勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    韓国経済にまた一つ、重荷が増えた。ムーディーズは、韓国を代表する企業26社中の15社に対して、上半期業績不振を理由に信用格付け引下げを警告した。これは、韓国のマクロ経済にも重大な影響を及ぼすものだ。

     

    『朝鮮日報』(9月24日付)は、「ムーディーズ、韓国大企業の信用格付け引き下げを警告」と題する記事を掲載した。

     

    世界的な信用格付け会社、ムーディーズは23日、韓国の大企業の信用格付けを一斉に引き下げる可能性を警告した。ムーディーズは韓国の非金融分野の企業26社を分析した結果、半数を超える15社の上半期の業績が不振だったと評価した。

     

    (1)「ムーディーズは、「世界的な景気低迷が続く中、韓国の非金融企業の信用度に圧力が続きそうだ」と予想した。特に石油精製、化学、鉄鋼、自動車産業など景気に敏感な産業が大きな打撃を受けた。ムーディーズは「これら産業はコロナによって最も大きな打撃を受け、景気回復遅延など外部のショックに弱い」と分析した。一方、通信業などはコロナによる影響をさほど受けていないとされた」

     

    韓国経済を代表する企業の業績不振が明らかになっている。石油精製、化学、鉄鋼、自動車産業などだ。コロナ・パンデミックの大波を被った結果である。世界景気の回復を待つほかない。

     


    (2)「今後の景気回復は、コロナの広がりをどれだけ抑制できるかにかかっているが、現時点で楽観は難しいとの見方を示した。ムーディーズは、「最近新規患者数が急増したのは、効果的なワクチンが登場するまでは(コロナの拡散を)継続的に抑制するのが難しいことを示している」と指摘した。ムーディーズは韓国を代表する企業の信用格付けが引き下げられる可能性が高いとした

     

    韓国大企業の信用格付けが、引下げられれば株価へ影響する。それは、通貨危機への序章となりかねず、韓国は緊張を強いられるのだ。

     

    (3)「ムーディーズが格付けの対象にしている韓国の民間・非金融企業は、サムスン電子、現代自動車などを含む26社だ。うち格付け見通しが「ネガティブ(弱含み)」なのが13社、「ステイブル(安定的)」なのが9社となっている。格付け見通しが「ポジティブ(強含み)」の企業はなかった。信用格付けが「ネガティブ」とは、今後2年以内に信用格付けが低下する可能性が高いことを意味する」

     

    格付け見通しが「ネガティブ(弱含み)」になれば、2年以内に格付け引下げの可能性が高まる。韓国経済には悪材料だ。ここで、先々の経営環境がさらに悪化するという悲観的な見通しが高まっている。それは、文政権による企業規制立法が実現することである。

     

    『中央日報』(9月24日付)は、「外国資本の投機との訴訟を助長しながら経済活性化を望むのか」と題する社説を掲載した。

     

    企業は来るべきものが来たという雰囲気だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権が国政課題として推進してきた「企業規制3法」(公正取引法・商法・金融グループ監督法)が国務会議の議決を経て国会通過の直前段階に入った。第20代国会でも企業の経営に致命打になるという懸念のためブレーキがかかったこの法案が、巨大与党の国会掌握をきっかけに推進力を得ることになり、企業は危機を迎えている。

    (1)「現在の法案は世界的に類例がない急進性を帯びているのが問題だ。憲法が保障する経営の自律性はもちろん、国際的な慣行から見ても反企業的な条項を持つ。最も大きな問題は資産2兆ウォン(約1800億円)以上の企業に対する多重代表訴訟制と監査委員分離選任だ。この2つの条項は企業の経営に対する無差別的な訴訟と投機の口実を与える。「財閥の経営透明」という名分の中、国内企業に対する投機資本の攻撃が日常化する可能性があるということだ」

     

    資産1800億円以上の企業は、多重代表訴訟制と監査委員分離選任という2つの新たな問題が課されることになった。それぞれの内容は、後のパラグラグで説明する。

     

    (2)「多重代表訴訟は、親会社の株主が子会社の経営不信を理由に子会社の取締役を相手に訴訟を提起できる制度だ。子会社の上場の有無とも関係がないため、企業の新規事業もすべて訴訟の対象になる。訴訟乱発の可能性が高く、米国・日本でも親会社が子会社の株式100%を保有する場合に限り認められる。実情がこうであるにもかかわらずそのまま導入する場合、持ち株会社体制の国内企業は子会社の経営の失策を口実に限りなく訴訟に巻き込まれる可能性がある」

    子会社をつくる理由は、将来の成長が不透明な場合、とりあえず「子会社」として発足させて様子を見るケースだ。ベンチャー的な色彩もある。親会社役員が、この子会社まで業績不振を理由にして訴訟対象になるのは、子会社をつくれないという消極経営に追い込む。

     

    (3)「監査委員の分離選任は、企業の取締役会に投機資本のトロイの木馬を入れるような格好になりかねない。3人で構成される監査委員会で社内監査委員の議決権行使を制限する規定があり、大株主の影響力はすでに遮断されている。今回の改正案はこのルールの対象を外部監査委員2人に拡大する。この場合、投機的な外国資本が株主総会で力を合わせて監査委員選任に影響力を行使することができる。これも米国や日本では導入されていない」

     

    監査委員は、3人で構成される。具体的には、企業出身監査委員と外部出身監査委員である。だが、企業出身監査委員は議決権行使を制限し、外部監査委員が2人へ増やされ、大幅な決定権を握る。ドイツ流監査役制度の導入であろう。これは、投機的な株主の恣意的な運営にもなりかねず「危険」というもの。韓国株式市場は、外国資金が大きな影響力を持っているので、韓国企業が振り回される公算があるとしている。

     


    (4)「結局、過度な企業規制は新型コロナ克服と経済活性化を推進する政府の政策にも逆行する。企業の支配構造を透明にするのはよいが、急進的にすれば企業は厳しい状況に直面する。国政課題という理由で強行することではない。企業の現実を十分に確認して失敗を犯さないことを望む」

     

    前記の多重代表訴訟制と監査委員分離選任が、現実を無視して行われるとどうなるか。韓国企業は、守勢に回らざるを得なくなる。立法主旨は、企業の恣意的行為を抑える目的であろう。ただ、理想論が先走ってしまうと、最低賃金の大幅引き引上げ時と同様、大きな反動をもたらす危険性が高い。韓国経済は要注意だ。

    テイカカズラ
       

    中国は韓国を米から引き離し作戦

    文氏が菅首相へ送ったラブレター

    ハンギョレ紙社説で3回プッシュ

    韓国は菅首相に脱帽して妥協案へ

     

    中国外交担当トップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員が、8月22日に韓国を訪問した。ソウルでなく釜山で韓国の徐薫(ソ・フン)国家安保室長と会談したのである。通常の外交儀礼であれば、ソウルを訪問して文大統領を表敬訪問するものだ。そういう儀礼抜きで、単刀直入の会談目的は何であったのか。表向きは、習近平国家主席の早期訪韓で合意したというが、それで話しが済んだ訳ではあるまい。

     

    中国は韓国を米から引き離し作戦

    米中対立の長期化見通しが強まる中で、楊氏は、訪韓前にシンガポールも訪問している。中国側へ引き寄せが目的であり、韓国でも同様の「工作」が行われたと見るべきだ。その際、中国は露骨な言葉で韓国を米国から引き離す下工作をしていると思われる。最近の中国は、「戦狼外交」と言われるごとく相手を威圧する「言葉の暴力」を用いている。韓国にも「戦狼」ぶりを発揮して恫喝したに違いない。

     

    私が、そのように判断するのには一つの根拠がある。

     

    それまで、中国びいきを鮮明にしていた文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保担当特別補佐官が、私人(延世大学名誉特任教授)の肩書きで『ハンギョレ新聞』(9月7日付)に寄稿した論文(「中国が新冷戦を避ける道」)が登場したのである。その内容は、中国が「覇道」(武力を用いた覇権)でなく、「王道」(道徳を用いた覇権)を突き進むことによって、米中の新冷戦が避けられるというのだ。明らかな「反中国」論文である。

     


    文正仁氏の役割は、文大統領に南北統一・外交・安保の諸問題を幅広く献策する立場だ。その特別補佐官が、これまで米国よりも中国を慕ってきたパターンを捨てて、「中国批判」に転じたのだ。この豹変の裏には、8月22日に訪韓した
    楊潔篪氏の言動があったと見るほかない。中国が、韓国を脅したのであろう。そうでなければ、文正仁氏が見せた従来の主張と180度異なる寄稿をするとは思えない。中国・楊氏の発言が、韓国大統領府に大きな衝撃を与えたと読めるのである。

     

    楊氏の訪韓によって、韓国は初めて外交的に孤立していることを実感したに違いない。米韓関係は隙間風が吹いている。日韓関係は凍結状態である。こうした中で、せめて日本との関係を緩和させなければ、韓国は外交的に漂流する危険性を察知したのであろう。韓国の危機感は、菅首相就任祝いに寄せられた文大統領の文書に現れている。

     

    文氏が菅首相へ送ったラブレター

    韓国大統領府報道官の説明によれば、文大統領の書簡内容(9月16日)は次のようなものだ。

     

    「『文大統領は、基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的・文化的に最も近い友人である日本政府といつでも向かい合って対話し、コミュニケーションをとる準備ができており、日本側の前向きな対応を期待している』と説明した。日本に強い親密感と友好の意を示し、対話を通じて両国間の懸案を解決するという考えを強調したのだ」

     

    上記の書簡要約が、これまでにない「友好的」内容であることは間違いない。日本の首相就任祝賀文書であることから当然としても、これまでの反日糾弾の文書から想像もできない「親近感」を強調している。「基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的・文化的に最も近い友人である日本政府」とまで言っているのだ。

     


    この文書を読んだ多くの日本人が、正直に言って「エッ」と叫ばざるを得ないであろう。現実に昨年までは、「積弊一掃」によって親日を犯罪行為とまで貶めたのである。それが今、一転して「地理的・文化的に最も近い友人」とまで持ち上げてきた。韓国大統領府では、こういう「ラブレター」まがいの文書を日本へ送ることに違和感はなかったのだろうか。抵抗感がなかったとすれば、相当の「演出」か「事態の深刻さ」のいずれかと見るほかない。

     

    韓国の演出とすれば、おだてることで意気に感じた日本が、妥協策をつくって動き出すという期待があったかもしれない。だが、菅首相はリアリストである。お世辞に乗って動き出す政治家ではないのだ。これだけ冷却化した日韓関係が、お世辞たらたらの外交文書で氷解に向かうはずがない。韓国外交部もそうした認識であろう。「演出」による文書ではなかった見る方が妥当だ。(つづく)

     

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    韓国は、複雑な心境にある。民族感情では日本へ一矢報いたいが、日本は経済的にGDP3位の規模を背景に、世界市場で技術的影響力を確立しているからだ。日本は、半導体材料や半導体製造設備について、かつて日米半導体戦争を繰り広げ、技術的に優位にあった。その潜在的能力の高さは、今も変わりないのだ。こういう日本を向こうに回して、韓国が半導体材料や半導体製造設備の国産化を目指すのは無駄であるという指摘が消えない。

     

    昨年7月、日本が韓国向け半導体3素材の輸出手続き規制強化をしたものの、輸出は滞りなく行われた。半導体の主要3材料輸出で、日本がWTO(世界貿易機関)違反に問われる事態は起こらなかったのだ。韓国は、それでも半導体3材料の内製化努力を進めているが、韓国国内でも「無駄な投資」と批判を浴びている。

     

    『ロイター』(9月16日付)は、「韓国、官民タッグで半導体材料の『内製化』を推進」と題する記事を掲載した。

     

    韓国政府が先月、拡充した半導体材料の試験施設をお披露目した際に目玉となったのは、サムスン電子が格安で売ってくれた最新鋭の露光装置だった。9月14日、韓国政府が先月、拡充した半導体材料の試験施設をお披露目した際に目玉となったのは、サムスン電子が格安で譲渡した最新鋭の露光装置だった。この施設は、国内のサプライヤーが、フォトレジストなどの半導体向け先端素材の製造や検査ができる態勢づくりを進めるのが目的。日本が昨年、幾つかの半導体材料輸出を制限したことをきっかけに、韓国は内製化を推進している最中だ。

     


    (1)「業界関係者からは、内製化実現への道のりは遠いとの声が聞かれる。ただ今年になって、新型コロナウイルスのパンデミックと米中対立激化によりサプライチェーンの世界的な変化が加速しているため、内製化の必要度は一層高まっている。
    サムスンから露光装置の提供を受けた国立ナノ総合ファブセンター(NNFC)のリー・ジョウォン所長は、以前ならサムスンなどの大手半導体メーカーは、材料の調達に関して価格が最優先で、調達先がどこかは問わなかったと話す。「だが日本の輸出制限とコロナが原因で、彼らは国内のサプライヤーを育成し、混乱なく材料を仕入れられる仕組みを構築し始めた」という」

     

    韓国では、製造業の内製化が叫ばれている。パンデミックと米中対立激化によりサプライチェーンの世界的な変化が加速しているためだ。もう一つ、日本の半導体輸出手続き規制を逃れる目的もある。

     

    (2)「日韓関係に改善の兆しが見えないことから、韓国政府は依然として主に日本から仕入れているハイテク100品目の調達先を広げる取り組みを進めており、このために2022年までに5兆ウォンを投資すると表明した。日本の輸出(手続き)制限を受けた3品目については、既に国内やベルギー、台湾、中国から仕入れている」

     

    周知のように、半導体主要3材料輸出は、手続きに時間はかかったが全量、輸出されている。この点が誤報され、日本が「輸出制限した」ことになっている。困ったことだ。

     

    (3)「とはいえ、規模の小さい韓国国内の半導体材料市場において、日本が優位に立つ最先端技術開発に多額の資金を投じることに経済的な合理性があるのか、との疑問も存在する。また韓国政府は大手メーカーが国内のサプライヤーを使うことを望んでいるが、韓国産業連盟(FKI)幹部は、「品質面の保証がない限り、それは簡単なオプションとは言えない」とけん制した。何しろサムスン、SKハイニックス、LGディスプレーは、アップルやクアルコム、華為技術(ファーウェイ)といった世界的なIT企業に製品を供給しており、韓国にとって半導体セクターは輸出の2割を占める重要な産業なのだ

     

    日本の半導体主要3材料は、品質・納期・価格で世界一の安定度を誇っている。それだけに、韓国企業は日本からの素材輸入に依存するという必然の理由がある。仮に、韓国国内で生産できても、品質・納期・価格が安定しているか、それが最大の問題になる。

     

    (4)「元SKハイニックスのエンジニアで現在、韓国産業技術大学教授のキム・サンヨン氏は、EUV(極端紫外線)フォトレジストのような高度な材料を内製化するにはそれなりの時間がかかると指摘する。今、世界のフォトレジスト製品のシェアは日本が9割を握っている。キム氏は、日本が輸出制限対象を半導体製造装置にまで拡大すれば、韓国は痛手を受けかねないと警告する。韓国がなおも日本に大きく依存するハイテク100品目のうち、14品目は半導体製造装置関連で今は輸出が制限されていない。ただキム氏は、日本がこの14品目を規制すれば、韓国の「半導体生産はストップする」と強調し、半導体の材料よりも製造装置とその部品の方がより足場が弱いと付け加えた」

     

    韓国が、日本に大きく依存するハイテク100品目のうち、14品目は半導体製造装置関連で目下、輸出制限されていない。日本がこの14品目を規制すれば、韓国の「半導体生産はストップする」という。韓国経済は、日本の技術と資本で成長発展してきた。本質的に、日本依存である。この現実を理解すれば、日本と喧嘩することがどれほど危険かを知るであろう。

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    ともかく、韓国は日韓関係打開に焦っている。菅首相の返書があったというだけで喜ぶほどだ。外交儀礼上の返書で、それに特別の意味があるわけでない。韓国が、外交的に行き詰まっている証拠である。

     

    韓国では、菅首相がリアリストであるという認識も深まっている。「北東アジアの安定のために」といった抽象的なテーマで、管氏が日韓会談に応じるようなことはない。韓国が、旧徴用工賠償問題について解決案を出さない限り、日本は首脳会談を開かないだろうと見るようになっている。焦る韓国では、自らの譲歩案を用意すべし、との意見が強いのだ。

     

    『中央日報』(9月23日付)は、「韓日首脳が書簡を交わした今、『譲歩イニシアチブ』推進を」と題する記事を掲載した。

     

    この記事は、韓国の日韓問題専門家を集めた座談会記事である。出席者全員、韓国が「譲歩案」を用意しなければ、日本は首脳会談に応じないだろうと見ている点に注目したい。

     

    16日の菅義偉内閣の発足をきっかけに、ふさがった韓日関係を改善すべきだという声が高まっている。18日に開催された「韓日ビジョンフォーラム」で、出席者らは「菅首相は韓日関係を改善しようという意志があるため、我々が先に11月の韓日中首脳会議の前に水面下交渉を積極的にすべきだ」という意見をまとめた。



    (1)「菅氏は外交の門外漢でない。最長寿官房長官として国家安全保障会議を通じて主な情報を集め、韓日懸案に関する熟知度が高い。また庶民派であり、名誉に対する執着も少ない方だ。右派団体の「日本会議」に参加するが、中心人物でない。理念性向も少なくて実用的だ。韓国が主導的に対話による問題解決に取り組めば、菅氏も反応を見せる可能性がある。カギは今年末から来年初めにかけて、日本企業の差し押さえ資産の現金化が近づくのを防げるかだ

     

    菅首相についての認識は、韓国側にも相当深まっている。思想的背景で、韓国に対応しているのでなく、韓国の度の過ぎた対日要求に辟易しているという認識だ。文政権にとっては、やりにくい交渉相手であろう。単なる「反日意識=歴史認識」で立ち向かうと、ぴしゃりとやられると見ているのだ。

     

    (2)「日韓首脳会談を開催できる、前提条件は次のようなものだ。

    ▼司法的に現金化を猶予できるか

    ▼文喜相(ムン・ヒサン)案に続く尹相ヒョン(ユン・サンヒョン)案のように特別立法で強制徴用問題を解決できるか

    ▼政府が代位弁済した後に求償権を請求するのは可能か

    ▼国際法的な協議・仲裁・裁判への回付が可能か--

    これらを議論する必要がある。これらすべてが失敗する場合の危機管理対策も必要だ」

     

    以上のような4点について、韓国が国内でコンセンサスをつくる必要がある。韓国は、謝罪とか誠意などの情緒的言葉が入り込む余地のない合理的な案をまとめることだ。それができなければ、日韓首脳会談は開けない。

     

    (3)「安倍内閣の最長寿官房長官の記録を立てただけに、当分は「安倍氏のいない安倍内閣」を維持するだろう。特に菅首相は官房長官として内政だけでなく外交に関与したうえ、2015年の韓日慰安婦合意当時には安倍首相が消極的な姿勢を見せると菅氏が関与したほど韓日間の懸案をよく知っている。我々がどんな案を日本に提示するかがカギだ。菅首相こそが「韓国は度が過ぎる」と考える普通の日本人であり、草の根ナショナリズムの典型だ。日本の首相が交代したので日本が先に動いてほしいという接近はいかなる効果もない。我々が代案を作り、日本が対話に出てくるよう引き出すのがよい」


    菅首相は、安倍政権7年8ヶ月を裏で支えた官房長官であった。それだけに、日韓関係にも精通している。「日本の首相が交代したので、日本が先に動いてほしいという接近はいかなる効果もない」と見ている。文政権は多分に、日本が先に動いて欲しいという願望だろうが、それは全くの見当違いである。

    (4)「強制徴用判決は特別なものではなく、最近の大法院の判決のトレンドだ。人民革命党事件および光州(クァンジュ)民主化運動などでも被害者に慰謝料を支払うことにした。現金化は司法手続きに基づいて進行され、世論のため止まることはできない。立法を通じて解決するのが最も望ましいだろう。日本もやむを得ず交渉に応じるのではないかと考える」

    韓国では、過去の歴史事件の被疑者に慰謝料を払う流れがつくられている。旧徴用工賠償問題もその一つとして政府が慰謝料を払い、日韓問題解決に乗出すべき、としている。文大統領の「三権分立」という原則論では、問題が永久に解決しないのだ。

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    2月から3月にかけた新型コロナウイルスの猛威で、韓国もマスク不足に悩まされた。現在、マスク需給は落ち着いているが、それは政府承認の「正規マスク」の話しだ。「非正規マスク」は中国からの安値品も流入して、価格が急落している。新規参入した非正規マスク業者は、倒産必至の状態である。

     

    韓国統計では、「医薬部外品」として食品医薬品安全処の認証を受けたマスクに限定した数値だけが発表されている。食品医薬品安全処は9月22日、9月第3週(9月14-20日)のマスク総生産量を2億8452万枚と明らかにした。

     

    それによると、マスク価格もオン・オフラインでともに安定している。保健用マスク(KF94)は、オンライン販売価格が1枚あたり1149ウォン(9月10日)から1109ウォン(約100円、9月17日)に下がり、オフライン販売価格は1枚あたり1576ウォンから1578ウォンと似た水準を維持したという。『中央日報』(9月22日付)が報じた。



    一方では、産業団地工場設立情報網(ファクトリーオン)によると、韓国の「非正規」マスク工場は2月の380カ所から8月末には1090カ所と3倍近く増加して、大混戦である。ある産業団地関係者は、「京畿道地域のマスク工場は3月に3カ所にすぎなかったが現在は100カ所を超える。新型コロナ流行後に、それまでの部品工場をたたんでマスク市場に参入した中小企業が多い」という。『韓国経済新聞』(9月21日付)が報じた。

     

    政府統計に集計される「正規」マスク業者は安定しているが、「非正規」マスク業者はブームが去って、淘汰の時代を迎えている。中には、新規参入したが、生産後僅かで倒産という悲劇も生まれている。中国の「マスク狂想曲」を見るような感じだ。儒教国家の「一発屋」は、中韓共通のようだ。

     

    『韓国経済新聞』(9月21日付)は、「『雨後のタケノコ』状態の韓国マスク工場で相次ぐ休廃業」と題する記事を掲載した。


    仁川南洞(インチョン・ナムドン)産業団地近くでデンタルマスクを製造するA社が最近売りに出された。この会社は、4月にマスク製造設備を導入して稼動に入ったが、最近の1カ月は休業状態だ。この会社の代表は「マスク事業は絶対につぶれないという話を聞きノンバンクから融資を受け中国から設備まで購入して工場を作ったが、最近は売り上げがほとんどない」と話した。

    (1)「9月20日の「食品医薬品安全処」の発表によると、正規のマスク生産業者は1月末の137社から8月末には396社と2.9倍に増加した。保健用・手術用・飛沫遮断用マスク品目も1月末の1012種類から2179種類と2.2倍に増えた。9月第2週に生産されたマスクだけで2億7311万枚に達する」

     

    この統計は、「医薬部外品」として食品医薬品安全処の認証を受けたマスクに限定した数値だ。産業団地工場設立情報網(ファクトリーオン)によると、政府の認証を受けていない「非正規」マスク工場は、2月の380カ所から8月末には1090カ所と3倍近く増加した。ある産業団地関係者は「京畿道地域のマスク工場は3月に3カ所にすぎなかったが現在は100カ所を超える。新型コロナ流行後にそれまでの部品工場をたたんでマスク市場に参入した中小企業が多い」と伝えた。

     

    マスクに医療用と一般用がある。医療用は、需要先が確保されているので価格は安定している。一般用マスクは、店頭での販売に頼る。供給過剰があれば、すぐに値崩れするのは致し方ない。

     

    (2)「現在、韓国のマスク供給量(医療用・一般用)は、需要の2倍以上と分析される。業界関係者は、「全国民が1日1枚マスクを使うとしても1日の需要は3000万枚水準」と話す。だが食品医薬品安全処未認証業者を含むと1日平均生産量は8000万~9000万枚に達する。食品医薬品安全処は、認証を受けたマスク業者のうち今年廃業したのは2カ所だと明らかにした。だが未認証マスク業者を考慮すると実際に廃業したり、休業に入ったところは数十カ所に達するというのが業界の推定だ」

    医療用マスクでも、今年度に入って2つの企業が廃業した。一般用マスクを入れると、数十カ所が倒産の憂き目に遭っている。

    (3)「7月に公的マスク制度が廃止され、1500ウォンで売れた食品医薬品安全処認証マスクが最近は700~900ウォン台で販売されている点も零細業者には負担だ。あるマスク業者の営業担当者は「マスク供給過剰に最低賃金上昇など人件費負担によりマスク1枚売って残る利益は10~50ウォン水準にしかならない」と話した。「今年に入り工場を立てた業者は枯死するほかない構造」という」

     

    マスク1枚売った利益は、10ウォン(約90銭)~50ウォン(約4円50銭)水準にしかならないという。これでは、内職レベルの利益である。これからますます、マスクの乱売が活発化する勢いだ。

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