勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    与党「共に民主党」候補の李在明氏は、支持率が30%台で伸び悩んでいる。これまでの歯切れの良い「日本批判」とは、打って変わって「土下座」戦術に出ている。「泣訴」だ。この土下座戦術によって、支持率は高まるのか。「感情8割・理性2割」の韓国である。同情票が出るかも知れないであろう。

     

    『朝鮮日報』(1月25日付)は、「李在明候補『暴言は過ち、人徳が足りなかった』演説中に涙も」と題する記事を掲載した。

     

    韓国大統領選に与党共に民主党から出馬する李在明(イ・ジェミョン)候補は24日、地縁が深い京畿道を訪ね、「完全に新しい政治で応えたい」と訴えた。「京畿道1号公約」を発表する場ではひざまずいて謝罪し、幼少期を過ごした城南市では家族史や兄嫁への暴言などについて説明し、終始涙を流した。支持率が一定範囲内で伸び悩む状況で、「反省」と「泣訴」で支持率の反転を図る戦略とみられる。

     


    (1)「李候補は、京畿道竜仁市で首都圏交通公約を発表する直前、「謝罪の言葉を表する」としてひざまずく予定外の行動を取った。李候補は「ちょうど新年であり、歳拝(新年のあいさつ)と謝罪の気持ちを兼ね、これからは『今までとは完全に違う新しい政治で応える』という覚悟を表現しようかと思う」と述べ、京畿道選出の民主党議員とともに土下座した」

     

    日本でも、ときおり土下座をする候補者はいる。だが、大統領という国家元首を選ぶ選挙で、土下座するとは驚きである。李候補だけでなく民主党議員も一緒に土下座したのだ。あれだけ、威張り散らしてきた与党議員が、「選挙のためなら」と心にもない振る舞いをするのだろう。

     


    (2)「民主党が『ネロナムブル』(自分がすればロマンス、他人がすれば不倫=身内に甘く、身内以外に厳しいこと、ダブルスタンダードの意)だというお叱りがあるが、間違った言葉ではないと思う。我々には誤りが多いが、果たして大韓民国が未来に向かうのか、再び過去に逆戻りするのか、国民の判断を心から求めたい」と語った。李候補は昨年11月にも尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補の支持率が急上昇した時期に甥の殺人事件の弁護を行っていた問題で世論が悪化し、同様にひざまずいて謝罪している」

     

    李氏は、最大野党候補のユン氏が前検察総長であったことから、「検察国家再来」と危機感ばらまいて歩いている。与党「共に民主党」は、検察改革と称して検察による文政権犯罪捜査を阻止し、新たな捜査組織を強引に作ったのだ。文大統領が、退任後に捜査される懸念を払拭する厚かましさである。最も文氏に都合のいいように、検察改革を組み合えた腹黒さは永遠に指摘されるであろう。

     


    (3)「城南市長時代の「最大の治績」として強調してきた大庄洞開発の現場は訪れなかった。代わりに大庄洞事業が自分とは無関係だという点を強調し、野党国民の力を「悪どい人たち」「ノミにも体面がある(ノミでさえ体面があるのに、人間ならばなおさら体面がなければならないという慣用句)」などと強く批判した」

     

    大庄洞開発は、李候補にまつわる最大のスキャンダルである。関係者3人が、相次いで自殺するどす黒さを秘めている。李氏が、城南市長時代に手がけた不動産開発プロジェクトである。暴利を貪ったことで知れ渡っている。この企画を推進したのは、市長であった李氏なのだ。当人は、全く無関係として逃げ回っている。

     


    (4)
    李候補は、政治的な故郷である城南市では個人の経歴と家族を巡る論争について釈明するのに大半の時間を割いた。30分の演説では終始涙を流した。李候補は同市上大院市場での即席演説で、「ここが李在明とその家族が生計を営んでいた場所だ。ここまでやって来たが傷跡があまりに多い」と泣いた。李候補は慶尚北道安東市出身だが、10代の時代を家族と共に城南市で暮らした」

     

    李氏は、貧しい家庭に生まれた。小学校卒業後、すぐに工員として働いた。中学校・高等学校は検定試験であり、大学は法学部へ入学し司法試験に合格する。苦労人だが、それだけに「裏道」を知り抜いている。これが、李氏が多くの疑惑を呼んでいる背景だ。「二宮尊徳」ではなかったのである。

     


    (5)「李候補は兄嫁に対する暴言疑惑について、「(兄が)母の家に火をつけると脅迫し、母が私に先に電話してきた。それが始まりだった。(兄夫妻が)母をどこをどうかしてやると人間として言ってはならない残酷な話をした」と指摘。その上で、
    「私にとって母は天(のような存在)だったのに、なぜそんなことを言ったのかと言うと、『哲学的表現も理解できないのか』と言うので罵倒した」と経緯を語った。李候補は「私が暴言を吐いたのは誤りだった。人徳が足りなかった」とし、「こんな問題で家族につらい傷をほじくらないでほしい」と訴えた。

     

    このパラグラフを読むと、身がつまされる。李氏の母親への思いを聞くと、幼い頃の家庭環境が浮かび上がるからだ。貧しい家庭を切り盛りした母親への気持ちが、人一倍強かったのであろう。

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    韓国は、これまで「安保は米国、経済で中国」と米中を上手く使い分けしてきた。だが、米中デカップリング(分断)は、もはや不可避の状況になっている。中国で習近平氏が下野しない限り、韓国流の外交戦術は限界を迎える。

     

    当の韓国文政権には、前述のような深刻な亀裂が米中に広がっているという認識が希薄である。韓国には「米中外交のバランサー役になる」という夢想を抱いている者までおり、世界情勢に疎いのである。

     

    『ニューズウィーク 日本語版』(1月25日付)は、「米中の間で『いいとこ取り』してきた韓国が、半導体供給でついに決断を求められる」と題する記事を掲載した。筆者は、ジン・カイ広東省社会科学院准教授である。

     


    (1)「韓国は長年にわたり、自分たちの地政学的環境を大国間、特に米中の間の「小さな隙間」と表現してきた。しかし、ジョー・バイデン米大統領が宣言した米中の「戦略的競争」が新たな局面を迎え、技術的・財政的なデカップリング(分離)に突き進む今、韓国の戦略的選択に転機が訪れようとしているのだろうか。アメリカは、中国を遠ざけ対峙する必要性を強調し、多くの国にアメリカの政策に従うよう強く働き掛けている。それに対し中国は、内需拡大に舵を切り、内需と外需が促進し合う「双循環(2つの循環)」戦略を掲げている。こうした動きを韓国は警戒する。韓国の高官は折に触れて、経済面では中国が、安全保障面ではアメリカが、自分たちにとって重要な役割を担っていると強調している

     

    韓国の外交認識は、朝鮮李朝末期と同じで極めて偏っている。自己中心的であり、世界は韓国のために回っているという幻想に取り憑かれている。反日は、その最たるケースである。

     

    (2)「韓国の呂漢辜(ヨ・ハンク)産業通商資源省通商交渉本部長は、「世界で約50カ国はアメリカが、約100カ国は中国が、最大の貿易相手国だ」と、16日付の韓国日報で語っている。「私たちは今、大国の共存と持続可能性のモデルを模索している」。韓国貿易協会によると、昨年10月の時点で、韓国の半導体輸出の40%以上が中国向けだ。しかし、中国市場への依存が高いからこそ、韓国としては、生産や物流の拠点を分散させる日本の「チャイナプラスワン」戦略のように、中国市場にとどまりながら新しい市場も積極的に開拓することを検討せざるを得ない」

     

    韓国の半導体輸出は、40%以上が中国向けである。韓国は、この高い依存度のゆえに、逆に不安定性を抱えるという警戒感がない。総合的な視点で物事を捉える感覚がないのだ。

     

    (3)「世界のサプライチェーンで重要な役割を演じるようになったASEAN市場は、日本と韓国にとって明らかにカギとなる地域となりつつあるようだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権が掲げる東南アジア戦略「新南方政策」も、ASEAN諸国との経済的・人的なつながりを繰り返し強調している。3月の大統領選挙の結果にかかわらず、ASEANは韓国の南方外交およびグローバル外交の重要な軸になるだろう」

     

    韓国は今後、ASEANへ進出せざるを得ないが、ここにはすでい日本企業が完全に根を張っている。今後は、日本と激しいバッティングが始まる。その際、技術力と資本力の総合的競争で韓国が劣る。

     


    (4)「韓国と日本はいくつかの懸念を共有し、いくつか共通の戦略を採用しているものの、中国を見据えたアメリカのサプライチェーンの再編成に沿って日韓が深く協力するという可能性は、少なくとも短期的には低いだろう。両国の政治と歴史と領土の問題が、より包括的で深い協力関係を妨げ続けている。一方で、インドは「中国の支配を終わらせ、主要産業のサプライチェーンのハブとして台頭しようとしている」と、韓国外国語大学のラジブ・クマール教授は指摘する」

     

    日韓の歴史問題は、大袈裟に言えば永遠に解決しない。問題解決のカギは、韓国が握っている。韓国が、未来をどのように展望するか、である。その際、日本の支援がいるかどうか。冷静に計算してみれば分ることであろう。

     

    (5)「クマール教授はさらに、韓国の対インド投資が増えていることを踏まえて、両国が協力してサプライチェーンを再編成することによって中国の影響力に効果的に対処し、新しい「インド中心のサプライチェーン」を構築できるのではないかと提案する。米中のデカップリングは避けられそうにない。そして、アメリカは韓国に対し、グローバルなサプライチェーンの再編成においてより積極的で、信頼性が高く、レジリエンスのある役割を求めている。韓国としては、日本、インド、ASEAN諸国を中心とする「脱中国化」した地域およびグローバルなサプライチェーンを構築するためにも、あらゆる面でアメリカと協力するべきだろうか」

     

    インドは、日本との関係が深い。「クアッド」(日米豪印)で同じ価値観と対中戦略で結ばれている。韓国がここへ割って入るには、日本の「了解」が前提になる。その意味で、韓国は反日運動をする限り、日本の拒絶に遭うはずである。韓国は、国益のためにも日本と協力せざるを得ない立場である。アジア「後発国」の宿命だ。

     

    (6)「アメリカは同盟国に圧力をかけることも辞さず、強硬路線を取るようだ。韓国の半導体メーカーに中国市場への輸出に関する内部情報の提供を要求するだけでなく、韓国企業に中国の半導体工場への先端機器の出荷を停止するよう迫っている。韓国外交安保研究院の崔鎮百(チェ・ジンベック)は昨年4月に次のように警告している。「米中のデカップリングのペースは今後数年で加速する可能性がある。これにより、ワシントンと北京の経済的な相互依存度が高かった時期にソウルが維持していた、韓中の緊密な経済関係が崩壊するだろう。北京が『双循環』を推進するということは、韓国が『アメリカとの同盟関係を強化しつつ、中国との経済協力を深める』という戦略が、現実的な選択肢ではなくなるということだ

     

    韓国は、ヌエ的な立場で利益を得ようという狡猾な考えに立っている。これは、もはや許されることでなく、旗幟を鮮明にしなければならない。それが、真の同盟国の在り方である。



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    習近平国家主席が、文大統領の70回目の誕生日に祝賀メッセージを送った。韓国大統領府は、「韓中両首脳は今年で修交30周年を迎え、両国がこれまでの関係発展成果に基づき、韓中戦略的協力パートナー関係を一層発展させていく」と話している。

    中国は、韓国の次期大統領選に関心を寄せている。間違っても、野党保守党候補が当選しないように願っていることは確実である。そのために、内政干渉に値する越権発言をしているのだ。韓国を「戦略的協力パートナー」でなく、「属国」扱いしているのだ。

     

    今月20日に開かれた「韓中修交30周年および北京冬季オリンピック(五輪)記念国際学術大会」では、なんと「韓国大統領候補は、選挙期間に中国に関連した敏感な問題に言及しないよう希望する」と隣国大統領選挙へ言及したのだ。発言の主は、前駐韓中国大使の邱国洪氏だ。現職ではないが、こういう発言自体が異常である。韓国は、抗議すべきである。

     

    『中央日報』(1月24日付)は、「中国の『韓国大統領選挙干渉』遺憾」と題するコラムを掲載した。

     

    前駐韓中国大使の邱氏は、「一部の韓国政治家の言動が中国関連の敏感な問題を扱った」とし「新しい大統領が就任した後、良い中韓関係の始まりのために基礎をしっかりと固めよう」と述べた。「一部の韓国政治家」という表現自体のほうが鋭敏である。野党「国民の力」大統領候補の尹錫悦氏が、昨年末に駐韓米商工会議所を訪れた席で「韓国国民、特に青年たちの大部分は中国を嫌っている」と言及したのである。

     


    (1)「中国側の要人が、韓国大統領選挙をめぐり敏感な話を取り上げている。昨年の国民の力と中国側の攻防が出発点だ。昨年7月12日、国民の力の李俊錫党代表が米国ブルームバーグのインタビューで、中国を「民主主義の敵」と表現した。続いて同月15日、尹氏が中央日報のインタビューでTHAAD(高高度ミサイル防衛体系)と中国レーダーに言及した。すると中国は、ケイ海明駐韓中国大使と趙立堅外交部報道官が直接抗議した」

     

    中国は、与党候補の発言は好意的に取りあげ、最大野党候補の発言には敏感に反応して抗議する。これは愚策である。国内干渉になるのだ。そういう区別ができない点が、中国の外交音痴ぶりを表している。

     


    (2)「韓国大統領選挙の局面における中国側の発言に懸念の声が出ている。韓国・亜洲(アジュ)大学のキム・フンギュ教授は、「世界的にも最も否定的な韓国の対中世論を考慮する場合、主権と内政不干渉の原則に反しかねない中国要人の不適切な発言は、両国関係に資するところがない」とし、「大統領候補も国内政治を外交に延長せずに国家アイデンティティと国益を明確に提示する必要がある」と話した」

     

    中国は、米国大統領選での候補者発言について沈黙している。だが、韓国大統領選では、越権行為をして内政干渉の発言をする。韓国を「属国」扱いしている証拠だ。

     

    (3)「中国が韓国大統領選挙に敏感なもう一つの理由は、昨年文在寅政府が米国に傾いたという「疑い」にある。北京外交界では、昨年5月21日のワシントン韓米共同声明のほうが4月の日米共同声明よりも中国に及ぼす影響が大きいという評価が共有されている。当時、韓米共同声明は英文A4用紙7枚(1万7725字)分で、日米声明の5枚(1万4285字)よりも多かった。付属文書を合わせると約3万4000字と2万4000余字でさらに大きな開きがある

     

    中国は、日米共同声明と米韓共同声明の字数を比較して、韓国の方が多いとして重要視したという。子どもじみた発想である。質的な評価をしないあたり、中国外交はどこを見ているのか怪しくなってくる。

     

    (4)「内容でも「台湾海峡の平和と安定」をはじめ、気候・グローバル保健・5G・6G・半導体・サプライチェーン(供給網)回復力などグローバルイシューをもれなく扱った。ラテンアメリカでの民主的価値や人権協力まで盛り込んだ。日米声明にはない内容だ。中国側は、「韓国が米国と経済・科学技術・価値観・安全保障・外交など核心領域で協力を強化し、中米戦略競争の重要領域にさらに深く介入している」と分析した」

     

    中国は、韓国を「属国」扱いしてきたから、米韓同盟の突っ込んだ内容に驚いたのであろう。ただ、韓国はその後、米韓共同声明の内容にそって実行していないのだ。多分、中国からブレーキがかかったのであろう。あるいは、「脅迫」と言い換えてもいい。

     


    (5)「米韓共同声明後、中国は韓中外交を格上げした。11月16日、米中首脳テレビ会談の翌日、呉江浩部長助理(外務次官補)が張夏成駐中韓国大使と会い、北京駐在大使で初めて米中会談のバックブリーフィングを行った。25日には楊潔チ政治局委員が張大使を釣魚台に呼んで接見した。12月2日には天津で徐薫安保室長と楊委員の会談が、23日には崔鍾建外交次官と楽玉成外交部筆頭副部長(外務次官)間の戦略対話が続いた。2017年文在寅政府発足後、最も頻に行われた高官連続接触だった。中国はこの期間、THAAD配備後初めて中国内の韓国映画上映を許可した」

     

    中国は米韓共同声明発表後、韓国を従来よりも丁重に扱うようになったという。米韓は、同盟国である。中国が、その韓国を「属国」扱いして良いはずがない。中国外交の出鱈目さは、この一事でも分るのだ。

     

    韓国は、中国へ堂々と立ち向かうべきである。そのためにも、「反日」をやっていると、日韓不和を理由に中国から見下されるのだ。韓国は、これまで反日外交を行い、中国から粗略に扱われてきたことに気づくべきである。


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    先のオンラインによる日米首脳会談において、バイデン大統領は日本で開催される今春の「クアッド首脳会談」(日米豪印)で訪日が決まった。韓国は、この情報にヤキモキしている。訪韓の話が一切、出ていないからだ。韓国は、米国からの度重なるクアッド参加要請に反応しなかった。訪韓が、話題にも上がらないのは当然であろう。

     

    『朝鮮日報』(1月24日付)は、「バイデン大統領『今年上半期に訪日』 訪韓は検討もせず」と題する記事を掲載した。

     

    米国と日本の両首脳は今月21日(米国現地時間)にテレビ会談を行い、今年上半期に日本で米国、日本、インド、オーストラリアの4カ国による安全保障協力体「クアッド」首脳会議を開催することで合意した。米国のバイデン大統領と日本の岸田文雄首相はさらに「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調し、香港や新疆ウイグル自治区における人権問題への深刻な懸念についても共有したことを明らかにした。両国は北朝鮮による先日の相次ぐミサイル挑発についても共同で糾弾声明を出すなど、対北朝鮮政策や中国けん制路線で徐々に密着度を強めている。

     

    (1)「これに対して文在寅(ムン・ジェイン)政権は終戦宣言など任期末の「南北平和イベント」への執着を捨てられないことから「米国中心の対北・対中圧力路線から離脱している」との見方が浮上している。実際にワシントンでは「かつて米国が東北アジア政策の重要なツールとして活用していた韓米日三角協力が韓国の非協力的な態度でその機能を発揮できず、クアッドやAUKUSなど新たな安保協力体に依存するに至った」との見方もある」

     

    韓国は、日米韓三角協力の環から脱落して、南北融和路線を模索して突き進んでいる。文大統領の両親は、北朝鮮出身だけに文氏自身も北朝鮮が墳墓の地となる。北へは格別な思いがあって当然としても、それは私情である。大統領として外交の采配を振るう身とすれば、私情を封印して韓国の将来に身を捧げるのが筋だ。

     


    (2)「複数の専門家は、このように韓米日協力体制が揺らぐ状況でバイデン大統領訪日のニュースが飛び込んだことに注目している。バイデン大統領は昨年4月、就任後最初の首脳会談で日本の菅義偉首相(当時)、2回目には文大統領を選んだ。今回日本とはそれから約1年ぶりの首脳会談が実現したが、韓国との首脳会談は現時点で検討されていないという。韓国のある外交官幹部OBは「バイデン大統領が、東京だけを訪れソウルをパッシングするという万が一の外交惨事を懸念している」「大統領選挙を前に韓国の政治情勢が流動的であることを考慮しても、これはできれば避けたい状況だ」と述べた」

     

    バイデン氏は、クアッド首脳会談目的で訪日する。そのクアッド参加を拒んだ韓国が、バイデン氏に訪韓してもらいたいというのは、余りにも虫が良すぎる話だ。

     

    (3)「クアッド首脳会議に中国は極度に神経質な反応を示す。日本の読売新聞によると、今回の首脳会談でバイデン大統領は中国の習近平国家主席が、かつて米中首脳会談で「クアッド首脳会議は開催しないでほしい」と発言した逸話を紹介したという。当然、中国は強く反発した。日本の中国大使館は「(米日)両国が冷戦的な思考にこだわって集団政治を行い、陣営対立を扇動している」と批判した」

     

    習近平氏は、バイデン氏に対して「クアッド首脳会談を開催しないで欲しい」と要望した。日米豪印の対中結束が、習氏への圧力になっているのだ。これは、クアッド結成が成果を上げている証拠である。

     


    (4)「昨年1年の間に米国は、通商・外交・情報分野の閣僚や次官クラスを日本だけでなく韓国にも何度も派遣し、グローバル・サプライ・チェーンの再編など中国に対するけん制・圧力への韓国の参加も強く求めた。これに対して韓国は、今も明確な回答を示していない。米国中心の北京冬季オリンピックに対する外交的ボイコットも日本は即座にこれに同調したが、韓国は「ボイコットは検討していない」として事実上拒否の意向を明確にした
    。ワシントンのある外交筋は「昨年5月の韓米首脳会談後の共同声明は、米国による対中けん制路線に事実上韓国が加わる内容だったが、その後に韓国が示した行動はそうではなかった」と指摘した

     

    下線部分は、韓国の言行不一致を証明している。米韓共同声明では米国へ寄り添う姿勢を見せても、後は実行しないのだ。典型的な、「口舌国家」である。これでは、バイデン氏が韓国へも寄ろうという気持ちになるはずがない。

     

    (5)「北朝鮮が先日4回にわたりミサイル挑発を行ったことへの対応でも韓国と米国の温度差は明確になっている。米国は、北朝鮮が武力示威を行うたびに「安保理決議違反」として糾弾はもちろん単独制裁まで発動した。北朝鮮ミサイルの射程圏内にある韓国政府は、糾弾でなく遺憾という言葉ばかりを繰り返している。北朝鮮による挑発を糾弾する声明に韓国が抜け日本が加わるパターンも繰り返されている」

     

    韓国は、北朝鮮へ腫れ物に触るような逃げ腰である。これでは、北朝鮮に舐められて当然である。北にとっての韓国は、「でくの坊」に映っているに違いない。操縦しやすい相手なのだ。

     


    (6)「文大統領による最近の中東歴訪も「任期末外交が混乱している一つの断面」との指摘が相次いでいる。文大統領の歴訪はコロナの感染拡大や北朝鮮によるミサイルの連続発射という状況で行われた。青瓦台(韓国大統領府)は「必ず行かねばならない事情がある」と主張しているが、事前に予告していたエジプトへの防衛装備品輸出などは実現せず、アラブ首長国連邦(UAE)では首脳会談も行われなかった。そのため野党などからは「確実な成果が得られる見通しもないままこの渦中に席を空けるべきだったのか」との批判が出ている。上記の外交官幹部OBは「外交政策の優先順位に対する判断が麻痺したと言わざるを得ない」とコメントした」

     

    中等歴訪は、疑義の多い海外訪問であった。下線のように、UAEでは首脳会談が直前に中止となったのだ。「突発的な事故発生」が理由であるが、海外の賓客に対する態度ではない、文氏は、帰国に当たり「韓国の国格が確実に上がっている」と自画自賛した。こういう「お国自慢」をしているのも韓国らしい話である。

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    変わらぬ政権交代世論

    常用減でアルバイト増

    韓国労組は特権階級へ

    自営業の高比率が難点

     

    日本のシンクタンクが将来、一人当たり名目GDPで韓国が日本を抜くという予測を発表した。これは、OECD(経済協力開発機構)予測と真逆の結果である。今後の韓国の一人当たり名目GDPは、OECDで最低の伸びと予測しているのだ。

     

    予測では、結果しか公表されない。その試算過程は不明であるので、その予測が正しいかどうかを判定する方法がない。そこで別途、韓国経済の構造まで調べて見なければ、結論を出せないもどかしさがある。こういう細かい話は後へ回して、その手がかりになりそうなことから、韓国経済がどのような過程を踏むか見ておきたい。

     


    変わらぬ政権交代世論

    現在の大統領選は、他の先進国では見ることができないほど、家族の問題で沸騰している。与野党候補者の家族に関わる噂話が、メディアを賑わせている。そういう軽佻浮薄な現象の底で、政権交代を求める世論調査結果が、一貫して変わらない厳然たる事実が見られるのだ。

     

    調査期日       政権交代   政権維持

    11月29~30日  49.7%  34.8%

    12月28~30日  54.5%  36.6%

     1月15~16日  57.9%  33.5%

    (出所:『朝鮮日報』1月18日付)

     

    1月の世論調査では、政権交代が57.9%で政権維持33.5%を大きく引離している。韓国の世論調査では、「35%対55%」のルールがある。韓国の政党支持は、40%:40%:20%という。40%は、保守と進歩の固定支持層。20%は中道とされている。そこで、35%は、固有の支持層が離れて相手陣営を支持している。55%は、固有の支持層に加えて相手陣営と中道が合流している、というのである。

     

    この見方によれば、政権交代論が現政権支持派からも出ていることを示している。つまり、文政権の5年間で進歩派大統領に見切りを付けた形なのだ。こういう結果に、与党「共に民主党」は大いに悩み焦っている。それが、最大野党「韓国の力」候補夫人にまつわる「噂話」を肥大化させ、ばらまいている背景と見られる。

     

    与党支持メディア『ハンギョレ新聞』まで、この話を報道し「徹底糾明を求める」騒ぎだ。理由は、大統領候補夫人は、当選すれば「公人」となるので、「身元検証」するとしている。要は、野党候補の大統領当選を阻もうという見苦しい政権への忠義立てである。日本では見られない進歩派メディアの堕落である。

     

    文政権が登場した背景には、朴槿恵・前大統領の弾劾という異常事態があった。朴前大統領が、民間人に国政を壟断させたというものである。それだけに、文政権は大きな期待を背負って登場した。だが、その後の政策はすべて失敗した。特に大きな失敗は雇用破壊である。文政権は、労働組合の言いなりになって最低賃金大幅引上げを行い、雇用構造を破壊し、恒常的に失業者を増やす結果となったのだ。

     

    朴政権が、民間人に国政を壟断させたとすれば、文政権は労組に経済を壟断させた罪を犯したのである。文氏の経済政策が上手く運んでいれば、「政権交代」世論が支配的になる筈もなかったであろう。

     

    韓国最低賃金引き上げ推移

    2017年  7.30%(朴政権が決定)

      18年 16.40%(文政権が決定)

      19年 10.90%(同    上)

      20年  2.87%(同    上)

      21年  1.50%(同    上)

    (出所:韓国最低賃金委員会)

     

    文政権は、朴政権までの一桁台の引き上げに対して18年には16.40%、19年も10.98%と二桁台の引き上げを行なった。これは労働生産性を大幅に上回るものである。韓国の労組が強力にプッシュした結果だ。こういう無謀な最低賃金大幅引上げに踏み切った理由は、最低賃金大幅引上げが個人消費を押し上げる「所得主導経済論」に基づく。だが、生産性上昇に見合った最低賃金引き上げでなければ逆効果になる。この事実に気付かない、お粗末な与党の知能水準であった。

     

    韓国の最低賃金法では、政府の決定した最低賃金を守らねば、経営者が刑罰を受けるシステムになっている。経営者は、自らが罰則対象になることを避けるため、やむなく従業員を解雇する事態になった。最賃法が、雇用を守るのでなく失業者を出すというアベコベの事態を招いたのである。

     

    こういう異常事態が、18~19年と二年連続で起こったのである。韓国の雇用構造が、根本的に破壊されたことは言うまでもない。特に、製造業で30~40代という「働き盛り」の青壮年が被害者になった。こういう背景があるから、「政権交代」世論が根強いのであろう。世論は、仕事を奪った与党を引き続き支持するほど甘くないのだ。(つづく)

     

     

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