勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 日本経済ニュース時評

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    韓国の進歩派を名乗る人々は、理由もなく「自分は道徳的に優れている」と思い込んでいる。韓国朱子学が残した最悪ケースである。自ら努力して徳を高めた人間が、他人を見下すことはあり得ない。思い込みだけで、自分は「道徳家」と信じている。これほど「質の悪い」人種はいないだろう。

     

    日韓外交が溝を深めている背景には、韓国進歩派の度外れた「道徳主義」がある。慰安婦問題、徴用工賠償問題。いずれも日韓で解決したはずの問題を蒸し返す。人権=道徳主義という韓国進歩派に、これ以上の「好餌」はない。「待ってました」とばかりに、穿り返して日本への対決姿勢を強めているのだ。

     

    『日本経済新聞』(8月9日付)は、「日韓外交阻む『善』と『悪』」と題する記事を掲載した。筆者は、同紙編集委員 峯岸博氏である。

     

    日本と韓国の外交は底なし沼にはまってしまったかのようだ。両国の政治家のあいだでは、どう抜けだすかという解決策を飛び越して対抗策の議論がにぎやかだ。こういうときは先人に学ぼうと、英国外交官だったH・ニコルソンの名著「外交」を手に取った。

     

    (1)「外交官の中で最悪の部類として「宣教師、狂信家そして法律家」を挙げている。ある一派の考え方を「善」、他派を「悪」とみなすことで独善などの恐ろしい危険に人々を巻き込みかねないと警告した。人権弁護士出身の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を含め、ナショナリズムを外交の場に持ち込みがちないまの日韓関係を映す鏡のようだ3年前の小欄で、安倍晋三首相と文大統領の指導力に期待した。いずれも小泉純一郎、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権時代に補佐役として首脳外交の失敗をつぶさに見ていた。それぞれ保守と革新を代表する力のある政治家なので手を結べば新たな時代を作れる、必ずしも悪い組み合わせではないと考えたからだ。実際はそうならなかった」

     

    文在寅氏は、大統領の器でなかった。大統領になってはいけない人である。日韓対立のほか、韓国国内では、政権を守るために「検察紅衛兵」をつくる始末だ。韓国没落のトリガーを引く大統領だ。

     

    (2)「ここまでこじれた理由は、日本でも大ブームとなった韓国ドラマにもヒントを見いだせる。「愛の不時着」がヒットした秘訣は、北朝鮮で出会った男女が分断国家ゆえに南北に離れてしまうと会えなくなる切なさに加え、ベールに包まれている北朝鮮の庶民の暮らしぶりが再現された点が挙げられる。やはり人気の「梨泰院クラス」は、運命を狂わされた主人公が強大な敵に復讐(ふくしゅう)を遂げるストーリーが受けている。「分断」「復讐」は文政権のキーワードと重なる」

    文氏が、いくらポピュリズム大統領とはいえ、民衆の「分断」と「復讐」を政治に取り入れることが、いかなる対外的リアクションを引き起すか。それを考えるべきだ。民衆の感情に引きずられていては、韓国の明日を示すシグナルを発することが不可能。文氏は今、その危険な局面にいる。

     

    (3)「民族同士が血で血を洗った朝鮮戦争と分断の固定化による痛みを日本人は実感しにくい。さらにわかりにくいのは、革新派による復讐の矛先が日本以上に国内保守派に向けられている本質だ。3年前の政権交代を機に社会のエスタブリッシュメントが革新派に代わり、保守政権下で長く隠されてきた人権侵害に光が当たるようになった。従軍慰安婦や徴用工問題も、韓国では現代に通じる人権問題としてとらえられる。最近も革新系与党所属の自治体首長にセクハラ疑惑が相次ぎ、多くの大統領府高官にも複数の不動産所有が明らかになると、若者や女性が「道徳や正義に反する」と反旗を翻し、文大統領の支持率が急落した」

     

    反日=国内保守派排撃という公式である。進歩派は、反日をテコに国内保守派を一掃して、進歩派独裁政権を夢見ている。それが、韓国の将来にいかなる影響をもたらすかというマクロの視点はゼロだ。要するに、朝鮮半島を統一する上に、国内保守が邪魔である。それを排除するには、「共通の敵・日本」を標的に据えて保守派を叩く。文氏とその取り巻き連中の描く構図であろう。

     

    (4)「日韓両政府間では、難交渉の末にこぎ着けた慰安婦合意や請求権協定といった取り決めがないがしろにされ、信頼関係は崩れた。日韓外交は善悪二元論で解決することはできない。では、もつれた関係をどう解きほぐすか。ニコルソンが理想とした外交の資質は、誠実、正確、平静、忍耐、よい機嫌、謙虚および忠誠だ。相手を冷静に見つめ直すところから始める必要もあるのではないか」

     

    韓国は、「感情8割:理性2割」とされる国民性である。「誠実、正確、平静、忍耐、よい機嫌、謙虚および忠誠」など、最初から持ち合わせていないと見るべきだ。となれば、日韓関係改善は、不可能であろう。不幸な「隣人」を持ったと言うほかない。

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    韓国は、あらゆることで日本と張り合うことを生きがいとしている。その一つが、軽空母の建艦である。軽空母とは、通常の空母と比べて小型である。

     

    日本では、海上自衛隊が運用するヘリコプター搭載護衛艦(DDH)の艦級を指している。「いずも型」は、先行して建造・配備された「ひゅうが型」をもとに大型化し、兵装を簡素化しつつ航空運用機能や多用途性を強化したものとなっている。

     

    1番艦「いずも」が平成22年度予算で、2番艦「かが」が平成24年度予算で建造された護衛艦であるため、ヘリコプター護衛艦を意味する記号の「DDH」を付けて、それぞれ22DDH、24DDHとも呼ばれる。目下、これを改造して戦闘機を登載できるように計画が進んでいる。

     

    韓国は、この日本の計画に刺激されて日本よりも「大型」を狙い、韓国の優越性を世界にアピールする狙いと伝えられている。韓国の軽空母計画は、このように「反日道具」に使おうというもので、早くも韓国国内で異論が出ている。

     


    『朝鮮日報』(8月8日付)は、「韓国型軽空母」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のユ・ヨンウォン論説委員・軍事専門記者である。

     

    (1)「日本は、太平洋戦争初期の時点では世界最大の空母大国だった。降伏後は空母を持てずにいたが、中国の台頭、トランプ大統領の登場に乗じて軽空母を保有しようとしている。「いずも」型ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)2隻を2025年ごろまでに軽空母へ改造し、F35Bステルス垂直離着陸戦闘機を積む計画だ。すると韓国政府と韓国軍も、2030年代前半の実戦配備を目標に、3万トンクラスの軽空母とF35B配備を推進するという。軽空母配備で、安全保障に役立つ側面もあるだろう」

     

    専守防衛の日本が、空母と同じ機能を持つ戦闘艦保有を認められるか否か議論を呼んだ。だが、弓なり状の日本は、尖閣諸島のように遠く離れており、最近の国際情勢変化を織りこめば、空母型戦艦も必要になる、として「ヘリ型空母」が承認された。その後の情勢変化に応じ、2025年頃までに戦闘機登載型の軽空母へと改造することになった。

     

     

    韓国政府と韓国軍も、2030年代前半の実戦配備を目標に、3万トンクラスの軽空母の建艦目標を立てることになった。いずも型は、満載排水量2万6000トンである。韓国の3万トンクラスは、確かに日本を上回る。

     


    (2)「軽空母は、5兆ウォン(約4500億円)以上もの大変な予算がかかる事業だ。運用費もばかにならない。その効用性をきちんと問うてみるべきだ。空母保有国は、ほとんどが広い海や海外活動領域を持っている。日本の排他的経済水域は韓国の8倍を超える。専門家らは「韓国の近海、とりわけ西海は幅が狭く、空母が作戦する上で極めて脆弱(ぜいじゃく)」と語る。中国は、「空母キラー」の対艦弾道ミサイルを実戦配備した。また中ロは、マッハ10以上の極超音速ミサイルも配備している。日本もきちんとこれについていっている」

     

    日本の排他的経済水域は、韓国の8倍を超える。こうなると、軽空母の必要性も高まるが、韓国は黄海と日本海だけ。黄海は空母が作戦する上で海域が狭くて、空母の必要性が薄いという。となると、韓国の軽空母は、「お飾り」程度の役割しかない。

     

    (3)「韓国には、これを防御する手段がない。有事の際、韓国の軽空母が中・日・ロにとってお手軽な「高価値ターゲット」になる-という意味だ。韓国には、F35Bより武装の量が多いF35Aが必要だ。ところが、F35A配備の予算でF35Bを買うのではないか、という懸念が持ち上がっている。さまざまな論争にもかかわらず、むしろ軽空母配備論が加速しているのは、文在寅(ムン・ジェイン)大統領のせいだという話が絶えない。青瓦台(韓国大統領府)が、「日本の軽空母より韓国のものの方が大きいということを積極的にPRすべき」と言った、という話も聞かれる。冷徹に分析、推進すべき戦力増強すら反日の政治論理の影響を受けているのではないかと懸念される」

     

    韓国で、軽空母建艦論が高まっているのは、文大統領に原因があるという。文氏が、反日を意識して、「日本に負けるな」と煽っているのだ。だから、日本よりも大きい「3万トン」を目標にしている。この大統領では、韓国の運命は危ない。経済合理性を考えていないからだ。

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    韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長が、WTO(世界貿易機関)の次期事務局長選挙に立候補している。8人が立候補している。事務局長選は、加盟国が支持する候補者を明らかにし、これに基づいて候補の一部が脱落する方式で進められる。

     

    各国の評判では、アフリカ出身の2人の女性候補が有力とされている。韓国の兪氏も女性であるが、世界機関でのリーダー経験がないこことから、当選は難しいと見られている。ただ、1回目投票で8人中3人が脱落するシステムになっているので、韓国候補がここで姿を消すことになれば、面目丸潰れである。「1回戦生き残り」をかけて必死である。

     

    1回目投票の後、2回目には5人中3人が脱落する。3回目で候補2人のうち1人を全会一致で選出する。1回目の協議は9月7日から始まり、同15日~20日に結果が出るものとみられている。

     

    韓国の兪氏は8月6日、記者団に対し、「日本はとても重要なWTO加盟国の一つであり、WTOを率いて改革する適任者は私であることを強調する」としながら、「両国のこれまでの協力を基に支持を求めていく」と述べた。『聯合ニュース』(8月7日付)が報じた。

     

    兪氏は、上記のように「両国のこれまでの協力を基に支持を求めていく」と述べている。日韓が協力したのは、世界サッカーワールド大会で共催した程度であろう。それ以外は、ことごとく紛争の歴史である。今さら「これまでの協力を基に」と言われても、日本は違和感を持つほかない。

     


    韓国の文大統領は、ニュージーランド首相にWTO事務局長当選について協力を求めた。

     

    文在寅大統領が7月28日午後、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相と電話会談した。アーダーン首相に世界貿易機関(WTO)事務局長選に出馬した産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長の支持を呼びかけた。文大統領は「兪本部長がアジア太平洋地域の唯一の候補として出馬したが、女性であり通商専門家としてWTOの改革と多国間貿易体制の強化を導く適任者」として「ニュージーランドの支持を期待する」と明らかにした。これを受け、アーダーン首相は「ニュージーランドは貿易を重視する国であるため、WTO事務局長の選出に大きな関心がある」として「兪本部長が非常に立派な資質を備えたと聞いて注目している」と答えた。『中央日報』(7月29日付)が伝えたもの。

     

    文氏は、この電話会談で兪氏について、「女性であり通商専門家として」と強調している。WTO事務局長に必要な資質は、加盟国トップと電話一本でやり取りできる政治性とされている。必ずしも通商専門家でなくてもよいのだ。文氏は、兪氏の弱点をアピールした形になった。

     

    韓国大統領府は、日本が韓国の兪氏を支持するのでなくアフリカ出身の女性2氏のいずれかを支持すると伝えられていることに激怒している。「隣国としてあるまじき態度だ」というのである。連日、韓国からの報道で「反日記事」がない日はないほど。そこまで、反日を煽っておきながら、「韓国支持は当り前」という感覚が狂っているのだ。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(8月4日付)は、「WTO次期トップ有力2候補、米主張の改革支持」と題する記事を掲載した。

     

    8月末に退任するアゼベド事務局長の後任には、ケニアのアミナ・モハメド氏とナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ氏が有力視されている。両氏は英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)とのインタビューで、上級委が紛争処理手続きで本来の役割を大きく逸脱しているとの米国の批判について正当との認識を示した。WTOの紛争処理制度の最終審に当たる上級委は、米国が欠員の補充を拒否しているため機能停止に陥っている。低価格品の輸入に対抗して打ち出した規制をWTO協定違反だと繰り返し判断した上級委に対して、米国は強い不満を表明している」

     

    モハメド氏は、ケニアの外相や貿易相を歴任した。オコンジョイウェアラ氏は、ナイジェリアの元財務相で、現在はワクチンの開発と接種を支援する国際官民連携団体「ガビ・ワクチンアライアンス」の理事長を務めている。このように、モハメド氏とオコンジョイウェアラ氏は、閣僚経験を持っている。韓国の兪氏が、キャリア不足であることは否めないのだ。

     

    兪氏が落選しても、韓国は日本を恨んではならない。候補者のキャリアを比較して見ることが大事だろう。

     

     

     

     

     

     

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    韓国は、「日本憎さ」の余りに、素材・部品の日本離れをして溜飲を下げている。まさに、「感情8割:理性2割」の民族と言われる理由だ。日本の素材や部品さらに設備が、これまで韓国産業を支えてきたのは、それなりの合理的な理由があってのこと。それを、「反日感情」に任せて「脱日本」を声高に叫んでいる。経済的合理性を否定するような動きである。

     

    『中央日報』(8月6日付)は、「日本の『素材・部品・装備たたき』1年、独立の道はまだ遠い」と題するコラムを掲載した。筆者は、黄哲盛(ファン・チョルソン)/ソウル大材料工学部教授である。

     

    日本政府が韓国に輸出する半導体・ディスプレー製造用のいくつかの核心物資に対する輸出規制を断行してから1年余りが過ぎた。筆者は昨年のこの時期、政府とメディアの多くの質問に答え、意見を陳述するのに忙しい時間を過ごした。当時に感じたことのうち最も記憶に残っているのは、韓国国民の半導体に対する関心が非常に大きいということだ。

    (1)「日本という特殊性が国民感情を刺激したためだろうが、いくつかの理由で大学で半導体研究が活発でない状況を考慮すると非常に鼓舞された。国民的な関心を動力にした政界の積極的な努力も印象的だった。象徴的なのは、過去のフッ酸ガス漏出事故による制裁期限が終わったにもかかわらず地域住民の反対で事業を再開できなかったフッ酸製造中小企業がまた事業を始めたという事実だ」

     

    「日本憎し」が、これまで再開できなかったフッ素製造業に事業再開のきっかけを与えたという。「反日感情」をテコにすれば、「死んだ子ども蘇る」という韓国だ。



    (2)「深刻な対日貿易不均衡要因の一つである素材・部品・装備関連産業を発展させるために政府は過去20年以上にわたり各種育成政策に取り組んできた。しかし過去1年間の進展の方が大きい感じだ。もちろんこれを実際に成し遂げた主人公は、劣悪な状況の中で我々の産業の根幹を守るために努力した現場の技術者と経営陣であることは言うまでもない」

     

    反日といえば、一致結束して努力する。凄い民族パワーである。問題は、継続性である。感情的な怒りは、長続きしないのだ。理性的な怒りにならなければダメだが、反日は、理性的な怒りになるはずがない。日本の恩恵は有形・無形で極めて大きいからだ。

    (3)「こうした努力とは別に、冷静に現実を眺めることも必要だ。正確な診断は「まだ道は遠い」というものではないかと思う。最近、短期間に国産化を完了したとして注目されたフッ酸の例を挙げてみよう。韓国のフッ酸の年間使用量は約2000億ウォン(約180億円)分だ。大きな市場ではないが、これがなければ100兆ウォンの半導体産業に深刻な問題が生じるため非常に重要な素材といえる。フッ酸生産企業が2000億ウォン分を納品して得られる利益と生産に必要な投資規模を考えると、実際、国産化には大きな実益がない。このため確実な品質の製品を低価格で供給できる日本企業と取引をしてきた。それが経済外的な問題のため国産化するしかなくなった」

     

    韓国で、フッ酸の国産化が可能でも、それで得られる利益はわずか。投資額に見合うものではないという。ならば、同じ金額を他分野に投資した方が韓国経済にとって利益になる。こういう合理的な計算を、反日感情が吹き飛ばしている。韓国国産化は、限定的な意味しか持ち得ないのだ。

     


    (4)「それなら我々は本当にフッ酸の国産化に成功したのだろうか。フッ酸の原料は精製されていない「無水フッ酸」として中国から輸入する。すなわち完全な国産化のためには無水フッ酸を国産化する必要がある。無水フッ酸は鉱山で採掘する蛍石(CaF2)を硫酸(H2SO4)と反応させて得られる。蛍石の主な産地が中国であるうえ、無水フッ酸の製造は環境に非常に大きな負担を与える産業であり、国内でするのはかなり難しい」

     

    フッ酸の原料は、精製されていない「無水フッ酸」である。韓国企業は、この「無水フッ酸」を中国から輸入しなければ、国産フッ酸を製造できないのだ。

    (5)「筆者が本当に心配するシナリオはこうだ。この数年間、中国政府は自国のメモリー半導体産業発展に莫大な国力を投入した。現在、フラッシュメモリーは韓国と1ー2年、DRAMは3-5年ほどの差と評価される。質が落ちるとはいえ、市場に中国産製品が出始めたことを考慮すると、遅くとも5年以内に中国はある程度のメモリー半導体競争力を備えると予想される。この時、中国メモリー半導体企業の最も大きなライバルがサムスン電子とSKハイニックスになるだろう。もし中国が無水フッ酸の輸出を統制すれば、国内半導体企業に深刻な支障が生じるかもしれない」

     

    中国は、韓国半導体と対抗するために将来、「無水フッ酸」の輸出を止めるという事態も想定する必要がある。中国のことだ。過去の例からも、何をしでかすか分からない相手である。WTOへ提訴しても間に合わないだろう。

    (6)「過去の中国のレアアース(希土類)輸出規制やTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復などを考えると、必ず対策を講じる必要がある。現在の状況は「狼」(日本)を避けて「虎」(中国)に出くわす格好のようで心配だ。半導体大企業の立場も考慮する必要がある。コスト競争力を確保するためには原材料供給先の多角化が必要だ。確実な供給先の日本を排除するのは良い戦略でない」

    日本を毛嫌いして中国へ接近しても、さらに悪い結果が待っているのだ。ここは、冷静に日本との関係構築が必要と指摘している。こういう理性的な判断が、できるだろうか。できれば、今のような反日騒ぎは起こるはずがない。

    ムシトリナデシコ
       

    中国は、世界中で自国の政治的影響力拡大に努めている。日本もその対象国である。だが、日本人の「中国嫌い」は世界でも並外れて強い。中国の対日浸透は、容易でないという報告が出た。米国有力シンクタンクCSIS(国際戦略研究所)の分析である。

     

    『大紀元』(8月4日付)は、「中国による対日工作、NPOや創価学会がパイプ役=米シンクタンク報告」と題する記事を掲載した。

     

    米国の有力シンクタンク・国際戦略研究所(CSIS)は721日、中国共産党による対日工作についての報告「China’s Influence in Japan」をまとめた。報告に当たって、関係者の取材から、共産党に対する融和姿勢を構築するため、NPO法人や宗教法人がそのパイプ役を担っていると指摘した。報告作成者はデビン・スチュワート氏で、CSISの元非常勤顧問。同氏による報告作成のために行った関係者への取材によると、中国は日中関係の融和的な関係構築のために、政治家や大手企業幹部、退役将校などを招いた日中フォーラムを利用していると明かした。具体的には、「東京・北京フォーラム」の名前が挙がった。

     

    (1)「2005年に設立された「東京・北京フォーラム」は、非政府組織「言論NPO」と、中国国営の出版最大手「中国国際出版集団」が主催している。フォーラムは、東京と北京で交互に開催され、ビジネス、政治、学術、メディアの各界から数百人の影響力のある参加者が参加する。最近のフォーラムは、2019年10月に北京で開催された。「アジアと世界の平和、発展を維持するための日中責任」というテーマに焦点が当てられた」

     

    2018年のフォーラムも同様なテーマにより東京で開催され、双方の政府あいさつは日本側が西村康稔(当時・内閣官房副長官)、中国側は程永華(当時・駐日本特命全権大使)だった。登壇者のなかには福田康夫・元内閣総理大臣で「東京・北京フォーラム」最高顧問、基調講演には、徐麟・中国共産党中央宣伝部副部長兼国務院新聞弁公室主任を迎えている。

     

    日中友好促進という儀礼的なレベルのフォーラムである。ただ、尖閣諸島を巡る日中対立が先鋭化する事態になると、こういうフォーラムの運営は困難になろう。その時、初めて真価が問われるはずだ。

     


    (2)「防衛研究所の増田雅之・地域研究部中国研究室主任研究官は、こうした日中フォーラムの影響は限定的だと指摘する。「日本の対中援助(ODA)の終了、日本社会における中国の好感度の低さ、外務省権力の縮小、首相官邸の権力の上昇を考えると、中国はずっと日本に影響を与えるための代替手段を模索してきた。しかし、特にロシアや中国の政府高官との接触には強い規制がある」と増田氏は言う。「中国は人民解放軍(PLA)が主催するシンポジウムの招待で、日本の退役将校との関係を深めようとしている。しかし、日本では民間人が政策の大半を握っているため、そうはいかない」。このため「中国が日本で影響力ある作戦を成功させるのは難しい」と結論づけた」

     

    日本のマスコミでも、「中国賞賛」ニュースを流すことは難しい。読者が、一斉に拒否反応を示すからだ。新中国当時、日本人は日中戦争への反省も手伝い「親中派」が圧倒的であった。その中国が、平和路線から外れ武闘派に転じて以来、「親中派」は僅かな存在になっている。

     

    (3)「国際台湾研究所のラッセル・シャオ執行長は2019年、米シンクタンク・ジェームスタウン財団の調査報告「日本での中国共産党の影響力作戦の予備調査」を発表。中国が日本で影響力を行使するために使用しているいくつかの中国共産党中央委員会の統一戦線工作部(統戦部)の手段について詳述している。シャオ氏は報告の中で、日本に影響を与えるために、孔子学院、日中友好協会、貿易協会、日本文化交流など、様々な統戦部の関係機関を列挙している。しかし、CSISの報告では、こうした在日中国組織の活動は「成功」していないとの見方を紹介している」

     

    法政大学の福田まどか氏は、CSISインタビューで次のように答えた。「日中友好協会は、日本人の中国文化に対する親近感を求めているが、対中感情の悪さから、日本人は協会の活動に参加しようとしない。また、協会の活動手法は日本の文化に合っていない」と指摘している。

     

    日本人は古代中国に興味を持つが、現代中国には拒否反応を示している。日本人の価値基準と外れすぎており、中国が世界の「攪乱国」というイメージであるからだ。

     


    (4)「日本は、中国に対して世界で最もネガティブな考えを持つ国として際立っている。2019年ピュー・リサーチの世論調査によると、日本人の中国に対する否定的な見方は、調査対象となった34カ国の中で最も高く、85%の否定的な見方を示した。法政大学の菱田正晴氏は、次のように分析する。「1989年の天安門弾圧、中国が社会主義の原則を守らなかったという日本左翼への裏切り、中国での日本人研究者の逮捕などに嫌悪感が強い」と話した。また、ネガティブな報道を求める国民の声に呼応して、ニュースも否定的な側面を報道するようになったと指摘した」

     

    日本人の中国観は、調査対象となった34カ国の中で、85%も否定的な見方を示している。むろん、世界一である。日本人の中国嫌いと韓国嫌いは、誰から強制されたものでもない。自然発生的である。中国の傲慢さが嫌いという人は多いのだ。これは、中国文化自体が持つ本質的欠陥である。世界の普遍的価値観から完全に外れた、「田舎文化」であるからだろう。この異端文化が、世界覇権を握ることは不可能である。心から賛同する国が、存在しないからだ。

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