勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    岸田首相は1月21日、バイデン米大統領と初めてオンラインで80分程度協議した。岸田氏は、訪米の強い意志を持っていたいが、「オミクロン株」の拡大で断念し、オンライン会談となった。

     

    会談では、経済版の閣僚協議「2プラス2」の新設を決めた。経済版の「2プラス2」は、日本側から外相と経済産業相、米側から国務長官と商務長官が参加し、早期の開催をめざすという。インド太平洋地域のインフラ整備など、第三国への投資で日米の協力を議論する場になる。対中国を念頭に置いた経済安全保障についても扱う見通しだ。これには、かつての「COCOM」(共産圏禁輸品目)の復活も含まれている。

     


    韓国は、この報道に「緊張」している。日米関係が一段と“緊密化して、韓国は置き去りにされるという懸念である。日韓の経済的格差を考えれば、米国は当然の選択をしているはずだ。韓国が背伸びして日本と肩を並べようとすること自体、「僭越」というほかない。韓国が、日韓の実力の差を素直に認めれば、「反日」は自然に消えて当然であろう。日韓の協力こそ、韓国の生きる道という指摘もあるが、韓国は聞く耳を持たない状態だ。

     

    『朝鮮日報』(1月22日付)は、「米・日、安保に続いて経済も『2プラス2』協議を新設」と題する記事を掲載した。

     

    米国と日本は外務・防衛担当閣僚によるこれまでの「2プラス2」協議に続き、外務・経済担当閣僚が出席する経済版「2プラス2」協議の枠組みを新たに創設する方針を固めた。米日両国はこれを通じて「経済安全保障」の分野でも強く結束し、中国に対する共同戦線の強化に乗り出すようだ。

     

    (1)「米日両国による経済版「2プラス2」協議の主な議題は、経済分野における中国けん制だ。米日両国の先端技術が中国政府の軍事力強化に転用される事態を事前に阻止するための輸出規制策が優先的に取り上げられる。また中国が新興国のインフラ建設に巨額の資金を投じ、影響力を行使する「一帯一路」に対抗する方策も検討される予定だ。そのため米日両国は将来的にインド・太平洋地域の国々へのインフラ関連投資を行う構想も検討しているという。米中対決構図が深まる中、日米両国が半導体など戦略物資のサプライチェーンをいかに強化するかという問題も検討される見通しだ」

     

    日米が、一体になって対中国戦略を構築していることは、「クアッド」(日米豪印)の中核が日米である点を明白にしている。中国は、こうして日本へ慎重に対応せざるを得なくなろう。日本への暴言は禁句の筈だ。

     


    (2)「今年に入って北朝鮮は4回にわたりミサイル挑発を行ったが、その対応をきっかけに米国と日本の協力関係もさらに強固になっている。当事国である韓国が北朝鮮のミサイル発射を「安保理決議違反」や「挑発」と規定することも糾弾もせず、消極的な対応を取り続ける間に、米国は文在寅(ムン・ジェイン)政権を「パッシング」し、日本と共同で対処する形が明確になっているのだ

     

    文政権の5年間は、日米にとって何ら有益な存在でなかった。中朝へ余りにも偏向しており、自由陣営で不可欠の存在にならなかった。日米が、韓国と距離を置くのは当然であろう。

     

    (3)「バイデン政権が、今月12日(現地時間)に北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けた最初の独自制裁策を発表すると、日本政府報道官に相当する松野博一官房長官は翌日午前の記者会見で「北朝鮮の核とミサイル問題の解決に向けた米国の立場を支持する」との考えを明確にした。韓国外交部(省に相当)が北朝鮮制裁の方針を支持するかどうか明確にせず、消極的な反応を見せたこととは対照的だ。日本は米国が今月10日と21日の2回にわたり北朝鮮を非難する声明を発表した際にも国連安保理理事国ではない国として唯一これに加わった

     

    日本は、西側陣営にとって不可欠な存在である。日本の地政学的位置は言うまでもなく、経済力・技術力・軍事力において米国に次ぐ存在である。日本には、尖閣諸島の防衛という問題もある。日米一体化は、中国の侵攻意図を事前に食止める上で大きな防波堤になる。

     


    (4)「今月6日に開催された米日の2プラス2協議でも北朝鮮・中国・ロシアが開発を進める極超音速ミサイルの脅威に対抗する共同研究に合意し、日本側による「敵基地攻撃能力」の保有に向けた議論も進展した。
    米日首脳会談直前のブリーフィングでは、バイデン政権幹部の口から「日本は重要なパートナーであり、米日同盟はバイデン政権にとって最優先の課題だ」という発言も出た。このような状況が今後も続けば、米国が中心となって進める中国けん制戦略と北朝鮮制裁において韓国の存在感がなくなり、日本の立場ばかりがより強く反映されかねないとの懸念も出ている

     

    地政学的に見た朝鮮半島の価値は、インド太平洋よりも下位にある。韓国は、この現実を見抜けなければならない。中国にとっての北朝鮮の役割は、単なる「緩衝地帯」である。「防火帯」に過ぎないのだ。中国は、台湾侵攻で「中華の復興」を目指している。中国が、台湾・南シナ海の支配権を握る野望をめぐらしている以上、朝鮮半島への関心は薄いのだ。韓国はこうした、情勢変化を読めずにいる。

     


    (5)「日本は米国が中心となって進める中国と北朝鮮けん制策に積極的に足並みをそろえ、国際社会における立ち位置を広めている。昨年はオーストラリア、英国、フランス、ドイツ、カナダなどとインド・太平洋地域で北朝鮮と中国を念頭に置いた共同の訓練を相次いで実施した。20日にはオンライン形式でフランスと外務・防衛担当閣僚による2プラス2協議を行い「自由で開かれたインド・太平洋」の実現に向け太平洋地域での連携を強化する方針と、さらに北朝鮮のミサイル実験に対する懸念を改めて確認した」

     

    日本は、米英豪印や英仏独とも密接な関係強化に努めている。韓国は、「主敵」を削除しており、軍事上の立ち位置不明という希有な軍隊である。これでは、日常の訓練にも真剣味を欠くであろう。韓国は、文政権によって混迷を深めている。

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    文大統領は、間もなく5年間の任期を終えるが、何一つ大統領としての業績を「レガシー」に残せなくなった。北朝鮮の極超音速ミサイル発射実験によって、5年間温めてきた南北「平和構想」が瓦解したからである。

     

    次期大統領選では、「政権交代論」が過半を占めている。これでも分るように、文政権の評価が「落第」であることを示す。最大の失策は、「反日煽動」である。反日を国内政治に利用して、国内保守派を追詰め「進歩派政権20年継続」を狙っていた。この途方もない野望は、皮肉にも5年間で消滅の危機を迎えている。

     

    文氏の南北「平和構想」は、米国の承認なしには実現不可能である。その米国を説得するには、日本の協力が必要なはずである。ところが、肝心の日本を敵視したので、日米が共同で文構想にブレーキを掛けたのが真相だ。「反日」の代償が、文氏の「レガシー」をゼロにしたのである。

     

    『朝鮮日報』(1月21日付)は、「文大統領が5年間尽力してきた『平和構想』破産の危機」と題する記事を掲載した。

     

    北朝鮮による核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射猶予措置(モラトリアム)は米朝関係と南北関係の破綻を防ぐ「最後の安全板」の役割を果たしてきた。とりわけ文在寅(ムン・ジェイン)政権は北朝鮮によるモラトリアム順守を「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の非核化の意志」と解釈し、米国に北朝鮮との対話と制裁緩和を促してきた。ところが北朝鮮はこの日、核実験とICBM発射の再検討を発表し、これによって最後の「レッドライン」まで超えると脅迫した。

     

    (1)「今年に入って短距離弾道ミサイルを4回連続で発射し、緊張感を高めてきた北朝鮮がモラトリアム破棄のカードまでちらつかせ、危機を最大限に高めることは典型的な「崖っぷち戦略」だ。北朝鮮は過去にも挑発で危機を高め、米国の対話を誘導し見返りを得る手口を何度も使ってきた。2016~17年にも核・ミサイル暴走を続け、18年から平和攻勢に転換した」

     

    北朝鮮は、従来型の「瀬戸際政策」を復活させた。危機感を煽って、米国の譲歩を求めたものである。だが、バイデン政権は中間選挙を控えて無原則な妥協をするはずがない。北の情勢見誤りである。

     

    (2)「現在、北朝鮮は非常に厳しい制裁の長期化と2年にわたり続いた国境封鎖により深刻な経済難に直面しているという。北朝鮮における昨年の貿易額は推定で約3億ドル(約340億円)、過去最大となった2014年の76.1億ドル(約8700億円)に比べると25分の1水準に落ち込んだ。国家安保戦略研究院長を務めたユ・ソンオク「代案と診断」研究院長は「北朝鮮の挑発は米国の対北朝鮮政策を制裁緩和の方向に向ける圧力を加えるための次元だ」との見方を示した」

     

    最近、中朝間での物資運搬が再開されたが、医薬品などの主なもの。北朝鮮経済を潤すような規模ではなさそうだ。経済的に困窮している北朝鮮が、大芝居を打ってミサイル発射実験を行なっているのは、制裁解除の要求である。

     

    (3)「金正恩氏は、米国のバイデン大統領がウクライナ問題や国内の物価上昇、支持率下落などで内憂外患の状況にある今を「対米攻勢のチャンス」と判断したようだ。中間選挙を控えたバイデン大統領としては戦線がこれ以上広がること自体が負担であり、モラトリアムが崩壊すれば対北朝鮮政策失敗の責任まで負わねばならなくなるからだ」

     

    北朝鮮は、情勢を見誤っている。米国の最大の戦略は対中防御である。北朝鮮問題は、二の次だ。朝鮮半島の地政学リスクは、インド太平洋リスクに遠く及ばない。米国が、在韓米軍兵士の駐留規模を保証しなくなった裏にこういう背景がある。

     

    (4)「この過程で北朝鮮は、文在寅政権を徹底して無視している。北朝鮮は一時、米国の対北朝鮮政策を転換させるため「わが民族同士の精神」を強調し、文在寅政権に一定の役割を期待する様子を示したが、「ハノイ・ノーディール(米朝首脳会談決裂)」後は雰囲気が180度変わった。これについて北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋は「『ハノイに行けば制裁が解除される』と説明した文在寅政権の言葉を信じて不覚を取ったからだ」と説明している。北朝鮮は2019年に文大統領に対し「厚かましい仲裁者のなりすまし」「ゆでた牛の頭」などと激しく侮辱し、2020年には開城の南北共同連絡事務所の爆破、西海での韓国海洋水産部(省に相当)職員の殺害などで挑発のレベルを高めてきた」

     

    下線部分は、文氏の「素人外交」が招いた失敗である。日本は、事前に米国から「ハノイ・ノーディール」を知らされていた。知らなかったのは韓国である。事前に連絡したら、漏れると懸念したのであろう。日米外交の緊密化に比べ、米韓外交には隙間風が吹いていたのである。この状況は、現在も続いている。文氏の二股外交と反日姿勢が招いたものだ。

     


    (5)「文在寅政権が、任期末の南・北・米による終戦宣言に没頭しているのは、北朝鮮の考えを変えるための最後の試みだった。南柱洪(ナム・ジュホン)元国家情報院第1次長は「政府は『終戦宣言さえ実現すれば制裁も緩む』として水面下で北朝鮮を説得したはずだが、米国は逆に制裁を強化したので北朝鮮は文在寅政権に改めて裏切られたと感じたはずだ」との見方を示した。北朝鮮による新年大攻勢は「文在寅政権はこれ以上相手にしない」という南北関係終息宣言であり、今後は米国に対北朝鮮政策を転換させるため直接圧力を加える考えとみるべきと言うことだ」

     

    文氏の一方的な「終戦宣言」は、戦略的にもあり得ない話である。名うての北朝鮮へ何の見返りも保証されないまま、「終戦宣言」を出したならどうなるか。文氏の想像力不足を象徴している。文氏の頭では、国家間の外交が個人レベルの口約束に下げられている。まさに、素人外交の悲しさが100%表われた「現象」と言える。

     

     

     

    テイカカズラ
       

    日本の経済成長率は、これまで韓国を下回ってきた。ところが、22年の日韓の中央銀行が発表した経済予測では、日本が韓国を上回るという。24年ぶりに逆転現象が起こると、韓国メディアが報じている。

     

    『朝鮮日報』(1月19日付)は、「韓国の経済成長率、24年ぶりに日本を下回る」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「今年の日本の経済成長率が通貨危機以来24年ぶりに韓国を上回るとの公式予想が示された。両国の中央銀行による経済成長率の予測値は日本が3.8%、韓国が3.0%で、日本が0.8ポイント上回っている。韓国の経済開発が本格化した1970年以降の50年余りで日本の経済成長率が韓国を上回ったのは第1次、第2次オイルショックに直面した1972、80年と通貨危機当時の98年の3回だけで、いずれも国際経済に巨大な衝撃が走った場合に限定される。今年は世界経済に大きな危機がなく、コロナ禍から回復している状況にあり、両国の成長率が実際に逆転すれば、大きな波紋を広げると予想される」

     

    日韓経済の成長率を比較すれば、韓国よりも早く生産年齢人口比率がピークを迎えた日本が、1990年以降で韓国に遅れを取ったのは当然のことだ。その韓国も、生産年齢人口比率のピークは2014年である。今後、日韓経済は生産年齢人口比率の「下り坂」で優劣を競うという妙な形になる。

     


    今年の経済成長率予測で、日本が韓国を上回るという。日本では話題にもならなかったが、韓国は大変な問題になっている。日本に抜かれたということらしい。

     

    もっと重大な問題は、韓国の自営業者比率が24.64%(2019年)で、世界8位と高いことだ。日本は9.98%(同)、米国6.32%(同)と韓国に比べて一段と低く、韓国の雇用関係が遅れていることを意味する。つまり、生産性が低いのである。これが、今後の韓国経済の足を大きく引っ張るはずだ。

     

    OECD(経済協力開発機構)が、2020年に推計した「1人当たり国内総生産(GDP)潜在成長率の推移」を示すと、次のようになっている。

     

    2007~2020年 年2.8%

    2020~2030年 年1.9%

    2030~2060年 年0%台

    このように、厳しい内容だ。韓国の自営業者比率の高さが、潜在成長率の急速鈍化を招いていることは明らかだ。自営業者は、ご存じの通り生産性は企業に比べて格段に劣る。

     

    (2)「日本銀行は16日に公表した「経済・物価情勢の展望」で、2022年度の実質国内総生産(GDP)成長率見通しを3.8%とした。昨年10月時点の2.9%を3ヵ月後に0.9ポイント引き上げた格好だ。これに先立ち、韓国銀行は昨年11月、韓国の22年の成長率を3.0%と予測している。21年の成長率はまだ集計されていないが、予測値は韓国が4.0%、日本が2.8%で、韓国が1.2ポイント上回っている。わずか1年で日本の成長率が韓国を0.8ポイント上回る逆転現象が起きるとの見方だ。最も厳しく成長率を予測する中央銀行の数字で0.8ポイントの差が出るというのは、実際に両国の成長率が逆転する可能性が高いことを意味する」

     

    現状では、逆転現象が起こって話題になるほどだが、いずれ話題にもならなくなろう。昨年の年間就業者数は1年前より36万9000人増加した。中身を見るとびっくり仰天である。60歳以上の雇用が33万件増え、増加した雇用の大部分を占めたのだ。かなりの部分において政府が税金を使って創出した雇用であった。韓国は、雇用問題が最大の難点になっている。それは、年功序列賃金と終身雇用制により、転職市場の発展を阻み自営業者比率を高かめていることに現れている。「労働貴族」の存在がガンである。

     


    (3)「成長率見通しを大幅に引き上げた理由について、日銀は「新型コロナによるサービス消費への下押し圧力や供給制約の影響が和らぐもとで、外需の増加や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて、回復していくとみられる」と指摘した。専門家は今年の日本について、主力商品である自動車を中心に製造業分野の生産が大幅に増えるとみている。韓国外大のイ・ジピョン特任教授は「世界的なサプライチェーンの行き詰まりで半導体受給が困難になり、昨年の日本の自動車生産台数は低調だったが、最近生産台数が回復している。自動車産業が内需と輸出で前年に比べ大幅な活況を示しそうだ」と述べた」

     

    日本は、自動車産業が雇用を守っている。韓国の自動車産業は、5社中3社は倒産の淵をさ迷っている。日本と全く異なっている。

     


    (4)「日本政府は景気浮揚のために先月、35兆9800億円規模の補正予算を編成した。補正予算としては過去最大だ。韓銀関係者は、「大規模な補正予算を編成することで、景気浮揚効果が得られると判断したようだ」と話した。利上げを急ぐ韓国とは異なり、円という基軸通貨を持つ日本は超低金利を維持する余力があるとみられている。米連邦準備理事会(FRB)は今年、4回の利上げを行うと予想されるが、日銀は17~18日に開いた金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%とする大規模な金融緩和策は維持した。「失われた20年」と呼ばれるデフレを経験した日本は世界的なインフレの無風地帯で、今年の物価上昇率も1.1%にとどまると予想されており、当面は金利を上げずに持ちこたえることができる」

     

    岸田政権が、積極的な予算編成をしていることが、22年の経済成長に寄与する。それに、日本はマイナス金利で引き上げる可能性はほぼゼロだ。「現代金融理論」(MMT)を地で行く政策である。対外純資産で世界一の実績を持つ日本だから可能だ。韓国には真似もできない。すぐにウォン危機が訪れるだろう。

     


    (5)「日銀の予想通りに4%近い高成長を達成できるかどうか、日本国内にもやや懐疑的な見方がある。日本は世界的な金融危機後の景気回復で4.1%の成長を成し遂げた2010年を除けば、最後に3%成長を達成した年は1996年(3.1%)までさかのぼる。13日に日本の経済専門家36人が示した今年の成長率見通しは平均が3.07%だった。昨年下半期に日本でコロナ患者が急減した後、最近再び急増していることもリスク要因として挙げた」

     

    日銀予測が、実現するという保証はない。ただ、岸田首相の経済政策にも期待を抱かせる部分がかなりあることは事実だ。田園都市構想によって、地方経済の活性化を実現すれが将来の発展基盤が整う。

    あじさいのたまご
       

    与党支持メディア『ハンギョレ新聞』は、大統領選で与党候補李在明(イ・ジェミョン)氏の支持率が、30%台で伸び悩んでいることで焦っている。ここまで、支持候補を明らかにしているのは珍しい。与党は、政権交代の世論が強いことが、李候補の支持率を抑えていると分析している。

     

    調査期日     政権交代  政権維持

    11月29~30日  49.7%  34.8%

    12月28~30日  54.5%  36.6%

     1月15~16日  57.9%  33.5%

    (出所:『朝鮮日報』1月18日付)

     


    1月の世論調査では、政権交代が57.9%で政権維持33.5%を大きく引離している。韓国の世論調査では、「35対55」のルールがあるという。韓国の政党支持は、40:40:20という。40は、保守と進歩の固定支持層。20は中道とされている。そこで、35%は、固有の支持層が離れて相手陣営を支持している。55%は、固有の支持層に加えて相手陣営と中道が合流している、というのである。

     

    この見方によれば、政権交代論が現政権支持派からも出ていることを示している。つまり、文政権の5年間で進歩派大統領に見切りを付けた形である。

     

    『ハンギョレ新聞』(1月18日付)は、「『支持率30%台』抜け出せない韓国与党のイ候補、旧正月連休前の討論会で逆転図るか」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「旧正月(2月1日)の連休をめどに「ゴールデンクロス」を実現するという目標を立てた共に民主党のイ・ジェミョン大統領候補の支持率が伸び悩んでいる。わずか半月前、複数の新年の世論調査で、国民の力のユン・ソクヨル候補を誤差範囲外でリードして勢いがつくかに見えたが、イ候補の支持率は30%台にとどまっている。民主党の選対委は3月9日の大統領選挙を50日後に控えた今月18日から旧正月の連休までの2週間が勝負を分ける期間とみて、戦略作りに苦心している」

     

    イ・ジェミョン氏には、余りにも暗いイメージがついてしまった。イ氏が立候補してから関係者が3人も自ら生命を絶っているのだ。表沙汰にできない事件の責任を取った犠牲者である。この一点だけでも「負け」であろう。イ氏は裸一貫で生きて来た人生だけに、「暗部」を抱えているに違いない。聞けば、貧困から身を起した壮絶な人生である。傷も負っているだろう。叩けばいくらでも埃が出る人である。

     

    (2)「昨年末にユン候補(「野党『国民の力』」が自分の失言や配偶者のキム・ゴンヒ氏の虚偽経歴問題、党内対立で“失点”した際にも、イ候補は逃げ切れなかったということだ。その間、ユン候補は党内の対立を収拾し、20代男性らの支持率を回復した。イ候補の最大の難関は、50%を超える「政権交代」世論だ。議題と戦略グループ「ザ・モア」のユン・テゴン政治分析室長は、「国民の力のユン・ソクヨル大統領候補は強い『政権交代』世論に支えられているが、イ候補は相対的に低い『政権継続』世論に囲われている」とし、「『政権再創出』にプラスして『能力あり』というイメージを掲げたが、思ったほど弾みをつけられなかった」と述べた」

     

    ユン候補は、エリート街道を進んできた人物である。検察総長が最後の官暦だ。職掌柄からイ候補と異なり、悪には無関係であろう。ただ、夫人が多くの話題を提供している。イ候補に似通った面もあるほどだ。

     


    (3)「ユン候補は選対委の改編の成功などを通じて、再び政権交代候補というイメージを復活させることができているが、与党のイ候補が反転のきっかけを作るのは難しいということを指摘したのだ。龍仁大学のチェ・チャンヨル教授も「政権交代の世論が強い状況なだけに、イ候補が文在寅(ムン・ジェイン)大統領と差別化を図ると言っているが、このような試みは強固な支持層には否定的な認識を与える」と述べた」

     

    イ候補にとっては、世論が政権交代を求めていることが大きな壁だ。文政権は一期で、進歩派が愛想を尽かされたことになる。本欄ですら、厳しい文政権批判をしているのだから、韓国世論はもっと厳しいであろう。

     


    (4)「特に、旧正月の連休前に行われる討論会が支持率を分ける最大の変数になると見て、対応戦略を練っている。政策ビジョンを提示するときは自信を持ち、大庄洞問題をめぐる疑惑に対しては「低い姿勢」を維持するのが要だ。選対委の関係者は「ユン候補は討論で、大庄洞問題や弁護士費代納疑惑の争点化を試みるものとみられる」とし「(対応次第で)国民に好感の持てないイメージを残すか、でなければむしろ相手側の攻勢にもひるまず安定感と信頼感を与える候補のイメージを残すかに、(討論会での勝利が)かかっている」と語った」

     

    下線部は、選挙戦術である。こんな「秘策」を公にしてしまい、秘密兵器の意味がなくなる。米国の大統領選でのTV討論会のように、「堂々」としたり「低姿勢」となったり演技力が求められている。もっと大きなテーマで討論しなければ、韓国の将来が不安であろう。

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    韓国は、米中対立激化の中でいかに地政学的リスクを回避するか。こういう重大問題に付いて、韓国世論は感情のままに動いている。文政権の反日姿勢が、深く浸透している結果であろう。日本が、こういう韓国を「善導」する必要もないが、自国の安全保障について、理詰めに考えられないところが気の毒に映るのである。

     

    『ハンギョレ新聞』(1月19日付け)は、「バイデン政権1年『米国との関係強化 日本との関係回復が韓国外交の最善の道』と題するインタビューを経済した。スティーブン・ウォルト ハーバード大学ケネディ行政大学院教授である。

     


    (1)「(質問)米中戦略競争で韓国は双方から役割を求められる難しい選択に直面している。韓国はどのような戦略を取るべきだと考えるか。(答え)アジアで勢力バランスを維持するのをサポートし、中国が覇権的地位を得るのを防ぐのが韓国の利益に合う。中国が覇権的地位を獲得すれば、アジア諸国は多くの問題で中国が望む通りに従わなければならず、中国の怒りを買わないように何でもしなければならなくなる。韓国が外交政策の自主性を維持し、経済成長を続けることを望むなら、東アジアでしっかりした勢力バランスがなければならない。米国との関係を維持し、日本など他のアジア諸国との関係を改善するために努力することが、韓国にとって最善の道だ」

     

    このパラグラフで、韓国が自由陣営の一員としてやるべきことが明快に指摘されている。中国のアジアでの覇権確立を阻止するには、日米韓の協力が必要としているのだ。その通りであろう。だが、韓国外交はこの基本線から大きく外れている。機会があれば、日本を出し抜くと言う行動を取っている。過去に拘り、謝罪と賠償を求め続けることは、幼児的ですらある。福島原発事故では、理由もなく日本へ敵意を見せているのだ。

     

    ここには、韓国の安全保障確立という視点がゼロである。韓国は、米国と良き関係を維持すれば、自動的に日韓関係が上手くいくと見ている。これは、日本を一段低く見ている結果だ。この錯誤は、日韓慰安婦合意までは妥当な面もあった。だが、韓国が日韓慰安婦合意を破棄して以来、通用しなくなった。日本には負い目がなくなり、逆に韓国よりも優位に立っていることに気付かずにいる。韓国は、徴用工と慰安婦の問題で、不利な立場に置かれているのだ。

     


    米国の有識者は、上記のように韓国が自由陣営で生きる上での「必須条件」を上げているが、韓国世論はまったく別の視点である。

     

    『中央日報』(1月19日付)は、「北朝鮮の非核化より急、韓国国民の70%が挙げた「新政権の外交課題」1位は」と題する記事を掲載した。

     

    次期政権が重視すべき外交的課題に対する世論調査結果は、「韓米関係はいまでも良いが、さらに強くならなければならない」に要約された。調査では、次期政権が最も重視すべき外交的課題を尋ねた。選択肢は▽韓米同盟強化▽北朝鮮非核化▽韓米日安保協力強化▽アセアン協力強化▽韓中関係発展▽韓日関係回復の6種類だ(複数回答)。



    (2)「このうち韓米同盟強化を挙げた回答者が69.8%で最も多かった。北朝鮮非核化を選んだ回答は61.5%で後に続いた。3位が韓米日安保協力強化の50.5%、4位がアセアン協力強化の46.7%、5位が韓中関係発展の41.7%だった。最下位は韓日関係改善で、これを優先課題に挙げた回答者は29.8%にすぎなかった。新政権は韓日関係改善を試みるべきという回答は30%に満たないのに対し、韓米日安保協力強化を課題に挙げた回答者が半分を超えたのは、3カ国の安保協力を韓米同盟強化のような脈絡からアプローチするためとみられる」

    韓国世論では、日韓関係の改善について最も低い評価を与えている。だが、日米韓の3ヶ国の改善となると、半分が賛成している。つまり、日韓の一対一の関係は及び腰だが、日米韓となれば賛成という消極的構図である。ここまで日本を嫌っているが、その重要性は認識しているという関係である。有り体に言えば、「日本は嫌いだが重要な相手」という認識である。

     


    こういう世論調査結果について、日本はどう対応すべきか。日本も米国が仲介すれば韓国とも話をしようということだろう。ともかく、最悪の文政権が登場して日韓関係を壊してしまったので、これ以上の悪化にはならないところまで来ている。

     

    韓国経済は、これから急速な悪化に向かう。その際、日本との協調を求める動きは必ず起こるだろう。そのとき、どんな顔をして日本の門を叩くのか。それが、興味深いのだ。

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