勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    韓国は、慰安婦像と旭日旗にこだわっている。日本軍国主義の象徴という捉え方だ。過去の問題は、日韓基本条約で解決済みのはず。韓国は、「精神的な問題」で釈然としないという理由である。

     

    自衛艦は、10月11日に韓国の済州島で開催される「2018韓国海軍国際観艦式」に参加する。その際、韓国政府が自衛艦に旭日旗を掲げるなという異例の要請が届いている。理由は、韓国国民が日韓併合時代を思い出すというもの。慰安婦像も国民感情、旭日旗も国民感情と大衆迎合政治の典型例である。

     

    『中央日報』(9月28日付)は、「韓国海軍の旭日旗自制要請に日本『非常識』」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国海軍が大韓民国海軍国際観艦式に参加する日本海上自衛隊の艦船に旭日旗を掲げないでほしいと要請したことに対し、日本側が反発した。朝日新聞によると、日本防衛省の関係者は28日、「非常識な要求」とし「旭日旗を掲げないという条件なら参加しないことも検討する。(要求を)聞き入れる国もないだろう」と反発した。海軍は軍国主義を象徴する旭日旗に対する国民の反感を考慮してこうした措置を取ったとみられる」

     

    旭日旗が、日本の国内法で決められた公的な存在である。それを、韓国国民の感情という曖昧なもので掲揚するなということは、国際的にも通用しない話だ。日本が、この「わがまま」を受入れたらさらにエスカレートするはず。慰安婦像と同じ国民感情という一言で国際法を曲げているからだ。

    日本側の対応は次のようだ。

     

    『産経新聞』(9月28日付)は、[海自、日旗掲げ韓国観艦式に参加へ、小野寺五典防衛相国内法令に基づいて対応]と題する記事を掲載した。

     

    (2)「小野寺五典(いつのり)防衛相は28日午前の記者会見で、来月11日に韓国南部の済州島で開かれる「国際観艦式」に関し、参加する海上自衛隊の護衛艦に自衛隊旗である「旭日旗」を掲げる考えを示した。韓国側は参加国に対し、海上パレード中は艦艇に自国国旗と開催国である韓国国旗だけを掲げるよう要請。韓国国内では旭日旗への批判的な声が強く、掲揚自粛を間接的に呼び掛けた形だが、日本側は拒否する構えだ。小野寺氏は、自衛艦旗の掲揚について「自衛隊法などの国内法令で義務づけられている。国連海洋法条約上も、国の軍隊に所属する船舶の国籍を示す『外部表記』に該当する」と強調。「国際観艦式に自衛隊艦艇を派遣する場合は、このような国内法令にのっとって対応する」と説明した。小野寺氏は旭日旗について「太陽をかたどっており、大漁旗や出産、節句の祝い旗として日本国内で広く使われている」と述べた」

     

    旭日旗は、公的な存在である。つまり、「自衛隊法などの国内法令で義務づけられている。国連海洋法条約上も、国の軍隊に所属する船舶の国籍を示す『外部表記』に該当する」もの。韓国の国民感情で、自衛隊法と国連海洋法条約上の存在である旭日旗を葬り去ることは認めがたい。日本は妥協せず道を通すべきだ。韓国社会に「日本について」認識して貰うチャンスであろう。だめなものはだめ。この原則を教えることだ。


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    9月の景況感は悪化傾向が強まっている。間もなく発表される国家統計局の製造業PMI(購買担当者景況指数)は鈍化が予想される。8月は51.3であったが9月は低下見通しが出てきた。ブルームバーグの予測指数が示唆している。

     

    『ブルームバーグ』(9月28日付)は、「中国経済9月も減速、先行指標示唆、対米貿易摩擦が激化」と題する記事を掲載した。

     

    中国経済の9月の先行指標は景気減速が続いたことを示した。米国との貿易摩擦は激しさを増している。

     

    (1)「ブルームバーグ・エコノミクスは業況や市場センチメントに関する先行指標をまとめ、指標を作成している。それによると、トランプ米政権による今週の追加関税発動前でも対米貿易摩擦が中国景気の重石になっていたことを示唆した中国当局は外部環境の悪化から国内経済を守るための施策を講じている。ブルームバーグのチーフアジアエコノミスト、舒暢氏は「先行指標は米政権による直近の追加関税発動前でも中国経済がさらに減速していたことを示している」と指摘。「景気下支えに向けた政府の対策効果はまだ表れていない」とコメントした。多くの主要貿易相手国の購買担当者指数(PMI)は引き続き拡大を示しているが、ブルームバーグ推計の生産者物価は3カ月連続で鈍化し、今年4月以来の低水準となった」

     

    調査項目9項目の平均は、好不況の分岐点を割った。内訳は7項目が50割れで残り2項目がわずかに50を上回った程度である。中国経済の大勢は50割れ状態だ。この調査結果は、米国の2000億ドル関税の追加が発表される前の調査である。調査後の現在は、さらに悪化度合いが強まっているものと見られる。

     

    輸出のメッカである広東省の製造業PMIは、8月すでに50割れとなっていた。この動きが全土に拡大された形である。

     

    正式な9月の製造業PMIが発表の暁は、かなりのショックを与えるだろう。駆け込みのインフラ投資効果は来年春以降とみられる。この間の景況感悪化は、中国経済の先行きに強い警戒論を呼び起こす可能性が強い。


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    韓国は、何ごとも日本と同じグループに入っていなければ満足できない「強迫症」に取り憑かれている。韓国紙の記事でも、必ず日本と比較しており、日本と差があると「慨嘆」する。優っていれば、「天下」を取ったような喜び方だ。ノーベル賞受賞では、いつも日本を羨ましがっている。今年はどうなるか。

     

    最近の悩みは、韓国経済の停滞感である。今年の経済成長率は、政府目標が3%であった。韓銀(中央銀行)は2.9%に引下げている。ところが、OECD(経済協力開発機構)は、さらに低い2.7%に下げ大ショックだ。最低賃金の大幅引き上げが元凶である。政府はわれ関せずで沈黙している。

     

    このままだと、韓国は先進国になれないと悲観している。先進国とは何かという、尺度が問題になるが、どうやら日本と同じ扱いを受けるグル-プに入ることらしい。具体的には、国民一人当たり名目GDPが3万ドルを大きく超えることだ。現状は、その手前で長く立ち止まっている。

     

    この状態を打破するにはどうするか。

     

    『中央日報』(9月25日付)は、「韓国、未成熟先進国の罠から抜け出せない?」と題する記事を掲載した。司空壱(サゴン・イル)元財務部長官(大蔵大臣)へのインタビューである。

     

    (1)「最低賃金制は一部の限界勤労者のための社会的な安全網だ。米国の場合、最低賃金対象の就業者比率は全体就職人口の2.3%という。ところが韓国はこの比率が13.3%にのぼるうえ、飲食宿泊業・卸小売業はこれよりはるかに高い。特に零細自営業は72.3%にのぼると推測される。したがって生産性の向上なく急激に最低賃金を引き上げると、こうした分野の勤労者と雇用主に大きな被害を与えるしかない」

     

    韓国の就業構造を見ると、労働集約型であることがわかる。韓国の最低賃金対象者が、全体の13.3%(米国は2.3%)と、米国の6倍もいることだ。この層の賃金を引上げるには、法律で強制的に押上げるよりも、生産性を引上げる政策努力がまず必要だ。韓国政府は、それをやらないで、一律に16.3%(今年)も引上げて大混乱を来した。政策の素人であることは明らかだ。

     

    韓国の就業構造から見ると、とても先進国入りは困難である。日本では、スパーやコンビニの普及で、自営業が吸収されて生産性を引上げたが、まだまだ不十分である。「ウォームハートとクールヘッド」という言葉がある。文大統領はウォームハートだけで、クールヘッドでないようだ。

     

    (2)「企業家がリスクを負って起業しようとするアニマルスピリットは政治・社会的な雰囲気に大きな影響を受ける。したがって企業に不利な具体的な政策も問題だが、そのような政策の背景になった反企業情緒あるいは社会・政治的な雰囲気自体が企業投資と雇用創出にマイナスの影響を与えることになる。もし下請けの中小企業や消費者に不当で不公正な行為をする場合、そのような大企業は法と制度で厳重に治めるものの、規模が大きいこと自体を問題にして大企業の投資と雇用創出の機会を阻むのはやめるべきだ」

    社会全体が、新しいビジネスを歓迎する雰囲気が必要である。韓国は、大企業=財閥を極端に嫌っている。やたらと規制をかけるのだ。これは、世界でも珍しい「企業虐め」である。企業は、「金の卵」を生んでくれるもの。韓国は、その卵を産む親鳥を虐めて喜ぶ妙なクセがある。これを改めなければ、永遠に「先進国候補」に留まるにちがいない。


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    太平洋戦争が、終わって70年以上も経つ。韓国でも、日韓併合時代を活字でしか知らない世代も増えて当然だ。以前、日本の著名大学の学生が、「日本は本当に米国と戦争をしたのか」と真顔で質問した話を聞いたことがある。こんな次第で、韓国では「日本ブーム」だという。あの「反日の国」が本当かと思う。

     

    『朝鮮日報』(9月24日付)は、「『旅行した日本みたい』 ソウルに和風カフェ急増」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「和風レストランや居酒屋が人気の韓国で、カフェでも和風のインテリアが人気を呼んでおり、ソウル市内でも急増している。和風カフェの共通点は、インテリアはもちろん、テーブルやいすも木でできているものを選んでいることだ。お団子をはじめとする和風スイーツを木の器で出す所も多い。エスプレッソではなく、ハンドドリップコーヒーがメーンメニューで、人気の店では外に行列ができるほど人が集まる」

     

    韓国でも、日韓併合時代を正しく記憶している者は80歳以上の高齢者に限られる。この人たちが、子どもや孫に当時を語らない限り、「臨場感」はない。時間が経てば、憎しみの感情も変わってくるのだろうか。それどころか、隣国であるから旅行経験があれば、親近感を持ってくる。現在の韓国で、そういう感情が芽生えたとすれば、訪日旅行がもたらした変化だ。旅が人を変える実例であろう。

     

    (2)「人気和風カフェの代表は、日本の昔ながらの喫茶店を模した店だ。昨年オープンしたソウル市松坡区松坡洞の「珈琲島」(カベド)は、フロア・パーテーション・窓枠などが木で作られており、薄暗くて落ち着いた雰囲気だ。テーブル・照明・コーヒーカップといった家具や小物もほとんど日本から持ってきた。ソウル市麻浦区西橋洞の「Anthracite」(アントラサイト)は3階建ての一戸建てを改造したカフェ。日本のデザイナー、真喜志奈美(まきしなみ)氏の手による空間は、トイレのドアやパーテーションもすべて木で作られ、日本の木造住宅の雰囲気を出している」

     

    これは、戦後の喫茶店の雰囲気のようである。当時を知る私も行ってみたい感じだ。こういうゆったりした喫茶店は気持ちが休まる。新聞を読みながらコーヒーを飲む。クラッシックが静かに流れる。青年時代の自分に戻れるような感じだ。

     

    (3)「最近の和風カフェ人気は、旅行で日本に行く韓国人観光客が急増していることと関係があると見られている。日本政府観光局によると、昨年の訪日韓国人観光客は714万人で、2013年の246万人に比べ約3倍に増えたとのことだ。事実、韓国の和風カフェを訪れた人々がソーシャル・メディアでよく使う表現は『まさに旅行で日本に行った時のような感じ』というものだ」

     

    韓国からの訪日観光客は現在、2013年当時の3倍にもなっている。昨年は714万人。リピーターが含まれているから400万人ぐらいの人たちは、「熱烈日本ファン」という計算になる。ソウルの人口は986万人(2015年)だ。そうすると、かなり高い確率で、ソウルには「日本リピーター」がいる勘定だ。「和風カフェ」は営業として成り立つし、居酒屋も繁盛して不思議はない。


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    韓国の出生率の急低下は深刻である。一人の女性が出産する子どもの数を示す「合計特殊出生率」が今年に入って1人を割って世界最悪の事態になっている。日本の1.4人も少なくて、政府はこれを1.8人まで引き上げると奮闘中だ。

     

    それほど、出生率低下は国家の将来を左右する重要問題である。韓国の場合、日本以上に難問に直面している理由は、家賃制度にあることがおぼろげながら分ってきた。ならば、この家賃制度を変えれば良いのだ。それが、すぐにできないところが韓国の悩みである。儒教社会ゆえに、過去からの仕来りが重い足かせになっている。なんとも不合理な話である。

     

    『朝鮮日報』(9月24日付)は、コラム「結婚放棄世代」を掲載した。筆者は、同紙の朴恩鎬(パク・ウンホ)論説委員だ。

     

    (1)「韓国は2015年の時点で2049歳の女性の37%が独身だった。2000年は27%だった。昨年の結婚数264500件は人口1000人当たり5.2件で、1970年の統計開始以来最低となった。「韓国消滅」という事態を防ぐには、非婚人口・晩婚人口をまず減らすべきだという分析がある。ソウル大学のイ・チョルヒ教授が2016年に配偶者のいる女性を調査したところ、平均で2.23人を出産していた。これは2000年の1.7人よりもむしろ増えている数値だ。つまり、「結婚→出産」という流れはより強まっているのだ」

     

    ここで重要な点が指摘されている。結婚した女性の子どもの数は、2000年の1.7人から2016年には2.23人へ増えていることだ。結婚しても子どもを持ちたがらない。そういう通説は否定されている。ところが、20~49歳の出産可能世代が37%も独身である。これは、相性がいい男性に巡りあえず結婚ができないことを示唆している。

     

    (2)「深刻なのは、独身男女が結婚を避ける理由がますます増え、しかも強くなっているということだ。本紙「少子化」取材チームが会った3035歳の非正規職未婚男性は「ソウルで暮らすには、『伝貰』(チョンセ=住宅賃貸時に高額の保証金を大家に預け運用してもらう代わりに、月額賃料を支払わない賃貸契約)も2億ウォン(約2000万円)以上必要だ。そんなお金をいつ貯めろと言うのか」と嘆いた。それなりの企業に正社員として就職するのも夢のまた夢だ。青年失業率はますます悪化している。「最近は金持ちの家の子しか結婚できない」とまで言われている。結婚が特権になってしまったら、その国に希望はない」

     

    韓国男性は、結婚問題についてどう考えているのか。結婚願望は強いものの、住宅問題がネックで結婚できない。そういう事情が浮かび上がってきた。韓国では、「伝貰」(チョンセ)という昔からの貸家制度がある。住宅賃貸時に高額の保証金を大家に預け運用してもらう代わりに、月額賃料を支払わない賃貸契約だ。その保証金が、なんと2億ウォン(約2000万円)以上も必要というから驚く。この「伝貰」が、結婚を邪魔しているならば止めればいいのだ。それができないところに悩みがある。

     

    韓国の最大の問題はここにある。過去からの習慣を変えられないのだ。これぞ儒教社会の落し穴であるが、儒教は空気となって韓国社会を強制しているのであろう。韓国男子は、結婚するにはそれなりの資産を貯めないと、女性に結婚を申し込めない。「男子の威厳」とやらに縛られているのだろう。好きな女性がいれば、「愛情第一」で家庭を持てば良いのだ。その勇気が、韓国社会の仕来りによって邪魔されている。なんとも、不思議な社会に思える。


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