまい。それは純粋だが単純であり、米中対立の長期化という国際情勢進展の中で、正確な判断を誤らせる「邪念」になり得るのだ。火薬庫となった朝鮮半島で、韓国の安全保障をどう守るのか。文氏の頭脳を超えた問題になってきた。

     


    (4)「血統と習慣に縛られた種族的反日・従北民族感情は、歴史の退行にすぎない。種族的限界を振り切る市民的民族主義であってこそ、韓国民族主義が復活するのだ。反日・従北を超えて克日・克北に向かうとき、道が開かれる。光復75周年に実体もつかめない親日派という言葉を持ち出すのは、自由と正義の共和制の敵にすぎないのだ

     

    反日・従北と言う言葉ほど、民族感情をくすぐる言葉はあるまい。それは、一種の麻薬である。将来展望のない刹那の言葉だ。一国の大統領が、そういう麻薬言葉を使って国民を「痴呆」にさせている。無責任な政治家と言うほかない。

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    韓国は、科学分析を信用しない社会である。思い込みで動いている社会だ。日本は福島原発処理水問題で、IAEA(国際原子力機関)と密接な連携を保ちながら無害化を進め海洋放出する準備を進めている。

     

    ところが、韓国メディアや市民団体は、こうした科学的分析を無視した空騒ぎを行い、日本があたかも「天下の大罪」を冒すような論調にすり替えられている。韓国の原子力発電所も原発に伴う排水は、海洋放出しているのだ。それを棚に上げて、日本が世界で初めて行う、といった調子の誇大宣伝の記事を書いているから驚く。朝鮮民族とは、どういう民族なのか。深い疑問に包まれるのだ。

     

    『中央日報』(10月25日付)は、「福島『処理水』処分に科学的接近が必要」と題する寄稿を掲載した。筆者は、ジェイムス・コンカ米フォーブス科学コラムニストである。

     

    新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)のため経済活動が鈍化するなど、全世界が大きな影響を受けた。このような悪条件の中で福島原発を運営する東京電力は最近、争点に浮上した福島原発「処理水」の処分に苦心している。処理水とは、放射能汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化した後、福島原発のタンクに貯蔵しておいた水のことで、現在約1000個の大型タンクに入っている。


    (1)「専門家らはこの処理水を規制基準値以下の状態で海に放流することを勧告していて、現在としてはこの方法が最善策だと口をそろえる。途方もない水準の放射性物質が含まれているという一部の憂慮とは違い、1リットルの処理水からはポテトチップ1袋またはバナナ4本と似た水準の放射性物質しか検出されない。また東京電力はALPSで汚染水から62種の放射性物質を取り除いて規制基準値以下にし、現在の処理水にはトリチウム(H-3)だけが含まれている」

     

    トリチュウムも無公害化の科学的見通しはついている。

     

    (2)「一部の懸念とは違い、関連分野で長期間研究してきた筆者のような人は、トリチウムがすでに自然界に存在する物質であり、海に放流しても問題はないということをよく知っている。現在までも複数の国の原発施設から海などに放流されたことがあり、トリチウムによって海洋生態系および人々の健康が深刻に脅かされた事例もない」

     

    トリチュウムは、すでに自然界に存在している。海洋生態系および人々の健康が深刻に脅かされた事例もないというのだ。韓国社会では、ことさら危険だ、危険だと騒ぎ回っている。自国の原発から放出されている点は、全く不問に付している。

     


    (3)「またトリチウムは半減期が比較的短いうえ、海洋生物や海底堆積物に容易には吸収されず、ベータ放射線を放出するので、海に放流するのが適切だ。そしてトリチウムは大気の自然な過程によってすでに多くの量が海洋に存在している。特に地球に現在存在するトリチウムの99.9%は数十億年間にわたりそうであったように自然の大気中で形成される。これと比較すると福島処理水のトリチウムの量は心配するほどの水準でない」

     

    韓国は、下線で指摘されているような点について全く無視している。あたかも、慰安婦問題や徴用工問題と同じセンスで「日本糾弾」に夢中だ。


    (4)「放射性物質を海に放流するという発想は多くの人を不安にさせる。しかし問題はまさにここにある。トリチウムは人体に有害という認識とは違い、現実は全くそうではない。他の放射性核種と異なり、トリチウムはすぐに希釈されて体内から抜ける。実際、トリチウムが含まれた水の危険度は非常に低いため、世界各国の原発からすでにこれが排出されたこともある」

     

    トリチュウムが、遺伝子を損傷させるという主張もされている。だが、「すぐに希釈されて体内から抜ける」という。科学的な分析では、巷間の指摘と全く異なるのだ。韓国の非科学的な主張は、「反日運動」の一環である。野蛮性を帯びた危険な議論をしていることに付合うのは疲れ果てるのだ。



    (5)「2011年の東日本大震災から9年が過ぎた現在、日本政府は福島処理水をどう処分するのかについて専門家の助言に耳を傾ける一方、国際機関とも積極的に協業している。東京電力はすでに放射能汚染水を放流可能な安全水準に浄化するため、ALPSを通じて62種の放射性物質を除去した。また今年2月の日本訪問中に福島原発を視察したラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長は処理水放流について技術的な観点で見ると国際慣行に合うと明らかにした。さらに日本政府はトリチウム数値のモニタリングおよび食品安全検査を強化する案も考慮中という」

     

    このパラグラフでは、日本政府ができうる限りの措置を取っていると指摘している。韓国の議論になると、この部分が完全に抜けている。意図的な報道である。

    (6)「処理水の放流に反対する人たちも確かにいる。しかし結局、日本政府が処理水を放流してこそこの問題が解決され、これを通じて我々は未来に向かって進むことができる。処理水を貯蔵しておく場合、この懸案は数十年間続くはずだ」

     

    この問題では、感情論でなく科学的な根拠に基づく議論がすべてである。こうした点になると、韓国社会は追いつけないのだろう。だから、感情論一本槍の扇動的な話になる。危険な社会である。



    (7)「常にそうであるようにすべての問題は、認識とそれによる憂慮に帰結する。科学者として我々は、根拠に基づいて解決策を提示できるが、これをめぐり意見が対立することもある。福島処理水の処分については、科学的な根拠に基づき合理的な判断が下されることを期待する」

    この寄稿文を掲載したされている一方で、『韓国経済新聞』(10月24日付)は、「福島原発の汚染水放流方針を撤回すべき」とする社説を掲載している。もはや、紹介するのも徒労に終わる。 

     

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    韓国は不思議な国である。国民は、安全保障の相手国として圧倒的に米国へ依存している。だが、文政権はその米国と隙間風をつくり、中朝へ親愛感を示すという「ねじれ現象」である。国民と文政権の間で、米国への親近感が異なるのは、文政権に根本的な問題がある。

     

    「インド太平洋構想」でも、文政権は距離を置いている。思想的に「親中朝派」の文政権では、インド太平洋構想に加わることが、中朝に対する大変な「裏切り」という自責の念を持っているのであろう。米韓同盟がありながら、米国と敵対する中国へ秋波を送る。戦国時代であれば、韓国は裏切り国として「成敗」を受ける立場だ。

     

    『朝鮮日報』(10月24日付)は、「バイデンが当選しても韓国の安全保障は危うい」と題する寄稿を掲載した。筆者は、チェ・ガン・アサン政策研究院副院長である。

     

    米大統領選挙は、韓国の生存に大きな影響を与える。米国は、中国や日本と比較して、道徳的価値と韓半島(朝鮮半島)に対する領土的野心という面で「韓国が頼れる同盟国」といった意識が韓国には存在する。米世論調査機関のピュー・リサーチ・センターによると、トランプ大統領に対する韓国人の好感度は17%にとどまっているが、米国への好感度は59%に上るなど、調査対象となった13カ国のうち最も高かった。

     


    (1)「韓国の安保を巡る状況は、構造的に改善が困難な局面へと突入した。5000万人の国民の生存が韓国の意志とは関係なく、米国や中国、そして北朝鮮の決定によって決着が着くのではないかといった不安は拭えない。次の大統領がトランプ大統領であれバイデン候補であれ、「米国優先主義」がさらに強化された米国外交政策と向き合うようになる恐れがある。トランプ大統領の中国政策が手荒いと非難されてはいるが、中国の浮上が米国にとって最大の脅威だという見方は、共和党と民主党の間で了解済みの案件だ。米国社会内で悪化した中国に対する世論を考慮すると、「経済は中国、安保は米国」といった立場を維持するのは容易でない」

     

    日本では、日米安全保障条約を完全に信頼しているので、安全保障問題で孤立感を持つことはない。韓国ではそれが逆である。米国依存でなく、中国依存という政治グループ(文政権支持派)がいるから驚かされる。国論が統一されていない、バラバラの国である。韓国では、「経済は中国、安保は米国」という。だが、「安保も中国」という特殊グループが文政権には入り込んで、「獅子身中の虫」の悪さをしているのだ。

     


    (2)「トランプ大統領のアプローチが、南北の和解と協力に重点を置いている韓国政府と互いに通じてはいる。しかし、この裏にはトランプ大統領が韓米同盟を取引対象としかねないという変数が存在する。トランプ大統領にとって重要なのは米朝間の対話が与える宣伝効果であるため、北朝鮮から一部の非核化措置を引き出すために軍事演習の縮小、あるいは中断、さらには在韓米軍の削減を選択する可能性もある」

     

    韓国が、米国から見放されるという危機感を持っているのは、芯から米国と一体化するという意識が欠如しているからだ。「親中朝」という思いが、いつも頭の隅にあるから、米国も韓国を「外様」扱いしている。

     

    (3)「バイデン候補はトランプ大統領が掲げた「米国優先主義」から脱し、同盟関係を復元、米国の国際的リーダーシップを回復すると約束した。対話による北核問題の解決を強調している点は、「戦略的忍耐」と表現しつつも、北朝鮮の非核化に手をこまねいていた「オバマ2.0」の前轍(ぜんてつ)を踏む恐れもあり、懸念される。民主党政権の内部分裂で政策に混乱が生じる恐れがあり、バイデン陣営内の軍縮専門家らは北朝鮮を核国家として受け入れる軍縮会談の開催を主張しているが、これこそまさに北朝鮮がこれまで要求してきたことであり、韓国の安全保障をさらに危うくするだろう」

     

    米軍が、日本から撤退するとか兵員削減という話は聞かない。だが、韓国の場合、しょっちゅうそういう議論が出るのは、米韓同盟の親密さが掛けているからであろう。中国への秋波は、韓国の安全保障を危険に追い込むことを知るべきだろう。米台関係と米韓関係を比べて、米韓同盟の関係性が希薄化しているのは、韓国文政権の「中国秋波」が原因であろう。

     


    (4)「韓国は、北朝鮮の非核化が放棄できない目標であるという点を明確にしなければならない。北朝鮮を核国家として受け入れる「スモール・ディール」が持つ危険性を指摘するとともに、北朝鮮が非核化の意志を明確に示す場合は制裁を緩和し、関係改善も進めていくという原則を固守していかなければならない。日本との関係改善を模索し、中国に対しては自由民主主義と市場経済の価値と規範に忠実な姿勢で対応していかなければならない」

     

    日韓関係が、喧嘩別れ状態である。米韓同盟も隙間風。こういう状況で、韓国の安全保障が完璧を期せるはずがない。中国からすれば、この迷える韓国を「射止める」べく動くのは当然である。「僚友」のない国が、安全であるはずがないのだ。

     

     

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