勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

    a0960_008572_m
       


    「感情8割・理性2割」とされる韓国で、反日不買に利用された幟の「NO JAPAN」が人種差別であるという批判が高まっている。そもそも、韓国の人権教育に問題があるという指摘まで飛び出す騒ぎだ。人権蹂躙といえば、芸能人へ痛烈な人格否定メールを送り、昨年は2人も自殺に追い込む荒んだ社会である。こういう中で、「NO JAPAN」は何の反省もなく受入れられたのだろう。

     

    『ハンギョレ新聞』(1月15日付)は、「『日本人立入禁止』 『No Japs』の看板は人種差別批判相次ぐ」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「『日本人立入禁止』と書いてあるが、韓国語だけで書かれており、日本の人たちは何を意味するか知ることはできません。このような垂れ幕を掲げた理由は、本当に日本人を拒むためだったのでしょうか?垂れ幕広告の対象は、実は韓国人です。韓国人顧客に『愛国心がある私たちの食堂に来てください』という愛国マーケティングです」

     

    今年で韓国生活9年目のフリーランス記者のラファエル・ラシッド氏(32)は、今月10日、自分のツイッターアカウントに「日本人立入禁止」と書かれた垂れ幕を掲げた釜山の韓式食堂の写真とともに「これは国家主義ではなく人種差別主義だ」というツイートを投稿した。日本人の食堂立ち入りを禁止するという案内垂れ幕が「人種差別主義」に相当するという意味だった。英国の大学で韓国学と日本学を、韓国の大学院で韓国学を勉強したというラファエル氏は、なぜこのようなツイートを書いたのだろうか。

     


    (2)「彼は13日、「ハンギョレ」との電話インタビューで「韓国人がなぜ日本を批判し、日本製品の不買運動をするのかは、よく理解している。しかし、批判の対象は日本人ではなく安倍政権でなければならないのではないか」と話し、「そのツイートを書いた後に『韓国の歴史を十分に勉強しろ』という内容のメッセージをたくさん受け取った」と述べた。「韓国人と日本人はどちらも東洋人だから、学問的に突き詰めると『人種差別』と規定することはできないかもしれませんが、国籍や肌の色などを理由に誰かを差別するのは結局、差別ですよ。韓国に住む私の日本人の友達も韓国と日本の過去のことをよく知っているのに、彼らがなぜ食堂の出入りを禁止されなければならないのか、理解できません」

     

    「NO JAPAN」の幟は、地方自自体が率先してつくったものだ。特に、韓国与党の「共に民主党」の首長がいる市が積極的に行なった。ソウルや釜山などだ。日本で言えば、東京都と大阪市に該当する。これだけ見ても、人権意識がなかったのは韓国社会共通と言えよう。

     

    不思議なのは、韓国大法院(最高裁判所)が徴用工賠償問題で「人権に時効はない」と名文句を吐きながら、韓国社会ではこれと逆のことを文政権挙げてやっていたことだ。過剰な被害者意識は持っているが、加害者意識はゼロというアンバランスぶりである。

     

    (3)「ラファエル氏が投稿したこの記事は、14日午前10時現在、1300回以上リツイートされ、全世界のネチズンに広がっている。彼らは韓国食堂の垂れ幕の文言について「人種差別に相当する」、「厳密に言えば民族差別という表現がより正確である」など、考えの結論は少しずつ異なるが、「差別」に相当するとの意見に多数が同意する雰囲気だ」

     

    「NO JAPAN」問題は、世界中のネチズンに広がっているという。これが「差別」であるという意見が多数であれば、韓国はとんだ恥をかく結果となった。

     

    (4)「食堂だけではない。これに先立って今月7日頃には、江原道江陵(カンヌン)の私設博物館のチャムソリ博物館が「日本人観覧禁止」と「No Japs Allowed」と書いた「ボイコットジャパン」の立て札を掲げたが、観覧客の抗議を受けて撤去する事態が発生した。Japs」は日本人を蔑視する意味を込めた人種差別的英語表現である。チャムソリ博物館の関係者はハンギョレとの電話インタビューで「今月初め、日本に抗議する意味で三日間ほど掲げたが、来場したお客様が人種差別であるとの話をしてくださり、一週間ほど前にすぐ撤去した。『Japs』という表現が(人種差別的な意味だということを)知らずに書いた」と話した」

     

    私設博物館では、「No Japs」とまで書いていたという。しかも、Japsが差別用語であることも知らなかったとは、三重の驚きである。①標語全体が差別である。②Japsが差別用語である。③博物館学芸員の知的レベルの低さである。この人たちが「反日」の実態とも言える。日本としては、怒るに怒れない感じもするのだ。

     

    a0960_005040_m
       


    韓国は2011年、太陽熱発電所を建設したが無用の長物で、ほとんど成果も出せず昨年12月撤去された。太陽熱発電は、太陽光発電とは違い高度の技術が必要という。動く太陽に合せて鏡も動き、集光して発生する熱でボイラーを炊き発電するシステムだ。世界でも成功している例は米国などわずかだ。不思議なのは、基礎研究を十分に行なわず、いきなり高度50メートルのタワーを建てて実験したことだ。これだけ聞いただけで、無謀の一言である。

     

    太陽熱発電所のシステムを少し説明したい。タワー式の施設は、平面鏡、太陽の動きに追従して鏡の向きを調整する機構。それらを支える枠とで構成される光を反射する装置と、タワー上部に設置された集熱器、タワー下部の蒸気タービン、発電機、復水器などで構成される。なにやら、聞いただけでも「難しさ」が分かるのだ。

     

    今回撤去されたのは、大邱市に韓国初のタワー型太陽熱発電所である。韓国エネルギー技術研究院などが3年間の工事の末2011年、下水処理場2万3000平方メートルの敷地に、高さ50メートルのタワー型太陽熱発電所を完成させた。発電容量は毎時200キロワットで、約80世帯分の電力供給が可能であった。これが失敗したのだ。

     


    『レコードチャイナ』(1月18日付)は、「11
    億円かけた韓国初のタワー型太陽熱発電所、使いものにならず8年で撤去」と題する記事を掲載した。

     

    『中央日報』1月16日付)によると、116億ウォン(約11億円)かけた太陽熱発電所が8年で撤去された。


    (1)「記事によると、韓国では李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2011年、大邱(テグ)にあるテソンエネルギーが韓国初となるタワー型太陽熱発電所を建設した。建設費約116億ウォンのうち、国費(韓国エネルギー技術評価院)が約71億ウォン、テソンエネルギーを中心とした協力会社が約45億ウォンを負担したという。こうした「巨額の投資」にもかかわらず、大邱市は今月15日に「テソンエネルギーが先月、約2億ウォンを投じて発電所を撤去した」と発表した。記事は「100億ウォン以上が8年で消えてしまった」と伝えている」

     

    新しい技術開発には失敗はつきものである。決して、今回の失敗を責めるものではない。ただ、責められるべきは事前の基礎研究が十分でなかったという点である。米国に先駆的な太陽熱発電所が稼働しているのだから、そこと十分に連携するなどの下準備がなかったのだろう。高さ50メートルのタワーを建設してしまえば、タワーの構造上からも機器の微調整は不可能だ。研究姿勢が全く整っていなかったと言えよう。

     

    この事例から見て、韓国は何年経ってもノーベル科学賞などとは、無縁のような感じがする。研究は、資金だけ掛ければ自然に成果が出る。そういう錯覚をしているのでないか。その点では、中国と非常に似通った体質である。儒教文化の荒っぽさが実に良く表れているのだ。

     


    (2)「撤去のきっかけは2011年。当時テソンエネルギーは協力会社とコンソーシアムを作り、韓国エネルギー技術評価院の「新再生エネルギー課題事業」に参加した。太陽熱施設が電気をちゃんと作れるのか、太陽熱で電気を生産する技術開発が可能なのかなどの課題に取り組み、5年間の研究結果を報告するというものだったという。こうして国費の支援を受け、研究遂行のためにできたのがタワー型太陽熱発電所だ。韓国政府は2008年~2013年「低炭素グリーン成長」と題して新再生エネルギーの開発に力を注いでいたという」

     

    最初から、目的は基礎研究であったようだ。それならば、これだけの資金を掛けず、かつ、機器を柔軟に動かせる建物の構造にしておくべきだっただろう。米国に成功例があって、韓国で失敗したのは、明らかに韓国の研究体制に間違いがあったのだ。

     

    (3)「発電所は、事業後に「無用の長物」と化し、8年間で出した研究実績も計4件(特許3件を含む)のみだったという。電力生産量も毎時200キロワットという予想値からは程遠く、2050キロワットにとどまったという。結局、大邱市とテソンエネルギー側は「発電所はもはや機能していない」と判断、昨年12月に撤去したという」

    発電量は、毎時200キロワットの予定が20~50キロワットに止まった。これは、原理に間違いがなく、オペレーションの失敗だろう。この裏には、政権が交代して李政権から朴政権となり、研究資金を十分に出さなかったことが想像できる。韓国政治では、政権交代ともに政策の目玉が変わってしまう欠陥がある。どうやら、研究姿勢の間違いと政権交代が、失敗の原因として重なり合っているようだ。典型的な韓国における研究の失敗例である。

     

     

    a0960_008407_m
       

    韓国の文国会議長は昨年12月13日、与野党・無所属の議員13人と連名で徴用工賠償の法案を提出した。今年4月15日が総選挙であるので、それまでに法案は成立するのか。法案上程後の動きは分からなかったが、その一部が判明した。

     

    この法案が上程された後、日韓の弁護士は日韓共同委員会を設置する案を提出した。これについて、菅官房長官は「関心がない」と断った。理由は、日本側はすでに日韓基本条約で解決済みという原則を堅持しているためだ。一方、韓国文大統領は乗り気である。被害者の同意が得られるという視点によるもの。

     

    文国会議長案も被害者の同意を得ている。こうなると、日韓弁護士の共同委員会案は、文国会議長案とそれほどの違いもなさそう。弁護士案では、日本政府の参加を前提にしているので、これを持ち出せば日本側が乗るはずがないのだ。

     

    『中央日報』(1月18日付)は、「平昌五輪に安倍首相が行ったので東京五輪には文大統領に来てほしい」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「河村建夫日韓議員連盟幹事長は16日、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今夏の東京五輪に出席すれば、両国関係改善のきっかけになるかもしれない。特に五輪・パラリンピックを一つの出発点として首脳会談を開き、交流・協力問題を話し合うのが望ましい」と述べた。同日、ソウルを訪問して本紙とのインタビューに応じた河村幹事長は「日本側からは(2018年の)平昌冬季五輪に安倍晋三首相が出席しただけに、当然、今回は文在寅大統領が出席してくれることを期待している」と語った」

     

    日韓交流を再開させるには、文大統領が東京五輪開会式へ出席することである。安倍首相も平昌五輪開会式に出席している。そういう交流が重なって、初めて外交は軌道に乗るものである。

     


    (2)「河村幹事長は文喜相(ムン・ヒサン)国会議長や李洛淵(イ・ナクヨン)前首相などに頻繁に会い、両国関係の改善策を話し合ってきた。文喜相議長が昨年11月、韓日企業と両国国民の寄付で財団を作り、徴用被害者に慰謝料を支給するという案を出すと、これを積極的に支持した。文喜相議長はこれを基に、先月「記憶・和解・未来財団」の設立に関する法案を発議した」

     

    文国会議長案は、水面下で日本側と意思疎通している。安倍首相も了解済みとも言われている、河村氏を通じて詳細を把握している。

     

    (3)「河村幹事長は、「文喜相議長に会って関連法案の進捗状況や苦情を聞くために来た。韓国の総選挙が目前なのでそれに対する気がかりもあるが、文喜相議長は非常に努力している」と述べた。この日、文喜相議長と非公開で面談した河村幹事長は「徴用被害者を支援する人々や団体の90%くらいから(法案の)賛成を得た。残りの10%の賛成も得るために説得していこうとしていると聞いた」と語った。また、「日本企業の資産が売却されれば、両国関係を元に戻すのが難しいので、急いで解決しようと努力している」と言った」。

     

    文議長は、徴用被害者を支援する人々や団体の90%くらいから(法案の)賛成を得た。残りの10%の賛成を得られるように説得を始める、という。大詰めを迎えているようだ。

     

    (4)「河村幹事長は、「徴用賠償問題は1965年の請求権協定で解決したというのが日本政府の基本的な立場だ。日本も過去のことを忘れてはならないと考えるが、徴用問題でも未来志向的な韓国政府の姿勢が必要だ」「文喜相案が国会を通過し、そうした対話が行われれば、安倍首相も両国関係を戻すのに何の問題もないだろう」「ホワイトリスト問題(輸出規制問題)はかなり協議が進んでおり、協議がなされれば復元はそう難しくない」とも語った。さらに、「文喜相案が国会を通過するなら、日本企業や国民も(基金を)出すと思う」「例えばユニクロなど、両国間貿易で利益を得ていた企業は多いが、そうした企業は出すだろう」と言った。

     

    河村氏は、文議長案が成立すれば日本が「ホワイト国除外」を撤回する、バーター取引が難しくないと見ているようだ。

     

    (5)「つまり、「ユニクロ側に(基金を出すか)聞いてはいないが、韓国でたくさん売り上げたので両国関係が早く良くなることを願っているだろう」ということだ。ただし、同幹事長は「(大法院判決の)対象となる企業は払うのが難しいと思う」「株主総会や株主から『払わなくてもいい金をなぜ払うのか』と訴訟を起こされる可能性がある」と説明した。新日本製鉄=現:日本製鉄=や三菱重工業などの訴訟当事者は基金を出すのは困難だという意味で、被害者らが望む直接的な賠償はかなわないという問題点がある」

     

    文議長案は、日韓の民間が寄付金を出すという構想である。問題は、徴用工問題に絡んだ企業が寄付金を出すと、株主総会や株主から「払わなくてもいい金をなぜ払うのか」と訴訟を起こされる可能性があるという。そのリスクを考えると、現在、韓国とビジネスを行なっている企業が中心になって寄付金を出すシステムになりそうだ。


    a0960_005040_m
       


    文政権と与党「共に民主党」は、あらゆる策略を用いても総選挙で第1党を目指している。その「あくどい」手口が、しだいに国民から飽きられる兆候が見え始めている。最新の世論調査で、文大統領の不支持率は4.7ポイント上がり51.2%と過半を占めた。与野党の支持率は野党がやや優勢である。総選挙まで100日。文政権は、針のむしろに座る。

     

    検察改革で、強すぎる検察権力を弱める法律を成立させた。その裏では、大統領府が地方自治体選挙に介入し、与党候補を勝たせるべく「野党候補」に無実の噂を流して捜査させるという事件が発覚。その捜査が核心に及ぶと、大統領が検察人事を強行して捜査妨害の挙に出ている。こういう事態を見ている国民が、いつまでも文政権を支持し続けるはずもあるまい。日本では、内閣の「桜を見る会」が話題になっている。韓国の一件と較べれば、「天と地」の違いだ。

     

    『聯合ニュース』(1月16日付)は、「文大統領の不支持率51.支持と逆転」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国の世論調査会社リアルメーターが1月16日に発表した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率は、前週に比べ3.7ポイント低い45.1%だった。不支持率は4.7ポイント上がり51.2%と、8週ぶりに50%を上回った。再び不支持率が支持率を超え、その開きは6.1ポイントとなった」

     

    昨年11月以来、文大統領への支持率は、不支持率ときわめて接近した状態が続いてきた。ちょっとした問題が起これば、不支持率を高めるという不安定な状況である。文政権が、この状態を脱すべく、小細工をして人気取りに全力を挙げる理由だ。駐韓米国大使のハリス氏を人身攻撃しているのもその焦りを示している。

     

    北朝鮮の金正恩氏が、韓国を訪問してくれれば、物珍しさが手伝い「金フィーバー」が起こる。文政権は、こういうソロバンを弾いている。だから、北朝鮮からいくら悪口雑言を言われても、反論せず「忍」の一字だ。すべて、総選挙での勝利を目指しているためだ。

     

    (2)「リアルメーターは今回の調査期間中に、文大統領側近のチョ国(チョ・グク)前法務部長官の家族に対する捜査過程での人権侵害調査を求める国民請願に関連して青瓦台(大統領府)が国家人権委員会に公文を送っていたことが明らかになったほか、文大統領の年頭記者会見を巡る論争や検察と警察の捜査権を調整する法案の国会通過、保守系政党の統合協議開始などがあったと指摘した」

     

    朴槿惠(パク・クネ)政権を支えた保守党はその後、分裂したままであった。それが、一本化への動きを見せ始めている。また、韓国の第2野党「正しい未来党」の安哲秀(アン・チョルス)前国会議員(57)が2日、1年余りの海外生活を終え、韓国政界に復帰を宣言した。前回の大統領選では終盤に失速したが、国民的に人気の高い政治家である。安氏の政界復帰が、中道と保守陣営を中心とした政界再編の動きにどう影響するかが注目される。与党にとって、油断ならぬうねりが起こっている。

     


    (3)「政党支持率は与党「共に民主党」が37.0%で、前週から4.1ポイント下落した。保守系最大野党「自由韓国党」は1.1ポイント上昇の32.4%。今回から調査対象に含まれた新党「新しい保守党」は5.3%で3位に登場した。統合をにらんだ協議に入った自由韓国党と新しい保守党の支持率の合計は37.7%で、共に民主党を上回る」

     

    政党別支持率では、「共に民主党」と野党の「自由韓国党」+「新しい保守党」を比較すれば、野党がやや優勢になる。与党にとっては、気になる動きだ。与党が焦りのあまり間違った動きを連発すれば、自滅の危機が深まるだろう。現在、浮き足立っている。

     

    仮に、総選挙で与党が敗北すれば、文政権は「レームダック化」する。もはや、「反日騒動」を起こしている暇はなくなる。日本は、徴用工賠償問題でも一切の妥協を拒否しているので、文政権が自分の蒔いた種を自分で刈る最悪事態に直面するだろう。総選挙の結果が、文大統領の退任後の運命を決める。

     

     

    a0960_006628_m
       

    韓国は、「反日」が一休みしたら今度は、「反米」に火を付け始めた。火付け役は、大統領府、与党「共に民主党」である。米韓同盟という韓国の基幹部分を形成する米国のハリー・ハリス大使が、「ヒゲ」をつけていることから、かつて朝鮮を支配した「朝鮮総督」になぞらえて非難攻撃する低俗さである。

     

    米国メディアでは、「人種差別」に当ると反論するなど、韓国のハリス米国大使への個人攻撃を逆批判している。この「ヒゲ問題」の裏には、4月の総選挙を目前にして選挙を有利に運ぼうという「党利党略」が隠されている。「反日」と言い「反米」と言い、この民族には、真の味方になろうという国をつくろうとしない欠陥があるようだ。

     

    『朝鮮日報』(1月18日付)は、「韓国与党支持者ら、『ひげが日本の巡査みたい』『ハリスを追放せよ』と非難」と題する記事を掲載した。

     

    韓国大統領府と政府、与党「共に民主党」は17日、北朝鮮関連事業について「韓米協力」と「制裁順守」を強調した米国のハリス駐韓大使を集中的に攻撃した。ある与党支持者らはハリス大使のひげについて「日本の巡査だ」と指摘するなど、個人攻撃まで行っている。

     

    ハリス大使に対する一連の批判は共に民主党議員の間から始まった。同党の宋永吉(ソン・ヨンギル)議員は17日朝、あるラジオ番組に出演した際、ハリス大使を「朝鮮総督」とした上で「太平洋艦隊司令官を務めていたので、外交にはあまり慣れていないのでは」と指摘した。その直後には共に民主党の最高委員を務める薛勲(ソル・フン)議員が拡大幹部会議において「ハリス大使は韓国政府の南北関係進展構想に制裁という尺度を適用した。これには強い遺憾の意を表明する」と発言した。

     

    さらに韓国統一部(省に相当、以下同じ)報道官はハリス大使の発言に反論し、午後には韓国大統領府の関係者までハリス大使の発言について「非常に不適切だ」と批判した。わずか1日の間に与党議員、政府関係者、さらに大統領府まで米国大使を集中的に攻撃したのだ。

     


    (1)「韓国大統領府と政府、与党が「ハリス攻撃」に乗り出したことを受け、一部与党支持者らもツイッターなどを通じて露骨な批判を始めた。ツイッターには「ハリスは韓国駐在総督ではない」「大韓民国を植民地と考えるハリスを追放せよ」などの書込みが広まっている。これに先立ち13日には北朝鮮メディア「わが民族同士」がハリス大使を「事実上の現地(韓国)総督」「南朝鮮をただの植民地としかみない態度」などと批判した」

     

    韓国大統領府・政府・与党が結束して、「ハリス大使批判」を始めた。すべて総選挙目当てであることは誰でも気づく。ただの鬱憤晴らしとはいえ、米韓外交に感情問題を持ち込んで後悔するのは韓国である。反日騒ぎと同じ経過を辿るであろう。韓国人の8割は「米国が好き」という世論調査結果が出ている。反米騒ぎは、逆効果になることを忘れている。

     

    (2)「ハリス大使が日系米国人という点を問題視する指摘もあった。与党の支持者などはネットに「ハリスは日王から旭日章を受け取って赴任した」「ひげが日本の巡査みたいだ」などと書き込んだ。ハリス大使は日本人の母と在日米軍兵士だった父との間で日本で生まれた。ニューヨーク・タイムズ紙やガーディアンなど外信各社は「ハリス氏のひげが外交問題として浮上した」と報じた。米CNNは関連記事の中で「ハリス氏は日本人ではなく米国籍だ。彼を日本の血統と呼ぶのは米国であれば間違いなく人種差別とみなされるだろう」と指摘した」

     

    ここでは、「反日」と「反米」を重ね合わせている。ハリス大使が、日系米国人であることが理由である。米国における韓国のイメージは悪くなるだろう。

     


    (3)「韓国大統領府、政府、与党が年頭から反米世論を煽り、北朝鮮関連事業に全力を投入する背景については「4月に予定されている国会議員選挙を意識したもの」との見方もある。現在、与党などは住宅価格の高騰、就業率の低下、景気不振、韓日対立など、国内外におけるほぼ全ての政策において「まともなものが全く見当たらない」との指摘を受けている」

     

    文政権が就任3年目を迎えた今、政策のすべてが失敗している。その焦りが、米大使への個人攻撃という卑劣なことを始めさせたのであろう。それにしても醜い振る舞いである。

     

    (4)「共に民主党の中からも「政権獲得から4年目になっても南北関係に何の成果がない場合、逆風にさらされる恐れがある」と懸念する声もある。そのため与党などは選挙前までに金正恩氏の韓国訪問といったイベントを実現させ、否定的な世論を一気に吹き飛ばしたい考えもあるようだ。金正恩氏の韓国訪問が難しいのであれば、南北離散家族再会や金剛山の個人観光など、選挙に向けた大きな材料を手に入れたい思惑もあるだろう」

     

    与党「共に民主党」は、南北関係改善が唯一の選挙材料になっている。ハリス大使が、南北関係について米国と調整すべきと発言していることに不快感を強めているのは疑いない。こうした的外れな「反米煽動」は、韓国の未来に傷をつける。


    このページのトップヘ