勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    韓国の昨年の実質GDP成長率が発表された。辛うじて2%を維持した。この裏には、涙ぐましい努力があった。2%成長の中身を見ると、民間部門が0.25%ポイント。公共部門が1.75%ポイントの寄与となっている。政府部門が、支出を増やして1%台の成長率を阻止したことは間違いない。今年4月の総選挙を前に、「1%台成長」では不利と見たのだ。

     

    政府はまだ隠し立てをしている。GDPデフレーターの数値が不明であるのだ。名目成長率が1%台であるが、GDPデフレーターがマイナスで「名実逆転」(名目成長率が実質成長率を下回る)になっていることを知られたくなかったのであろう。名実逆転であれば、韓国経済は、先行き不安を増幅するからだ。

     

    韓国銀行のGDP統計発表数字を各紙で調べた。だが、GDPデフレーターが見当たらないのである。隠してしまったと見られる。IMF(国際通貨基金)による昨年10月予測では、GDPデフレーターは、前年比マイナス0.868%であった。すでに発表されている各四半期のGDPデフレーターは、1月から9月までマイナスを記録。3四半期のGDPデフレーター平均は、マイナス0.938%である。

     

    韓国は、昨年のGDPデフレーターがマイナスに落込んだとすれが深刻である。普通の経済では、GDPデフレーターがプラスになる。つまり、輸入物価、生産者物価、消費者物価などを総合したGDPデフレーターは、上昇しているものだ。その意味で、GDPデフレーターは景気の基調を見る上で不可欠である。韓国のGDPデフレーターがマイナスに落込んだのは、韓国経済が長期不況色を強めていることを意味する。韓国銀行は、それを嗅ぎつかれないように隠したのでないか。私は、そう疑うのである。

     

    『朝鮮日報』(1月23日付)は、「金融危機以降最低の2%成長、それも4分の3は税金」と題する社説を掲載した。

     

    昨年の韓国の経済成長率が2.0%にとどまり、世界的金融危機以降10年ぶりの低成長を記録した。政府が年末に税金をつぎ込み、ようやく2%を死守したが、2%のうち企業や家計による民間の寄与割合は25%ポイントで、税金支出を意味する政府の寄与度が75%ポイントに達した。特に財政出動で総力戦が展開された昨年10~12月には政府が成長全体の83%ポイントを担うという正常ではない状況である。民間経済が停滞する中、政府が税金で無理に成長率をつり上げたことを示している。文字通り「税金主導成長」である。

     

    (1)「政府があらゆる手段を使い、2%達成に全力を挙げたのは「成長率1%台」という成績表では総選挙を戦えないからだ。それで「予算を残せば不利益を与える」として、予算の早期執行を促した。地方自治体が給与の支給日を前倒しし、各地の教育庁は長期休業に入る前に教室の私物ロッカーや机椅子を交換するなどてんやわんやだった。真冬に木を植えたり、高齢者の就労事業を行ったケースもあった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は勤労・子女奨励金を執行するのに忙しかった一線の税務署にピザまで配った。税金を節約するのではなく、最大限気前よく使わないと大統領に称賛されない国になった」

     

    下線部分には、政府10~12月にかけて財政支出を必死で増やして、GDPの下支え策に出た様子を示している。一昨年の10~12月期のGDPも政府部門の支出増で18年のGDP成長率を2.7%に押し上げている。昨年も同じ手を使ったのだ。だが昨年と同様に、今年1~3月期のGDPはマイナス成長になろう。

     

    (2)「経済の至る所で成長動力が失速している。低成長の相当部分は政府の政策的ミスが原因だ。労組寄りで反企業・反市場的な政策が企業の意欲をそぎ、産業の活力を低下させた。全ての先進国が規制改革と減税、労働改革を通じて競争力を高める政策を取る中、韓国政府は逆行した。最低賃金と法人税を急激に引き上げ、硬直的な労働時間の週52時間上限制を強行し、コスト負担が高まった。規制改革どころか環境や既得権の保護を理由に新たな規制を大量に追加し、企業活動に足かせをはめた

     

    文政権は、何よりも総選挙の敗北を恐れている。だから、支持母体の労組と市民団体の顔色を見て政策を行なっている。苦しむ国民を救うことよりも、「共に民主党」を総選挙で勝たせる。それによって、文在寅氏は安心して任期を全うして、検察捜査を受けずに幕引きできると踏んでいるのだ。

     

    (3)「経済副首相と与党代表は2%成長について、「困難な環境でも善戦した」と自画自賛した。経済基調を転換するという言葉は全くなかった。税金主導成長は持続可能なものではない。既に財政赤字が急速に膨らみ、政府債務が初めて700兆ウォンを超えた。やがてこれ以上税金をつぎ込むことができない状況が到来する。現政権はそれが任期後に訪れると信じているのだろう」

     

    文大統領は、韓国の大統領ではなく「共に民主党」の大統領である。これほど露骨に支持母体の利益だけを追及した政治家もいないだろう。それが、2019年の経済成長率の中身に表れている。


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    文大統領は、自己保身で汲汲になっている。4月の総選挙で与党「共に民主党」を勝たせる。それが、文氏の退任後の身分を安泰にさせると信じているからだ。その一環として、検察改革を行い、文氏側近を捜査する検察に人事面で露骨な介入をした。およそ、公正と平等を説いている文氏にふさわしくない行動である。

     

    文大統領による検察への人事介入が、世論調査で文大統領と与党の支持率をジリジリと引下げている。国民は、じっと政権と与党の振る舞いを凝視しているのだ。共に民主党は、この成り行きに頭を痛めている。

     

    『ハンギョレ新聞』(1月23日付)は、「『大統領府ー検察の軋轢』、総選挙の悪材料となるかも、民主党の心痛」と題する記事を掲載した。

     

    検察の同時多発的な捜査をめぐり、大統領府と検察間の緊張が続き、「共に民主党」の苦悩が深まっている。総選挙に否定的影響を及ぼさざるをえないが、今後相次ぐ起訴と裁判で短期間に整理されうる事案でないことが悩ましい。民主党は、検察人事と大統領府捜査に関連した軋轢が最近の世論調査に現れた支持率小幅下落に影響を及ぼしたと分析している。

     


    (1)「大統領府は23日、検察の人事異動で捜査にブレーキをかけた。検察はこれに対抗してチェ・カンウク大統領府公職規律秘書官を起訴するなど、あたかも大統領府と検察が打ち合うような状況が演出された。「終わりそうで終わらない」軋轢が続いている。前日にもチェ秘書官は「チョ・グク元長官に対する捜査結果があまりにつまらないものだったので(新たな)疑惑を作り出している」と激しい表現を使って検察を非難した」

     

    日本では、首相官邸が検察の動きを批判することはない。三権分立の立場から言って、行政が司法に介入することはあり得ないからだ。韓国は、時代遅れで大統領が皇帝と錯覚している。日本より100年は遅れている。そういう認識がゼロで、「日韓対等」意識で立ち向かってくるからギクシャクするのだ。

     

    (2)「間に挟まった民主党は、「検察の捜査に無理がある」と反発しているものの、内心は総選挙に及ぼす影響により神経を尖らせていると見られる。継続している大統領府ー検察の軋轢」が、総選挙で領域を拡張しなければならない中道層に良くない影響を与えかねないと見ているためだ。民主党のある戦略通議員は「総選挙のリスク要因になり得る。軋轢それ自体が負担になりかねず、大統領府に対する検察の捜査が続いているだけに、捜査を通じて新たな事実があらわれれば圧迫になりうる」と展望した」

     

    大統領府は、検察の家宅捜査を拒んだ結果、検察捜査官が8時間も室外で待機させられ、やむなく家宅捜査を諦めたという一件があった。メディアによって一部始終報じられているから、大統領府には不利である。支持率が下がって当然であろう。家宅捜査を拒否するのは、大統領府が別格の扱いということだろうが、「三権分立の原則」に著しく反することである。そのことに気付かないほど、特権意識を持っていることを示している。

     

    (3)「また、別の与党関係者も「検察が無理な捜査をしていることは事実だが、私たちも与党なのに軋轢管理がうまくできていない。表立たないように軋轢を収拾する方式で進むべきなのに、かえって正面から争う姿を見せている」と指摘した。検察が大統領府に対する捜査を通じて総選挙に影響を及ぼしていると声を高めようとしても、すでに「大統領府に対する捜査を阻もうとしている」というフレームが形成されている状況を憂慮しているわけだ」

     

    下線のような「邪推」をなぜするのか。検察は大統領府の「敵」という位置づけであるからだ。この意識に基づいて、検察人事に介入し検察改革をやっているのだろう。検察機構を政治の道具に使うのは、政府腐敗の原点である。文政権が、すでに腐敗していることを自ら証明している。

     

    (4)「大統領府は、大統領府およびチョ・グク前法務部長官に関連する捜査を指揮した次長検事を全面交替した人事と関連して、「人事提案権は法務部長官に、人事決定権は大統領にある」という原則的な立場だけを明らかにした大統領府捜査の遮断用という保守勢力の反発に生半可に対応すれば、さらに世論が悪化することもありうるためだ」

     

    大統領府が、検察や裁判所の人事権を振りかざして、「人事決定権は大統領にある」と言うのは民主主義として未成熟である。日本では、こういう露骨な発言をする首相を見たことがない。司法人事は、独立を保障すべきである。文政権は、裁判所の人事権も握って、「積弊一掃」を行なわせている。言葉は上品でないが、「ろくなことをやらない」大統領なのだ。

     

    (5)「韓国リサーチのチョン・ハンウル世論分析専門委員は、「大統領府と検察の軋轢イシューは、政府・与党にとってはマイナスに働く。まず経済が1順位ではないとのメッセージを与え、チョ・グク前長官イシューを再び呼び覚ます効果がある。チョ前長官または大統領府に対する捜査を妨害している姿に映れば、政府・与党にはマイナスにしかならない」と明らかにした」

     

    下線部分の大統領府と検察が争っている印象は、大統領府にとってマイナスでしかない、と世論調査の専門家が指摘している。その通りだ。検察の人事権も大統領にある。それでも検察は、自らの任務に対して忠実に遂行している。この検察に拍手を送るのが普通の感覚だろう。文政権は、権力を野党に渡したくない一念で、すでに正常な感覚を失っているのだ。


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    文大統領は、4月15日の総選挙が、「審判の日」と見ているようだ。与党「共に民主党」が敗北すれば、文大統領が退任後に盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の二の舞になると恐れているという。自身の「身の安全」のためにも与党を勝たせねばならないと思い込んでいる。そのためには、禁じ手でも何でもやると殺気だった雰囲気である。

     

    『中央日報』(1月22日付)は、「文大統領の危険な勝負手」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のイ・チョルホ/中央日報コラムニストである。

     

    (1)「4月の総選挙が、「文在寅(ムン・ジェイン)選挙」に固まっていく雰囲気だ。与党ではひたすら文大統領だけが見える。官僚らは「青瓦台(チョンワデ、大統領府)政府」に圧倒されており、民主党も垂直的な与党・青瓦台関係に踏み付けられて存在感が感じられない。青瓦台出身の「親文(文大統領寄り要人)」だけで60人余りが総選挙に出て「非文」は見当たらない。文大統領のよどみない独走だ」

     

    大統領府に秘書官として、かき集められた「86世代の浪人」が、再就職の積もりで総選挙へ60人も立候補させるという。これら「浪人」は、かつての学生運動家上がりで、ブルブラしていた連中という。文氏が、大統領を退けば「失業」必至の人たちだ。総選挙が再就職の機会のようである。



    (2)「大統領の言葉にも凄じい力が加えられている。文大統領が新年記者会見で「チョ・グク前長官にとても大きな負い目を感じている」と言うと、2日後に新任検察幹部が「チョ・グク氏を無嫌疑で処理しなければならない」と主張した。青瓦台に向かって捜査の矛先を向けていた検事長は全員交代され、明日は部長・検事補に対する報復粛清が予告されている。軍事独裁政権もこれほどではなかった」

     

    検察改革は、文氏とその支持者を守るためにやっていることがはっきりしてきた。これまでは、いかに検察が横暴であったかを力説してきた。横暴であったのは、裏にまわって検察を利用してきた大統領府であることが、下線部分で証明されている。

     

    (3)「文大統領の「もう米朝対話だけを見つめない」という発言もものすごい波紋を起こした。それにけちをつけたハリス駐韓米大使に向かって「朝鮮総督か」(民主党議員)、「鼻ひげが日本巡査のようだ」(親文ネットユーザー)という人種差別・人格殺人の無差別的な攻撃が注がれた。大統領の一言に青瓦台・政府・民主党がスクラムを組んでひとまず押しつけるわけだ。常識や合理的な判断は姿を消した。文在寅・青瓦台で勤めたことのある人々はこのように口をそろえる。「首席と秘書官は過去の政権よりさらに大統領の顔色をうかがい、文大統領は民主労組と参加連帯だけを意識する」。そのため、左派政策だけがあふれるということだ。固定支持層に集中しているためだ」

    本欄は、文大統領が支持団体の労組と市民団体だけに関心を向けていると主張してきた。下線の通り、文氏の頭はこれら「スポンサー」の顔色を覗っている。気の毒な大統領である。

     


    (4)「大統領府の人々が語る共通分母は、文大統領が政権再創出に失敗(注:総選挙敗北)するかもしれないという漠然とした恐怖だ。文大統領は盧武鉉氏のそばで総選挙・大統領選挙に敗北する場合、どのようなみじめな末路を迎えるのか最も近くで見守った。そのせいか昨年末から無理に選挙法を直して総選挙の変数になり得る検察の捜査は急いで無力化している。また、「検察改革」という名で検察トップの「尹錫悦(ユン・ソクヨル)ライン」を直接除去した。想像することさえ難しかったことを全く恥とも感じずに全うしている

     

    文大統領は、高尚な政治家ではない。ただの「政治屋」に成り下がっている。選挙に勝つために、「禁じ手」を次々と繰り出しているからだ。選挙法を変える。検察トップを支えてきた人たちを一斉に左遷する。軍事政権時にも考えられなかった手を使っている。こういうなりふり構わない姿を見ると、自分の政策がすべて失敗したという自覚があるのだろう。

     

    (5)「これ以上陣営論理かどうかを問い詰めるのは無駄なことだ。文大統領は4月の総選挙を全面戦争であり、最後の勝負所とみて報告総力戦を覚悟している

     

    文大統領は、4月の総選挙結果が自身に直接、影響してくると認識している。政策を真面目にやらず、良い結果だけを求める。そんな虫の良いことが実現するはずがあるまい。


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    文政権が、大法院(最高裁)を舞台にして「積弊一掃」の派閥争いを繰り広げている。18人もの判事が、裁判所まで進歩派判事で固めるという政府の動きに反発し、大量辞任するというショッキングなニュースが飛び込んできた。

     

    文政権は、「無血革命」を狙っているのだろう。検察からは大統領府を捜査する権力を取り上げることに成功した。最高裁は、進歩派判事で埋めて気に入った判決をさせる。こういう独裁体制を固めて、進歩派政権を20年間継続させ、南北統一によって、韓国で社会主義政治を実現させる。神をも恐れぬもの凄い「韓国乗っ取り」を始めた。

     

    文政権は、ナチスの全体主義に通じる「敵―味方」論で、相手を徹底的に選別している。この全体主義手法を、大法院まで持ち込んだことは、韓国の民主主義が危機に直面している証拠だ。日本では、裁判官の地位は保証されている。そうでなければ、公正な裁判は期待できない。韓国は、そう言っては失礼だが、宗族意識で「敵-味方」に分類して争っている。近代化が遅れているのだろう。

     


    『朝鮮日報』(1月22日付)は、「韓国大法院長官の『積弊清算』でエリート判事18人が辞表提出」と題する記事を掲載した。

     

    今月末の裁判所定期人事異動を前に辞表を提出した裁判所行政処および大法院裁判研究官出身の判事たちは少なくとも18人に上ることが21日、分かった。裁判所行政処・大法院裁判研究官は有能だと評価された少数のエリート判事たちが経る職務で、これだけの人数の「エリート判事」たちが一度に辞める事例はまれだ。

     

    (1)「昨年初めの定期人事異動で辞表を提出した判事は全体で43人だったが、その40%に相当する。裁判所行政処・大法院裁判研究官出身判事の「相次ぐ辞表提出」に、裁判所内部は衝撃を受けている様子だ。ソウル高等裁判所のある部長判事は「裁判所行政処審議官(平判事)や大法院裁判研究官出身判事たちがこれほど多く辞めたことはなかった。裁判所としても、裁判を受ける国民としても大きな損害だ」と語った」

     

    昨年1月の人事異動で43人が辞表を提出。今年1月には少なくとも18人が辞表を提出したという。合計61人だ。韓国司法の「宝」であろう。そういう人材を追出すようなことをしてはいけない。行政が司法に手を延ばしてきた訳で、文氏のいう「三権分立原則」は空洞化している。

     

    (3)「本紙取材の結果、今回の裁判所定期人事異動前に辞表を提出した裁判所所長は2人で、高裁部長は3人だった。この5人はすべて行政処や大法院裁判研究官出身だ。これらのうち、ハン・スン全州地方裁判所所長は梁承泰(ヤン・スンテ)前大法院長官時代、裁判所行政処の要職にあった。また、キム・ギジョン・ソウル西部地方裁判所所長は大法院裁判研究官を務めた。あとの高裁部長3人も行政処企画調整審議官などを務めた。残り13人は裁判所の「腰」や「中枢」に当たる地方裁判所の部長判事クラスだ。13人のうち9人は梁承泰前大法院長官時代に裁判所行政処で勤務していた。あとの4人は大法院で租税分野などを担当した判事だ。ある裁判所所長は「裁判所を担う柱が全部抜けていくだろう」と言った。また、ある高裁部長判事は「将来の大法官にふさわしい人材と言うべき後輩たちなのに…」と語った」

     

    梁承泰(ヤン・スンテ)前大法院長官は、朴槿惠(パク・クネ)政権の意向を受入れたとして文政権に追放された。今回は、金命洙大法院長官が文政権の「積弊一掃」の派閥争いを持ち込んでいる。やっていることは、前大法院長官と同じである。その矛楯に気付かないところが「幼稚」に見えておかしいのだ。

     


    (3)「裁判所内部では、金命洙大法院長官が就任後に本格化した「司法積弊(前政権の弊害)」清算の動きが今回の相次ぐ辞表提出の主な原因だという指摘がある。行政処で中核となる職務を務めた経験があり、今回辞表を提出したある中堅判事は「そのままとどまっていても『積弊判事』と後ろ指をさされるだけだ。とどまる理由がない。これまで耐えてきたのは『自分が間違っていたから辞めた』と認める形になるのではと思ったからだ」と説明した」

     

    裁判所に派閥争いを持ち込んだ文大統領の罪は重い。大統領になれば、何でも好き勝手ができると錯覚しているのだろう。次期政権が保守党になれば、こういう不条理な選別をさせた「文在寅」をぜひ法廷に立たせなければならない。二度とこういう事態を招いてはならないからだ。

     

    (4)「金命洙大法院長官とその下にいる「進歩系判事」たちは梁承泰時代の大法院の司法行政権乱用や「裁判取引」疑惑について3回にわたり裁判所の独自調査や検察捜査を推し進め、この過程で100人前後の行政処・大法院研究官出身判事が検察の捜査を受けた」

     

    金命洙大法院長官も法廷に立たせる必要がある。最高裁長官が、大統領の要請で「積弊一掃の派閥争い」に加担するとは言語道断である。嘆かわし最高裁長官である。


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    巧みな弁舌を武器にして、大統領へ上り詰めた文在寅(ムン・ジェイン)氏が、韓国の大学教授から批判を浴びている。その政策運営姿勢が、全体主義的であることだ。ナチスの「敵・味方分断論」という陣営論に立っていると指摘されている。文政権支持基盤の利益は徹底的に擁護するが、国民全体の利益増進にソッポを向いている現実が、韓国国内の対立を深め、経済を泥沼に追い込んでいる。

     

    『中央日報』(1月22日付)は、「韓国教授6094人の時局宣言 彼らはなぜ青瓦台に向かって行進したか」と題するコラムを掲載した。筆者は、イ・ホソン/国民大学法大教授・「社会の正義を望む全国教授会」共同代表である。

     

    「社会の正義を望む全国教授会」(教授会)に所属する6094人の韓国の大学教授が今月15日、第2次時局宣言を発表した。チョ・グク前法務部長官事態を目にして、非常識と破廉恥、反知性に憤怒したためだ。

    (1)「教授らはソウルプレスセンターで時局宣言文を発表して、続けて青瓦台(チョンワデ、大統領府)前まで行進した。彼らは文在寅政権の偽善と偽り、暴走の危険性を警告して国政の大転換を促した。昨年に続いてこのように多くの教授たちを集結させた最大の動因は、何よりも自由憲政秩序の破壊という危機感と、これに対する国民的覚醒が必要だという切迫した気持ちのためだ。教授らがこのような判断を下すに至ったのは、一言で政権の「偽り」形態のためだ」

     

    文政権は、進歩派の政権を今後20年間継続させて、韓国社会を「社会主義」に変えさせ、北朝鮮と統一するという「空想」を描いている。そのためには、進歩派の支持基盤を強化して、反対派を排除できる体制を作らなければならない。検察改革と選挙法改正を実現させたのは、途中で「邪魔」が入らないようにする重要な「制度設計」であろう。

     

    韓国の大学教授6000名余が、危機感を募らせているのは当然である。これまでの韓国進歩派の理論的指導者が、自ら文政権の危険性を指摘するまでになっている。その理由は、先に示した「敵・味方論」というナチズムの指導理念と合致している事実によるもの。物腰の柔らかい文大統領が、「まさかそこまで」と思いがちである。だが、現実に行っていることは、「政権20年維持構想」に沿っていることは疑いない。

     

    (2)「今まで共同体の存続と発展という一つの目標の下で、方法の違いはあれども、民主主義の大原則があった。ところが「同意しないことに対する同意」という基本が無視されるだけでなく、悪用されているという疑問を持つようになった。さまざまな専門がある教授たちは、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)、准連動型比例代表制、所得主導成長などこの政権の主要政策を集中的に分析した。その結果、この政策を貫き、それぞれを一つにまとめている巨大なあるものを発見するに至った。それは「偽り」だった

     

    進歩派政権は、表面的には「平等・民主・自由」を軽いタッチで発言する。中国の習近平氏でも同じことを言っている。現実には、全くの逆の道を選んでいるのだ。そういう意味で「進歩」「革新」と名乗る政治勢力には、常に胡散臭さがつきまとっている。社会は、進歩派が善で、保守派は悪という単純な図式で測れない複雑さがある。文政権は、下線部分のように、巧妙に大衆を騙す「装置」を考案して法律化した。大学教授6000名余が、研究成果を持ち寄りこういう結論を出したという。

     

    (3)「真たる左と右、真たる保守と進歩は、真実の上で競争するものだ。価値観と信念に基づく過去の経験によって、見通しが違うこともあり、方法も違うこともあるが、その解釈の土台は真実でなければならない。しかし残念ながら、文政権と執権与党はすでに捕獲したメディアを通じて、また「盲目」支持層を通じて、真実を隠したりわい曲したり、そして時には「親衛クーデター」のような扇動もはばからなかった。検察の「生きている権力捜査」を無力化した執権勢力の形態は、自分のことは棚に上げて他人を非難する「ネロナムブル(私がすればロマンス、他人がすれば不倫)」をチョ・グク事態にもじった「チョロナムブル」という表現だけでは不足するほど露骨だった」

     

    韓国のテレビ局の労使は、すべて文政権寄りとなっている。学校教育では、左派理論を教え込み「親中朝・反日米」を鮮明にしている。高校生の歴史教科書は、「親中朝」を基調にしており、南北統一への「洗脳」を開始しているのだ。こういう事態を見れば、韓国の行く先は、中朝という社会主義への道であろう。国民にそれを明示せず、知らないうちに政治路線の変更をさせる。実に巧妙な戦術を駆使している。韓国の大学教授が抱く危機感はここにある。


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