戦後75年経っても、未だに韓国から慰安婦賠償請求が出されている。一様に、「金が欲しくて提訴しているのでない。日本の誠意ある謝罪が欲しいだけ」と言っている。この言葉にはウソがある。本当は、いくらでも良いから金が欲しいだけである。
日本は、これまで何回謝罪を要求されてきたか。そのたびに、謝罪してきた。それでも繰返される裁判沙汰の裏には、いくらでも良いから金を欲しいという根性が見え隠れしている。ましてや、当人でなく遺族が裁判を起こしている点に「金銭」への執着を感じるのだ。
慰安婦問題の本質は、「強制」であったかどうかである。戦前の日本には、「売春」が公認されていた事実がある。それは、自由意志で可能であったのだ。貧困ゆえに起こった悲劇である。戦前の韓国は、日韓併合で日本の法律が適用されていた。「強制」でなく自由意志でそのような場所に身を沈めたとしか言えないのである。
戦時中、中国上海での日本軍慰安所での記録が残されている。それによれば、女性はいずれも自由意志であった。軍は、女性達が置屋に搾取されないように、間接的に管理している実態を明らかにしている。朝鮮半島の女性も継母との折り合いが悪く、「苦界」に身を沈めている事情を詳述しているのだ。
『中央日報』(1月8日付)は、「韓国裁判所が慰安婦被害者勝訴判決…『計画的、組織的…国際強行規範を違反』」と題する記事を掲載した。
旧日本軍慰安婦被害者が日本政府を相手に損害賠償訴訟を提起し、1審で勝訴した。日本側の慰謝料支払い拒否で2016年にこの事件が法廷に持ち込まれてから5年ぶりに出てきた裁判所の判断だ。
(1)「ソウル中央地裁は8日、故ペ・チュンヒさんら慰安婦被害者12人が日本政府を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、原告1人あたり1億ウォン(約948万円)の支払いを命じる原告勝訴の判決を出した。裁判所は「この事件の行為は合法的と見なしがたく、計画的、組織的に行われた反人道的行為で、国際強行規範を違反した」とし「特別な制限がない限り『国家免除』は適用されない」と明らかにした」
韓国の裁判所は、しばしば、国際法や憲法よりも最上位に目に見えない「国民情緒法」があるといわれる。「国民情緒法」とは、国民が一致して怒っている問題は、その意向を受入れる判決を出すというものだ。「朴槿惠・前大統領」の判決もその色彩が強い。「旧徴用工賠償判決」もこれだ。もちろん、今回の慰安婦賠償判決もこれに分類される。
韓国は、「感情8割・理性2割」の国民性である。「国民情緒法」と言われる背景には、この感情8割が大きく作用していると見られる。旧徴用工問題は、日韓基本条約(1965年)で解決済みである。慰安婦賠償問題は、前記の日韓基本条約と日韓慰安婦合意(2015年)で解決済み。韓国は日韓慰安婦合意を破棄したが、日本は破棄していないから、有効である。
日韓慰安婦合意では、日韓両政府がこの問題を再び持ち出さない「最終合意」としている。この精神に反する判決なのだ。また、韓国裁判所が、日本政府に対して命令を下すことは、国際法上の「主権免除」の原則に反するのである。
韓国裁判所は、日本政府による「計画的、組織的、広範囲にわたる反人道的犯罪」で国際規範に違反したと断じ、主権免除は適用できないとしている。だが、自由意志による慰安婦の場合、「反人道的犯罪」とするのはこじつけである。当時、売春が制度として認められていたからだ。法律には、「罪刑法定主義」という原則がある。戦前は、売春が公認されていたことを繰り返し指摘したい。当時、売春が犯罪でない以上、反人道的犯罪に値しないのだ。
(2)「また、「各種資料と弁論の趣旨を総合すると、被告の不法行為が認められ、原告は想像しがたい深刻な精神的、肉体的苦痛に苦しんだとみられる」とし「被告から国際的な謝罪を受けられず、慰謝料は原告が請求した1億ウォン以上と見るのが妥当」とした。さらに「この事件で被告は直接主張していないが、1965年の韓日請求権協定や2015年の(韓日慰安婦)合意をみると、この事件の損害賠償請求権が含まれているとは見なしがたい」とし「請求権の消滅はないとみる」と判断した」
謝罪という抽象的な条件を判決理由に挙げている。これこそ、まさに「国民情緒法」の存在を裏付けている。裁判は、証拠に基づいて裁くべきである。朝日新聞のねつ造記事を根拠にして、「強制連行」を事実として受入れている。朝日新聞のねつ造記事は、後に朝日新聞社によって取り消されたが、英文記事にはならなかった。海外では依然として、朝日のねつ造記事が独り歩きしているのだ。罪深いことをしたものである。