勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    日本では人不足。韓国は就職氷河期。何が、この差を生んだのか。日本は現実重視であるのに対して、韓国は空想の世界に生きている。文大統領は、立派な演説をするが現実性が薄いことばかりだ。自分の言葉に酔っているのであろう。政治家は、理想を語らなければならい。一方、現実に直面する課題解決能力が必須である。文氏には、経済や外交において、その解決能力がないのだ。

     

    夢多き青年が、4分の1は長期に就職できない状況に追い込まれている。文氏が、いくら美辞麗句を並べても、国民に職を与えられない政府は「無用の長物」である。

     

    『朝鮮日報』(8月15日付)は、「青年の4人に1人が事実上ニート 体感失業率は過去最高」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国政府が税金をつぎ込む短期雇用政策で労働市場がゆがめられ、最近は雇用率と失業率が同時に上昇する怪現象が起きている。雇用率と失業率は正反対の動きを示すのが一般的だ。しかし、7月の雇用率は61.5%、失業率は3.9%で、前年同期に比べいずれも0.2ポイント上昇した。失業率は2000年以降で最も高く、失業者数は1999年以降で最高の1097000人だった」

     

    韓国では、雇用率と失業率がともに高まる奇っ怪なことが起こっている。大学院卒業生で就職できない者が政府から補助金を与えられている。形式は「有期雇用」扱いで就業率を高める。この層は、一方で就活もしているので失業率を高めるのだ。文政権特有の雇用にまつわる「カラクリ」が、雇用率と失業率を高めることになった。

     

    (2)「特に60歳以上の失業者が昨年の10万人から131000人へと急増した。高齢者は大半が働く意思のない非経済活動人口に分類され、失業者には含まれないが、政府の高齢者雇用事業に参加しようとする人が増え、失業者が増えたというのが統計庁の説明だ」

     

    韓国統計庁が発表した「2019年5月経済活動人口調査 高齢層付加調査」によると、高齢層(55~79歳)の54.1%が、年金を一銭も受け取っていないことが判明。年金受給者でも、およそ3人に2人は月平均受領額が50万ウォン(約4万5800円)未満で、基礎生活(生活保護)の受給費にも満たない金額です。これでは、60歳以上になっても働かざるを得ない。

     

    (3)「青年層(1529歳)でも同様の現象が見られ、雇用率は44.1%で前年同期を0.5ポイント上回り、失業率も9.8%で0.5ポイントの上昇だった。7月の青年層の失業率は通貨危機当時の1999年(11.5%)以来で最も高い数値だ。特に青年層の体感失業率は過去最高だ。これは青年層の雇用増加の大半が内実を伴わない雇用であることを示している」

     

    青年層は、失業中の「院卒生」に「有期雇用」で資金を与えているので雇用率を高めている。この「引率生」はまた、就活するから失業率を高めるというわけだ。7月の青年層の失業率は通貨危機当時の1999年(11.5%)以来で最も高い状態になっている。

     

    (4)「体感失業率は失業者、就職意思があるが積極的な就職活動を行わない人、短時間働き、それ以上就業の意思がない人などを全て含む広義の失業者と見なす概念だ。7月の青年層の体感失業率は23.8%で、統計を取り始めた2015年以降で最高を記録した。青年の4人に1人が事実上の失業者であり、不安定な職業に就いた青年がそれだけ多いことを示している」

     

    体感失業率は、23.8%である。正業に就けない人たちがこれだけいる。文政権の大言壮語が虚しく響くだけである。

     

    (5)「就職も就職活動もしない非経済活動人口のうち、特別な理由もなく働かなかった人も増加の一途で、7月には2094000人を数え、前年同月を208000人上回った。03年に統計を取り始めて以降で最高だ。特別な理由もなく働かなかったと答えた青年層の人口も過去最大の372000人に達した。過去2年間に10万人も増えた」

     

    就職活動しても職には就けない。そういう絶望感から就職活動しなくなった人たちが約210万人もいる。「雇用政権」を看板にした文政権の公約が泣いている。


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    戦時中の旧徴用工賠償問題は、遺族が憲法裁判所へ訴願する事態になった。日韓基本条約で,日本の支払った無償3億ドルと借款2億ドルを対象に、徴用工遺族が条約に沿った分配を求めたもの。韓国政府が分配すべきものを「横領」したという認識である。

     

    韓国大法院(最高裁)は、日本企業への支払い判決を下したが、それは誤りである。韓国政府が日本の支払った賠償金を払わずにいた以上、韓国政府の責任である。大法院は、文大統領の意向を受入れた政治判決である。韓国憲法裁判所がどのような判決を下すか見守りたい。

     

    『朝鮮日報』(8月15日付)は、「強制徴用被害者遺族、『日本から受け取った請求権資金、私たちの分をください』と憲法訴願」と題する記事を掲載した。

     

    日帝強占期に日本軍に連行された強制徴兵の被害者遺族が1965年の韓日請求権協定で韓国政府が日本から受け取った対日請求権資金のうち、被害者の分が支給されないのは違憲だとする憲法訴願を申し立てた。

     

    (1)「日帝の強制徴兵による被害者の遺族83人は14日、「大韓民国政府が受け取った対日請求権資金で遺族に補償する内容の立法を行わないのは違憲だ」とし、憲法裁判所に憲法訴願を申し立てた。原告が主張する対日請求権資金とは、韓国政府が1965年の韓日請求権協定で日本から受け取った5億米ドル(2億米ドルの借款含む)を指す。当時韓国政府が日本に要求した8項目の補償リストに「戦争による非徴用者の被害補償」が含まれていたにもかかわらず、強制徴兵の被害者にいかなる補償もなされなかったというのが原告の主張だ」

     

    (2)「韓国政府は強制徴兵による死者、行方不明者には2000万ウォン(約174万円)、負傷者には2000万ウォン以下の範囲で慰労金を支給した。だが、慰労金ではなく、立法を通じ、強制徴兵被害者の被害程度に応じた補償金を支払うことを求めた格好だ。遺族らは「強制徴兵された被害者は対日請求権資金に対する直接的な請求権を持っているにもかかわらず、政府は被害者に(補償金を)支払うことなく、経済協力資金として使ってしまった。国が強制徴兵被害者の命の価値を横領したものだ」と主張した」

     

    韓国政府は、徴用工遺族が大法院判決を「悪用」して、請求されている面もある。韓国政府は、すでに「慰労金」名目で支払っているからだ。原告側は、「慰労金」名目でなく「補償金」として払えという理屈付である。これは、実質的に「二重取り」となる恐れも強い。

     

    大法院は、無料3億ドルが「補償金」でなく、「経済協力金」という名目と解釈した。だから、日本企業は別途、「賠償金」を払えという判決だ。こういう経緯を見ると、今回の原告側は大法院判決を「悪用」しているとも見えるが、法的には筋が通っている。大法院判決に逆らったものに見える不思議な訴願である。それにしても、一度は「慰労金」で現金を手にしている。今度は、名目を変えた「二重請求」である。


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    韓国の光復節に当り、文大統領演説が注目されていた。強烈な反日でなく、対話を呼びかけるもので、これまでの「感情100%演説」とは違っていた。ただ、演説中に聞き捨てならぬ発言があった。日本が朝鮮を不幸にしたという指摘である。

     

    経済史という側面から言えば、朝鮮は日本の植民地によって工業化が進んだという厳然たる事実を無視している。生活が向上したので人口も増えている。そして、何よりも教育制度の普及によって、貧しい家庭の子どもでも進学できる時代になったのだ。

     

    牢固として続いてきた両班(ヤンバン:地主などの特権階級)制度は、李朝によって廃止されたものの、確実に効果を上げたのは日本の統治による。貧しい家庭の子どもが高等教育を受けられる時代へ転換させたのは日本だ。現在の反日は、旧ヤンバン階級の末裔と思われる。自らの特権を奪ったのが日本という思いであろう。

     

    朴正煕・元大統領は、在任中しばしばお忍びで来日し、自民党関係者とゴルフを楽しんだという。石原慎太郎氏の回顧談によれば、この朴氏が「日本統治下であったから、自分は日本人教師によって進学を勧められ今日がある」としみじみと語ったという。教育制度の普及・充実は、明治維新以降における日本の基本理念であった。それを朝鮮でも実施したのだ。

     

    同じ日本の植民地になった台湾で、元総統の李登輝氏も同様の発言をしている。儒教教育から一転して、日本は西洋流の近代教育を台湾で行った。これが、どれだけ台湾の近代化に役立ったか分らないと。朝鮮と台湾は、日本の植民地として同じ行政が行われている。それにも関わらず、韓国は日本を批判する。台湾は感謝する。大きなちがいだ。

     

    この差は どこから生じているのか。それは、韓国人の儒教からくる「劣等感」に他なるまい。台湾は、清国領であったが「化外の地」として行政も放置されていた地域である。日本が植民地にすると申入れたとき、半ば喜んで手放した島である。首切り蛮族の蟄居する台湾は、清国が手を焼いていた場所である。日本は、それを根気よく「教化」した。

     

    韓国が真の一流国になるには、日本統治時代の総合的な評価が可能になる時であろう。現状の恨み辛みだけを言い募って、プラス面をすべて切り捨てる政治状況の下では不可能である。言葉を換えれば、「早く大人になれ」ということだ。恨み辛みの中からは、何も生まれない。

     

    『聯合ニュース』(8月15日付)は、「文大統領、責任ある経済強国・揺るがすことのできない国へー光復節演説」と題する記事を掲載した。

     

    韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)74周年の記念式典の演説で、「私は本日、いかなる危機にも毅然として対処してきた国民を思いながら、われわれがつくりたい国、『誰も揺るがすことができない国』を、改めて誓う」と述べた。

    文大統領は、まだ韓国は十分に強くなく、分断状態にあるために「誰も揺るがすことができない国」を実現できずにいるとした。実現を誓うとの発言は、日本の対韓輸出規制の強化によって韓国経済が直面した危機を必ず乗り越えるという強い意志の表れといえる。日本に対する批判の度合いを低くしながら対話の重要性を強調するもので、この呼び掛けに日本政府がどう答えるか注目される」

    (1)「続けて、「責任ある経済大国として自由貿易の秩序を守り東アジアの平等な協力を引き出したい」とし、「わが国民が奇跡のように成し遂げた経済発展の成果と底力は分け合うことはできても、奪われるわけにはいかない。経済での主権がしっかりしているときわれわれは自らの運命の主人となり、揺れなくなる」と述べた」

     

    下線をつけた部分は、日韓基本条約で約10億ドルの資金が日本から提供された結果だ。独力で成し遂げたものではない。文政権は、この奇跡の復興を実現させた保守政権を歴史から消そうとしている。不当な扱いだ。

     

    (2)「韓日関係について、文大統領は「われわれは過去に留まることなく日本と安保・経済協力を続けてきた」とし、「日本と共に日帝強制占領期における被害者の苦しみを実質的に癒すために取り組み、歴史を鏡とし固く手を結ぼうとする立場を堅持してきた」と述べた。そして「過去を省察するのは過去にこだわることではなく過去から立ち直り未来へと進むことだ」とし、「日本が隣国を不幸にした過去を省察する中で、東アジアの平和と繁栄を共にけん引していくことをわれわれは望んでいる」と強調した」

     

    日本は,ASEANの発展に十分力を尽くしている。韓国から「説教」される筋ではない。


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    けさ、下記の目次で発行しました。よろしくお願い申し上げます。

     

    経済的な独立は不可能

    脆弱な就業構造の意味

    個人消費比率は5割弱

    輸出崩れて全て終わり

    日本と対決し韓国売り

     

    今日は8月15日、韓国にとっては「光復記念日」です。日本の植民地時代が終わって、今年で74年を迎えます。しかし、文在寅(ムン・ジェイン)政権の登場で、日韓関係は最悪事態になっています。歴史においてすでに解決済みの問題が、蒸し返されているのです。日韓慰安婦合意は事実上の破棄です。旧徴用工賠償問題は、韓国大法院判決で日韓基本条約の骨抜きがされました。

     

    経済的な独立は不可能

    これだけの事態が、文政権登場2年間に起こりました。韓国は、合法的措置と主張していますが、国家間の条約・協定が一政権によってひっくり返される事態は異常と言うべきでしょう。これでは、韓国とはいかなる条約・協定も結べません。

     

    旧徴用工賠償問題では、韓国大法院が日韓基本条約を骨抜きする判決を出しました。これは、司法の超法規的判決です。国際的に「司法自制の原則」に背いた、後進国裁判の典型例というほかありません。司法は、条約の解釈に踏み込まないという原則に違反しています。韓国の民族主義では、この点の理解が完全に欠けています。現在の法意識で、過去の事例を裁くことはできません。法律は、万国共通の意識で運用されなければならないのです。

     

    韓国は、74年前の今日から日本を離れて、政治的独立を実現しました。一方で、日本からの経済的独立を達成したでしょうか。その答えは「ノー」です。日本の資本と技術によって、経済再建したという経緯が示すように、日本の「技術属国」に過ぎません。「属国」という語感は、大変に冷淡な感じですが、現実ですから仕方ありません。

     

    韓国企業はつい10年以上前まで、日本が電気製品や自動車を発売するとすぐに分解。性能と部品を調べ、割安な模倣製品をつくって東南アジアへ輸出してきました。これが、韓国企業の技術開発力を徹底的に削ぎました。長い間、これを続けてきたのです。これが、日本から部品を輸入して製品に加工する「加工型貿易」が、韓国の製造業を特色づけました。「技術属国」は、韓国が自ら選択した道でもあったのです。

     

    韓国は今になって、日本からの技術的独立を標榜しています。日韓併合時代から数えれば、現在まで約120年の歳月が「日本依存」だったのです。急に、「反日だ、経済的な独立だ」と言い出しても、この差を埋めるのは生やさしいことではありません。不可能と言えるでしょう。

     

    韓国経済が、日本との関係を絶って「独立」することはきわめて困難です。それにも関わらず、文大統領は8月13日の閣議で最近の韓国経済の状況について、超強気発言をしました。

     

    1.   韓国経済の基礎体力は強固であり、根本的な成長は健全である。

    2.   政府の政策効果で雇用指標が改善し、雇用のセーフティーネットも強化されている。

     

    以下に、文大統領の主張を聞いてみましょう。先ず、1の視点です。

     

    世界的な信用格付け会社による一致した評価が示すように、韓国経済の基礎体力は強固だとしています。ムーディーズに続き、数日前にはフィッチも韓国の信用格付けを日本より2段階高いダブルAマイナスに据え置き、格付け見通しも安定的としたのです。韓国経済の根本的な成長は健全で、政府の債務比率が低いことによる財政の健全性、通貨・金融までを考慮して、韓国経済に対する信用度が依然として高いと評価したものでした。

     

    文大統領は、国債格付けの意味を誤解しています。国債の格付けは、元利金の支払い能力を判断しているだけで、将来性を判断材料に加えていません。過去二度、韓国は通貨危機に襲われましたが、直前の国債の格付けに問題はなかったのです。それが一転、ウォン暴落という地獄へ突き落とされました。そこで、格付け会社は大慌てで格付けを引下げた経緯があります。

     

    既に企業格付けは、大半が引下げ対象であると予告されています。企業格付けが引下げられる状況では、歳入が減って当然でしょう。財政健全性に影響し、国債格付けにいずれ悪影響が及ぶはずです。何時までも韓国国債の格付けが、現状を維持できるはずがありません。

    (つづく)

     

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    日本製品不買運動に警官まで参加する騒ぎになっている。警官の中で、不買運動に参加するとインターネットで意見表明し、賛否両論に別れているという。

     

    賛成の立場を取る警察官は、制服の中の大韓民国という文字の前で恥ずかしい思いはしたくない」という意見を伝えた。別の警察官は、「日本と貿易戦争を行って経済が難しくなっても不買運動をするだろうか」と懸念をにじませた。このように、韓国経済が日本と対立して成り立つのかという危機感も強いようだ。不買運動が始まって46日間。冷静になる時期なのだろう。

     

    『中央日報』(8月14日付)は、「韓国警察庁長、警察官の不買運動参加に関連し 『冷静さ維持を』」と題する記事を掲載した。

     

    韓国の閔カプ龍(ミン・カムリョン)警察庁長が日本製品の不買運動に対する一線の警察官参加の動きに対して「冷静さを維持しなければならない」と呼びかけた。

    (1)「 閔庁長は14日午前、警察庁で開かれた出入り記者に対する定例懇談会で「警察(官)が国民の一人として(不買運動に関連する)個々人の意見はあるだろうが、一方では法と秩序、最も冷静さを維持しなければならない公職者だ」と明らかにした。 閔庁長は「国民は(日本製品に対する)さまざまな意見を持っている。警察は国民の意思が理性・合理的に表現できるようにするために優先しなければならない」と呼びかけた。一線の現場で仕事をしている警察官が一層冷静さを保ってほしいという趣旨だ」。

    下線を引いた部分は,その通りであろう。警官まで不買運動に参加するようでは治安が守れない。いかに、熱しやすい国民であるかが分る。


    (2)「今年初め、警察のイントラネットの掲示板に京畿道(キョンギド)のある地区隊(派出所に相当)所属の警察官が日本製品不買運動に参加するという内容の文を投稿した。この警察官は「OO地区隊職員が全員参加することにした」と主張した。あわせて地区隊管轄に三一運動の歴史的意味が含まれている場所があると説明した。 この警察官は「抗日愛国精神を賛えて我々ができることが何なのか悩んで文を載せることになった」とし、不買運動に参加してほしいと訴えた。「OO地区隊全職員一同」で締めくくられていた」

     

    「抗日愛国精神を賛えて我々ができることが何なのか悩んだ」とは、大袈裟である。「抗日」という言葉の中に、日本への敵意が滲み出ている。文大統領は民族主義を煽り立て、来年4月の総選挙で「必勝」を期している。「反日」が、いかに失う物の大きいかも弁えずにいる。浅慮な大統領である。

     

     


     

     

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