韓国経済が揺らいでいる。今年のGDP成長率は、「2%割れ」が定説になってきた。潜在成長率は2.5%とされているから、大幅なマイナス・ギャップに落込んでいる。来年の企業格付けは、全面的な引下が予告された。実質的な失業率は上昇の一途である。
それでも、「反日」となれば結束する。文政権の中身のない「平等・公平」なるお題目を無批判に受入れている大衆。この呪文に酔って、国民が「心中」しかねないリスクの中で生活している異常な事態だ。外国人投資家から見れば、「クレージー」に映るはず。韓国株を売る理由には事欠かないのだ。
麻生副首相は9日発売の『文藝春秋』2020年1月号で、「万が一、韓国側が徴用工判決で差押えしている民間企業の資産の現金化などを実行したら」「厳しい例をあえて言えば」と前提を付けて次のように話した。「韓国との貿易を見直したり、金融制裁に踏み切ったり、やり方は色々ある」と。その上で「いずれにしても、日本より経済規模の小さい韓国が先に疲弊するのは間違いない。その上で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がどういう判断をするのか、ということ」。以上は、『中央日報』(12月11日付)が報じた。
韓国は薄氷を踏んでいるのだが、その自覚がゼロである。外国人投資家から見れば、危ない投資先に映って当然であろう。連日、韓国株を売り払って逃げ出している。
『韓国経済新聞』(12月11日付)は、「尋常でない外国人資金流出、株式・債券39億ドル売り払う」と題する記事を掲載した。
(1)「11月、韓国の株式市場と債券市場で39億6000万ドルの外国人資金が流出した。13カ月来の最大規模だ。韓国経済のファンダメンタルズ(基礎体力)に対する懸念が広がる中で米中貿易対立、北朝鮮の核リスクなどが再浮上すると外国人投資家が韓国金融市場から手を引いているのではないかとの分析が出ている」
下線をつけた部分が重要である。「ファンダメンタルズ」とは、懐かしい言葉だ。日本もバブル経済崩壊後、新聞に頻繁に出た文字である。韓国が、そのファンダメンタルズが問われている。もはや、腐りかかった土台になってきた。生産年齢人口の急減こそ、韓国経済がもはや立て直し不可能な未来を暗示している。外国人投資家が、「ヤバイ」と思うのは致し方ない。
(2)「韓国銀行が10日に発表した「国際金融・外国為替市場動向」を見ると、先月の外国人の韓国株式・債券投資資金は39億6000万ドルの純流出となった。昨年10月に42億7000万ドルが抜け出てからの1年1カ月で最も多い規模だ。株式市場で24億4000万ドル、債券市場では15億2000万ドルを売り越した。株式市場では8月から4カ月連続外国人投資家の売り越しが続いた」
これだけの大量の売越しになった裏には、日韓対立も響いているはずだ。日本の対外的な信用は抜群である。その日本に対して不条理な喧嘩を売り、「反日不買」を仕掛けてくる。冷静に見れば、日韓どちらに勝ち目があるか、判断するはずだ。
(3)「外国人投資家が韓国の金融市場で資金を引き上げウォン安も進んでいる。ブルームバーグによると10月末から今月6日まで対ドルでウォンは2.2%下がった。同じ期間に世界の主要13通貨のうちウォンより下落幅が大きかったのはブラジルのレアルの3.0%だけだった」
ウォン相場が、下げ基調である、「マジノ線」と言われる1ドル=1200ウォン割れ寸前である。皮一枚で首が繋がっている状態だ。経済の混乱するブラジル・レアル相場並の低評価である。実力もないのに、世界一の「安全通貨」日本へ喧嘩を売っている咎めであろう。
(4)「外国人投資家は8月から先月まで4カ月連続で株式市場で「売り」の動きを見せた。この期間に有価証券市場・KOSDAQ市場で51億6000万ドル相当の株式を売り越した。外国人投資家の売り攻勢は時間が過ぎるほど強まっている。先月7日から今月5日まで21日連続で売り優位を見せ4年ぶりに最長売り越し記録を塗り替えた」
下線をつけた部分は、外国人投資家の売り姿勢が時間の経過とともに強くなっている。その背景は、韓国経済の実勢悪がよりハッキリ浮かび上がっているからだ。
(5)「金融市場専門家らは最大の理由として韓国の景気鈍化と企業の業績不振への懸念を挙げている。今年の経済成長率が1%台に落ちると予想されているところに輸出が昨年12月から今年10月まで11カ月連続で減少を記録するなど韓国に対する投資リスクが大きくなっているという判断だ」
韓国経済は輸出依存であることが、景気を不安定にさせている。理由はこれだけでない。安定しているべき内需が、最低賃金の大幅引上げで構造的に萎縮してしまった点が大きい。文在寅氏が、「福の神」でなく「貧乏神」である結果である。