勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    韓国の現代自動車は、自動車部品の8割を中国に依存している。その中国は、新型コロナウイルスの蔓延で、国内生産はストップ状態だ。このため、現代自は7日から国内の組立て作業を全面的に休止せざるを得ない事態に追い込まれている。

     

    韓国は、中国経済の操業再開に厳しい見方をしている。現在、新型コロナウイルスの蔓延防止策として、2月8日まで春節休暇の延長としている。中国政府は、さらに「14日間」を休暇延長にして、ウイルス感染を根絶する意向でないかというのである。こうなると、事実上、2月一杯は「ウイルス休暇」という突発的事態となり、韓国経済に大きな影響が出るとしている。むろん、それ以上に中国経済が疲弊する。

     

    『中央日報』(2月6日付)は、「中国、2月中はシャットダウンの可能性、車や消費財のグローバル供給網まひ」と題する記事を掲載した。

     

    中国の各地方政府が春節連休を他地域で過ごして戻ってきた中国人と外国人に14日間の自宅隔離を命じた。新型コロナウイルスによる肺炎が武漢と湖北省から中国全域に広がるのを防ぐための措置だ。今回の措置により、中国企業だけでなくグローバル企業の中国工場は稼動中断が長期化し、世界のサプライチェーンへの打撃が長引くだろうとの懸念が出ている。こうなると重大事態に直面する。

    香港紙『文匯報』(2月5日付)などによれば、中国内の生産拠点が密集する主要地域の地方政府が、新型コロナウイルスによる肺炎拡散を防ぐため他地域で春節連休を過ごして戻ってくる人たちに隔離措置を下した。このためすでに亀裂が生じているグローバルサプライチェーンが、さらに深刻な打撃を受けるだろうとの懸念が大きくなっている。専門家は、上半期の中国は経済成長率がマイナスに落ち込む可能性もあると分析しているほどだ。

     


    (1)「ほとんどの地方政府が、春節連休期限を9日以降に延長した。現代自動車が生産中断を決めるなどグローバル企業は部品調達に支障をきたし始めている。このように強力な措置を出した地域は、ほとんどが中国でもグローバル企業の生産拠点が集まっている都市である。上海にはフォルクスワーゲンとゼネラルモーターズの工場がある。吉林省はフォルクスワーゲンの合弁会社である第一汽車の本拠地である。広東省にはトヨタ、ホンダ、日産など日系自動車メーカーの工場が位置している。これら3地域は昨年世界の自動車生産量の10%を超える870万台を生産した。浙江省にはLG化学をはじめとする世界の化学企業が工場を運営中で、山西省にはサムスン電子西安工場がある」

     

    ほとんどの地方政府は、春節連休期限を9日以降に延長した。「14日間」を指示している。これら地域は、上海市、吉林省、広東省である。3地域は昨年、世界の自動車生産量の10%を超える870万台を生産した地域だ。当然、部品企業も前記3地域に集中している。韓国の現代自の部品輸入先が、強制休暇による操業中止で生産がストップ状態である。

     

    (2)「今回の新型コロナウイルスの震源地である湖北省は、13日まで全面休業を維持する。湖北省武漢は中国最大の工業都市で、ボッシュとヴァレオなど世界20大自動車部品メーカーの大部分が工場を置いている。中国乗用車協会の事務総長は「世界の自動車メーカーが重症急性呼吸器症候群(SARS)当時とは比較にならない部品難に苦しめられるかもしれない」と予想した。コンサルティング会社QIMAのセバスティアン・ブルトー代表は、「グローバルサプライチェーンが少なくとも2月末までは動揺があり、3月中旬まで続く可能性もある」と予想する」

    湖北省は、新型コロナウイルスの震源地である以上、当面は13日まで全面休業する。それ以降も延長となろう。この休暇の自動延長は3月中旬まで続く可能性を予想する向きもあるほど。となれば、SARS(2003年)の時よりも深刻な事態を迎える。今から、覚悟が必要になってきた。



    (3)「世界銀行(WB)のマルパス総裁は4日、米ジョージ・ワシントン大学で開かれた討論会で、「新型肺炎により上半期の世界経済成長見通しを下方修正しなければならないだろう」と明らかにした。世界銀行は先月初めに今年の世界経済成長見通しを2.7%から2.5%に0.2ポイント引き下げたが、これをさらに低くする計画を出したのだ。マルパス総裁は、「世界の航空会社が中国行き航空便を中断しており、グローバルサプライチェーンに問題が生じているため」と説明した。ともに討論会に参加したイエレン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は「新型肺炎が世界経済に及ぼす悪影響は短期衝撃にとどまった過去の伝染病問題よりも大きいだろう」と診断した」

     

    世界銀行のマルパス総裁は、今年上半期の世界経済成長率を、すでに2.7%→2.5%へ下げている。さらに、引下げる意向を見せている。イエレン前FRB議長もSARS時よりも大きな影響を受けると診断している。楽観は危険である。

     

    (4)「中国の国内総生産(GDP)が、上半期にかなり落ち込むという予測も出てきた。英市場調査会社エノドエコノミクスのダイアナ・チョイレバ首席エコノミストは、「新型コロナウイルスで中国の国内総生産増加率が3四半期連続でマイナスになりかねない」と予想する。世界最大の原油輸入国である中国の景気低迷への懸念で、国際原油価格は下がり続けている。今年初めに1バレル当たり63ドル以上だったウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)価格はこの日49.61ドルで取引を終えた。ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)は、「今年は、中国の原油需要が1日平均100万バレル減り、世界の原油需要増加率も40%ほど鈍化するだろう」と予想した」


    今年の中国は、3期連続でGDPがマイナス成長になるとの予測も出てきた。中国の原油需要が、1日平均100万バレル減る。これにより、世界の原油需要増加率は40%ほど鈍化する、との見通しも出ている。中国経済は、生存を賭けた大きな試練を迎えたようだ。



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    韓国メディアは、中国・武漢発の新型コロナウイルスへの恐怖感と、韓国社会にくすぶる中国への不信感が結びついた韓国社会の雰囲気を、「嫌中ウイルス」と命名している。日本経済新聞が報じた。もともと、朝鮮戦争は北朝鮮と中国が韓国を侵略したもの。韓国の一般国民が、「親中派」であるはずがない。

     

    文政権と与党「共に民主党」は、イデオロギー上で「親中派」になっている。韓国が北朝鮮と統一するには、中国の支援が必要という戦略である。また、社会主義に親近感を持っているので、韓国を社会主義国にしたいという願望は否定できない。ここに、中国を巡っては、文政権と国民の間にギャップを生じる。中国発の新型コロナウイルスへの恐怖で、中国人を締め出せという要求が高まる素地があるのだ。

     

    韓国人が最も好きな国は米国である。そういう世論調査結果を紹介したい。韓国ギャラップが2019年5月に全国満13歳以上の1700人を対象に「最も好きな国」に関するアンケート調査を行った。米国が16.0%で1位になった。続いてオーストラリア(12%)、スイス、カナダ(以上9%)、日本(7%)、フランス(6%)、英国(5%)、ニュージーランド(4%)、イタリア、スペイン(以上2.8%)が10位入りを果たした。

     

    日本は5位になっている。ただ、この調査が2019年5月に行われたので、その後に起こった日韓紛争による影響を反映していない。中国は、「トップ10」にも入っていないことから推測するに、韓国国民が親中派でないことは明らかである。

     


    『日本経済新聞 電子版』(2月7日付)は、「文政権揺らす『嫌中ウイルス』、新型肺炎対応正念場に」と題する記事を掲載した。

     

    新型コロナウイルスの感染拡大防止に追われる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が、もうひとつの敵に直面している。韓国社会で頭をもたげる中国人への嫌悪感情だ。「嫌中ウイルス」のまん延を放置すれば、政権基盤をも揺るがしかねない。

     

    (1)「韓国で5割のシェアを握る出前アプリ「配達の民族」の配達員でつくる労働組合が128日、会社側に「中国人の密集地域への配達禁止を」という要求を突きつけた。新型肺炎の感染拡大で「多くの人々と接触せざるを得ない配達労働者の不安感と危険度は高まっている」として、配達禁止または危険手当の支給を求めたのだ。会社側は同日、「いま重要なのは個人レベルの衛生管理を支援することだ。配達禁止地域の設定や危険手当の支給は考えていない」と発表した」

     

    これは、労組が間違っている。中国人が、遺伝で「新型コロナウイルス」病に罹っている訳でない。中国人だからと言って、感染するはずがない。配達手当の増額理由にしたものだろう。

     

    (2)「韓国での新型コロナウイルス感染者は6日時点で23人。現時点では大流行とはいえない。だが、38人の死者が出た15年の中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)流行の記憶は生々しく、感染症への警戒感は日本以上に強い。北朝鮮でさえ中国人の入国を禁止している。中国人の入国禁止を要請する」――。大統領府ホームページの「国民請願」では、この意見への賛同者が68万人を超えた。20万人を超える請願には大統領府が回答する決まりだが、まだ回答はない。韓国のネットメディア、デイリーアンの世論調査では76.9%が「中国人の入国は全面禁止すべきだ」と回答した」

     

    下線部分は、過剰要求というべきであろう。感染が疑われる根拠もなく「一律入国禁止」は難しいであろう。日本感染症学会の舘田一博理事長は、「新しい病原体なので油断は許されないが、パニックにならないよう、正しく恐れることが大切だ」としている。

     


    (3)「野党は、「嫌中ウイルス」を文政権への攻撃材料に使っている。保守系野党の自由韓国党スポークスマンは5日「中国はいまだにTHAAD報復を解いていない」と、苦い記憶を想起させた上で「政府がよもや国民の命と安全を担保に中国の顔色をうかがっているのではないことを祈る。断固たる措置を取るべきだ」と、中国人の入国禁止を要求した。文政権は難しいかじ取りを迫られている。韓国政府は4日から、最近2週間に湖北省を訪問または滞在した外国人の入国を拒否している。新型肺炎の致死率が武漢市を除けば低く重症化の事例もないことから、現時点ではこれ以上の入国禁止措置の拡大はしない方針だ」

     

    問題は、仮に韓国で感染者が急増した場合である。4月の総選挙を前に、文政権と与党の支持率が急落するリスクを背負うことになる。韓国経済の先行きが不透明度を増している現在、「新型コロナウイルス」リスクを抱えることは負担である。

     

    (4)「韓国が、中国人の入国禁止に踏み切れば、中国との関係悪化は避けられない。中国とは習近平(シー・ジンピン)国家主席の上半期の訪韓を調整しており、むやみに中国を刺激したくない事情もある。韓国は中国への経済依存度が高く、韓中間のヒト・モノの往来が途絶えれば経済への影響も大きい」

     

    文政権は、習近平氏の訪韓を要請し続けている。そこへ、「中国人入国禁止」措置を取れば、習氏の訪韓がむずかしくなるというジレンマを抱える。文政権は、総選挙を目前にして、思惑と困惑が錯綜している。これまでの「積弊一掃」という、あの荒々しい威勢は消え失せた。


     

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    韓国文政権の支持メディア『ハンギョレ新聞』が、めずらしく中国依存の見直しを主張する社説を掲げた。中国・武漢の新型コロナウイルス発症が、中国から韓国への自動車部品輸出を不可能にしていることから、脱中国論を主張したと見られる。

     

    『ハンギョレ新聞』は、文政権を100%支持するメディアである。『朝鮮日報』や『中央日報』を右派メディアとして軽蔑する論調を売り物にしている。韓国左派メディアは、「敵―味方論」の陣営論理を振りかざし労組と市民団体をバックアップしている。日本にこういう極端なメディアは存在しない。だから物珍しく映るのである。

     

    『ハンギョレ新聞』(2月4日付)は、「韓国企業『中国市場依存』を省みる時だ」と題する社説を掲載した。

     

    新型コロナウイルス感染症の拡散で現代・起亜自動車や双龍自動車など韓国内の自動車メーカーが続々と生産を減らしたり中断している。中国にある韓国自動車部品業者の工場が相次いで操業を中止し、部品供給に支障をきたしているためだ。中国製の部品はすぐに代わりの調達先を探すのが容易でなく、事態が早期に収拾されなければ手のほどこしようもなく、被害が拡大する可能性がある。中国で半導体やディスプレイを生産するサムスンやLGなどの電子関連企業も、現地工場の操業が止まり非常事態になっている。

     

    (1)「今回の事態をきっかけに、行き過ぎた中国市場依存の危険性が現実化するという点をよく確認すべきである。昨年には日本の輸出規制を契機に韓国の半導体やディスプレイ業界が日本製の素材・部品・装備に過度に依存してきた致命的弱点が明らかになったことがある。韓国企業はグローバリゼーションを名目に、低い賃金や中国という巨大市場に対するアクセシビリティを足掛かりに中国に競争的に進出してきた。現代・起亜車の場合、中国の現地生産体制を構築しながら部品業者などにも同伴進出を求めてきた」

     

    韓国企業の中国進出は、韓国国内の労働運動が激しすぎることも原因になっている。その労働組合運動をバックアップしている左派メディアにも、責任がないとは言えないのだ。韓国製造業が、賃金の安さを求めて中国を含めて進出している理由は、韓国労組の過激な要求に辟易している結果でもある。『ハンギョレ新聞』は、その責任の一端を負うべき立場であろう。

     


    (2)「中国は韓国の輸出全体の25%、輸入の21%を占めている。中国への輸出の割合が50%を越える品目もかなり多い。このような中国市場依存の危険性はすでにTHAAD(高高度防衛ミサイル)に対する報復と米中貿易あつれきで痛感している。「中国が咳をすれば韓国が風邪をひく」という言葉が流行するほどだ。中国の輸出拡大と現地生産体系構築は、中国がグローバル経済に占める比重などを考慮すれば避けられない側面はあるだろう。しかし、単純に賃金などの費用削減や大企業の同伴進出要求にともなう現地工場設立はもう少し慎重であるべきだ」

     

    『ハンギョレ新聞』は、韓国経済を正常化する上で、労組の賃上げ姿勢を「第三者」的な立場から牽制する役割も果たすべきだ。労組の尻馬に乗った煽動的な記事を慎むべきであろう。

     

    (3)「過度な中国進出は投資と働き口の減少という悪影響を国内に及ぼす。昨年、韓国内での自動車産業だけで19千人の雇用が減少した。いわゆる製造業の40代の雇用減少の主要因にあげられる。イ・ハング産業研究院先任研究委員は「GM群山(クンサン)工場の閉鎖で5千人の雇用が減ったのを除けば、残りは自動車部品業界において減少したと見られる」として「これは国内部品工場の中国移転と密接な関連をしている」と分析している

     

    下線部分は重要である。韓国企業が、政治体制の異なる中国へ工場移転している理由は、労組の暴力的な賃上げ要求に音を上げているからだ。それを後押ししている『ハンギョレ新聞』にも責任がある。メディアの役割は、「第三者」の視点を守ることだ。アジテーターであってはならない。その点、『ハンギョレ新聞』は、労組や市民団体へ傾斜し過ぎている。それが、発行部数の伸びを抑えている理由であろう。『朝鮮日報』や「中央日報」から見て、ほとんど取るに足らない発行部数に沈んでいる。その背景を問い直すべきなのだ。

     

     

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    文政権は、市民団体に利益供与すべく脱原発を強行している。市民団体は、太陽光発電で政府の補助金を受け取れるからだ。韓国市民団体が、福島原発の被害を誇大宣伝している目的は、韓国国内の脱原発を促進させることにある。なかなか手の込んだ「詐欺行為」を働いているのだ。だが、とうとうその噓の暴かれる時期がきた。

     

    韓国の大学教授による研究論文では、脱原発がいかに高コストであるかを分析した。また、太陽光発電コストは、政府の主張するように下がらないことを同時に分析したもの。これは、文政権の主張を正面から否定する内容である。政府系機関は、文政権に不都合な研究成果としてインターネット上で公表せず、「お蔵入り」処置を取っていたことが判明した。文政権の隠蔽体質が批判されている。国民が閲読できるチャンスを奪ったに等しい行為だ。

     

    『朝鮮日報』(2月5日付)は、「『脱原発の費用513兆ウォン』論文を隠ぺいしたエネルギー経済研」と題する記事を掲載した。

     

    政府が「脱原発」政策を進めれば費用が500兆ウォン(約46兆円)以上増加する、と分析した論文を、政府の出資する研究院が公開せずに隠ぺいしていたことが4日分かった。政府と関連機関が、脱原発を進める場合の経済的負担を分析した学界の声を封じ込めているという批判が出ている。

     

    (1)「政府が出資するエネルギー経済研究院は、隔週で発行している定期刊行物「世界の原発市場インサイド」(20191213日付)を、インターネットに掲載しないことを決めた。これまでの慣行ではホームページに掲載していたが、1213日付の分は1か月近く掲載されていなかった。この刊行物にはKAIST(旧・韓国科学技術院)のチョン・ヨンフン教授が寄稿した「脱原発費用と修正方向」と題する論文が掲載されていた」

     

    文政権は、総選挙を前に政権批判になりそうなものをすべて隠蔽するという、とんでもないことを始めている。口先では高尚なことを言っても、やっていることを見ると下劣である。

     

    (2)「チョン教授はこの論文で、新古里原発56号機を最後に新たな原発を建設しない場合と、建設がストップしていた新ハンウル原発34号機の建設を再開して原発寿命を20年延長し継続稼働する場合の、経済的効果を比較・分析した。その結果、脱原発政策を取りやめて原発寿命を20年延長した場合の方が、利益が513兆ウォン(約47兆円)多くなるとの結論を下した。文在寅(ムン・ジェイン)政権の「脱原発政策」の基調に合わせるために、政府と関連機関が「原発の経済性」をひた隠しにし続けているのだ」

     

    脱原発を中止して、原発寿命を20年延ばせば47兆円の利益が出るという試算である。今後の韓国財政の逼迫化を考えると、47兆円の利益が得られれば、無年金者を救済できる。文政権は、無年金者の救済よりも市民団体への利益奉仕を優先させている。

     

    (3)「先日、韓国水力原子力(韓水原)が月城原発1号機を早期に閉鎖するために、何度も経済性評価を縮小・歪曲(わいきょく)していたことが明らかになった。20183月、韓水原内部での分析では、月城1号機の稼働を継続すれば3707億ウォン(約344億円)利益が得られるとされ、2か月後のサムドク会計法人の中間報告書でも1778億ウォン(約165億円)の利益が得られるとの結果が出ていた。しかし産業通商資源部・韓水原・サムドク会計法人の会議を経た後の最終報告書では、継続稼働の場合の利得が224億ウォン(約21億円)に縮小された」

     

    月城原発1号機を早期に閉鎖するために、何度も経済性評価を縮小・歪曲していたことが明らかになっている。これは、明らかに公平性の原則に反するものだ。こういう非合理な決定を下した裏には、必ず利益を得た者がいるはず。文政権終了とともに、検察はメスを入れなければならない。

     


    (4)「これと反対に、政府が脱原発にこだわった場合の費用増加分も計算した。原発の代わりに同じ量の電力を液化天然ガス(LNG)と新再生可能エネルギーで半々ずつ生産した場合だ。1キロワット当たりの電力販売単価が原発は60ウォン(約5.6円)、LNG120ウォン(約11.1円)、新再生可能エネルギーは180ウォン(約16.7円)で、原発と、LNG・新再生可能エネルギーとの差が平均90ウォン(約8.3円)となり、57000億キロワットの電力を原発に頼らずに生産する場合513兆ウォンの費用が追加で掛かるとの見通しを示した

     

    再生可能エネルギーは、発電コストを比較せずに「聖域化」されている。

    1キロワット当たりの電力販売単価を比較すると次ぎようになる。

    原発 60ウォン(約5.6円)

    LNG 120ウォン(約11.1円)

    新再生可能エネルギー 180ウォン(約16.7円)

    原発と、LNG・新再生可能エネルギーとの差が、平均90ウォン(約8.3円)となる。

     

    原発事故は恐ろしい。だが、ルール通りに使用すれば未然に事故を防げるのだ。科学は、原発事故のような大きな事故を絶対に忘れず、「危機管理」を徹底して克服・発展して来た歴史である。韓国の脱原発は、余りにも政治がらみの問題となって、本質を見失っている。これが、最大の不幸な点であろう。

     

    あじさいのたまご
       


    韓国の総選挙は4月15日である。文政権は、地方選挙を巡って大統領府が介入した事件の起訴状の全文公開を拒否した。与党が、総選挙で不利になると判断したためであろう。これまで、起訴状は全文公開が慣例であった。それを覆してまで、与党を守るという露骨な動きである。

     

    文政権は、進歩派を名乗っている。現実に行なわれている執政姿勢は、真の進歩派イメージから遠く、政権という利権を守るに汲汲とした姿を露呈している。進歩派であれば、自陣営に不利な事件でも起訴状を慣例通り全文公開して、事件再犯を防止するのが筋であろう。こうした真っ当な判断すらできないほど、追い詰められている。

     

    『朝鮮日報』(2月5日付)は、「青瓦台の選挙介入、秋美愛法相が起訴状の全文公開を阻止」と題する記事を掲載した。

     

    韓国法務部(省に相当)は4日、韓国大統領府(青瓦台)による2018年蔚山(ウルサン)市長選挙介入事件の核心に触れる内容が記された検察の起訴状を「国会に提出しない」と発表した。政権レベルの選挙不正の嫌疑が詳細に公開されることを防ぐため、法務部は通常の前例すら覆している、という批判が出ている。

     


    (1)「法務部は4日、「事件関係者の名誉およびプライバシー保護、被疑者についての被疑事実公表の可能性などを考慮し、今後はほかの事件についても起訴状の全文を公開はしない」と発表した。法務部は先月30日、検察から国会提出用としておよそ60ページの起訴状全文を渡された。だが法務部は、これを4ページに要約した内容のみを4日に公開した。検察内部からは「要約文では、大統領府の選挙介入の核心となる内容が全て抜けている」という声が上がった」

     

    下線部のように、60ページの起訴状全文がわずか4ページに圧縮されているという。国民には分からないように煙幕をはった積もりであろう。だが、すでにメディアを通じて国民は事件の全貌を知っている。文政権は、隠せば隠すほど不利な事態へ追い込まれるのだ。韓国国民が、こういう政治工作で騙されると見ているとすれば、過去の政権が辿ったと同じ道である。

     

    文政権は、前政権が弾劾によって追放された異常な事件の後に誕生したものだ。それだけに、政権特有の隠蔽体質の一掃が期待されていた。それが、歴代政権の辿った同じ道を歩んでいる。4月の総選挙で国民が、どのような判断を下すか、おぼろげながら予測できるであろう。

     

    『中央日報』(2月5日付)は、「国民半分の大統領」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のコ・ヒョンゴン論説室長である。

     

    (2)「ちょうど進歩と保守が「ろうそくの火」(注:朴・前大統領弾劾要求デモ)の下で一つになっていた。2017年5月の文大統領の就任当時、支持率は80%台まで上がった。ほぼすべての国民の祝福の中でスタートした。文大統領は就任演説で「国民全員の大統領になる」と約束した。しかし口だけだった。すぐに分裂の刀剣を振り回し始めた。民主化闘争をしたという道徳的優越感が毒になった。あらゆる事案を味方と敵、善と悪、正義と不正の二分法で裁断した。積弊清算のスローガンのもと、3年間も反対陣営を残忍なほど追い込んだ。恨みを晴らしているように見えた

     

    保守派を「反日」と同一視して、積弊清算のスローガンを声高に叫んだ。それが、文政権である。敵と味方に分けて、敵を徹底的に追い込む。それが、韓国進歩派の常套手段である。

     


    (3)「2006年(の盧武鉉政権)で「強者の貪欲」を云々して、国民を20対80に分けた核心メンバーが現政権のあちこちに布陣している。分裂と憎悪を煽って闘争の強度を高め、自分たちの勢力を最大化するのに慣れている人たちだ。昨日の同僚でも路線が違えば無情に烙印を押しながら生き残った人たちだ。そして「先に行くから生者よ続け」と声高に歌った人たちだ」

    盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権も、現政権と同じ手法を採用していた。その政権下で権力を振るった人たちが現在、大統領府の主要ポストを占めている。進歩派特有の「敵・味方」論を持ち込んでいるのだ。

     

    (4)「現政権は執権後、手を多くの血で染めた。保守を壊滅させるという覚悟で臨んだ。そうであるほど保守陣営の怒りも強まった。2016年末の「ろうそく集会」に参加したことを後悔する人たちが増えている。感情の溝を埋めるにはもう遅いという印象がある」

     

    (5)「政府もこうした殺伐とした状況を知らないはずはない。彼らが生き残る道は手段と方法を総動員し、4月の総選挙と2年後の大統領選挙で勝利して政権を守ることだ。このために国民を猛烈に組分けし、お互い憎悪するよう導きながら、理念のジャングル、政治の過剰状態に追い込むのは間違いない。選挙が近づくほど、検察の捜査が続くほど、支持率が落ちるほど、なおさらそうするだろう現政権の核心人物らが2006年の地方選挙を控えて使った方法の再現だ。ところがそれは国民が背を向けて惨敗に終わった方法でもある

    文政権は、敵側に憎悪の念を強めることで、味方陣営の結束を固めるという古い手法を採用している。こういう常套手段に国民は気付いている。「いつか来た道」であることを。4月の総選挙は与党敗北予想が濃厚である。



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