勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    韓国は、菅首相就任を機に旧徴用工賠償問題の解決について強い関心を見せた。実際は、何らの具体案の用意もなく、日韓外交当局の交渉に委ねるという姿勢のまま。駐日韓国大使の「日本に軟化の姿勢が見える」という本国への報告が、韓国を強気にさせたようだ。

     

    韓国を訪問した日韓議員連盟の河村建夫幹事長は、韓国政界の要人らと会談した席で、文喜相(ムン・ヒサン)前国会議長が提案した強制徴用問題解決方式に関心を示していたことが分かった。この案は、日韓の寄付金によって韓国が、「代位弁償」するというもの。韓国の旧徴用工遺族は大量の署名を集め、文・前国会議長へ提出するほど期待した案であった。だが、旧慰安婦支援の市民団体は、日本政府の謝罪が前提という難癖をつけて韓国政府に圧力を掛け、白紙化させた経緯がある。韓国は、あくまで日本政府に謝罪させる方針だ。


    『中央日報』(10月22日付)は、「菅首相側近が再び持ち出した『文喜相案』…韓国与党代表『受け入れがたい』」と題する記事を掲載した。

     

    「両国外交当局間の協議を進めるという合意に立ち返り、外交当局間の合意を促進するのが最も効果的だと考える」。日本通の政治家に挙げられる与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)代表は、韓日関係回復の糸口を両国外交当局の自律性確保に求めた。



    (1)「李代表は21日、韓国プレスセンターで開かれた外信記者懇談会で「そろそろ両国政府が共に外交当局間の協議に任せて、できるならブレーキかけないである種の接点を探すように促進すれば、良い結果が出るのではないかと考える」と述べた。李代表は「韓国も日本も守ろうとしている原則がある」とし「各自の原則を生かしながらも接点を探していく過程、これを外交当局が最もよく知っている」とも話した」

     

    韓国は、日韓外交当局の交渉に任せるという姿勢に変わった。これは、第三者の国際司法判断を仰ぐという意味であろう。日本の外務省が突然、韓国大法院判決を受入れる訳でないからだ。

     

    (2)「ただし、李代表は日本側が解決法として取り上げたいわゆる「文喜相(ムン・ヒサン)案」には否定的な意見を示した。李代表は「当時も文喜相議長案は国会でも政府でも受け入れにくいものとして受け止められた」としながら「再び発議されても状況は大きく変わらないと思う」とした。「被害者が同意することができるか。そのことが前提になっておらず、手続きを進めるのがとても難しい」というのが李代表の説明だった」

     

    韓国側が準備した「文喜相案」は、政府の反対で葬られた。もはや、韓国にもこれに代わる案はないので手詰まり状況だ。

     


    (3)「昨年、文喜相元国会議長が解決法として提示したいわゆる「文喜相案」は韓日両国企業と国民(1+1+α)が自発的に出した寄付で財団を設立し、強制徴用被害者に慰謝料または慰労金を支給する一種の折衷案だ。昨年12月、与野党の重鎮政治家14人が法案で共同発議した。当時、韓日首脳会談を控えた青瓦台(チョンワデ、大統領府)が、「(文喜相案では)解決しないこともある。被害者の意見もとても重要だ」と一線を画して立法が白紙に戻った。当時、尹美香(ユン・ミヒャン)民主党議員が理事長だった正義連(日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯)が「被害者中心主義に合わない」と反対したのが青瓦台の立場に影響を及ぼしたという解釈も政界で提起された」

     

    ここでも、旧慰安婦募金を横領して在宅起訴になっている尹美香氏が、反対に回ったことが判明している。「被害者中心主義」を持ち出したのだ。現実は、被害者が署名を集め早期解決を文・元国会議長へ提出している。このように事実を曲解させたことに、被害者遺族は怒りの声を上げて、尹美香氏を非難している。

     


    (4)「このような「文喜相案」を再び李代表が言及したことは、これに先立ち最近日韓議員連盟の河村建夫幹事長が訪韓したことと関連がある。菅義偉首相の側近である河村幹事長は今月17~19日、李代表をはじめ、野党「国民の力」の金鍾仁(キム・ジョンイン)代表、国家情報院の朴智元(パク・ジウォン)院長らと相次いで会談し、「文喜相案」に言及して韓日関係改善の必要性を強調したという。李代表のこの日の発言に対して党内では「河村幹事長の提案とは一線を画しつつも、韓国政府が考える原則と経路を伝達した」という解釈が出てきた」

    韓国政府は、昨年12月当時の解決に向けた動きに水を差した。文大統領の意向である韓国大法院判決を守る立場に変わりないのだ。


    (5)「李代表はこの日、数回にわたり韓国政府の「原則」を強調した。李代表は「両国が互いが守ろうしている大原則を互いに認めながら接点を探さなければならない」とし、記者懇談会後に韓国記者団と会った席でも「(私の話は)被害者中心主義のような原則を変形しようというわけではなく、原則は守って接点を探そうということだ」と述べた。韓日外交当局会談が成果を出せない理由についても「私が見る限り、主に日本側首相官邸によってブレーキがかかったと考える」とした」

     

    このパラグラフに見る通り、韓国政府は徴用工賠償問題について早期解決の意思がない。日韓関係は最悪状況のままであろう。




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    韓国の民主主義がどの程度のものか。それを知らせるリトマス試験紙は、法務部長官(法相)が金融詐欺事件に関わったとされる与党議員の捜査を中止させるため、検察総長から捜査指揮権を奪ったことに現れている。つまり、韓国の民主主義は政権側が権力擁護に悪用するシステムであることだ。

     

    秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長に尹総長およびその家族に関連して提起された4つの疑惑とライム資産運用(以下、ライム)の政界・官界に対するロビー疑惑事件に対する捜査指揮を中止するように指示したのである。

     

    秋長官就任以来、2回目の捜査指揮権発動である。事実上、検察に尹総長に関連したすべての疑惑を捜査するように指示する強硬な対応を取ったと分析されている。また、尹総長を辞任に追い込む圧力を最大に強めたとも解釈されている。野党では「明白な捜査指揮権の乱用であり、職権乱用」という批判が出ている。

     

    尹検察総長は、最高検察庁の報道官室を通じて「法務部の措置によって総長はこれ以上ライム(詐欺)事件の捜査を指揮できなくなった」と明らかにした。また「検察の責務を厳重に受け止め、大規模なファンド詐欺を犯した勢力とこれを庇護する勢力を徹底的に断罪することで被害者の涙をふいて国民の期待に応じることを願う」と捜査チームに呼びかけた。



    この尹検察総長の捜査チームへの呼びかけは、「大規模なファンド詐欺を犯した勢力とこれを庇護する勢力を徹底的に断罪する」という言葉に表われているように、政権に向けられた批判であることは疑いない。文政権の「公平・公正・平等」とは、こういうものである。

     

    『中央日報』(10月20付)は、「韓国法務部長官の捜査指揮権発動…検察総長・家族を直接狙った」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「秋長官は19日「ライム事件(詐欺事件)と検察総長の家族に関連した事件に対して公正かつ独立的な捜査を保障する必要がある」として捜査指揮権を発動した。秋長官は尹総長関連の事件とライム事件を捜査中であるソウル中央地検、ソウル南部地検に「大検察庁など上級者の捜査指揮を受けずに捜査結果だけを検察総長に報告せよ」と指示した。これを受け、法務部は「尹総長本人や家族、側近がかかわった事件は検事の倫理綱領や検察公務員の行動綱領により(自ら)回避すべき事件」としながら「捜査チームに徹底して独立的な捜査進行を一任するのが当然だ」と明らかにした」

     

    検察総長家族の問題は、噂話の程度であり法務部長官が捜査指揮権を発動させる事件ではないという。狙いは詐欺事件の捜査を中止させて、与党議員を守るという目的と指摘されている。

     

    (2)「法曹界では与党の相次いだ辞退の圧力にも尹総長が辞任しなかったところ、秋長官が強硬な態度を取ったという分析がある。ある検事は「『尹総長は本人の事件に関連して公正性を失っただけに、そのまま手を引いて退け』というのが今回の捜査指揮権発動の含意」と解釈した。検察内部では懸念の声が高まっている。地方のある検察幹部は「捜査中にある事件だけでなく、すでに提起されたデマ水準の疑惑まで軽重を問わず全部指揮権発動の対象に含んだため」と話した。他の検事は「大規模な金融詐欺犯の一方的な主張に基づいて総長の指揮権を無力にさせることが容認される奇異な現実が嘆かわしい」と話した」

     

    秋法務部長官は、就任以来2回目の指揮権発動である。韓国法務部長官が、これまでに行った指揮権発動は3回だけ。秋法務部長官は、そのうち2度も発動するという「異常」さを見せつけている。文政権擁護のため、検察総長の捜査指揮権を奪ったのである。

     

    (3)「野党もいっせいに秋長官の批判に出た。国民の力のチャン・ジェウォン議員は「詐欺師の手紙一枚で検察総長が『植物検察総長』に成り下がった希代の事件」とし「明白な法務部長官の捜査指揮権乱用であり職権乱用」と批判した。同党のキム・ドウプ議員も「長官が自分の政治をするといって検察をめちゃくちゃにしている」として「誰から見てもつじつまの合わない捜査指揮権の発動」と指摘した」

    韓国の歴史では、文政権ほど恣意的な政治を行った例はないと糾弾されるであろう。持てる権力のすべてを国民のために使うのでなく、政権・与党を擁護すべく悪用したのである。

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    韓国政治は、歪みに歪んでいる。月城原発は、文政権によって早期閉鎖に追い込まれた。その過程が曖昧で、文政権の決定であるから実施するという盲目的な決定プロセスであったようだ。

     

    韓国監査院(日本の会計検査院)は、この早期閉鎖問題を巡って監査したが、その過程で政府関係者はまともな議論もしないで、杜撰な審査で閉鎖結論を出していたことが暴露されていた。文政権が、市民運動に太陽光発電を行わせるために、強引な原発閉鎖を迫っていたことが問題の根源になった。

     

    文在寅政権発足直後に7000億ウォン(約630億円)をかけて補修した月城1号機の早期閉鎖、新規原発建設の白紙化、30~40年の稼動許可を得た原発10基の寿命延長の禁止など、脱原発措置が相次いだ。工程率30%のシンハンウル34号機の建設は中断されたのである。

     

    そして、文政権の政略通りに全国で太陽光パネルが広がった。毎日、サッカー場10個分規模の森を伐採し、山を削っては、貯水池までも太陽光パネルで覆い尽そうとした。文政権就任後の3年間、無謀な脱原発の過程で、自然破壊も急ピッチで進んだのである。

     

    月城1号機は1次運営許可期間が終わってから、前記のように7000億ウォンをかけて復活させた貴重なエネルギー資源だ。早期の閉鎖によって、屑鉄にする決定は慎重の上にも慎重であるべきだった。その決定過程は極めて不透明だった。これが、昨年10月に国会が要請し、監査院が監査に着手した背景だ。

     


    当初、監査結果は法定期間である2月末までに発表されなくてはならなかった。しかし、執拗な抵抗に遭い8カ月も遅れたのである。遅れた理由は、ひとえに政権寄りの結論が出るように圧力を加えて調査に時間がかかった結果である。

     

    文政権は、こういう無謀な脱原発政策を行ったので、監査院による結果がどのようなものになるのか、総力を挙げて監査院に圧力を掛け続けた。その監査院報告が、10月20日に発表された。

     

    『聯合ニュース』(10月20日付)は、「月城原発1号機の経済性『過小評価』、早期閉鎖決定巡りー韓国監査院」と題する記事を掲載した。

     

    韓国監査院は20日、2018年の月城原子力発電所1号機(慶尚北道・慶州)の早期閉鎖決定を巡る監査結果を発表し、主要争点の一つだった同機の経済性について「過小評価された」との判断を示した。

    (1)「監査院は、原発運営会社・韓国水力原子力の職員が、経済性評価の研究報告書に記された販売単価が実際より低く設定されていることを知りながらも、これを正さずに評価に使用させ、その決定過程に産業通商資源部の職員らも関与したと明らかにした。ただ、監査の理由であり目的といえる早期閉鎖決定の妥当性に対しては、監査の範囲に含まれていないとして判断を示さなかった。監査院は「運転中止の決定は経済性以外に安全性、地元の理解などを総合的に考慮したもの」だとし、「安全性や地元の理解といった問題は今回の監査範囲から除外されている」と説明した」

     

    監査院は、日本の会計検査院と同じで政府から独立した機関である。それでも、文政権の執拗な「クモの糸」から逃れられなかったようだ。与党が、遠慮会釈ない圧力を監査院に加えていたことも響いた。

     


    監査院は、「運転中止の決定について、経済性以外に安全性、地元の理解などを総合的に考慮したもの」と逃げを打っている。経済性では過小評価されたと指摘しながら、安全性も地元の理解を考慮したとしている。つまり、安全性と地元の理解が得られなかったような理屈付で、間接的に「政府決定」を容認する方向の結論になったのだ。政権の「判定勝ち」である。

     

    (2)「韓国水力原子力は18年6月の取締役会で、延長運転中の月城原発1号機を政府の政策に従って早期に閉鎖することを決定した。監査院が早期閉鎖決定は誤りだと判断すれば文在寅政権の脱原発政策に打撃となることから、監査結果に注目が集まっていた」

     

    監査院は、政府の早期閉鎖決定が誤りだと判断しなかったのである。つまり、監査院は脱原発政策の推進過程に一部問題があったと判断したが、早期閉鎖の妥当性に対する判断は示さなかったため、脱原発政策の推進に及ぼす影響は限定的とみられる。文政権の粘り勝ちである。だが、この間の監査院へ掛けられた政権と与党の圧力は、民主政治を破壊する悪例を残す結果となった。

     

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    韓国大統領府の現状判断は、政権支持メディアである『ハンギョレ新聞』を見ればだいたいの見当がつく。同紙は、インド太平洋戦略の要である日本・米国・豪州・印度4ヶ国の「クアッド」に疑念を持っている。とりわけ、憲法で「戦争放棄」したはずの日本が、「クアッド」の発展的形態である「アジア版NATO」に加わることに疑義を呈しているのだ。

     

    こういう書生的な指摘に対しては、次のように答えれば十分であろう。NATO(北大西洋条約機構)には、第二次世界大戦の枢軸国であるドイツもイタリアも参加していることだ。NATOという同盟軍の一員であるから、ドイツ軍もイタリア軍も独自の行動が不可能である。自衛隊が、「アジア版NATO」軍の一員となれば、ドイツやイタリアと同じパターンである。

     

    韓国は、自衛隊の存在におののいている。自衛隊が韓国へ攻めてくるのでないかと疑っているほど。だが、日本は米国と同盟軍である。韓国は米国と同盟を結んでいる以上、自衛隊が韓国へ上陸攻撃することは、米軍の反対もあって大きく制約される。それでも韓国へ上陸すれば、米韓連合軍と戦闘する運命なのだ。日本は米国と同盟国であるから、友軍同士の戦争という歴史にも例のない事態だろう。先ず、あり得ない話である。

     

    その韓国軍が、自衛隊を非公式に「主敵」に位置づけている。韓国の方がはるかに非条理な設定をしているのだ。韓国の頭脳から見れば普通のことでも、世界の常識から言えば非常識である。こういう韓国と近隣国ゆえ日常、接触しなければならない日本の当局者は、さぞかし苦労させられていると見る。

     

    『ハンギョレ新聞』(10月20日付)は、「4カ国の同床異夢…クアッド4国、『アジア版NATO』になり得るか」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国と世界の軋轢が深まっている。南シナ海と台湾海峡、ヒマラヤの高山地帯とメコン川流域に至るまで、紛争地帯は広大だ。中国が「切り離せない中国の一部」とし、内政干渉と規定した香港やチベット、新疆人権問題は、軋轢の根底に理念的違いがあることを示している。「全方位的多発性軋轢」ともいうべきである」。

     

    先ず、中国が周辺国と軍事衝突を重ねているという点を認めている。

     

    (2)「米国が中国を狙って日本やインド、オーストラリアが参加する非公式戦略フォーラム「クアッド」(QUAD)を北大西洋条約機構(NATO)のような多国間安保同盟に格上げすべきだと主張しているのも、こうした脈絡からだ。クアッドは果たして「アジア版NATO」になり得るだろうか。中国の王毅外交部長は13日、マレーシアの首都クアラルンプールで開かれた記者会見で、クワッドを「巨大な安保脅威」とし、このように述べた。彼は「新しい冷戦をあおるのは時代とかけ離れた認識」だとし、「いわゆる『アジア版NATO』が推進されるなら、歴史の時計を巻き戻すことになるだろう」と強調した」

     

    中国は、周辺国と紛争を起こしている結果、中国を封じ込める「クアッド」が生まれたという反省が欠けている。自らを被害者としている点が、責任転嫁の典型例である。

     


    (3)「NATOの設立は冷戦の出発でもあった。アジア版NATOの登場も、新たな冷戦の始まりになりかねないという意味だ。脅威に対する認識の共有が直ちに一致した行動につながるわけではない。米国防・安全保障専門シンクタンク「ランド研究所」は、7月末に発表した報告書で、「これまでクアッド参加国が合意したのは、中国に対する牽制が必要だという点だけ」だと指摘した。こうした現実を端的に示したのが6日、東京で開かれたクアッド外相会合だった」

     

    ランド研究所が7月末に発表した報告書はまだ、「中国に対する牽制が必要だという点だけ」だった。それから、中国が台湾侵攻を声高に言い始めるなど、事態は急速に動いている。アジア版NATOという認識が、4ヶ国で暗黙の認識として浮上している点を否定できまい。万一、米国以外の3ヶ国がアジア版NATOに反対であれば、その旨を発言するはず。沈黙は「了解」というシグナルである。

     

    (4)「当時、マイク・ポンペオ米国務長官は中国を「脅威」と規定し、「クアッド参加国が中国共産党の搾取や腐敗、強圧に対抗して協力することがいつにも増して重要になった」と強調した。しかし主催国である日本を含む残り3カ国の外相はそれぞれ声明を出し、中国に対する直接的な言及を避けて「規則に基づいた秩序、航行の自由、地域における対立の平和的解決」だけを強調した。今回の会合では共同声明も出せなかった。依然として道のりは遠いという意味だ」

     

    これは、韓国側の希望的観測であろう。クワッドは来年以降、定例開催されることで合意した。4ヶ国が共同声明を見送ったのは、最初から中国と対決姿勢を見せず、スムースにアジア版NATOを立ち上げる意図である。不必要な雑音は少ない方がベターなのだ。

    現に、日米豪印戦略対話(QUAD)4カ国が、11月共同軍事訓練を行う。10月20日、ロイター通信によると、インド国防省は日米印海軍間の例年共同海上軍事訓練である「マラバール」に今年豪海軍を招待することにした。今回の訓練はQUADが協力する初めての実質的な動きだという評価だ。これら4カ国の外相は10月初め日本に集まり、インド太平洋地域における協力の重要性を確認していた。

     



    (5)「日本はいわゆる「普通の国」を追求する。揺らいでいる強大国の地位を維持すべきという戦略的目標もある。問題は、いずれも中国の助けなしには実現が難しいことにある。しかもクアッドのNATO化は「戦争できる国」日本を前提とする。韓国をはじめとする周辺国家の理解を得るのは極めて難しい。韓国同様、安保は米国、経済は中国に依存しているという点も足を引っ張る恐れがある」

     

    このパラグラフは、日本への悪意に満ちている。GDP世界3位の日本が、「非武装中立」というスイスのようなことを求められても無理である。日本の「非武装中立」をいいことに侵略されるのは見え見えである。国土防衛は、主権の問題である。この日本が、アジア版NATOの一員として、ドイツやイタリアと同様に同盟軍に参加することは自然なのだ。韓国が、日本に対してとやかく言うべき事柄ではない。

     

    菅首相は、中国のサプライチェーンをASEAN(東南アジア諸国連合)へ移転させる、とベトナム訪問で発表した。日本が経済面で中国に対してビクビクしているのではない。中国経済の発展はいつまでも続く訳でないのだ。すでに分水嶺を超えている。経常赤字は目前である。その中国に、ビクビクしているのは韓国である。中国の国力推移を冷静に分析することだ。

     

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    韓国という国は、ともかく厄介な存在である。「感情8割・理性2割」と評されるように、瞬間湯沸かし器のような振る舞いが多い。今も、中国の迷信である「風水」を信じており、科学の説得力はゼロ同然の国である。まさに、「風評」こそ韓国を支配するつむじ風である。

     

    福島原発処理水をめぐって、日本が科学的な根拠を説明しても韓国だけが「聞く耳持たぬ」状況である。韓国が騒ぐので中国まで伝播している。中国外交部報道官が、「日本の十分な情報開示」と寝言を言う始末だ。日本は、克明に情報を開示しているのだ。

     

    『中央日報』(10月20日付)は、「日本『福島汚染水放流にどうしてこれほど過敏に反応するか』…韓国月城原発にも言及」と題する記事を掲載した。

     

    東京電力福島第一原発の汚染水を海に放流することに対して、韓国はもちろん日本国内でも懸念が尽きないが、日本政府は眉一つ動かさないでいる。科学的根拠からみた時、このような懸念は杞憂にすぎないとして、かえって国内外の世論戦に積極的に乗り出している。今年5月、日本政府が作成した資料「ALPS処理水について(福島第一原子力発電所の廃炉対策)」には、該当汚染水を放流せざるを得ない状況と、放流妥当性をまとめた日本政府の対応論理がそのまま記されている。



    (1)「資料は汚染水を「処理水」と表現するなど放流物質が環境と人体に無害である点を強調するのに大部分を割愛した。放流前に多核種除去設備(ALPS)を使うため、セシウム・コバルト・ストロンチウム・アンチモン・三重水素(トリチウム)など核分裂生成物および活性化物質をほぼ浄化することができるという説明だ。資料にはセシウムの場合、放射能濃度を数億分の1に低減することができるという内容も付け加えられた」

    トリチュウムについては、トリチウムを分離し量を大きく減らしてから海洋に放出する手法を電力中央研究所の常磐井守泰元名誉研究顧問らが提唱している。「飲料水に含まれるレベルまでトリチウムを減らせば風評被害の回避につながるのではないか」と常磐井氏は話す。『日本経済新聞 電子版』(7月13日付)が報じた

     

    提唱されている手法は、トリチウムを含む水分子と通常の水分子では蒸発のしやすさがごくわずかに違う性質を利用、蒸留を繰り返すことで、トリチウムの濃い水と薄い水に分けるもの。トリチウムの濃度を世界保健機関(WHO)の飲料水ガイドラインの1リットル当たり1万ベクレル以下にすれば、「飲料水を放出するのと同等」(常磐井氏)の安全性が確保できる。常磐井氏らの試算によれば、海洋へ放出するトリチウムの量を貯蔵されているトリチウム総量の0.%にまで少なくできるという。韓国の反対論には、科学的根拠がないのだ。

     

    菅首相が、就任後最初に福島を訪問して、「処理水を薄めれば飲める」という説明場面がTVで放映された。これは、トリチュウムの処理などを指したものだ。

     

    (2)「問題はトリチウムと呼ばれる三重水素だ。トリチウムは現技術では処理水から分離が不可能なためだ。特にトリチウムは発がん性物質として知られており、福島汚染水放流をめぐる論争で最大の争点に浮上した。トリチウムをめぐっても「放流されても特に問題ない」という日本側の主張は続く。トリチウムが雨水、海水、水道水はもちろん、体内からも吸収・排泄されるほど幅広く存在しているだけに誇張された恐怖だという論理だ。あわせて日本政府は、資料に韓国の月城(ウォルソン)原子力発電所について言及し、ここからも年間140兆ベクレル(放射能の測定単位)のトリチウムが排出されていると記述した

     

    韓国は身勝手な国だ。自らを「道徳の国」と気恥ずかしくもなく言うほどだから、月城(ウォルソン)原子力発電所から放流されているトリチュウムには口をつぐんでいる。福島第一原発に貯蔵されている全体トリチウム量が860兆ベクレル、日本に降る雨に含まれる年間トリチウム量が220兆ベクレルである点と照らしてみた時、少なくない量のトリチウム(年間140兆ベクトル)が韓国からも排出されているのに、なぜ日本の汚染水だけに過敏に反応するのかということだ。

    (3)「日本政府は、「世界の原子力施設ではトリチウムが放出されているが、これら施設周辺でトリチウムが原因と思われる影響は見つかっていない」とし「仮にタンクの全量(福島第一原発に貯蔵されている860兆ベクレル)を一年で処分した場合でも、日本で生活する人が1年間に自然界から受ける放射線(自然放射線)の1/1000以下と、十分に小さいもの」との結論を下した」

     

    トリチュウムは、自然界からも受けている。日本で生活して受ける自然放射線の1000分の1以下という。ソウルの自然放射線は、東京よりも高いのだ。こういう事実を知ってか知らずか、韓国人は無闇やたらと騒いでいる。ノーベル科学賞の受賞者ゼロ、という知的水準をそのまま表わしているのだ。

     


    (4)「放流の正当性のために日本政府はIAEAの解釈を引用した。IAEAが昨年2月、日本の報告書に対して「海洋放出は世界中の原子力発電所や核燃料再処理施設で『日常的に実施されている』と記述した」というのだ。
    日本政府は争点をQ&A形式で整理した部分では、汚染水放出に関する透明な情報公開努力を強調した。在京外交団のための説明会を100回以上開いたほか、IAEA調査団の訪問も4回受け入れたと強調した」

     

    日本の対外的な説明は十分に行っている。IAEA調査団の訪問も4回受入れた。隠し立てしていることは何もないのだろう。

    (5)「また、「国際社会は日本のALPS処理水にどのような見解を持っているか」という質問には「昨年9月に開かれたIAEA定期総会で韓国政府代表団が日本の東京電力福島第一原発対策に対して批判的な発言をしたが、韓国以外の国々からはそのような発言はなかった」という回答を付けた。これをめぐり日本が「韓国が大げさな反応を見せている」という枠で国際世論戦に乗り出したのではないかという話が出ている

    韓国は今も、福島県ほかの海産物を輸入禁止処分だ。WTO(世界貿易機関)での紛争処理でも、科学的事実よりも風評重視という非科学的主張をしてWTO審決をくぐり抜けた。こういう相手が韓国である以上、いくら誠意を尽くして説明しても無駄であろう。

     

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