勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 米国経済ニュース時評

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    米中の貿易交渉は今後、どうなるのか。動きは止まっている感じだが、決裂は米中双方にマイナスであることから、最終的に協定は成立するとのニュースが出てきた。中国政権内の複数の人物が、市場政策を理解していると言われるので、米国はそのパイプを通じて交渉しているのであろう。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(5月21日付)は、「米中貿易協議、最終的には合意へー前ホワイトハウス通商担当顧問」と題する記事を掲載した

     

    米ホワイトハウスの通商担当顧問を務めていたクリート・ウィレムス前国家経済会議(NEC)副委員長は21日、米中貿易協議は大きく前進しており、最終的に合意に達するとの見方を示した。都内で開催されているウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催のCEOカウンシルで語った。

     

    (1)「4月にNEC副委員長を退任したばかりのウィレムス氏は、中国指導部には、貿易協定の締結に向けて同国を一段と市場寄りの政策へ導くと米政府が期待する人物が複数いると述べた。ウィレムス氏は、「中国には変化を求める改革者が相当数いると考えている」と語った。ウィレムス氏は6月に日本で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議での合意はないとしつつ、合意に向けた集中協議が続くとの見方を示した」

     

    中国国内では、民営企業家の多くが「トランプ派」と言われる。トランプ氏の対中国要求は正しいというもの。それだけ、中国では国有企業が優遇され、民営企業を圧迫しているという意味だ。中国政権内にも改革派が存在しているようだ。劉副総理は、改革派とされるが、国家副主席王岐山氏も「米国通」とされている。王氏は、習氏と昵懇である。そのパイプも使われているのであろう。

     

    6月のG20を利用した米中会談は無理のようだが、決裂を回避して合意を目指すことは変わらないとすれば、どういう「落とし所」があるのか。

     


    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(5月13日付け)は、「米中報復合戦のリスクに備えよ」と題する社説を掲載した。

     

    (2)「中国の一部の人々は、自国の経済成長を持続させる上で国内経済の自由化が求められており、これを加速させる通商合意が必要なことを理解している。中国が合意後も引き続き貿易相手国を欺いた場合、米国および世界は合意の見直しを行うことが可能だ。現時点で望ましい合意内容の概要は十分明確になっているように思われる。中国が規則を利用して外国企業からの搾取や窃盗行為を行うことなく、これら企業に公平な競争を認めるため、自国の政策、市場を改革する具体的約束を行うこと。また、米国と中国が紛争仲裁目的の2国間の手続きを策定することや、不公正な対応が生じた場合、米国が関税措置の実施や報復的な罰則を適用することを可能にすることなどである

     

    下線を引いた部分は今後、米中間で紛争が起こった場合に対応できる項目である。これさえ明記すれば一歩、前進となろう。

     

    (3)「その代わり、トランプ氏は実施した関税措置の撤回に同意しなければならない。これにより習氏は、中国の取った譲歩措置について中央および地方政府に理解を得ようとする際、中国側が獲得した勝ち点としてアピールすることができる。中国が約束を守れなかった場合、米国はいつでも関税措置を改めて適用することが可能だ。トランプ氏は関税措置がその目的を果たし、歴代の米大統領がなし得なかったことを達成したと言うことができる。米中双方が交渉の継続を望んでいるのは良好なサインであり、両国にとって合意を目指すインセンティブは極めて大きい。いかなる交渉でも現在のような段階での危険は、どちらか一方が相手方に対して誤った判断をし、全面的な貿易戦争が発生することだ。そうなれば両者とも敗者となるだろう」

     

    下線を引いた部分では、トランプ氏は協定が成立すれば、関税を外して元へ戻す。そうなれば、習氏の得点になるだろう。ただ、中国が約束を守らなかったら、米国はいつでも関税を復活する。こういう、「協定附則」のようなものを付けておけば、米国は中国に「食い逃げ」されずに済む。このWSJの案は、意外と米中が折り合える点になるかも知れない。

     

     


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    中国による技術窃取の動きは、一段と活発化している。米国の情報当局は、極秘に米国の大企業や教育機関に対し、中国の技術窃取の方法を教え、被害を未然に防ぐように指示を出している。

     

    米中貿易戦争では、技術接種問題が大きな課題になっている。米国が、技術窃取を防ごうとすればするほど、中国はさらに大胆な行動に出ているようだ。この「技術泥棒国」は、どうやったならば、改心させられるのか。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(5月20日付け)は、「米情報当局、対中リスクを企業に警告」と題する記事を掲載した。

     

    米情報当局の幹部らは米企業などに対して秘密の説明会を数回にわたって行い、中国を相手に事業を行うリスクについて警告した。対中通商関係を巡って米政府が一段と強硬姿勢を強めていることが改めて浮き彫りとなった。

     

    (1)「一連の説明会では、国家情報長官のダン・コーツ氏が米連邦捜査局(FBI)や国家防諜安全保障センター(NCSC)の高官とともに、大手テクノロジー企業やベンチャーキャピタル、教育機関に注意を促した。出席者によると、説明会は対中貿易に伴うリスクに焦点を当てたもので、特にサイバー攻撃や知的財産の盗用が問題視されていたという。この説明会はシリコンバレーやワシントンなど全米各地で開かれており、主としてテクノロジー業界向けのものだ。主催者が英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に語ったところによると、企業幹部に国家機密情報が開示されるなど極めて異例の内容だったという」

     

    米国情報当局が、水際作戦で中国の技術窃取防止に乗り出していることは、もはや冷戦状態に入っている証拠だ。スパイとは本来、相手国の軍事秘密を探るのが任務だった。中国では未熟な技術水準を短期に押上げるべく、産業スパイが横行している。それが、国家の威厳を押し下げるということなど念頭にない振る舞いだ。

     


    (2)「この説明会開催は民主、共和両党の上院議員から成るグループが主導し、上院情報特別委員会のマーク・ワーナー副委員長(民主党)や共和党のマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)なども関わっていた。ワーナー上院議員は、『米国の競争力、安全保障、影響力を弱めるために中国がどういう手段を使っているかについて、米国の企業、投資家、大学の認識を高めなければならない』と語った。この説明会が始まった2018年10月は、米中の通商関係が悪化し、米国の法執行機関や情報当局が中国に対して強硬姿勢を強めていた時期だ」

     

    中国最大の失策は、民主主義国の強さを知らないことだろう。中国一国で世界を支配することなど不可能である。同盟国のいない中国の脆弱性は、時間の経過と共に明らかになる。それを理解できない点が悲劇的である。中国経済自体が、不動産バブルで大きな後遺症を負っている。この上、膨張する軍事費負担に耐えられるはずがない。「中華の夢」は、中華破綻の悪夢に変わるはずだ。

     

    (3)「トランプ政権は15日、中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)への米国製品の輸出を規制するとともに、米国での同社製品の販売を禁じる方針を発表した。ファーウェイの製品が中国のスパイ活動に使われることを危惧したことによる措置だ。この説明会で、議会でも共和、民主の両党が中国に対して対決姿勢を強めていることが明らかになった。ルビオ上院議員は『長期的に見て、米国の経済や国家安全保障に最大の脅威をもたらしているのは、中国政府と中国共産党だ』と言う。『米国の企業、大学、貿易機関がその脅威を十分に認識することが重要だ』」

     

    米国が、超党派で中国対抗に立っていることは、中国の誤算である。民主党出身の大統領になれば、米中関係は緩和すると予測していたようだ。その期待は潰えた。TPP(環太平洋経済連携協定)への復帰は、民主党の手によって実現するであろう。そうなれば、中国は米国市場から完全に排除される運命だ。中国は、米国の挙国一致の強さと怖さを知ることになる。中国経済はその時、瓦解するであろう。


    テイカカズラ
       


    中国ファーウェイの任CEOは、日本メディアとの記者会見で米国を茶化し、「米へ進出してくれと頼まれても行かない」と能天気なことを喋っていた。今や、それどころの話でなくなった。5Gでは、米国の強硬策によって大きく基盤を崩され、あるいは抹殺されかねない事態を迎えている。任氏は、やっぱり「能天気」であった。中国政府が後ろに控えているという安心感があのような放言をさせたのだ。

     

    『大紀元』(5月20日付け)は、「米、ファーウェイを完全排除へ、『中国の5Gにとって悪夢』」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「トランプ米大統領は15日、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を米市場から締め出す行政命令に署名した。行政命令は、情報・通信ネットワークやその技術、関連サービスに対する「敵対的な外国勢力の脅威」は国家緊急事態だと宣告した。同行政命令は、米企業が国家安全保障にリスクをもたらす外国企業の通信製品を購入することを禁じる。同日夜、米商務省の産業安全保障局(BIS)は、米の対イラン制裁に違反したとして、今年1月、ファーウェイとその子会社を起訴したことを受けて、ファーウェイを「エンテイテイーリスト」に追加したと発表した」。

     

    要約すると、次の2点になる

        大統領行政命令で、ファーウェイ製品購入を禁止

        ファーウェイを「エンテイテイーリスト」に追加、米企業からの輸出は許可制へ。事実上は、輸出禁止処分 

     

    (2)「ファーウェイの主要部品調達先は92社で、うち33社が米国企業だという。他に、中国国内企業22社、台湾企業10社、日本企業11社、ドイツ企業が4社とその他の国・地域の企業12社などがある。中国メディアは、ファーウェイは日米企業からの部品供給に強く依存していると指摘した」

     

    米国との同盟関係から言えば、日本11社、台湾10社は米国の33社と並んで、ファーウェイとの取引を凍結するだろう。そうなると、ファーウェイは部品調達先92社のうち、59社を失う。

     

    (3)「情報筋がロイター通信に対して、米企業の部品輸出禁止で、ファーウェイは将来数年間、その代わりになる部品調達先を見つけることができず、ファーウェイの経営は完全に傾く可能性が高いと述べた。ファーウェイに半導体チップを提供する企業の責任者は、米企業による部品供給を得られないファーウェイは今後、ネットワークサーバーや通信設備を製造できなくなるとした」

     

    今後数年間、ファーウェイは代わりになる部品調達先を見つけられず、経営は完全に傾く可能性が高い、という。「5G」でも、米国からソフトと半導体の供給が遮断される。

     


    (4)「政治リスクを分析する米調査大手、ユーラシア・グループは15日に発表した調査報告書で、米政府の輸出禁止措置によって、ファーウェイは米企業から核心的なソフトウェアとハードウェアを獲得できないため、同社の移動通信インフラ設備と携帯電話事業に大きなダメージを与えると指摘した。また、部品供給がストップされるファーウェイは、現有のソフトウェアをグレードアップすることがないほか、顧客に対してハードウェアの交換サービスや他のメンテンナンス・サービスも提供できなくなるという」

     

    世界の政治分析のトップであるユーラシア・グループは、ファーウェイが深刻なダメージを受けると指摘。「4G」と「スマホ」では、顧客へのメンテナンスなどのサービスがストップする。これでは、事業継続すら困難となろう。

     

    (5)「欧州の専門家は、今後欧州各国はファーウェアへの輸出禁止措置を打ち出した米国に足並みをそろえる可能性が高いとの見方を示した。現在、欧州を除いて、日本やオーストラリアなど各国は米国に歩調を合わせ、各国の5G通信網構築からファーウェイを排除した。ロイター通信によると、米証券会社ジェフリーズグループのアナリストは、米政府の制裁措置は『中国の5G政策にとって悪夢だ』と指摘した。中国当局は、来年全国的に5G通信網の構築を展開していくと計画していた」

     

    欧州各国も米国に足並みを揃える可能性が高くなった。「5G」では、ファーウェイの完敗である。中国は、米国の出方を見誤った。中国の「メンツ」とか「国権」だとか言い募っていたが、世界の市場である米国の強さを軽く見過ぎた。ファーウェイが今後数年、経営的に苦境に立てば、「中国製造2025」はエンジンを失ったも同然の事態になる。習近平の詰めの甘さが招いた一大失策である。習氏の地位は安泰か。

     

     


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    米国は、中国ファーウェイ(華為技術)問題に神経を集中している。その最中、ワシントンDC地下鉄の列車受注で、中国の中車が応札してにわかに騒がしくなっている。米国政治の心臓部であるワシントンDC地下鉄で、中国がスパイを働く懸念が取り沙汰されているのだ。

     

    米国では、「中国」と聞いただけで「悪の枢軸」というイメージが定着している。地下鉄列車に監視カメラを付けて、要人の跡を付けるなど様々な「取り越し苦労」が話題を呼んでいる。

     

    『大紀元』(5月20日付け)は、「ワシントンDC地下鉄狙う中国中車、スパイ列車と米警戒」と題する記事を掲載した。

     

    世界最大の鉄道車両メーカー、中国国有・中国中車(CRRC)は米国でのシェアを拡大させようとしている。米国下院の輸送・インフラ委員会は5月中旬に開いた公聴会で、同社製造の車両に使用される監視カメラなどを通じて、インフラ情報が中国側に漏洩される危険が指摘された。

     

    (1)「米首都ワシントンでは、2024年に運用開始を目指す新型車両の調達をめぐり、中国中車集団と韓国の現代ロテム、仏アルストムが競っている。契約規模は10億米ドルとされる。米紙ワシントン・ポストが伝える分析家たちの話では、中車集団の提示した価格は、他社に比べて数千万〜1億ドルも安い。中国中車は近年、ボストンやシカゴ、ロサンゼルスの主要な鉄道車両契約を勝ち取った。安価な入札価格のほか、これらの都市が位置するマサチューセッツ州、イリノイ州、カリフォルニア州で車両組立工場の建設を約束したことも契約を後押しした」

     

    下線部のコストがきわめて安い背景には、政府補助金が使われていると見るべきだ。その違法性を発見することが重要である。スマホすら補助金が出ている国である。疑ってかかるべきである。

     

    (2)「米国議会下院は5月中旬、中車集団とのプロジェクトに連邦政府の予算の投入を禁止する決議案を提出した。今年4月、上院も類似の提案を出した。運輸インフラ委員会のサム・グレイブス(共和党)議員は、『中国は米国のインフラ市場に参入し、その目的は産業機密や知財権を集めるためだ。中国の経済スパイ活動は目に余るほどだった』と述べた」

     


    (3)「一部の専門家によれば、中国中車のワシントンでの競争入札契約内容には、カメラによる映像監視、システム監視と診断、
    データ・インターフェース、自動列車制御システムが含まれる。『サイバー攻撃に脆弱になるだろう』退役陸軍上級将校ジョン・アダムス氏は公聴会でこう述べた。『ワシントンには国防総省と国会議事堂がある。WMATA(ワシントン首都圏交通局)と契約した企業は、ワシントンの公共交通網のパートナーになるということだ』とし、米国の地下インフラの情報がリスクに晒されていると述べた」

     

    単なる入札価格で受注企業を決めると、後で大変な問題が発生する。中国はコストを度外視するなど、世界覇権に挑戦する野心国家であること忘れてはいけない。米国政府がファーウェイに厳しく対応しながら、地下鉄の「ザル対応」では安全保障が維持できないはずだ。

     

    (4)「アダムス氏は、防衛および防衛コンサルタント企業ガーディアン・シックスを運営する。アダムス氏によれば、最新鋭の人工知能と顔認証技術が使われている中国のAI監視カメラは、『乗客の行動や経路を追跡し、ターゲット発見の精度は高い。諜報担当は、内蔵WiFiシステムを使用して、ここからデータを抽出することができる』。また、もし中国国有企業が入札すれば、同様の監視が米国内で行われる可能性もあると危機感を示した」

     

    中国には、「君子危うきに近寄らず」という言葉がある。単なるコストの問題で、米国の安全保障に関わる危険性があれば、入札から排除するのが妥当であろう。中国の提示する価格は、「政治価格」と見るべきだろう。純粋な「経済価格」ではない。WTOが,中国を「非市場経済国」と認定している現実を知るべきだ。


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    米国は、中国との通商協議で相次いで強硬策を取っている。米企業は、ファーウェイとその関連企業68社と事実上、取引を禁じるという厳しい内容である。これに対して,米国内は与野党が一致して支持しており、米中関係は一段と厳しさを増している。

     

    米中貿易協定が、妥結寸前で急旋回した原因は中国側にある。中国が、約束を破ったからだ。中国の国内事情によるもので、「反習近平派」が結束して動いたものと観察されている。国内経済の弱体化が、習氏の政治基盤を脅かしたものだ。

     

    米中対立が激化すれば、中国経済はさらに疲弊化するという悪循環に陥る。そこへ、米国は一連の強硬策を取っているので、中国側はさらに政治的に困惑しているとみられる。

     

    『ブルームバーグ』(5月17日付け)は、「トランプ大統領のファーウェイ排除、中国台頭阻止の非常手段か」と題する記事を掲載した。

     

    ホワイトハウスは15日、中国に対する両面攻撃を仕掛けた。すなわち、米国家安全保障上の脅威と見なされる企業による米企業への製品販売を大統領令で事実上禁止するとともに、中国最大のテクノロジー企業、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)をブラックリストに載せて、同社への製品供給も事実上禁止するとした。

     

    (1)「これが実行されれば、ファーウェイの経営は大きな打撃を受けるほか、クアルコムやマイクロン・テクノロジーなど米半導体メーカーの業績が圧迫され、次世代通信規格5Gネットワークの世界展開が阻害される可能性がある」

     

    ファーウェイの「5G」は、米企業の強力な支援があってこそ進んできたもの。その支柱が、トランプ氏によって取り外されたに等しい。ファーウェイの「5G」事業は当然、打撃を受ける。米国は,それが目的である。

     

    (2)「ユーラシア・グループのアナリスト、ポール・トリオロ、マイケル・ハーソン、ジェフリー・ライトの3氏はリポートで、『トランプ政権のこの措置は対中姿勢の著しいエスカレーションだ』と指摘。完全に実施されれば、ブラックリスト入りにより『ファーウェイだけでなく、ファーウェイの世界の顧客ネットワークを危機にさらすことになる。ファーウェイはソフトウエアの更新や通常のメンテナンス、ハードウエアの交換もできなくなるだろう』と記した」

     

    ここで指摘されていることは事実だ。米企業との関係を絶たれたファーウェイは、翼をもぎ取られたに等しい。ただ、米国の覇権を狙う中国のハイテク中核企業に、米企業が利益のためとは言え「塩」を送り続けることは背信行為でもあろう。

     


    (3)「中国は、トランプ大統領の真の狙いは中国封じ込めではないかとの疑念を強める可能性が高く、2大経済大国である米中の長い冷戦に突入する可能性がある。米国は、世界市場をこの数カ月にわたり混乱に陥れてきた貿易戦争に加え、今後の経済を支えることになる5Gネットワークにファーウェイ製品を採用しないよう、世界中で圧力をかけてきた」

     

    米中が冷戦に入るきっかけは、中国の世界覇権宣言と急激は海洋進出にある。単なる経済分野だけで中国を観察することは危険である。氷山(経済)を見るだけでなく、海水に没している部分(軍事)も総合的に眺め、中国の意図がどこにあるか。それを推測して早めに手を打つのが安全保障政策である。

     

    (4)「ファーウェイは電子メールを通じて声明を発表。米国による『この決定は誰のためにもならない』とし、『当社の取引相手の米企業は大きな経済的打撃を受け、相当数の米雇用が影響され、世界のサプライチェーンに存在する協力関係と信頼関係が損なわれるだろう』と指摘。この措置の影響を緩和する対応策を講じるとともに、解決策を模索するとした」

     

    ファーウェイが、中国政府と無関係であると言えば言うほど疑惑は深まる。数々の証拠が上がっているからだ。国際情報戦の最先端を行く米国の目を欺くことはできないだろう。中国政府は、世界中にスパイ網を敷いている。しかも、学校や市民生活の中にまで手を伸している現実から判断して、米国の判断は間違っていない。

     

     


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