勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    韓国では、昨年7月から燃えさかった「NO JAPAN」や「NO 安倍」の幟が消えてしまった。今は、安倍首相が韓国について発言したか、何を喋ったか、という具合に一変している。現実の経済や外交の環境悪化が、のしかかっているからだ。

     

    韓国学生の就活は、日本企業を当てにしなければならなくなっている。韓国南部の自治体は昨年夏以降に、日本の自治体と長年続けてきた交流を断ち切る騒ぎを引き起こした。それが、12月には背に腹はかえられないとばかり交流を復活。日韓自治体の会議に出席し、学生就活の協議会をつくって、学生も参加させると張りきっている。この豹変ぶりに開いた口がふさがらないのだ。

     

    『中央日報』(1月17日付)は、「安倍氏の一言に一喜一憂する韓国」と題する記事を掲載した。

     

    「〔文在寅(ムン・ジェイン)大統領は〕非常に物腰が柔らかい、紳士ですね。もっと頻繁に会えるような関係が作れれば」先月末、韓国を騒がしくさせた安倍晋三首相の言葉だ。去年12月29日に放送された「BSテレビ東京」のインタビューだったが、収録は放送の2日前に行われた。収録当日の発言録を入手して読んだところ、韓国関連の部分は4分程度だった。

    (1)「正式な首脳会談が15カ月ぶりに開かれてから3日後のことだったが、安倍氏の態度は以前と変わらなかった。徴用問題に対しても「約束が守られなければ国と国との関係は成立しない」と話した。その中で、文大統領について尋ねる司会者の質問に、仕方なく短く上記のようにコメントしたのがすべてだった。それでも韓国では会談以降、安倍氏の態度が大きく変わったかのように大騒ぎとなった。「韓国ではこの発言がなぜニュースになるのか」という日本人の知人の指摘に顔が赤くなるほかなかった」

     

    韓国メディアは、安倍首相について「右翼」とか「民族主義」とか形容詞をつけることが多い。この記事では、さすがにそういう過激な言葉は姿を消している。韓国が、「安倍発言」に注目しているのは、韓国の経済や外交の行き詰まりで余裕を失って、突破口を探している事情もあろう。

     

    中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の楊丹志(ヤン・ダンジー)氏は、日韓関係について、興味深い分析をしている。「まず外交について、『韓国は困難な時期にあるのに対し、日本は柔軟かつ現実的な議論を進めて効果をあげている』と指摘。『韓国は、米国、中国、日本のいずれとも関係が良くない。北朝鮮との関係はやや改善したが、行き詰まってから新展はない。日韓の争いが続く中、韓国は在韓米軍の駐留費問題などで米国から大きな脅迫と圧力を受けている。中韓もTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備をめぐる傷がまだ癒えていない』としている」(『レコードチャイナ』1月16日付)

     

    韓国が、外交面でも八方塞がりの中で「憎い日本」を突破口にしたいという思いが強い。それが、安倍首相発言に関心を集めている理由と考えられる。韓国外交は、万一に備えた「逃げ道」を作らずに、やたらと対決姿勢を取り続けた結果である。

     

    (2)「同じような事例は、首脳会談が開かれる10日前ごろにもあった。時事通信主催の講演会で壇上に立った安倍氏の発言が発端だった。「クリスマス・イブの日には、成都で日中韓サミットに出席し、これを機に習近平国家主席、李克強首相との首脳会談、文在寅大統領との日韓首脳会談を行う予定だ」。60分間の講演の中で韓国に対する言及はこの一言だけだった」

     

    安倍首相は、韓国について言及することは少なくなった。ある面で、無視している結果だろう。日本の安保のパートナーとして、韓国は5位にランク落ちした。それだけ、外交面での重要性が低下しているのだ。韓国は、この現実を知らずにいる。反日をやれば、日本を困らせられると錯覚している。逆である。困るのは韓国である。

     

    (3)「韓国では、「韓国と当然同時に出すべき首脳会談日程の発表を先に横取りした」「『韓国との対話』を外交成果として前面に掲げて各種スキャンダルで下落した支持率を挽回するという狙い」など大きく報じた。だが、日本は静かだった。外交成果を国民に知らせようとする狙いだったのなら、少なくとも「絶対的友軍」メディア数社はこれを大きく報道したはずだ。だが、新聞の中で「クリスマス・イブに文大統領に会う」という言葉を意味があるように取り上げたところはほとんどなかった」

     

    日本では、安倍首相が文大統領と会談して、それが大きなニュースにならない背景がある。日韓の険悪な関係が改善しても、日本側に大きな影響がないのだ。韓国が考えるほど、日本における韓国の地位が高くない。

     

    (3)「1993年に初当選した「“若い血”議員」安倍晋三氏は、当時も「条約で終わった問題を文書でまた謝罪したら、今後、韓国の大統領が新たに選ばれるたびに(謝罪を)繰り返さなければならない」と不満を爆発させた(宮城大蔵『現代日本外交史』)。新人議員の時から「日韓問題は1965年の基本条約と請求権協定ですでに解決済み」という確固たる考えを有していたことになる。このような「確信犯」水準の相手に対抗するために必要なことは冷静な状況判断と緻密な交渉戦略だ。すぐに熱くなってすぐに冷める態度では、相手に弱点だけを握られてしまう

     

    下線部分は、韓国の自己採点である。韓国が、感情のままに「反日」を繰返していると、アジアの孤児になろう。日本と韓国の国際社会におけるウエイトは異なっている。韓国は、それを忘れて、遠い過去を持ちだして日本批判しているが、すでに「法的」解決済み問題である。それを忘れてあたかも昨日、起こったような感覚で取り上げている。日本が、まともに相手にしなくなるのは当然だ。

     

     

     

     

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    韓国政府は16日、北朝鮮・金剛山への個人観光を認める意向を表明した。これをテコにして、南北協力構想を進めたい意向である。国連が、経済制裁している下で緩和措置に出ようとすることは、米韓関係に難題を持ち込むこととなった。文政権は4月の総選挙を前に、なりふり構わず「支持者引き留め策」に出ている。

     

    一方、北朝鮮は韓国が建設した金剛山の観光施設撤去を要求している。北は、韓国の個人観光を受入れるかどうか分からないのが現状だ。こういうあやふやな中で、「個人観光問題」と「南北協力構想」だけが突出してきた。

     

    『朝鮮日報』(1月17日付)は、「米に続き仏も対北制裁解除に反対しているのに文政権は独自に速度戦」と題する記事を掲載した。

     

    韓国政府は16日、金剛山の個人観光を認める意向を表明するなど、北朝鮮制裁の迂回(うかい)路探しに乗り出した。韓国政府は「独自に推進する北朝鮮関連事業を選別中だ」とした上で「(米国などに)理解を求めたい」とコメントした。これに対して米国と日本はもちろん、フランスもこの日「北朝鮮に対する制裁は維持すべき」とする従来の考えを改めて確認した。国際社会が一致して反対する中、韓国政府だけが国際社会による制裁を避け、北朝鮮との事業を積極的に進める考えを明確にした形だ。

     


    (1)「韓国統一部(省に相当)のある当局者は、この日「軍事境界線付近での協力と個別の観光などを検討している」と発言した。韓国外交部の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長は15日(米国時間)、米ワシントンで北朝鮮への個人観光について「(米国に)一度話をしたい」「腹を割って話をし、相手側の理解を求めることが今最も必要なことだ」などと述べた。李本部長は16日、米国務省のスティーブン・ビーガン副長官と面会する。韓国大統領はこの日、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開催し「朝米非核化交渉の実質的な進展に貢献する方向で、南北協力を推進する方策について話し合った」と説明した」

     

    韓国政府は、南北問題になると必死である。経済問題の解決には見せないような熱意だ。だが、多くのリスクを抱えている。北朝鮮が頑なに韓国提案を非難している状況下で、韓国だけの意向でことが運ぶはずがない。個人観光を手がかりに南北共同事業につなげようという意図は丸見えである。

     

    (2)「これに対して米国は北朝鮮に対する制裁を維持する考えを改めて強調した。ハリー・ハリス駐韓米国大使はこの日、外信記者団との懇談会で「韓国は北朝鮮と行ういかなる計画も米国と話し合わねばならない」と指摘した。ビーガン副長官は中国外交部の楽玉成・筆頭副部長と電話で会談し、北朝鮮との交渉を継続する考えを改めて伝える一方「制裁の完全な履行」を中国側にも求めた。米ホワイトハウスが明らかにした。フランス政府も同じ考えをすでに表明している。韓国政府による独自の動きに各国がブレーキをかけた形だ」

     

    文政権は焦っている。GSOMIA破棄を決定した昨年8月の時と同じような雰囲気である。世論調査を行なって、支持率の高いことを掴んだ「刹那的動き」に見える。韓国は、北朝鮮への制裁解除につながる行為を慎まなければならない。経済制裁は、北に核放棄させる目的である。その恩恵を受ける韓国が、制裁に風穴を開けるとはこれ以上ない矛楯である。

     

    (3)「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、新年記者会見で南北協力構想を表明したが、これについて米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が15日(米国時間)、ホワイトハウスのある幹部に見解を尋ねたところ、「米国は、国連の全加盟国が安保理の全ての制裁決議を守ることを期待している」と述べた。この幹部はさらに「トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長はシンガポールでの会談で最終的かつ完全に検証された北朝鮮の非核化(FFVD)に合意した。米国はシンガポールでのこの共同声明を完全に履行することに専念している」「これは同盟国である韓国も全面的に支持した目標だ」などとくぎを刺した」

     

    文大統領の南北協力構想は、米国からクギを刺された形だ。それを押し切ってやれば、米国がどのような反応するか。GSOMIA問題で経験済みである。それでも文政権は実行できるだろうか。問題はこれだけでない。北朝鮮が韓国の提案を拒否していることだ。

     

    『中央日報』(1月16日付)は、「金剛山施設撤去、最後通牒、韓国政府が隠すと北朝鮮が公開」と題する記事を掲載した。

     

    (4)「北朝鮮中央通信は15日、「金剛山は北と南の共有物ではない」という論評で、「我々(北朝鮮)の金剛山は民族の前に、後代の前に、我々が主人になって我々が責任を負い、我々の方式で世界的な文化観光地として立派に開発する」とし「金剛山観光開発に南朝鮮が割り込む余地はない」と主張した。続いて「時刻表が決まった状況で、我々はいつまでも通知文ばかりやり取りしながら意味なく歳月を送ることはできない」とし「11日に南朝鮮当局がつまらない主張に固執すれば施設撤去を放棄したものと見なして一方的に撤去を断行する断固たる措置を取るという最後通牒を送った」と明らかにした」

     

    北朝鮮の厳しい姿勢を見れば、韓国は取り付く島がないようである。北がここまで強硬に出ているのは、中国が経済支援している結果だろう。そうならば、韓国の対北朝鮮関連事業提案は空転するだけだ。逆に、米韓関係を悪化させるという負の連鎖を生むだろう。




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    韓国の産業通商資源省は1月早々、日本政府が昨年7月に輸出管理を厳格化した「フッ化水素」について、韓国の化学メーカーが高純度で大量生産が可能な製造技術を確立したと発表した。フッ化水素は半導体の洗浄に使われ、規制強化前は日本からの輸入に頼っていたものだ。この情報に韓国ネットは歓喜の声を上げたが、この「国産化情報」を打ち消すような報道が表れた。

     

    『レコードチャイナ』(1月16日付)は、「韓国で日本からのフッ化水素輸入が急増、ネット驚き国産化成功はうそ?」と題する記事を掲載した。

     

    「韓国『ニュース1』(1月16日)によると、韓国の昨年12月の日本からの半導体製造用フッ化水素の輸入額が約140万ドル(約1億5400万円)に達し、前月比約10倍に急増した。

     

    (1)「フッ化水素は昨年7月に日本政府が対韓国輸出規制を強化した半導体素材3品目のうちの1つ。記事によると、韓国の昨年12月の日本からの半導体製造用フッ化水素の輸入額は139万8000ドルだった。規制強化以降で最大で、199万ドルを超えたのも半年ぶりのこと。14万ドルだった前月に比べると約10倍に増えたという。輸入量は約794トンで、これも前月比で1900倍以上増えたという」

     

    韓国の産業通商資源省は年初、日本政府が昨年7月に輸出管理を厳格化した「フッ化水素」について、韓国の化学メーカーが高純度で大量生産が可能な製造技術を確立したと発表した。ところが、昨年12月のフッ化水素輸入が前月比10倍増という報道が表れ、「国産化説」はウソであったのかと読者が疑問を寄せているのだ。

     

    韓国では、「未完成」のものを「完成」した、と大袈裟に発表するのが常套手段だという。これは、韓国でビジネス経験のある方から聞いた話だ。産業通商資源省によると、韓国の化学メーカー「ソウルブレーン」が製造工場を新設・拡充し、液体のフッ化水素の不純物を「1兆分の1」まで抑えられるようになったとした。極めて高い純度が求められる半導体製造に使える水準という。韓国企業が、フッ化水素生産技術を確立したとしても試験段階。実用段階に進めば、使えるかどうか判明する。現状は、「試験管」の中の話であろう。

     


    パネルの製造工程に投入されるフッ化水素は、半導体の工程に使われる物に比べ純度が低い。ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)単位の微細な工程を処理する半導体とは異なり、ディスプレーパネルは微細工程の水準が高くないため、相対的に純度が低いフッ化水素でエッチング、洗浄工程を行うことができる。このため、半導体業界はまだ液体フッ化水素の大半を日本メーカーに依存している状況だ。

     

    要するに、ディスプレーパネル用のフッ化水素は、純度が低いので国産で間に合う。だが、半導体製造に使う高純度のフッ化水素は、日本からの輸入に仰がざるを得ないのだ。これを反映して、12月のフッ化水素輸入が急増したのでないか。韓国の化学メーカー「ソウルブレーン」の生産能力は明らかになっていない。韓国の経済メディアは、韓国内の需要の70~80%程度を担う規模になるとの見方を伝えている。

     

    これだけの「大ニュース」であれば、化学メーカー「ソウルブレーン」当事者が、発表の席に立ち会うべきだ。それが、なかったことも情報に疑問符がつく。海のものとも山のものともつかない「星雲状態」であろう。設計図の段階か。

     

    (2)「これをめぐり、韓国の業界ではさまざまな分析が出ているという。まずは、昨年12月24日に中国・四川省成都で行われた15カ月ぶりの日韓首脳会談がきっかけで「関係が改善された」との見方。会談で文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、日本の輸出規制措置をめぐり「原状回復を求める」と述べていた「


    12月24日の日韓首脳会談直後に、日本が大慌てで輸出を許可したとも思えない。

     

    (3)「一方で、輸出規制措置の影響で売り上げが急減した日本企業の不満を緩和するための「一時的な措置だ」との見方もある。また「素材・部品・装備分野で日本依存脱却を目指す韓国の政府と企業をけん制する目的だ」との見方も強いという。ある業界関係者は「昨年の日韓関係では経済が政治に振り回され、両国の企業が被害を被った」とし「輸出規制措置の撤回への道のりはまだ遠いため慎重に状況を見守る必要がある」との考えを示したという」

     

    輸入元の韓国企業は、日本での輸出手続き規制をクリアするには、実需であることを証明しなければ成らない。思惑輸入は不可能である。よって、すべて実需に基づく輸入であるはずだ。韓国半導体メーカーが、市況回復を見込んで強気の生産に入る兆候と見るべきだろう。

     


    (4)「これを受け、韓国のネットユーザーからは次のような声が集っている。

    「なぜ日本から輸入する?フッ化水素の国産化に成功したと言っていたよね?」

    「国産化成功はうそだったようだ」

    「つい最近まで『国産化しよう』と意気込んでいたのに、結局は楽な方にいくのか?」など不満げな声や、

    「日本の態度が変わったとしても国産化を進めよう」

    「国民の不買運動をあざ笑っていないで、企業も不買運動に参加するべき」と訴える声が上がっている」

     

    韓国のネットは、12月のフッ化水素輸入急増に面食らっている。憎い日本から輸入しないで済むと思った矢先に、どんでん返しのニュースである。最大の責任は、事実を確認しないで報じた韓国政府のお先走にあろう。

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    傍目八目という言葉がある。第三者が当事者の気付かぬ点をズバリ指摘することだ。日韓外交は、昨年の超過熱期を過ぎて、一呼吸整えている段階である。これから、どう展開するのか。中国は、日韓関係の動きをじっと凝視している。

     

    日本では、「ホワイト国」問題で膠着状態が続き、3月に入れば韓国が再度、「GSOMIA破棄」に動き出すという説も聞かれる。韓国が、実力行使に出れば、米韓関係は冷却化必至だ。韓国の狙いは、4月の総選挙目当てのパホーマンスである。外交まで犠牲にして、総選挙に勝ちたいという妄念だ。

     

    中国から、今後の日韓関係を予測する記事が登場した。傍目八目である。中国は、日米関係と米韓関係が上手く行かなければ、「漁夫の利」を得ようという立場である。そのように、中国の思う壺にはまって行くか。

     

    『レコードチャイナ』(1月16日付)は、「日韓は徹底的にやり合うつもりか、日本は文政権に期待していないー中国専門家」と題する記事を掲載した。

     

    中国メディア『中国網』(1月14日付)は、日韓関係について「両国は徹底的にやり合うつもりなのか」とする論評記事を掲載した。著者は中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の楊丹志(ヤン・ダンジー)氏である。

     

    楊氏は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が7日に行った新年のあいさつで日本との関係改善に意欲を示した一方で、安倍晋三首相は日韓関係に触れなかったことに言及。「日韓関係改善への積極性の違いが見て取れる」とした上で、その背景について「外交と内政の両面から読み解くことができる」とした。



    (1)「まず外交について、「韓国は困難な時期にあるのに対し、日本は柔軟かつ現実的な議論を進めて効果をあげている」と指摘。「韓国は、米国、中国、日本のいずれとも関係が良くない。北朝鮮との関係はやや改善したが、行き詰まってから新展はない。日韓の争いが続く中、韓国は在韓米軍の駐留費問題などで米国から大きな脅迫と圧力を受けている。中韓もTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備をめぐる傷がまだ癒えていない」と評した。日本については、「米国との同盟関係を強化しつつ中国との交流も進め、日中関係は徐々に回復。日米、日中という二つの重要な外交関係がいずれも進展を見た。韓国との関係は重要ではない位置に置かれることとなった」と解説した」

     

    下線部分は、核心を突いている。日本が日米関係を基軸にして中国との関係を修復している。こういう段階で、韓国が占める外交上の重要性は低下した。日本の安全保障において重要な国は、米国・豪州・印度・ASEAN(東南アジア諸国連合)、そして韓国の序列になっている。韓国は、この現実を認識せずGSOMIAで「暴走」した。

     

    (2)「内政について、「文政権の支持率は下降を続けている。チョ・グク(前法相)事件によって、文大統領肝いりの司法改革の先行きが暗澹たるものになった。政権末期に文政権は必ず野党の攻撃を受けることになる。日本との関係が悪化を続け、韓国経済への負の影響が明らかになるにつれ、文政権の基盤は揺らぐだろう」とした。日本については、「自民党の現在の地位は揺るぎなく、野党は厳しい状態。これはある程度、自民党の政策がスピードをもって進められることを保証するものだ。アベノミクスが良好な成果を収めていることも安倍政権の基盤を強固なものにしている」との見方を示した」

     

    下線部分もその通りである。日本は、「政経非分離」政策に転じている。韓国が歴史問題を持ち出してくれば、日本は経済問題で対応する関係だ。従来の「政経分離」では、日本は叩かれるだけで、謝罪と賠償を請求されてきた。その上、「世界で日本をバカにできるのは韓国だけ」という世迷言まで許してきた。これでは、正常な外交関係は不可能である。節制と礼儀が外交の基本である。

     

    (3)「楊氏は、「韓国が外交問題の進展を急いでいるのに対し、日本は比較的余裕がある」とした。その上で、今後の日韓関係のポイントを3つ挙げた。
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    つ目は、「日韓関係は短期には修復困難」ということ。楊氏は、「日韓の相互信頼の基礎はすでに破壊されており、再建には比較的長い時間を要する。政府レベルから民間レベルまで、さらに相互理解と協力を強化していく必要がある」とした」

     

    文氏は、日本との信頼関係を破壊してしまった。韓国国内で「親日排除」の号令を出している。日韓併合の痕跡を「草木一本まで残さない」という革命的な煽動である。日本が良い感じを持つはずがない。日韓関係が悪化して困るのは韓国だ。学生の就職をはじめ、日本が協力する場面は多々ある。それを見失っている。

     

    (4)「2つ目は、「日韓関係は両国の外交において主要な問題ではない」ことだとし、「韓国は日本との関係改善を検討してはいるが、北朝鮮の核問題や米韓関係の方が喫緊かつ重要。日本にとっても、米国や中国との関係の方が韓国との関係よりもはるかに重要だ」と指摘した」

     

    韓国は、日本が不可欠である。技術や中間財など、日本の「恩恵」に預かっている。その認識がないのだ。当然のこととして受け取っているから、日本の「謙韓感情」が、いやでも高まって行くのだ。

     

    (5)「3つ目は、「日本は自らが韓国を屈服させるために十分な手段を持っていると考えている」ことだとし、「日本は文政権が重大な妥協をすることにそれほど期待をしていない。文氏の任期には限りがあり、日本には次の大統領と話し合う方法もある。そのため、日本は韓国との関係修復を積極的に進めようとはしない。韓国が一方的に(関係改善に向けて)努力しても成果を挙げることは難しい」と論じた」

    日本の謙韓感情が基盤であれば、ポスト安倍が日韓関係改善のために譲歩することはあり得ない。それは、政権の基盤を揺るがすであろう。日本人は、それほどまでに文政権の「仕打ち」を許しがたい行為と見ている。

     

        日韓慰安婦合意の破棄

        徴用工賠償問題に対する不誠実な態度

        政治目的で親日排除を行なっている

     

    歴代韓国大統領の中では、文政権が日本に対して最悪な振る舞いをしてきたのである。


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    韓国は4月の総選挙を目前にして、文政権が北朝鮮との交流事業再開を米国で示唆した。本欄はこれまで、その可能性を取り上げてきた。実際に行なわれれば、米国との対立は決定的なものになろう。

     

    文政権は、日本との対立でも米国の反対を無視して、GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)を打切り、再び「一時延期」というドタバタ劇を演じた。見通しのない刹那的外交が、文政権の特色だ。すべてが、選挙目当てである。

     

    『朝鮮日報』(1月16日付)は、「康外相、ポンペオ国務長官に南北が先 対北独自行動を示唆」と題する記事を掲載した。

     

    北朝鮮との経済協力を進めるため、韓国政府は米国との「二人三脚」をやめて独自の行動に乗り出す可能性を示唆した。「北朝鮮の実質的な非核化がなければ制裁緩和もない」とする米国に対し、韓国政府が北朝鮮に代わって「制裁緩和」を求める意図があるとの見方が指摘されている。

     


    (1)「韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官は14日(米国時間)「朝米対話と南北対話が互いに、共に補い合い、善の循環プロセスを形成しながら進んでいくべきというのがわれわれの基本的な立場」としながらも「ある特定の時点で朝米が先を進むこともあるし、南北が先を進むこともあると思う」と述べた。さまざまな条件を付けつつも、外交長官が公の席で「(米朝関係よりも)南北関係が優先されることもある」と明言し、米国とは別の対北朝鮮政策を推進する意向を明確にするのは今回が初めてだ。

     

    昨年12月末、韓国大統領府の文特別補佐官は、ワシントンのシンポジュームで「韓国の独自行動」を示唆した。その理由として、「韓国は民主社会である。支持者の希望することは実現せざるを得ない」と明快に指摘。選挙目的であることを明らかにしていた。4月の総選挙が、与党に取って厳しいという予想なのだろう。

     

    (2)「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今年の新年の辞で示した「南北関係において動きの幅を広げなければならない」との考えを指針とし、担当部処(省庁)が実際の行動に乗り出したものと言えそうだ。韓国統一部の金錬鉄(キム・ヨンチョル)長官もこの日「南北観光協力の可能性に注目している」と発言し、北朝鮮観光を推進する意向を明確にした」

     

    南北交流事業は、観光開発とされている。観光事業は、「日銭商売」である。韓国が北朝鮮へ「経済支援」することと同じである。米国はじめ国連が、北に核を放棄させるべく経済制裁を強化している。その中で、「観光協力」することは、経済制裁の緩和と同じ行為である。米国が反対するのは当然だ。文政権は、この関連性が理解できないほど「民族主義」に走っている。

     


    (3)「康長官は「米国側もわれわれのそのような意思や希望について十分に理解している」との考えを示した。韓国外交部のある幹部も「(北朝鮮の個別観光について)われわれの考えをしっかりと説明したし、ポンペオ長官も理解したようだ」と伝えた。別の複数の外交筋は、「文在寅政権は北朝鮮との事業を何としても推進したがっているが、米国政府はこれに頭を痛めている」との見方を伝えた」

     

    韓国は、米国の理解できない行動を始めようとしている。多分、韓国はGSOMIAの件と同様に「暴走」するだろう。その結果は、米韓の対立を招き後で後悔するに違いない。文政権とは、感情的外交しかできないのだ。民族主義とは、こういう盲目的行動を生む。

     

    (4)「康長官の前ではポンペオ長官も笑顔で対応したが、その裏では「韓国はなぜあんなことを言うのか」と当惑しているとの説明もある。京畿大学の南柱洪(ナム・ジュホン)碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動を行えるよう大学の指定を受けた教授)は「今年は北朝鮮が強い挑発に乗り出す可能性が高く、韓米間の協力関係を一層強化しても足りないだろう。そのような状況で韓米間の考えの違いが表面化するのは大きな問題だ」と指摘した」

     

    GSOMIA破棄発表の際、韓国大統領府高官は、「同盟の前に国益が存在する」と啖呵を切った。これが米国を強く刺激し、米国から防衛費分担で「50億ドル」を請求される理由の一つをつくった。同盟と国益がバラバラでは困る事態も起こるのだ。現在の「南北交流事業再開」は、まさにこのケースである。

     

    安全保障を巡る「ヤマ場」で、韓国は北朝鮮へ「塩を送る」と言い出した。敵へ塩を送ったのでは、解決すべきことが解決できず、韓国が最終的にしっぺ返しを受ける運命である。なぜそのことに気付かないのだろう。目先の総選挙対策が、「禁断の実」を食べさせるのだ。


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