勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 米国経済ニュース時評

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    北朝鮮は、米国の心変わりを最も心配しているという。11月の中間選挙が終われば、態度を変えて緊張状態に持ち込むのでないか。そう疑っているのだ。この話は、スウェーデン安全保障開発研究所(ISDP)コリア・センターのイ・サンス所長が『朝鮮日報』で明かした。

     

    一般には、米国が北朝鮮に騙されているのでないか。米国は、それを知りつつ11月の中間選挙を乗り切ろうと策しているのでないか。こう疑っている。色眼鏡を外して北朝鮮の動きを見ると、核を放棄して終戦宣言を欲しがっているのは北朝鮮だ。その証として最近、弾道ミサイル試験場の西海(ソヘ、黄海)衛星発射場を解体し、人工衛星で確認できたとの報道が出てきた。これらを総合すると、北朝鮮が米国の動きを警戒しながらも、一歩前へ出てきた感じだ。

     

    『朝鮮日報』(7月22日付)は、「スウェーデンの韓半島専門家、北朝鮮は米国の心変わりを懸念」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「スウェーデン安全保障開発研究所(ISDP)コリア・センターのイ・サンス所長は本紙とのインタビューに応じ『北朝鮮外務省など外交政策担当者は今の対話局面を前向きに受け止めているが、一方で朝鮮労働党や朝鮮人民軍は今後の交渉を決して楽観視していない』と述べた。イ氏は、『とりわけ北朝鮮内部では、米国のトランプ大統領は非核化の最初の段階では対話に応じたものの、11月の中間選挙後は突然態度を変えるのではないかと懸念している』『そのため終戦宣言など、まずは体制の安全に関する保証を取り付けるまでは、絶対に先には動き出さないだろう』との見方を示した」

     

    北朝鮮は、体制の安全保証を取り付けることが目的で、そのためには終戦宣言が必要である。米国が、これを認めない限り絶対に先には動き出さない。こういう主旨である。

     

    (2)「イ氏は、『北朝鮮が今望んでいるのは制裁の緩和ではなく、体制の安全が保証されることだ』との見方を示した。その証拠に今回の訪朝でもイ氏と制裁問題について議論する関係者はいなかったそうだ。イ氏は『北朝鮮は制裁緩和については米国との交渉過程で自然に達成されると考えている。そのため、むしろ終戦宣言締結の方に力を入れているようだ』と指摘する。また、北朝鮮の関係者らは『われわれ(北朝鮮)は他国と違って世論による対立もなく、野党によるけん制もない。最高指導者が決めれば何でもやるので、米国も韓国もわれわれを疑ってはならない』との考えを持っているという」

     

    北朝鮮が最も望んでいることは、制裁の緩和ではない。終戦宣言による体制の保証である。これが確立できれば、制裁緩和は自然に進む。北朝鮮は、最高指導者(金正恩氏)が決めたことを何でも実行する国である。だから、北朝鮮を疑ってはならない。

     

    北朝鮮は、以上の点を強調している。金正恩氏の発言を信用しろと言うのだが、過去二回も騙された経験がある以上、「ハイ、分りました」とも言えない不信感がある。

     

    米朝が、じっと相手の動きを見ているだけでは話が進まない。こう見た北朝鮮が動き出した。

     

    『中央日報』(7月24日付)は、「北朝鮮、米国との約束を履行? 西海衛星発射場の解体に着手」題する記事を掲載した。

     

    (3)「北朝鮮が弾道ミサイル試験場の西海(黄海)衛星発射場を解体する動きを見せていると、米国の北朝鮮分析サイト『38ノース』が7月23日(現地時間)報じた。6・12米朝首脳会談で、北朝鮮の金正恩国務委員長がトランプ米大統領に『近いうちに破壊する』と約束した場所である。『38ノース』は、報告書『北朝鮮西海衛星発射場の核心施設解体開始』で、『北朝鮮が西海衛星発射場の解体作業に入った』と分析した。『解体が進行中の主要施設は北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)プログラムの開発に主な役割をした。このような解体作業は北朝鮮が米国との信頼を築くための努力とみられる』とし、『金正恩委員長がシンガポール首脳会談の約束を履行する重要な最初の段階とも見ることができる』と評価した」

    米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は、国際関係論研究で最も信頼性の高い米ジョンズ・ホプキンズ大学付属研究施設のサイトである。そこが、「金正恩委員長が、シンガポール首脳会談の約束を履行する重要な最初の段階とも見ることができる」と踏み込んだ分析をした点は注目される。北朝鮮が一歩動き出した。次は、米国の番である。終戦宣言か。


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    中国当局は財政省と中国人民銀行が鋭く対立している。景気対策をめぐる意見対立だ。人民銀行は財政出動を求めており、「具体的に財政赤字を計上することで態度を明確にせよ」という激烈な調子であった。財政省は、人民銀行に預金準備率引き下げや人民元操作を要求して置きながら、自らは様子見を決め込んできた、人民銀行の反発は、当然であろう。

     

    この内部対立にケリがついたのか。中国国営ラジオによると23日深夜、国務院(内閣に相当)は閣議後の声明で「先を見越した財政政策は今後一段と活発になる」とした上で、法人税減税や地方政府による特別債の発行加速などに注力していくと述べた。

     

    興味深いのは、発表内容(後述)よりも、深夜という遅い時間帯で閣議が行なわれていたことが、緊急性を浮き彫りにしている点だ。米中貿易戦争では、トランプ氏の強硬策の前に、中国は防戦の一方である。人民元相場を安値に誘導して、輸出テコ入れを狙ったが、トランプ大統領とムニューシン財務相の厳しい反発で断念した。中国外務省の耿爽報道官が23日、人民元の価値は市場の需給によって決定されるとし、「中国は輸出を刺激するために通貨の競争的な切り下げなどの手段を講じる意図はない」と述べ、為替騒動には一応幕を下ろしたいのであろう。こうなると、財務省の財政出動しか道はない。

     

    財政省発表の具体的な内容は、次のようなものだ。

     

    (1)「法人税減税については、当初目標としていた今年1兆1000億元規模の税金等引き下げに加え、新たに650億元(96億ドル)規模の減税を実施するほか、優遇政策の適用対象を中小ハイテク企業からすべての企業へと拡大する。国として、引き締めでも緩和でもない穏健な金融政策の下、潤沢な流動性や社会融資総量を維持する方針も示した」(『ロイター』7月23日付「中国、一段と積極的な財政政策を推進、法人税減税など実施へ」)

     

    法人減税の追加規模は650億元である。当初の減税規模1兆1000億元に対して5.9%に過ぎない。また、地方政府の特別債発行を加速させるという。これらの措置が、傾きかけている中国経済にどれだけの効果があるか不明。狙いは、中国人民銀行を納得させるための「儀礼」と見られる。中国経済では、財政出動のゆとりがなく金融政策で応急措置を済ませたいのが本音だ。

     

    中国財政は、他国財政にない大きな負担要因がある。9000万人に及ぶ共産党員の「維持費」だ。この問題について、次のような指摘がある。

     

    (2)「中国経済学者の巩勝利氏はこのほど、米『ラジオ・フリー・アジア』(RFA)に対して、『約9000万人の党員を養っている当局にとって税収は非常に重要だ。他国のように、簡単に関税を引き下げたり撤廃をしないだろう』と述べた。他の国と違って、中国政府の歳出には共産党員に支給する手当なども含まれている。『国家財政の一部が党中央宣伝部、党中央統一戦線部、各省・市・県の党委員会と各レベルの党組織に割り当てられていく。西側諸国の政府にはこのような財政負担がない』(『大紀元』7月23日付「中国、日欧EPAでさらに窮地に陥る」)

     

    この記事では、中国財政が9000万人もの共産党員を抱えていく人件費負担を指摘している。共産党員になると「貴族」扱いである。卑近な例で言えば、昼食や夜食は政府持ちある。一事が万事、全てこの調子だ。その上、膨大な国防費予算である。中国の二大「金食い虫」は、共産党員維持費と国防費である。減速過程に入っている中国財政が耐えられる限界に達している。


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    中国海軍は現在、ハワイ沖で演習中のリムパック(環太平洋合同演習)で、米海軍から招待を取り消される大恥をかかされた。その腹いせに東シナ海で演習中である。

     

    中国の発表では、18日午前8時から23日午後6時まで、東南部海域で武器を使用した演習を行うと発表した。ラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、中国軍の演習目的は招待されなかったリムパックへの反応と指摘した。海軍の立場からいえば、米海軍からリムパック招待を取り消されたのだから、「一矢報いる」意味でも演習をやらなければ気持ちが収まらないであろう。ところで、この演習には違う目的もあるという報道が出てきた。

     

    『大紀元』(7月18日付)は、次のように伝えている。

     

    (1)「中国政治評論家は、中国軍の演習期間は、習近平主席の外遊と時期を重ねており、対習近平派閥に対する政変を抑止する目的もあると語った。習主席は719から28日まで、アラブ首長国連邦、セネガル、ルワンダ、南アフリカの外遊が予定されている。『星島日報』は軍事専門家の話として、中国軍の演習は台湾に深刻な警告を送っていると述べた。17日、台湾の蔡英文総統は、米国から購入した29機の最新型攻撃ヘリからなる台湾軍の部隊『アパッチ・ガーディアン』の正式運用にあたり、式典を開いた。台湾北部からの中国軍の上陸部隊を防衛する作戦に用いられる」

     

    中国海軍の東シナ海演習では、いくつかの意味が含まれている。①リムパックへの「腹いせ」。②習近平氏の海外出張中の「政変」に対するけん制。③台湾軍が最新鋭攻撃ヘリ部隊の正式運用への警告、などだ。これら多重の目的があるとしても、②の習近平氏の海外出張中の「政変」に備えるという目的には驚かされる。

     

    習氏は、国家主席の任期制を外し、「終身国家主席」への道を開いたはずだ。その絶対的な権力者になったはずの習氏が、早くも「反習派」の登場に頭を悩ますとは、中国の政情が一筋縄でいかないことを示している。昨晩(22日)、NHK総合TVは、中国人権派弁護士300人が、正当な理由もなく逮捕勾留している状態が特番で放映された。これを見ると、習近平氏が最も恐れているのは、庶民の怒りを弁護する人権派弁護士の存在だという。中国が、選挙制度を敷かない理由も全てここにある。中国共産党は、国民から支持されていない事実を自覚しているのだ。はっきり言えば、「人民占領軍」という位置づけだ。

     

    中国海軍の「力量」は、どの程度なのか。

     

    米華字メディア『多維新聞』(7月18日付)によると、ロシアメディアが「中国海軍の実力が過大評価されている」と評している。『レコードチャイナ』(7月18日付)が転載した。

     

    (2)「中国の大艦隊建造プロセスは決して順風満帆にはいかなさそうだ。094、093原潜の騒音は、20世紀のソ連の潜水艦よりも大きい。原潜分野におけるロシアの技術的優位に中国は遠く及ばない。外国の武器や軍備のクローン化に慣れている中国は、技術的な難題を抱えている。武器製造技術のブレイクスルーを実現するには、10年では足りないと指摘している。そして、技術的な問題のほか、中国の艦隊には世界の大海における水上作戦の経験もなければ、水中や空中の作戦経験もない。潜在的な相手を見くびることは致命的だが、過大評価すれば金が無駄になる。中国海軍の真の実力を判断するには、もう少し冷静になるべきだと論じている」。

     

    中国海軍の手の内を知り尽くしているロシアが、ここまで中国海軍の技術と戦術を分析しているのは参考になる。原潜の騒音は、20世紀のソ連潜水艦よりも大きいと指摘している。通常潜水艦も騒音が大きく、海上自衛隊は簡単にその位置を捕捉できる。これでは、いざ戦闘という事態では、海上自衛隊の潜水艦部隊の餌食にされ、海の藻屑と消える運命だ。このように、戦闘能力で著しく劣る潜水艦を建艦する目的は何か。相手を「数」で驚かす、「孫子の兵法」に則っているのだろう。


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    昨日のブログで、中国の経常収支赤字問題を取り上げた。すなわち、今年1~3月期の経常収支が341億ドルの赤字であった。2001年4~6月期以来のことだが、一過性の問題でないとも指摘した。

     

    経常収支の問題は、為替相場に影響を与える。今日も、人民元相場の動向がメディアで注目されよう。ただ、当面は人民元の売り投機がどう動くのか。中国政府が介入するのか。そういう市場動向が焦点になって、経常収支構造といったところまで話が進むものではない。ただ、中国の為替相場の根底には、この問題が常に意識されるだろう。

     

    中国政府は、外貨準備高をデンと3兆1000億ドル台も積み上げているが、その目的は何かだ。私は、一種の見せ金の役割を果たしていると睨んでいる。発展途上国を羨ましがらせる。そういう戦術に使っているであろう。外貨準備高の役割は、当面の輸入決済資金があれば、それで充分というもの。為替投機の懸念がなければ、それ以上でも、それ以下でもない。

     

    1~3月期の経常収支が、季節要因も絡んで赤字になったように、盤石なものではない。理由は昨日も触れたが、サービス収支が大赤字であることだ。中国人は一斉に海外旅行に出て、「爆買い」で大金を使い果たしてくる。今後の所得上昇を計算に入れれば、中国人観光客はさらに増えてゆくに相違ない。こうなると、経常収支はいつもサービス収支に脅かされるのだ。

     

    肝心の輸出は、米中貿易戦争で騒ぎが大きくなっている。だが、純輸出(輸出-輸入)がGDPへの寄与度で見ると、「劣等生」である。その、実態を見ておきたい。

     

      純輸出のGDP寄与度    経常収支の対GDP比

    2011年 -0.8%       1.81%

      12年  0.2%       2.51%

      13年 -0.1%       1.54%

      14年  0.3%       2.24%

      15年 -0.1%       2.71%

      16年 -0.6%       1.80%

      17年  0.6%       1.37%

      18年 -0.7%(1~6月) 1.18%(IMF予測)

     

    17年だけは0.6%も寄与してGDP押上げ効果があった。最近では例外的なものだ。純輸出のGDP寄与度で、マイナスが常態化しているのは、加工貿易という弱点を抱えていることに理由がある。輸出金額は多いが、部材や部品を輸入して製品に組み立て輸出するので、付加価値は少ないのだ。要するに、中国の輸出金額は2兆2633億ドルと世界1(2009年以来)と多いものの、GDP押し上げ効果は小さいという意外な結果が出ている。

     

    なぜ、こういうチグハグナことが起こっているのか。それは、前述の通り加工貿易で付加価値率が低いこと。生産性が伸びない結果である。2008年のリーマンショック後、過剰設備を抱えており、これが生産性の頭を抑える要因になっている。こう見てくると、中国の過剰設備問題は「業」となっており、経常収支構造を脆弱なものにさせていることが分る。

     

    中国経済は、図体だけ大きいが経常収支面で「持病」に悩まされている。これを隠すために、鬼面人を驚かすような外貨準備高を積み上げ、カムフラージュしているに違いない。なんと言っても、「権謀術数」の国だ。何を企んでいるかは分らない。

     

    以上の点を総合すると、中国の最大の弱点が人民元相場にある。未だに、管理型変動相場制と資本移動の規制を続けている理由は、全て脆弱な経常収支構造を隠蔽せざるを得ない事情にある。管理型変動相場制や資本規制は、いつまでも続けられない。必ず、正常化する時期が来る。その時は、主要国と話合わざるを得ないのだ。人民元が追い詰められる前に、話合いに入るべきだろう。

     


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    中国政府は、「こんなはずじゃなかった」と臍(ほぞ)をかむ思いであろう。「社会主議市場経済」で、過剰債務は自由自在に処理できると過信していたからだ。事実、日本の社会主義経済学者は、「過剰債務は政府がコントロール可能」と発言していた。社会主義には魔法の杖でもあるかのごときご託宣であった。

     

    中国経済は今や、絶体絶命の局面に立たされている。過剰債務を削減したいが、それを強調しすぎると国内景気を失速させる。シャドーバンキングのような非正規金融機関の融資を削減させて、正規金融機は預金準備率を引下げて資金供給を図らなければならない、右手で引締め、左手で緩めるというまさに曲芸を迫られている

     

    こと、ここにいたるまでに解決への道はいくらでもあった。習氏は、自らの出世(国家主席の任期制廃止)のために、不動産バブルを継続させてGDP押し上げを図ってきた。そして、念願叶って国家主席の任期制廃止にこぎ着けて、さてこれから債務削減という段階で、米中貿易戦争である。人民元相場が大きく揺さぶられても、打つ手がないことに気づいて青ざめているに違いない。

     

    中国は、人民元相場を安値に誘導して、輸出テコ入れに使いたいところだが、米国のうるさい目が光っている。為替安で輸出テコ入れという批判が、米国から飛んでくるのは明白である。こうなると、預金準備率引き下げで資金供給を緩和させる必要性に迫られる。だが、すでに「信用収縮」が起こっている。金融機関が、新規融資に慎重になっているからだ。6月のマネーサプライ(M2)が、前年比8.0%増と過去最低の伸び率に落込んでいる。この状態で、預金準備率を引下げても効果は薄い。

     

    中国の金融状況は、ここまで追込まれているのだ。この現実を理解すれば、中国経済は、もはや二進も三進も動けない状況に落込んでいることが分かるはずだ。「社会主義市場経済は資本主義経済の持つ非効率性と異なる」。こう言っていた社会主義経済学者に問いただしたい。「本当に奥の手があるんですか」。

     

    『ロイター』(7月19日付)は、「中国人民銀が流動性増強、貿易戦争でさらなる金融緩和も」とだいする記事を掲載した。

     

    (1)「中国人民銀行(中央銀行)が金融システムへの流動性供給を増やし、中小企業への信用供与を強化している。負債圧縮の取り組みによる借り入れコスト上昇で製造業生産や設備投資が鈍化し、元から景気の勢いが失われつつあったところに米国との貿易紛争が追い打ちを掛けたためだ。人民銀は今後も一段と金融緩和を進める見通しだ。事情に詳しい関係者が18日明らかにしたところによると、人民銀は市中銀行向けの流動性促進策を導入する方針。銀行に融資拡大を促し、地方政府傘下の資金調達会社である融資平台(LGFV)や企業などの発行する債券への投資を増やすのが狙い」

     

    人民銀行は、積極的に流動性供給行なうという。だが、末端の金融機関が貸出さなければ効果は出ない。「信用収縮」に陥っている現在、可能だろうか。

     

    (2)「ゴールドマン・サックスも19日のノートで人民銀の流動性強化策について『こうした動きが事実ならば、5月と6月の弱い社会融資総量(TSF)統計、6月の軟調な企業活動、資産市場の低迷、貿易紛争の激化を受けて、政府が金融緩和策を強化している証左だ』と分析。『政府は成長の安定を確保するため、銀行預金準備率のさらなる引き下げなど対応を強化する見通しだ』とした」

     

    年内にあと2回、預金準備率を引下げるといわれている。効果が出るかどうか、私は疑問に思う。

     

    (3)「もっとも、市場は中国政府が果敢に金融緩和を進めるとはみていない。政府が幅広く負債の圧縮を進める方針を明確に打ち出している上に、強力な金融緩和は人民元安を招き、資本流出を引き起こす恐れがあるためだ。人民元は既に貿易紛争への警戒感から売られ、19日には1年ぶりの安値に沈んだ。焦点は雇用の8割を占め、借り入れコスト上昇や与信縮小で打撃を被っている中小企業だ」。

     

    「信用収縮」の対象になりやすいのが中小企業である。担保も充分にあるわけでないから、

    金融緩和効果が出るのは難しいと見る。要するに、現状が「信用収縮」に落込んでいるという正しい認識を持つことが必要であろう。


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