勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    韓国は、北朝鮮に気に入れられたい一心である。当の北朝鮮は、残り任期が1年余の文政権と話合ったところで、成果を上げられないと踏んでいる節が強い。盧武鉉(ノムヒョン)政権がそうであった。4ヶ月の任期を残す段階で南北首脳会談を行ったが、何一つ実現されなかったからだ。

     

    韓国は、こうした北朝鮮の本音が分からずに、北朝鮮の利益代弁をしようとしているところに文外交の最大の矛楯が潜んでいる。米国バイデン政権は、北朝鮮の非核化を徹底して行う方針である。一方、韓国民主平和統一諮問会議の首席副議長は21日、「米国が、北朝鮮が核兵器を保有していることを認め、拡散しない方向で管理することができる」とも述べているのだ。ここら当たりが、韓国の腹の底にあるものだろう。将来の南北統一を前提にして、日本へ核で対抗するという野心を持っているに違いない。

     


    『東亜日報』(1月25日付)は、「
    北朝鮮核問題への『新たな戦略』を予告した米、『平和プロセス』に固執する韓国」と題する社説を掲載した。


    バイデン米政権が、対北朝鮮アプローチと関連して、「新たな戦略をまとめる」と明らかにした。大統領報道官は22日、「バイデン大統領の立場は疑問の余地なく北朝鮮の核弾道ミサイルと核の拡散は世界の平和と安全保障にとって深刻な脅威だというものだ」とし、このように明らかにした。バイデン政権が北朝鮮に対する「新たな戦略」に触れたのは初めて。

    (1)「バイデン政権の『脱トランプ政策』で北朝鮮政策も例外ではないということを公式化したのだ。首脳間の親交や大統領の突発行動による対話の進展といった「トランプ式アプローチ」は今後ないということだ。ホワイトハウスは新たな戦略について、「現在の圧力策や将来的な外交努力の可能性など、日本や韓国などの同盟国と緊密に協議しながら対北朝鮮政策の見直しを進めていく」とし、同盟間の協議を強調した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「強対強、善対善」の対米戦略を掲げたことに対してバイデン政権が新たな戦略で応酬したことで、米朝間の神経戦が本格化した」

     

    バイデン政権は、北朝鮮の非核化を目指すことに変わりないことを明確にしている。韓国は、公式には南北融和を進めて非核化を目指すという姿勢である。だが、韓国の非核化はかなり曖昧な部分がある。南北統一が先で非核化を後回しにしてもいいという本音もちらついているからだ。南北統一後に、米国がどうやって北の非核化を実現できるのか。韓国は、こういう不可能なことを、さも実現できそうに提案する「ずる賢さ」がある。

     


    (2)「韓米の安全保障担当が23日、国防長官が24日、電話会談を行い、韓米同盟の堅固さと緊密な協力を再確認したことは、最近新型SLBM(潜水艦弾道発射ミサイル)「北極星5」などを公開して核の脅威を強めている北朝鮮に向かって「挑発するな」という警告だ。オースティン米国防長官が、米戦略兵器の韓半島の展開といった「拡大抑止力」を強調したのも、これと無関係ではない」

     

    米国は、北朝鮮に対して核兵器の禁止方針を貫いている。

     

    (3)「しかし、韓米国防長官会談ではなかった北朝鮮に対する「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」方針が、日米国防相会談では言及された。日米韓の北朝鮮核問題への見解で相違が生じているのではないか懸念する声もある。民主平和統一諮問会議の首席副議長は21日、「米国が、北朝鮮が核兵器を保有していることを認め、拡散しない方向で管理することができる」とも述べた」

     

    日米国防相会談は、北朝鮮の非核化で一致した。米韓国防長官会談では非核化で一致したというコミュニケが出ていない。韓国側が反対したのであろう。現に、民主平和統一諮問会議の首席副議長は21日、「核管理方式」を提案している。この非核化を巡る米韓の食違いは今後、米韓の対立点になる可能性が出て来た。

     

    (4)「韓半島の平和の核心条件は北朝鮮の非核化であり、これは米国が北朝鮮と解決しなければならないということを政府も認めている。バイデン政権が北朝鮮核問題に対する新たな政策を設けるまで時間がかかるため、政府はこの機会を積極的に活用しなければならない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は21日、終戦宣言で始めて平和体制の構築で終わる「韓半島平和プロセス」に対して、「選択ではなく進まなければならない道」と述べた。米国が北朝鮮核問題の新たなアプローチの模索に乗り出したことで、政府も柔軟に対応する必要がある」

     

    北朝鮮の核問題は、韓国だけの問題でない。日米にも深く関わる問題である。となれば、文大統領が、単独で北朝鮮と取引する問題を超えていることが分かる。韓国は、北朝鮮が核を持っていることで、単なる南北問題では終わらないことを自覚すべきである。北朝鮮の代理人になることは許されないのだ。

     

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    あじさいのたまご
       

    文大統領は、残りの任期が1年余に迫った現在、北朝鮮との対話再開に全力を上げている。これに役立つと思えば、日本との膠着状態解消に向かって動き始めるほど。いったんは骨抜きにした日韓慰安婦合意について、「合意は存在する」とまで前言を翻したのだ。

     

    肝心の北朝鮮は、文大統領の任期が少なくなっている点を計算しているとの見方が出て来た。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代、任期4ヶ月を残す時点での南北合意は、何ら実行されずに終わったという事実があるのだ。北朝鮮が、こういう過去を振り返れば、文大統領と交渉再開するか疑問というのである。

     

    韓国系北朝鮮専門家である米国ブルッキングス研究所韓国碩座、チョン・パク氏(韓国名パク・ジョンヒョン)が、次のように気になる発言をしている。文政権は、「北朝鮮政権との関係で進展がほとんどない」と指摘したのだ。『朝鮮日報』(1月15日付)が報じた。パク氏は、元CIA分析官を務めた人物である。


    『中央日報』(1月26日付)は、「金正恩の時間、文在寅の時間」と題する記事を掲載した。筆者は、同紙のイェ・ヨンジュン論説委員である。

     

    「分離線は簡単に越えることができるものだが、歴史的なこの場にくるまで11年かかった」。2018年4月27日、板門店(パンムンジョム)で文在寅(ムン・ジェイン)大統領と向き合って座った北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の第一声だった。金委員長は「失われた11年」という表現を何度か使いながら「過去にいくら良い合意や文が出てきても、まともに履行できなければ失望を与える」と語った。

     

    (1)「金委員長が話した「過去」とは2007年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記の10・4南北首脳会談を意味する。当時の合意文にある約束はほとんど守られなかった。金正恩委員長は「失われた11年」の責任をそれとなく韓国のせいにし、核開発で制裁を自ら招いた責任には触れなかった。実際、10.4合意は発表当時から守られないという予想が多かった。盧武鉉政権の任期がわずか4カ月しか残っていない時点に莫大な予算が必要な事業を総網羅したものだったからだ。北朝鮮は任期末の政権を安易に相手にしてはならないという教訓をこの時に痛感したはずだ。いま文在寅政権の相次ぐ提案にも反応しない冷たい態度も残りの任期と無関係ではないとみられる」

     

    金正恩氏は、「失われた11年」という言葉を繰返した中に、盧武鉉・金正日の首脳会談が何らの成果を残せなかったことを指している。そうとすれば、文在寅大統領についても残す任期の短さから見て、同様の推測が可能だろう。

     


    (2)「文大統領も先週の記者会見で「残りの時間は多くない」と述べた。大統領の選択は鄭義溶(チョン・ウィヨン)前安保室長を外交部長官に指名したことで浮き彫りになった。大統領は新年記者会見で「シンガポール宣言から再び始めて交渉していけば、速かに米朝および南北対話ができるだろう」と述べた。この発言のように、南北首脳会談、米朝首脳会談を積極的に推進するのが彼の任務であるはずだ。愚直にこれまでの道を進むという執念、あるいは最後の瞬間までリンゴの木を植えるという姿は高く評価されるが、柔軟な現実感覚が見えないのが残念でならない」

     

    文大統領は、次期外交部長官に鄭義溶氏を指名したが、これこそ北との交渉で最後の大勝負に出た印象を強めている。ただ、鄭氏はトップダウン方式の交渉に向くが、バイデン米政権のボトムアップ方式の外交には不適というジレンマを抱えている。

     

    (3)「最も大きな問題は米国の新政権との認識の違いだ。バイデン大統領は米朝首脳会談を成果のないリアリティーショーと規定し、その時間を利用した北朝鮮の核武装強化を防げなかった失敗作と評価する。米朝会談の仲裁者だった鄭義溶候補(注:次期外交部長官)は「非核化プロセスは不可逆的な段階に進入し、北もこの過程を戻すことはできない」と述べた。バイデン政権と調整された政策を用意するのは決して容易でないという予想が出てくる理由だ」

     

    鄭氏が、バイデン政権と上手く歩調を合わせられるかは疑問である。米国と外交方式が異なるからだ。

     


    (4)「今この瞬間、金正恩委員長の頭の中は、バイデン政権の動向を探知して今後の動きを予測することで一杯だろう。筆者は金正恩委員長が対話も挑発も急がないとみている。金委員長は「時間は我々側にある」と語った。昨年10月の党創建75周年軍事パレード当時、「我々は(5年前に比べて)強くなり、試練の中でさらに強くなっている」と述べながらだ。南北首脳会談、米朝首脳会談に応じながらも不断に核武力を増強させたことに満足感を表したのだ」

     

    北朝鮮の金正恩氏は、最終目標である核増強に向けて動いている。軍事力に頼っている以上、南北首脳会談を急ぐ理由はない。ましてや、残り任期が1年余の文在寅氏と会談して合意しても、実行はされないと見ているからだ。


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    2021-01-25

    韓国、「急旋回」文在寅、バイデンの外交戦略へ接近し南北対話再開の糸口「探る」

     

     

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    文大統領は先の大統領府会議において、日米豪印の「インド太平洋戦略」への参加に前向き姿勢を示した。米ワイトハウス高官も、これを既定事実として受取とっており、韓国はもはや引き下がれない局面に向かっている。

     

    昨年までは、中国に気配りして「米中曖昧戦略」を取ってきた。中には、韓国が米中関係のバランサー役になるとまで、理想論を語ってきたものだ。米中対立の長期化必至の状況下で、韓国がバランサー役とはおこがましい話である。米韓同盟によって、米国に守られている韓国が、米中の仲裁役とは自惚れも甚だしいこと。韓国の反日は、こういう自惚れが生んでいる産物とも言える。

     


    『東亜日報』(1月25日付)は、「米大統領補佐官『韓米同盟はインド太平洋地域の核心軸』」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「徐薫(ソ・フン)大統領府国家安保室長は23日、バイデン米政権のジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と初めての電話会談を行い、北朝鮮核問題の解決策と韓米間の協力について協議した。サリバン氏は、「韓米同盟はインド太平洋域内の平和と繁栄の核心軸」と表現したことをめぐって、バイデン政権が文在寅(ムン・ジェイン)政府に中国牽制の必要性を強調したという観測が流れている。ホワイトハウスは、「サリバン氏が、北朝鮮核問題に対する韓米間の調整の重要性を強調した」と明らかにした」

     

    米バイデン政権のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、米韓同盟が「インド太平洋域内の平和と繁栄の核心軸」と発言した。これは、韓国が「インド太平洋戦略」のクワッド(日米豪印)に加わることを意味する。米前政権時にも、韓国へ「クワッド+α」のαとして参加するように求めていた。米国の上げた「α」候補国は、韓国・ベトナム・ニュージーランドの3ヶ国である。

     

    トランプ政権時の「勧誘」に対しては、曖昧戦術で通してきたが、バイデン政権ではもはや曖昧戦術は通用しない雰囲気になってきたに違いない。ここで宙ぶらりんな立場であれば、北朝鮮問題も棚上げされることを懸念してきたからだろう。

     


    (2)「康珉碩(カン・ミンソク)大統領府報道官は同日、書面で、「両者は最近の韓半島情勢に対する評価を共有し、韓半島の非核化と平和定着という目標達成に向けて協議し、努力していくことで意見が一致した」と明らかにした。また、「サリバン氏は『韓米同盟はインド太平洋域内の平和と繁栄の核心軸だ。民主主義、法治の価値を共有する同盟として、今後韓国と様々な懸案について緊密に協議していく』と話した」と伝えた。これに先立ち、バイデン大統領も就任前の昨年11月、文大統領との電話協議で、韓国を「インド太平洋地域の安全保障と繁栄の核心軸」と強調した」

     

    バイデン政権は、北朝鮮問題をインド太平洋戦略の中で捉えている。北朝鮮の核問題は、東北アジアの安全保障と深く関わっている。仮に、北朝鮮に核保有が認められるならば、自動的に日韓の核開発問題に繋がるはずだ。米国にとって、日本が核保有国になることは絶対に阻止しなければならない命題である。太平洋戦争で死闘を繰り広げた相手の日本が、核武装することは米国の安全保障上において、最大のリスクであるのだ。

     

    日本がなぜ核兵器禁止条約に加盟しないか。これは、日本の曖昧戦術で米国をけん制している結果だ。米国が、日本の核開発を止めたいならば、北朝鮮に核保有を許すなという示唆であろう。こういう解釈が成り立つとすれば、北朝鮮の核問題は短期間に解決せず、文政権が意図する南北交流開始は相当先のことになろう。

     


    (3)「サリバン氏が、「民主主義、法治を共有する同盟」とまで強調したのは、韓米は中国とは違って「民主主義価値同盟」であるため、中国への圧力に韓国が参加しなければならないという考えを繰り返し表わしたとみられる。オースティン米国防長官も24日、徐旭(ソ・ウク)国防部長官との電話会談で、「韓米同盟は北東アジアの平和安定の核心軸であり、最も模範的な同盟と評価する。同盟関係をさらに堅固に発展させるよう緊密に協力する」と述べた」

     

    バイデン氏は、同盟国の結束を呼び掛けている。米韓同盟が、一枚岩になることが不可欠なのだ。この前提に立てば、韓国の二股外交はあり得ない。韓国が、インド太平洋戦略に参加するのは当然という結論になろう。

     

    (4)「ホワイトハウスは、両者が電話会談を行ったことを明らかにし、「サリバン氏が、韓米同盟をさらに強化するというバイデン政権の公約を強調した」とし、「新型コロナウイルスや気候変動の対処など地域やグローバルな問題だけでなく、北朝鮮問題に対する緊密な調整の重要性を強調した」と述べた。文大統領は早ければ今週にもバイデン氏と電話会談を行うとみられる。大統領府関係者は、「国防部に続き外交部長官など韓米の外交安保トップ間の電話会談の後、近く首脳間の電話会談があるだろう」と述べた」

    米韓首脳会談で、韓国の「将来コース」が決められる。米国から、米韓同盟の精神に則った行動が要求されるだろう。

     

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    2021-01-22

    韓国、「一大決心」文大統領、バイデン氏の歓心買うべく初めてインド太平洋戦略に「言及」


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    韓国国内は、旧慰安婦賠償判決で大荒れである。韓国政府が、「日本にいかなる追加的請求もしない」と明らかにしたからだ。これに対して慰安婦原告側は25日、「被害者が判断して、日本政府へ強制執行しろというのか」と反発している。

     

    韓国政府は23日、慰安婦被害者が日本政府を相手取り損害賠償を請求して勝訴した判決で、「政府レベルでは日本に追加請求しない方針」と明らかにした。その上で「慰安婦被害者と相談し円満な解決に最後まで努力したい」と説明した。この政府説明が、原告側に十分に伝わっていないようである。

     

    原告団は、賠償金を日本に求めないという姿勢を示してきた。原告団の過半が、先に日本政府の提供した資金10億円の一部を受領しているからだ。ここで、判決に従いさらに一人1億ウォン(940万円)を受け取れば「二重取り」となって、逆に批判される側に立たされるのだ。

     


    『中央日報』(1月25日付)は、
    「『慰安婦判決困惑している』文大統領の急変…『私が知っている大統領なのか』」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「旧日本軍慰安婦被害者に対する日本政府の損害賠償責任を初めて認めた韓国裁判所の判決が23日に確定した。韓国政府が、「日本にいかなる追加的請求もしない」と明らかにした。この日慰安婦被害者側代理人のキム・ガンウォン弁護士は中央日報との電話で「人権を標榜する政府と大統領なのか」と反問し、「韓国政府が日本との関係を意識して態度が急変したようだが、被害者の心は深く傷付いている」と話した」

     

    韓国政府はこれまで、司法判断には介入しないとの立場であった。だが、日韓関係悪化を放置できないので、「積極介入」に転換した。この結果、韓国政府が「日本にいかなる追加的請求もしない」と明らかにしたのだ。

    (2)「大韓弁護士協会のチェ・ボンテ日帝被害者人権特別委員長は、「日本政府の資産を強制執行する状況まで行くのは最悪のシナリオで、これを韓国政府が乗り出して防いでも具合が悪い状況なのにやるべきこともやらないということ。被害者が判断して強制執行をしてほしいとそそのかすのと変わらない」と批判した」

    韓国には、日本政府資産の差押えが外交的に最悪事態という指摘も出ている。

     


    (3)「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は最近になり韓日外交関係に対し立場変化を見せた。文大統領は18日の記者会見で、裁判所が慰安婦被害者に対する1億ウォンの補償を決めた判決に対し「困惑している」「強制執行の方式で(日本企業や政府の財産が)現金化されたり判決が、実現される方式は両国関係に望ましくない」として苦しさを表明した。これまで韓日間の懸案に強硬な立場を取ってきた態度とは変わった」

     

    文大統領の対日姿勢は最近、急速に変わっている。融和的になってきたのだ。これは、7月の東京五輪を舞台に、文氏が日米韓朝4ヶ国の首脳会談を目指しているためだ。

     

    (4)「文大統領は、「慰安婦判決は2015年の合意が両国政府間の公式的な合意だったとの事実を認める」とも話した。2017年12月に韓日慰安婦合意検討タスクフォースの調査結果発表後、「手続き的にも内容的にも重大な欠陥があったことが確認された」と明らかにしたのを事実上翻意した格好だ。2018年2月に日本の安倍晋三首相(当時)との首脳会談で「政府間の交渉で解決できるものではない」としていた話とも違う」

     

    このパラグラフでは、文大統領がこれまで発言してきたことと、大きく食い違っている点を指摘している。反日から親日(?)へ切り替わったような印象である。韓国の旧慰安婦賠償裁判の関係者は、この変化に戸惑っているのである。

     


    (5)「慰安婦被害者側は、外交的解決が見込めない場合、強制執行手続きに入るほかないという立場だ。キム・ガンウォン弁護士は「すでに差し押さえ可能な日本政府の資産内訳を確認する作業に着手した」と明らかにした。日本企業強制徴用賠償判決の時のように日本政府の韓国内資産を差し押さえた後に売却し賠償金に替える方法を探すという話だ」


    下線のように外交的解決を前提にしている。これは、韓国政府がすでに明確にしている。政府が、「日本にいかなる追加的請求もしない」と明らかにしたからだ。日本が、提供した10億円の使い残しがあるはずである。ただ、「二重取り」はすべきでない。これだけは、念を押しておきたい。

     

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    「溺れる者は藁をもつかむ」という言葉通り、文大統領は南北対話再開の糸口を探るため、米国バイデン政権の外交戦略に100%乗るという方向を明らかにした。インド太平洋戦略の「クアッド」(日米豪印)にも参加し、日韓問題も日本の主張に接近するという、これまでなかった方針を打ち出している。ここまで変身してでも、南北対話再開にこぎつけたいという執念を見せているのだ。

     

    『中央日報』(1月25日付)は、「文政府の対日基調が変わった 『日本に追加請求しない』」と題する記事を掲載した。

     

    韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の外交戦略が急旋回している。中国を牽制(けんせい)するために韓日米同盟の強化が必要だと主張する米国バイデン政府の要求を受け入れると同時に、南北問題まで考慮した流れだ。


    (1)「文大統領は、今月21日に自ら主宰した国家安全保障会議(NSC)で、「韓半島(朝鮮半島)を含めたインド太平洋地域の秩序が急激な転換期に入りつつある」と話した。この発言は、米国が主導し、日本・インド・オーストラリアなどが参加する中国封鎖戦略である「日米豪印戦略対話」(QUAD=クアッド)を念頭に置いたものだ。文大統領任期序盤の2017年11月には当時の金顯哲(キム・ヒョンチョル)経済補佐官がインド太平洋戦略に対して「(韓国は)そこに編入される必要がない」と話し、外交的な波紋を呼ぶほどだった。だが、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の雰囲気は大きく変わった」

     

    文政権はこれまで、中国重視の外交を進めてきた。南北対話を軌道に乗せるには、中国のご機嫌取りをすることが第一という判断からだった。だが、中国重視の軌道から離れて、米国と一体化する外交戦略の中で、南北対話再開のチャンスを握る方向へ切り替わる。そのためには、インド太平洋戦略の「クアッド+α」に参加する意思さへ見せる、大胆な方向転換をするのだ。

     


    (2)「これは、バイデン大統領の強力な要求に伴う変化だ。バイデン大統領は選挙に当選したばかりの昨年11月、文大統領との最初の電話会談で「韓国はインド太平洋地域の安保と繁栄において核心軸(リンチピン)」と規定した。米国主導の東アジア戦略を受け入れろという圧迫であり、米中のうちどちらかを選べという最後通告だと解釈された」

     

    韓国が、「クワッド」入りを決意したのは、バイデン氏の圧力が大きかったと指摘している。

     

    (3)「文大統領の外交戦略の変化は、残った任期の間になんとか南北問題解決に向けた糸口を見つけるという切迫さのためというのが与党関係者の分析だ。政府組織「民主平和統一諮問会議」の丁世鉉(チョン・セヒョン)首席副議長はメディアとのインタビューで「米国は、北東アジア政策で中国問題が一番大きく、中国問題の付属問題として北朝鮮を考えている」と話した」

     

    文大統領は、南北問題がライフワークである。学生時代からの夢なのだろう。両親が北朝鮮出身であることから、祖先墳墓の地は北朝鮮である。文氏は、自分の魂も北朝鮮へ帰るという深い思いがあるに違いない。こういう信念がなければ、ここまで外交基軸を一挙に変える決心はつくまい。

     

    (4)「文大統領が、短期間内に韓半島政策の成果を出すには、米国の要求に応じるよりほかはないという状況認識だ。特に文大統領は、このため韓日関係改善にも速度を出し始めた。米国は中国封鎖戦略の基本条件として韓日米同盟の強化が不可欠だと判断している。文大統領は今月18日の記者会見で「慰安婦判決は2015年度の合意が両国政府間の公式的な合意だったという事実を認める」とした。2018年2月、安倍晋三前首相との首脳会談で「政府間の交換式交渉で解決できるものではない」としていた言葉を、事実上、翻したことになる」

     

    文氏の思い通り、早期の南北対話再開にこぎつける情勢が生まれるだろうか。率直に言ってその可能性は、極めて小さいと言うほかない。バイデン氏が同盟国の意思統一をするには時間もかかる。中国の思惑封じという外交戦略は、思いつきではできないからだ。こうして対中戦略を確立したうえで、北朝鮮問題に取りかかるであろう。となれば、文氏の希望が叶うのは先の話になる。

     

    文氏が、日韓関係改善に動いているのは、米国の心証を良くするためだ。特に日韓慰安婦合意では、バイデン氏が副大統領時代にバックアップした事案である。それを、文氏がぶち壊したのだから、元通りにする「義務」がある。

     


    (5)「文大統領の立場変化は政府の公式対応にもそのまま反映された。韓国政府は23日のコメントを通じて、改めて「慰安婦合意が公式合意であることを認める」とし「政府レベルでは日本に追加請求しない方針」」と表明した。日本に対しては、外交的論争が避けられない法的賠償の代わりに「自ら表明した責任痛感と謝罪・反省の精神に立脚して被害者らの名誉・尊厳回復と心の傷の治癒に向けた真の努力を見せるべきだろう」と要請した。また、姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使が日本赴任直後に記者団と会った席で、日王を「天皇陛下」と呼称したことも日本側の世論を刺激しないというジェスチャーだ」

     

    文氏は、自ら振った「反日の旗」を取り下げるのである。韓国国内の反日派には、納得のいかない方向転換に映るに違いない。文氏の支持率低下に影響するだろう。こういう副作用を覚悟しても、文大統領は南北対話再開を図りたいというのが本音なのだ。


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