勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国主要メディアが、公然と文大統領を酷評している。これまでの任期2年半の間に、一つも成果が上がっていない。このままであれば、歴史に残る「無能大統領」となろうというのだ。「文大統領は無能である」とは、本欄の一貫した見方である。自国のメディアが、文大統領に対してここまで低い評価が出てきて、「やっぱり」と同感せざるを得ない。

     

    日本の国会やメディでは、首相の「花見の会」問題で口角泡を飛ばしている。決して褒められる話でないが、韓国の文大統領に比べたら、天地の差であろう。文大統領の言動や実績を見れば、日本の国会は、他のテーマで議論を深めて貰いたいと思う。

     

    『中央日報』(12月2日付)は、「『在寅兄さん』『ホチョル兄さん』では失敗の政権になる」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の李夏慶(イ・ハギョン)主筆 である。

     

    文在寅(ムン・ジェイン)大統領に向けられる米国の視線が尋常でない。先日、ホワイトハウスの参謀が記者らを呼んで「韓国で大統領弾劾を要求するデモがあったが知っているか」と尋ねた。ハリス駐韓米国大使は「文大統領が従北左派に囲まれているというが」と発言した。8月22日、韓国政府が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長しないと決定した後に生じたことだ。先月かろうじて終了が猶予されたが、終了決定直後に「米国も理解を示した」という青瓦台(チョンワデ、大統領府)の発表は嘘であることが明らかになった。

    (1)「GSOMIA事態の波紋は、防衛費分担金5倍引き上げと在韓米軍撤収カードに触れているトランプ大統領には好材料となる可能性がある。米戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ韓国部長が述べたように、トランプ大統領は過去30年間に「在韓米軍不必要論」を114回も叫んだ。昨年のシンガポール米朝首脳会談直後には「いつか在韓米軍を撤収したい」と発言した。そのトランプ大統領にGSOMIAカードを突きつけたのは非常に危険な決定だ」

     

    「人を見て法を説け」という言葉がある。相手の性格や時と場所をのみこんだ上で、 その人に最もふさわしい方法で説得し、対応せねばならぬことをいう。釈迦の言葉とされるが、文大統領は、GSOMIA(日韓軍事情報包括的保護協定)をオモチャにしすぎた。GSOMIAが、日米韓三ヶ国の安全保障体制のシンボルである。米国は、こう言って韓国を説得したが、聞く耳持たぬ感じで通してきた。これが、米国の心情を痛く刺激したと指摘している。文大統領は、反日「狭窄症」にかかっており、米国の反応を見る余裕がなかった。

     

    (2)「韓国は中朝を意識してGSOMIAを破棄しようとしたと疑われている。文在寅政権は中国とはMD(ミサイル防衛システム)参加THAAD(高高度防衛ミサイル)追加配備韓日米軍事同盟--をしないという「3不」に合意した。GSOMIA終了は「韓国が韓日米安保協力隊列から離脱しようとしている」と疑われるのに十分な事件だった」

     

    文政権は、「親中朝・反日米」と言うのが通り相場である。中国には平身低頭して「3不」という韓国の安全保障体制を揺るがす「約束」をした。米韓同盟がありながら、米国の「仮想敵」にも秋波を送る「二重スパイ」のような存在だ。

     

    (3)「トランプ大統領は米朝関係が改善すれば在日米軍を強化して中国を牽制する方向に北東アジア安保戦略を変更する可能性がある。北朝鮮の非核化を引き出すために、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が強く望む在韓米軍撤収というプレゼントをする可能性もある。文大統領は「在韓米軍は非核化とは関連なく韓米両国が決定する問題」と述べた。在韓米軍を守るという意味だ。なら、慎重に状況管理をすべきだが、GSOMIA終了カードを持ち出したのは軽率だった。核で武装した北朝鮮に対し、在韓米軍なく自国の安全を自ら守ることができると信じているのだろうか。我々は本当にそのような実力を備えているのか」。

     

    米国は、対韓国交渉で日本という切り札がある。日本は、インド太平洋戦略で「キーストーン」である。韓国が米韓同盟を大事にせず、中朝へ媚びる態度ならば、米国は韓国を切り捨てるというゼスチャーも見せる。それが、トランプ大統領であると警告している。その意味で、韓国大統領府は大学生並の防衛論である。

     

    (4)「文在寅政権の機能不全は内政でも確認される。所得主導成長の惨憺たる失敗、急激な最低賃金引き上げ、週52時間勤務制の無理な導入、規制改革の失敗で経済の成長エンジンは消えつつある。韓国銀行(韓銀)は昨年初めに2.9%と提示した今年の成長率予測値を2.0%まで下方修正した。大統領は「不動産市場は安定している」と述べたが、逆に暴騰している。経済正義実践市民連合(経実連)は「誰が大統領に嘘を報告しているのか」と問うている」

     

    このパラグラフの通りである。内政も惨憺たるものだ。文大統領自身が、経済知識ゼロであり、部下の言い分をそのまま聞いている。裸の王様になっている。


    (5)「文在寅政権は2年半の間、一つもまともな結果を出せていない。このままでは最も無能な政権として記録されるかもしれない。政権の失政は国民の苦痛につながる。執権後半期を迎えた今後は180度変わらなければいけない。大統領の心機管理用の虚偽報告は無視し、生きた民心に耳を傾ける必要がある」

    文政権は、実務を知らない点で致命的である。文氏は、社会派弁護士で「弱者保護」を売り物にしている。どうやれば、弱者を守れるか。肝心の知恵がないのだ。こういう政権は、明日にでも交代すべきであろう。



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    中国国家統計局が11月30日発表した11月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.2と前月の49.3から上昇した。市場予測は49.5。同指数が50を上回り、活動の拡大を示唆するのは、4月以来7ヶ月ぶりである。

     

    このデータを見て小躍りするのは早計である。統計局は「新規受注の回復はクリスマス商戦で海外の受注が増えたことと関係がある」と、季節需要の増加を示唆しているからだ。

     

    今後、回復が持続するかどうかが焦点だ。PMIは今年34月も一時的に拡大に転じたが、5月以降は再び低迷した。国務院発展研究センターの張立群研究員は、「PMIは前月比で算出するため、10月に建国記念の長期休暇があった反動で11月の数値を押し上げた面がある。景気対策は効果を挙げているが、依然として下押し圧力がある。今回の改善を過度に評価すべきではない」と指摘している。『日本経済新聞 電子版』(12月1日付)が伝えている。

     

    米中貿易戦争の成り行きが、今ひとつはっきりしないことも見通しを難しくしている。米国による「香港人権法」という扱いの難しい問題が挟まっているからだ。

     

    米中は、基本的に「敵対的関係」に入っている。この基本認識を欠いて一喜一憂していると情勢判断を見誤るであろう。もはや、米中関係は従来のものと異質化した。それは、「香港人権法」で見せた米議会が、上下両院で1名の反対者だけで、全員が法案賛成に一票を投じたことだ。この現実を見落としてはならない。中国は、米国の「敵国」扱いになっている。この事実は重い。

     

    中国経済が予断を許さないのは、金融的に逼迫状態にあることだ。「流動性のワナ」にはまり込んでいる。金融が緩和しても銀行貸出は超慎重である。信用創造能力が極端に落ちているからだ。具体的には、マネーサプライ(M2)の前年比増加率が、今年9~10月でも8.4%増に止まっている。一昨年は、9~11%であった。昨年以来、金融逼迫状態に落込んでいる。こうして、企業のデフォルトは増加基調を辿り、来年はさらに増加する気配である。

     

    『ブルームバーグ』(11月29日付)は、「中国企業のデフォルト、景気減速で2020年も増加-ムーディーズ」と題する記事を掲載した。

     

    米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、デフォルト(債務不履行)に陥る中国企業の数が来年も引き続き増加するとの見通しを示した。経済成長が減速するほか、負債を抱えた企業への政府支援が抑制されるとみているためだ。

     

    (1)「大中華圏クレジット調査・分析責任者の鍾汶権氏によると、ムーディーズは2020年の新規デフォルトが4050社と、今年の35社から増加すると予想。金額ベースでは計2000億元(約3兆1160億円)を下回り、中国債券市場の1%弱相当との見方も示した。同氏は27日、香港での会議で「規制当局の意図は、モラルハザードを減らす」と同時に、デフォルトが「社会経済の安定性を損ねたりシステミックリスクを引き起こしたりしない」よう万全を期すことだとの見方を示した」

     

    ムーディーズは、2020年の新規デフォルトが40~50社と、今年の35社から増加すると予想している。経済状況のさらなる悪化を見込んでいるためだ。来年のGDP成長率は6%割れが見込まれ、5.8%へ減速する公算が強まっている。

     

    中国当局は、モラルハザードは許さず経営に規律を持たせるとしているが、行き過ぎてシステミックリスク(金融連鎖倒産)になることを防ぐという「綱渡り」を宣言している。この言葉の中に、中国経済の置かれている状況が、どれだけ厳しいかを理解できるであろう。要するに、ギリギリまで企業の査定を厳しくするという宣言である。

     

    (2)「中国の規制当局は14年に、オンショア市場での選択的デフォルトを容認し始めた。国盛証券によると、4年前の国有企業初の社債デフォルト以降、今年10月末までのデフォルトは22社、計484億元相当。中国天津市が保有している天津物産集団は先週、ドル建て債市場で事実上のデフォルトに陥り、公有企業としては初の債務再編計画を提示した

     

    ドル建て社債までデフォルトが出てきたのは、対外的に中国企業の信用を落とし、警戒観を強めるであろう。こういう例が一社でも出ると、オフショア市場でのドル建て社債の金利は高くなり、中国企業全体が迷惑を受ける。それを覚悟でデフォルトさせたのは、中国の外貨事情の苦しさを言外に示している。こうして、中国経済は続々とボロを出し始めた。

     

     

     

     

     

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    11月29日の香港は、市民が安堵感に満たされていた。米国が、香港人権法に大統領署名を終えたからだ。数万人の市民が米国星条旗を掲げ、米国歌を歌うという「開放区」さながらの光景を見せたのである。

     

    中国の専制主義が、米国民主主義に敗れた構図でもある。中国は、米国に報復宣言したが、具体案がない。せいぜい、今回の香港人権法関係した議員や関係者の中国入国ビザを発給しない程度だ。効果のある報復策を打てない。そこに中国経済の深刻な一面を覗かせている。「中国、敗れたり」である。

     

    『大紀元』(11月30日付)は、「香港で人権民主法の成立を祝う集会数万人が参加」と題する記事を掲載した。

     

    11月28日、米国が感謝祭を祝うなか、香港では数万人がビジネス街の広場である中環遮打花園や愛丁堡広場に集まり、米国旗を振った。簡易ステージが設置され、香港のテーマソングや米国国家の歌唱が披露された。

     

    (1)「この合法集会の主催者によると、米国祝日である感謝祭に合わせて香港人権民主法の成立の感謝を示したという香港人権民主法は、中国に返還された香港の「高度な自治」が十分に実施されているかどうか、米国長官が毎年見直すことを義務付ける。欠陥があるとみなされた場合、1992年の米国香港政策法に基づく特別な経済特権を引き下げる可能性がある。さらに、この法律には、香港市民の人権を侵害した中国と香港の当局者に対する制裁を課すことも含まれる。集会の登壇者がこの規定に言及したとき、聴衆からは大きな歓声が上がった

     

    香港人権法では、香港市民の人権を侵害する中国と香港の当局者へ制裁を課すことになっている。これを聞いた香港市民は、大歓声を上げたという。これまでは、弾圧される一方であった。香港人権法によって、この弾圧側が責任を追及される側に回った。主客の入れ替わりである。

     

    (2)「同時に、米国警察が香港警察への鎮圧機器を輸出することを禁止する法案も制定された。集会では、数人の民衆運動の著名人も登壇した。2014年の雨傘運動を率いた一人である黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏は24日の地方議員選挙で民主派が大勝したことは「私たちが多数派である」ことを示したと述べた1124日、民主派陣営は北京派陣営に対して圧勝し、452の地方議会議席のうち380議席を獲得した。投票率は71.2%と過去最高となった」

     

    香港民主派が、区議会議員選挙で中国本土派に大差を以て打ち勝った。さらに、「香港人権法」の成立だ。盆と正月が一緒に来たような喜びであろう。

     

    (3)「黄氏は、雨傘運動の2014年当時、香港の普通選挙実現のため、米国の議員にロビー活動を行ったが、多くの議員は深刻に捉えていなかったと語った。香港人権民主法案は、上院下院の両院で満場一致で通過し、大統領が署名した。黄氏はこの結果を受けて「香港の内外で、香港の民主への危機について認識が高まった結果だと語った。香港の民衆活動家であり歌手の(デニス・ホー)氏は、集会に設けられたステージに立ち、香港民主派のテーマソングである「願栄光帰香港」を歌った。また、集会では米国国歌もオペラ歌手が歌った」

     

    2014年当時の雨傘運動では、米国議員の関心が高まらなかった。それが、5年後には米議会では全員一致で「香港人権法」を成立させた。この5年間に、中国の弾圧が見逃せない規模になってきた結果であろう。中国が、自制することなく恣意的な政策を押しつけ、破綻したと見るべきであろう。

     

    (4)「大紀元メディアグループの新唐人テレビの取材に応じた集会参加者のジョン氏は、米国の香港法成立は大きな励みになると語った。「不安が続く数カ月間で、ようやく進歩が見られた。これがなければ、意気消沈していただろう」と述べた。「私達は民主主義を望んでいる。米国と同じ価値観を持って立ち上がった。中国に対抗するための希望が増えた」と付け加えた」

     

    香港は、英国統治下で民主主義の価値を学んだ。習近平氏の価値観を受入れるはずがない。これは、自由主義諸国で共通である。中国は、この心の壁で跳ね返されるであろう。

     

    (5)「トビー氏という別の抗議者は、中国共産党は「私たちの自由と民主主義を抑圧してきた」と語った。「私たちはただ自由と5つの要求を求めているだけ。求めているのはそれだけだ」と彼は述べ、香港政府に普通選挙権や警察の暴力についての独立調査などの実行を求めると語った。集会の最中、警察機動隊が参加者の学生2人を囲み逮捕しようとしたが、民衆が「放して!放して!」と連呼して、警官を取り囲んだ。学生2人は逮捕されず、開放された」

     

    香港警察は、香港学生を逮捕すべく取り囲んだ。その周囲にいた市民が、抗議の声を上げ結局、そのまま引上げざるを得なかった。「香港人権法」の威力をまざまざと見せつける光景である。劇的なシーンであった。

     

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    中国ファーウェイ(華為)製品には、「バックドア」が仕組まれているとの見方は定説になっている。各国の防衛専門家が、いずれもそれを立証しているからだ。これを否定しているのは中国だけである。

     

    米国は、次世代通信網「5G」にファーウェイ製品が採用されると常時、各国の軍事秘密情報が北京に漏洩するとしてNATO(北大西洋条約機構)加盟国へ警告している。この警告は一再ならず行なわれているが、各国へ浸透していないのが実態だ。ファーウェイが破格の値段で売り込んでいることと、「4G」がファーウェイ製品であることも理由である。

     

    ファーウェイの「5G」が、バックドアを仕組んでいることを「発見」したのは豪州である。昨年1月だ。驚いた豪州が、すぐに米国へ通報したものの、当初はなかなか信じなかったほど巧妙であったという。米国も検証の結果、バックドアの存在を把握。「フアイブ・アイズ」(米・英・豪・カナダ・ニュージーランドで構成される諜報機関の機密情報を共有。最近、日本も参加したとされる)が、まずファーウェイ「5G」の不採用を決めた。

     

    『日本経済新聞 電子版』(11月30日付)は、「トランプ氏、5G整備で対中警戒要請へ NATO各国に」題する記事を掲載した。

     

    米政府高官は29日、トランプ大統領が1234日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、次世代通信規格「5G」の整備をめぐり中国のリスクを警戒すべきだと主張すると語った。米政府は中国の通信機器メーカーが同国政府のスパイ活動に協力していると主張しており、トランプ氏は軍事機密が中国に漏洩しかねないとの懸念を示す見通しだ。

     

    (1)「米政府高官は、首脳会議でのトランプ氏の「優先課題」について中国への対応をあげた。具体的には5G整備をめぐり「(加盟国は)中国共産党によって一般市民のデータなどが吸い上げられる事態を望んでいない」と指摘。中国の通信機器メーカーに整備を委ねるべきではないとの見方を示した。港湾などの重要インフラに対する中国からの投資にも警戒が必要だと指摘した」

     

    中国側に言わせれば、機密情報を窃取する理由がある。中国の革命理論によれば、資本主義国は打倒すべき対象である。中国に敵対する勢力である以上、これを打倒・殲滅する必要上、機密情報を北京に吸い上げるというのだ。こういう中国の身勝手な理屈から防衛するには、情報遮断しかないことも事実。中国に情報を与えないことが、身の安全を守る鉄則になる。

     

    中国の革命理論は、決して破棄されることはない。中国共産党が存続する以上、革命理論は「憲法」の役割を果たすからだ。

     

    (2)「NATO10月下旬の国防相理事会で、通信インフラの整備で加盟国に求める共通の安全要件を改定することで合意した。5Gを含む通信インフラの脆弱性の検証などを各国に求めるもので中国を念頭に置いた措置との見方が多い。首脳会議でも共通要件の改定を確認する見込みだ。中国政府はスパイ活動を一貫して否定している」

     

    国防相段階では、ファーウェイ「5G」が危険な存在であることを認識するようになってきた。問題は、一般の政治指導者である。中国当局からかなり「洗脳」されている。特に

    ドイツのメルケル首相は反米意識も手伝い、米国のファーウェイ製品警戒論に懐疑的な言動を繰り返している。ファーウェイ製品は、技術的な面で安全保障に関わる問題だけに、専門家に任せるべきテーマであろう。一般の政治家が介入すべきテーマではない。

     

    (3)「トランプ氏はNATO首脳会議で軍事費負担を国内総生産(GDP)の2%以上に引き上げる目標を着実に達成するよう各国に改めて求める。首脳会議に合わせ、フランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相らとの2国間会談も予定している」

     

    トランプ氏は、かねてから防衛費の拡大を求めている。現状では、米国の負担でNATOが運営されている。各国に応分の負担を求めている理由だ。具体的には、軍事費負担を対GDP比2%以上にするようにする要求である。

     

    この背景には、アジアでの対中国防衛の要になる「インド太平洋戦略」が動き出していることがある。中国の常識を逸した軍拡スピードから見て、アジア覇権確立の目的は確実である。これを足がかりに、世界覇権で米国と対峙すると「夢物語」を持っている。米国が、これを平和的にどう断念させるか。これが、現在の米中貿易戦争の目的だ。中国を経済的に追い込むことである。

     

     

     

     

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    米国は、確実に中国経済に圧迫を加える動きを強めている。中国企業が、米国市場へ上場して「米国資金」を利用することは、長い目で見て米国の国益に反するとの認識を強めているからだ。「敵に塩を送るな」という意味である。米国は、米国覇権に挑戦する中国の野望を許さない。そういう「冷戦思想」の発露だ。

     

    中国電子商取引最大手のアリババ・グループは11月26日、香港証券取引所に上場し、初日の取引で875億香港ドル(約1兆2000億円)の資金を調達した。専門家は、米政府が中国企業に厳しい姿勢を示しているため、今後アリババのように香港株式市場に進出する中国企業が増えると推測しているほどだ。

     

    アリババ株が、米国市場での増資を断念した背景は、米国が中国企業に厳格な姿勢を見せている結果だ。米中摩擦が、資本市場にまで広がっている。米国の対中強硬派議員は、米公的年金に中国株投資を見合わせるように法改正を準備しているほどだ。

     

    米国資本市場から締め出される中国株は、香港市場へ上場してドル資金を調達する次善の策を取り始めた。だが、香港市場も安住の地ではなくなった。米国の「香港人権法」によって、米国務省が香港の「一国二制度」が守られているかどうかを検証する新たな関門ができた。違反事項があれば、米国が罰則を加える。

     

    こうなると、香港市場も従来の自由闊達さを失いかねない。中国は、香港人権法でじわりと真綿で首を締められる形になってきた。米中冷戦で、中国がきわめて不利な事態に追い込まれることが確実である。

     

    『大紀元』(11月29日付)は、「アリババが香港上場、中国企業は米株市場から撤退の始まりか」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「香港情勢が緊迫化した現在、中国巨大企業の香港株式市場への上場が注目を集めた。米サウスカロライナ大学の謝田教授は、米政府と議会が米上場の中国企業に厳しい姿勢を示したことで、「アリババも、その株主構成が米政府に知られることを危惧して、香港市場に上場したのではないか」との見方を示した。米国に亡命した中国人富豪の郭文貴氏は、江沢民元国家主席の一族がアリババやテンセントなど大手企業を実質的に掌握していると暴いたことがある」

     

    アリババは2014年、ニューヨーク市場に上場している。そのアリババが、なぜ香港市場にも上場したのか。その狙いは、冒頭に説明したように米国に上場している中国企業の締出しで上場廃止のリスクが発生しかねないためだ。そこで、香港市場にも上場してリスク分散を図る目的だ。米中冷戦、ここまで現実味を帯び始めてきた。

     

    (2)「米上院と下院は65日、米株式市場に上場する中国企業に米政府による監督を受け入れることを義務付ける法案を提出した。法案は、監査資料や財務諸表を提出しない企業は上場廃止されると規定した。投資家の張氏は大紀元に対して、「米政府からの圧力によって、アリババは米市場から香港市場に移らざるを得なくなった。アリババはまだ信用があるうちに香港に移ると決めたのだろう。上海や深センの株式市場ではなく、香港を選んだ理由はやはり米ドルを獲得したいからだ」との見方を示した」

     

    米上院議員マルコ・ルビオ氏は、連邦公務員向け確定拠出年金(TSP)を監督する連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)が、中国へのエクスポージャーを増やす判断を先送りしたことを受け、米政府による中国株投資を阻止する法案を計画している。エクスポージャーとは、市場の価格変動のリスクにさらされている資産の度合い(割合)である。ルビオ氏は、連邦公務員向け確定拠出年金が、中国株で運用されるリスクを阻止する法案を準備している。これには反対論もあるが、米中冷戦の中で実現の公算があろう。

     

    (3)「台湾の経済金融評論家・謝金河氏は26日、フェイスブックに、アリババに続きテンセントや小米(Xiaomi、シャオミ)、百度、網易などの現在米市場に上場している中国大手IT企業も香港市場に新規株式公開(IPO)を検討する見通しだと投稿した。同氏は、アリババの香港市場上場は、「米中ハイテク技術新冷戦の始まりだ」との見方を示した」

     

    アリババの香港上場は、他のIT関連企業で米国市場に上場している企業のトップバッターという位置づけである。

     

    (4)「米有識者や当局者は米金融市場で資金を調達する中国企業への締め出し姿勢を強めている。今年3月に設立された外交政策組織、「現在の危険ー中国に関する委員会(CPDC)」の委員長を務めるブライアン・ケネディ氏は、1114日に行われた記者会見で、米中間の貿易不均衡よりも金融セクターにおける不均衡の方が深刻だとの見方を示した。同氏は「中国共産党は米国に経済戦争を仕掛けた。トランプ大統領は対中貿易赤字を強調しているが、対中金融赤字の方が重要だ」と話した。トランプ政権に、さらに厳しい措置を実施して米国から中国企業を排除するよう求めた」

     

    米国では、米中間の貿易不均衡よりも金融セクターの不均衡が、深刻だとの見方が出始めている。これは、世界の金融センターである米国金融市場から、中国を閉出せという強硬論である。これが現実のものになれば、中国経済は日干しにさせられる。中国は、この厳しい現実を知らなければならない。

     

    大紀元英語版は1031日の報道で、米国家安全保障会議(NSC)高官のロジャー・ロビンソン氏が、中国当局が米国金融市場から調達した資金規模は数千億ドルから1兆ドルに向かって拡大していると強い懸念を示したと伝えた。これは、対中国強硬論者にとって、またとない「情報」であろう。仮にこれだけの巨額資金の調達が、米国で不可能になれば、中国の外貨準備高は急減し、中国企業はバタバタと倒産し「地獄」を見る。中国経済は、「ジ・エンド」になる

     

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