勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 日本経済ニュース時評

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    韓国は、反日不買運動が2019年7月から始まった。文大統領は、「二度と日本に負けない」と国民に向かって啖呵を切った。あれから2年経過して、反日ムードはどうなったか。日本企業では、韓国へ進出したユニクロが反日不買の標的にされた。ユニクロ東京本社の幹部が、「反日不買運動は、すぐに鎮まる」と発言。韓国国民をさらに激昂させた。その見せしめにと、ユニクロが火あぶりにされたのだ。

     

    そのユニクロは、昨年の業績が急回復した。皮肉にも、ユニクロ東京本社幹部の見通しが的中したのである。「熱し易きは冷め易し」で、韓国の国民性を表す好例が見られたと言えよう。

     


    『中央日報』(12月3日付)は、「今はもう『YES JAPAN』? ユニクロ完全復活…884億ウォン赤字→529億ウォン黒字」と題する記事を掲載した。

     

    2019年に始まった日本製品不買運動、いわゆる「NO JAPAN(ノージャパン)」で大きな打撃を受けたユニクロが韓国で黒字転換に成功した。

    (1)「12月2日、韓国金融監督院によると、韓国でユニクロを運営する、エフアールエルコリアの2020年9月1日から今年8月31日までの営業利益は529億ウォン(約51億円)と集計された。前会計年度884億ウォンの赤字から大幅に黒字に転換した。売上額は5824億ウォンで前年に比べて7.5%減少したが、当期純利益も473億ウォンで純赤字が994億ウォンに達した2019年に比べると劇的なターンアラウンドを見せた」

    赤字が一年で黒字に転換したのは、経営合理化努力によるものだろう。売上高は、まだ7.5%の減少であるから、徹底したコストダウンと好採算商品の販売に成功したと言えよう。

     


    (2)「これに先立って「NO JAPAN」運動の影響で構造調整と費用削減に乗り出したユニクロは韓国で50カ所を超える店舗を閉めた。この過程でアジアの代表的な店舗の一つだった明洞(ミョンドン)店をはじめ、江南(カンナム)店、弘大(ホンデ)店なども閉店に追い込まれた。ユニクロは世界的デザイナーやブランドと共同作業したコラボ製品で韓国人の心をつかみ直すために引き続き努力した。今年10月、名品アウトドアブランドのホワイトマウンテニアリングとコラボレーションして発売したコレクションをはじめ、デザイナーのジル・サンダーとの「+J」コレクション、セオリーとのコラボコレクションなどが人気を呼んで完売事態が起きたこともある」

     

    ユニクロの商品戦略は、世界的なデザイナーを起用することと、経営が米国流であることだ。経営トップの柳井正氏は学生時代、ろくに勉強しなかったという。だが、社会人になってドラッカー経営学を徹底的に学び、本人から直接学ぶ「生きた学問」をした経営者である。その点が異色であり、大きな強みになっている。

     

    (3)「ユニクロは、最近1年余りで新規店舗をオープンして再び売り場拡大に乗り出している。今年11月5日、釜山(プサン)に沙下(サハ)店を開店したことに続き、12日には釜山ロッテ百貨店センタムシティ店にも再オープンした」

     

    ユニクロは、機あらずと見ればすぐに撤退して傷を深くしないことだ。チャンスがめぐってきたと見れば進む。機動的経営である。このユニクロ式経営から見れば、韓国製造業は、日本製造業との関係強化に力を入れたいと強い希望を持っている。技術と資本の両面で、韓国企業は日本企業との関係が深い。文政権は、こういう事実関係を全く知らず、反日不買運動を行なってきた。

     

    『聯合ニュース』(11月29日付)は、「日本との経済協力『必要』92.6%、関係改善には悲観的見通し=韓国」と題する記事を掲載した。

     

    大韓商工会議所が11月11~15日、国内の輸出入企業202社を対象に日本との経済協力の必要性に関する世論調査を実施した結果、回答企業の92.6%が「必要」とし、「必要性を感じない」との答えは7.4%にすぎなかった。

     

    (4)「両国の関係改善の見通しについては、「現在の困難が続くと思う」(80.7%)と「もっと悪くなると思う」(6.4%)との悲観的な回答が大半を占めた。「徐々によくなると思う」との楽観的な見通しは12.9%にすぎなかった」

     

    日韓関係は、改善見通しが付かないとする見方が8割もある。改善方向と見るのは1割強に過ぎない。極めて、悲観的である。韓国で次期政権が進歩派であれば、改善期待は持てないだろう。

     


    (5)「両国の協力を妨げる最も大きな障害に関しては「歴史問題」との回答が42.1%で最多だった。次いで、「新型コロナウイルスの再拡大など対外環境の悪化」(15.3%)、「輸出規制など両国の貿易摩擦」(12.9%)、「相互けん制・競争意識の高まり」(10.4%)、「両国国民意識の悪化」(9.9%)などだった」

     

    韓国が、歴史問題を国内で解決する方向になれば、日韓関係は雪解けムードになろう。だが、日本へ謝罪しろとか、賠償せよと言う従来通りの主張であれば、両国関係は凍結したままだ。日本は、外交的に韓国を切実に必要としなくなっているからだ。

     

    (6)「企業の問題解消のための政策支援課題としては、「外交正常化」と「物流支援」(それぞれ25.5%)、「協力課題発掘」(12.3%)、「民間交流の活性化支援」(11%)などと続いた。大韓商工会議所のカン・ソクグ国際通商本部長は、「外交対立と新型コロナで二重苦に見舞われている両国の企業は今後、世界の供給網(サプライチェーン)再編にも対応しなければならない難題に直面している」として、「民間経済界から韓日協力の基盤を修復し、協力課題を発掘して交流するよう努力する必要がある」と述べた」

     

    韓国は、中国との関係が悪化すれば、日本へ接近する気持ちになろう。現状では、まだ日本と対抗して困らせてやれという復讐心に燃えている。その意識が消えない限り、日本へ接近しないはずだ。

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    日韓対立の裏にあるもの

    防疫体制に介入する政治

    日韓国民性水と油の違い

    旭日旗の対立で不倶戴天

     

    日本と韓国は、対馬海峡を隔てた近隣国家である。本来ならば、何をさておき助け合わなければならない関係だろうが、実態は全く逆である。卑近な例で言えば昔、お世話になった人に対し、最近は羽振りが良くなって、過去の話で文句を言うようなことが始まっている。こうなると、世話をして助けた側は良い気持ちはしない。「忘恩の徒」と言って見たくもなるのだろう。

     

    日韓関係が、諍いを起している背景はこういうものだ。互いに、過去の話を始めたらきりがない。双方に言分はあるのだ。それを、ぐっと飲み込んで「未来志向」で協力する。日韓では、そういう「大人の会話」が成り立たないのである。

     


    日米関係は、未来志向の最適な例だろう。日米が、それぞれ過去の話を始めたら収拾が付かなくなる。真珠湾の奇襲攻撃と、広島・長崎の原爆投下は悲劇である。これを繰り返さないために、日米は同盟国という選択をした。こうなれば、敵味方でなくなるからだ。

     

    日本の歴史において、米国と協力したときが最も安定した外交関係を維持できた。日露戦争では、米国が英国とともに日本敗戦を忌避すべく、外交戦術を駆使してロシアをけん制した。日本は、この勝利を独力で得たと慢心し、今度は太平洋戦争で米英と対決した。今の韓国が、日本に楯突くような状況だ。

     

    日韓対立の裏にあるもの

    日米が、元の鞘に収まって同盟を組むまでになったが、日韓にはそういう雰囲気はゼロである。米国がトランプ大統領時代、安倍首相、文大統領、トランプ氏の三者会談をした。そのときトランプ氏は、口が滑って「日韓は同盟国」と言ったところ、文氏がすかさず「日韓は同盟国でない」と言い放った。才覚ある人間ならば、ニコニコ笑って聞き流すもの。韓国が、いかに日本へ敵対意識を持っているかを象徴する話である。

     


    文氏は、大統領就任以来一貫して「日本批判」の立場を堅持した。現在は、態度を和らげて「融和」を呼びかけているが、それは便法であろう。反日が、韓国進歩派(本質は民族保守主義)の基本である。こういう反日姿勢は、韓国の国民性に由来するものと見るほかない。

     

    国民性の違いは、長い歴史の産物である。朝鮮は、1000年単位で中国の支配を受けて来た。その結果、刹那的思考が強い。中国の儒教を国教としたので、合理的思考を奪われ未来を見据えた視座が育たなかった。儒教の世界にどっぷり浸かり、氏族制社会を形成した。現在も、地域間の政争が甚だしいのは、それを引継いだものである。

     

    日本は、太平洋戦争の敗戦で7年間、米国の占領下に置かれた。有史以来のことだ。侵略戦争による敗北のショックは、日本人の思考を180度変えさせた。明治維新に次ぐ二度目の「革命」を引き起したのである。明治維新では、尊皇攘夷思想を捨てて開国した。昭和の敗戦では、軍国主義を捨てて民主主義の道へ進んだ。いずれも、大きな犠牲を経た「革命」である。

     


    防疫体制に介入する政治

    最近、日韓で見られる大きな相違点は、新型コロナに対する防疫体制の違いである。韓国は、全住民に対するPCR検査を実施している。これは、「全数調査」と言われるもので防疫対策では下策とされている。韓国の医師会は、政府の「全数調査」が非効率でることから反対したが、大統領府が政治的理由で導入した。

     

    日本では、症状が出たと疑われる事態になった時、PCR検査するものだった。これと、同時に、集団発生(クラスター)の原因究明に力を入れた。これが、国際的に見たオーソドックスな防疫対策とされている。韓国は、日本のこの防疫体制をどれだけ非難し嘲笑したか。日本が、PCR検査を意図的にサボって、感染者数を少なく見せているなど、あり得ない話を流布してきた。明らかに悪意を含んだものであった。

     


    日韓両国のワクチン接種完了率は11月25日現在、韓国が79%、日本が77%である。若干だが、韓国の方が高いのに、感染者数は韓国が日本の36倍も多くなっている。11月25日現在で、直近1週間の人口100万人当たりの一日平均新規感染者数は、韓国が63.87人であるが、日本は0.87人と実に73倍もの開きが出ている。

     

    要約すると、韓国は感染者数で日本の36倍。人口100万人当たりの一日平均新規感染者数で、なんと73倍も多いのである。ほぼ同じコロナ接種率で、韓国がこれだけの感染者急増である。韓国政府が、自画自賛してきた「K防疫モデル」の旗を下ろさなければならない事態に陥っている。(つづく)

     

    次の記事もご参考に。

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    野党第一党、立憲民主党の新代表に泉健太氏が当選した。代表選の投票状況を見ると、興味深い結果が浮かび出てきた。これまでの党内主流のリベラル派が後退して、保守派が指導権を握ったことである。具体的には、安全保障政策の確立である。旧日本社会党時代から堅持してきた「消極的防衛論」が、「積極的防衛論」を議論できる基盤ができたということだろう。

     

    米国を見ても分かるが、二大政党において政権交代が頻繁行なわれる背景は、安全保障政策において「水と油」の関係でないことである。有権者は、その点で安心していられる。こういう側面を無視して、「政権の受け皿になれる野党」と言っても無意味である。泉氏が、立民代表に選ばれたことは、自民党も褌の締め直しを求められる。

     


    『日本経済新聞』(12月1日付)は、「
    泉氏『野党共闘修正探る』立民代表選、保守票を集約 共産との合意『現在はない』」と題する記事を掲載した。

     

    立憲民主党の代表選は中道から保守系の議員が支持する泉健太氏が勝利した。決選投票でリベラル系のグループを基盤とする逢坂誠二氏との一騎打ちを制した。来夏の参院選に向けて党内をまとめながら共産党との共闘路線の修正を探る。

     

    (1)「泉氏は1回目の投票で国会議員と公認候補予定者の計286ポイントのうち96ポイントを得た。他の3候補は50~70ポイント台だった。党員・協力党員およそ10万人の票でも3割強を取り首位だった。地方議員票のみ143ポイントのうち48ポイントを取った逢坂氏と僅差の次点だった。決選投票で泉氏が得た国会議員のポイントは1回目での小川淳也氏の分を上乗せした数字に近い。両氏は民放番組で共産党との共闘で失ったものがあるかと聞かれて「ある」と回答した共通点がある。中道から保守の票を集約したもようだ。逢坂氏のポイントは同じリベラル系の西村智奈美氏が1回目で得たポイントを足した水準だった。保守系とリベラル系がそれぞれ泉氏と逢坂氏に分かれて投票した可能性が高い。決選投票のポイントは6割を泉氏、4割を逢坂氏がとった」

     


    立民が、決戦投票で保守系とリベラル系の二つに分かれ、勢力分野が明らかになった。泉氏の当選は、保守系の支持を得た結果である。保守系と言っても、「共産党と連携しない」という程度の話である。共産党の安保政策は、日本の支配的な見解から大きく離れており、この政党との連携は、「選挙対策」という目先利益を狙ったものに映る。

     

    (2)「立民は旧社会党系から保守系まで幅広い立場の議員が集まる「寄り合い所帯」で、原発や安保など政策面の食い違いもある。挙党体制を打ち出したのは、まとまりを欠きやすい状況への警戒ともいえる。参院選に向けて党内調整が必要なのは共産党を含む野党共闘のあり方だ。先の衆院選は候補者を一本化して小選挙区で議席を増やした一方、比例代表でそれ以上の議席を減らした。泉氏は記者会見で共闘路線について「単に継続ということではなく、まず(衆院選の)総括をしなければならない。その中で今後のことは考えたい」と慎重な言い回しで修正をにじませた」。

     

    政策の基本綱領が違う政党が、「当選者を増やす」目的で連携するのは、「野合」という非難を浴びても弁解できないであろう。今回、維新が議席を増やしたのは安保政策で自民党と大差なく、自民批判の「受け皿」になれた結果である。「おこぼれ頂戴」でなく、有権者が安心して一票を託せる立民に脱皮する努力が必要だ。それには、目先の「選挙対策」という小賢しいことを止めるべきだろう。小沢一郎的な発想は時代遅れになった。

     


    (3)「政権交代した場合に「限定的な閣外からの協力」を共産党から得ると9月に合意したことに関しては「衆院選に向けて交わしたものと理解している。現時点で何かが存在しているのではない」と指摘。現在は効力がないとの認識を表明した」

     

    立民と共産党との選挙合意は、文字通り、選挙目的である。その目的が、逆効果になった以上、白紙は当然のことだ。

     

    (4)「自公政権との対峙の仕方は変える意欲をみせる。代表選で「政策立案型政党を目指す」と訴えた。「批判ばかりの野党」というイメージの脱却を意識し、公開の場で官僚らを問いただす「野党合同ヒアリング」をいったんやめるとも提唱した。各党は泉氏が党内をまとめて方向性を示せるかを見極める。国民民主党の玉木雄一郎代表は「共産党との関係がべったりであれば連携は難しい。(新執行部の)判断を見定めたい」と話す。共産党の志位和夫委員長は立民との合意について「わが党は誠実に順守したいし、立民にもそういう立場で対応してもらいたい」と共闘継続を呼びかけた。自民党の茂木敏充幹事長は「共産党との関係を明確にしてほしい」と泉氏に求めた」

     

    立民は、政治ショーを止めて地道な政策立案で自民党と競争することだ。例えば賃上げについて、労働分配率のルール化の提唱をすべきである。付加価値の65%を賃上げファンドにする、といった具体的な提案をすれば、国民の見る目が変わるはずだ。ただ、ストライキで賃上げを勝ち取るという「腕力」に訴える前に、「頭脳」を働かせるべきである。

     

     

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    「蓼食う虫も好き好き」という。人それぞれだ。「反日」で燃え上がった時以外、本音ベースで言えば、「日本が大好き」という人たちも結構いるという。「寿司」が大好物で人気を高めている。米紙は最近、「寿司を世界に広めたのは韓国人」と報じるほどだ。

     

    『ニューズウィーク 日本語版』(11月29日付)は、「反日と日本好きの二極化が進む韓国」と題する記事を掲載した。筆者は、佐々木和義氏である。

     

    韓国の若者の間で人気となっている観光地がある。今年9月、ソウルから車で1時間半の距離にある京畿道東豆川(トンドチョン)にオープンした日本テーマパーク「にじもりスタジオ」だ。

     

    (1)「11月1日、韓国政府がウィズコロナを宣言し、規制を段階的に緩和する方針を発表すると、日本料理店を訪れる人たちが増え始めた。また、韓国航空各社は日本上空を飛行する「無着陸観光飛行」を運行し、訪日観光の再開を待つ人たちが空から日本を楽しんでいる。コロナ禍が続く韓国で若者を中心に日本ブームが広がるなか、日本でも韓国旅行の再開を心待ちにする人向けのイベントが実施された」

     

    韓国は、11月から「ウィズコロナ」になったので、疑似日本体験を楽しんでいるという。だが、11月29日にコロナ感染者激増で、「ウィズコロナ」は中止された。

     

    (2)「『にじもりスタジオ』はドラマの撮影場として作られた。2003年に放映されたドラマ『大長今(日本名;宮廷女官チャングムの誓い)』が人気を得ると歴史ドラマが相次いで作られた。日本で撮影が行われたドラマもあるが、出演者やスタッフの移動費など制作会社の負担が大きかった。そこで、演出家が主導して日本の江戸時代を再現した撮影場が在韓米軍訓練場の跡地に作られた。最近、大幅な補修工事を行なって、新たに開業したのが日本テーマパーク「にじもりスタジオ」だ」

     

    日本テーマパーク「にじもりスタジオ」が、広告宣伝しないものの静かな人気を得ているという。日本の雰囲気を味わえるのが人気の理由である。

     


    (3)「スタジオ内には日本料理店や旅館があり、着物や浴衣のレンタルも利用できる。
    運営会社は反日感情を懸念して広告宣伝などを行わず、また、写真を見る限り日本の街並みとは異なる和韓折衷のテーマパークだが、日本を体験できるという評判がSNSで広まった。韓国政府がウィズコロナに伴って観光制限を緩和したことも相まって、多くの若者で賑わっている」

     

    2019年7月以降の「反日不買運動」では、ソウルの日本式居酒屋やラーメン屋が大きな痛手を受けた。その反日不買も消えたのだろう。

     

    (4)「日本政府の入国規制緩和(注:11月30日から入国禁止)と韓国政府のウィズコロナ宣言(注:11月29日に中止決定)で、観光往来の再開を待ちきれない人たちが空の旅を楽しんでいる。アシアナ航空は往来再開の目処が経っていない8月と9月に、金浦空港を出発し、日本の上空を飛行して済州島に到着する国内線を運行し、続いて仁川や釜山の空港を出発して対馬などの上空を飛行した後、出発地に戻る無着陸観光便を運行した」

     

    下線を引いた部分は、初めて聞く話である。日本への「無着陸観光便」が人気を得ているという。

     


    (5)「格安航空会社LCCのエアソウルは、鳥取県と香川県の上空を飛行して出発地に戻る便を運行し、利用者には訪日観光再開後に利用できる香川県と鳥取県の無料宿泊券や特産品などが贈呈された。平均搭乗率が95%に達したという。ティーウエイ航空も10月から金浦、仁川、大邱を出発して佐賀県などを上空から見たあと出発地に戻る「無着陸観光飛行」を開始した。10月30日には利用者に佐賀県が用意した記念品がプレゼントされ、2022年まで使用可能な割引クーポンや佐賀県の特産品を抽選でプレゼントするSNSのイベントも実施した」

     

    「無着陸観光便」の平均搭乗率が95%というから驚く。香川県と鳥取県の無料宿泊券や特産品などが土産に付いた。これは、破格のサービスである。無料宿泊券の有効期限は23年3月まで。今回の新たなコロナ変種の出現で、22年度中に訪日できなければ、期限延長となろう。

     

    (6)「『無着陸観光飛行』の利用者は上空からでも日本を見たいという人たちばかりではない。日本の上空を旋回する無着陸観光飛行は国際線として運行されることからパスポートが必要だが、空港や市内の免税店を利用できる。無着陸観光飛行利用者1人あたりの免税額の上限は600ドル、購入限度額は5000ドルで、グアム上空などに向かう無着陸観光がはじまった昨年12月から今年10月までの間に約2万6000人が利用し、1万1291人が免税上限の超過分に相当する税金を納めたという」

     

    「無着陸観光飛行」でも、出国する以上はパスポートが必要になる。同時に、「免税品」購入のチャンスがある。この目当てに搭乗する人もいるはず。なかなかの商魂である。

     


    (7)「日本にも韓国旅行の再開を待ち切れない人たちがいる。韓国観光公社が11月14日、東京・品川区の会議場で、アシアナ航空の機内食を体験するイベントを実施した。機内食を食べるだけという約1時間のイベントだったが、100人の募集に対して2000人近い応募があったという。参加者たちが搭乗券を使って入場し、機内と同じように並べられた座席に着くと、客室乗務員がカートを押しながらビビンバやコチュジャン、韓国のりなどの機内食を提供した」

     

    日本にも、「韓国好き」がいても不思議はない。アシアナ航空の機内食を体験するイベントでは、定員100人に10倍の申込みがあった。ビビンバやコチュジャン、韓国のりなどの機内食を購入したという。民放によると、東京の新大久保にある韓国スパーが人気だ。韓国商品がずらりと陳列され、「100円韓国ラーメン」が売れ筋とか。千客万来という。

     

    8)「ニュースを見た韓国人は、「自分は日本旅行の禁断症状が出ている」「韓国人と日本人は互いの文化が大好きなのに、政界が紛乱をあおっている」「互いの文化を理解し合えるのは良いことだ」「文政権の5年間の反日扇動で得たものは何だったのか」などと投稿した。いまだノージャパンを叫ぶ人たちがいる一方で、若者たちは日本料理店や日本テーマパークで日本擬似体験を楽しんでおり、反日と日本好きの二極化が進んでいる」

     

    韓国の若者は、文政権離れを起している。反日の一方で、日本好き(保守派志向)がいるはずだ。韓国では4割が保守派である。この層は、日本に潜在的な親しみを持っている。ただ、それを口には出せないだけなのだ。

     

     

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    日本では、コロナが下火になってホットしていたのも束の間、また新たな変種株「オミクロン」が出てきた。感染力が強まっていると報じられている。

     

    オランダでは11月28日、アフリカ南部を訪れていた13人が「オミクロン」に感染していたことが分かった。ドイツと英国でも感染が報告されており、オミクロン株が欧州で既にかなり広がっていることが示唆される事態だ。こうなると、世界経済はこれからどうなるのか気懸りである。

     

    これまで猛威を振ってきた「デルタ変異株」よりも感染力が強いとなれば、身構えるのは当然であろう。ただ、冷静に考えることも必要である。『ブルームバーグ』(11月29日付)は、「新たなコロナ変異株『オミクロン』、現時点で分かっていること」と題する記事を次のように掲載した。

     


    WHOは11月28日、「オミクロン株の感染による症状が他の変異株と異なることを示唆する情報は現時点でない」と説明。「従来の感染急増よりも速いペースで確認されており、増殖に強みを持っている可能性はある」とした。

     

    南アの入院率の上昇は、オミクロン株感染の結果ではなく、コロナに感染する人の数が全体的に増えていることが理由の可能性があると指摘した。ECDC(欧州疾病予防管理センター)は、感染力の強いデルタ変異株が再び勢いづいている欧州では、オミクロン株の出現と拡散が「極めて高い」リスクとなり得ると分析した。

     

    米モデルナのポール・バートン最高医療責任者(CMO)は11月28日、オミクロン株が既存のワクチンをかいくぐる可能性があると指摘した上で、その場合は改良したワクチンを来年の早い時期に提供できるとの見通しを示した。コロナワクチンはこれまでの変異株に対し、重症化と死亡のリスクを減らす効果を示してきた。メルクやファイザーが開発した経口薬などその他の治療方法がオミクロン株に効果があるかどうかは今後評価することになる。

     

    『ブルームバーグ』(11月29日付)は、「オミクロン、世界経済回復への影響はどの程度か 最悪はロックダウン」と題する記事を掲載した。

     

    新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」は、世界経済がより力強い足取りで2022年入りするという楽観に水を差した。需要の弱さよりもインフレを政策の焦点としようとする当局の計画にも狂いが生じる可能性がある。

     

    (1)「渡航制限が導入されれば消費者信頼感も企業景況感も悪影響を受け、多くの国・地域でホリデーシーズンを目前に活動が抑制される可能性が高い。市場は直ちに反応し、26日には米・英・オーストラリアの今後1年の利上げ幅予想が少なくとも10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小した」

     

    オミクロンの感染が拡大すれば、金利引き上げ幅は米英豪では0.01%ほど縮小すると観測している。大した影響でないという見方だ。

     

    (2)「次に何が起こるかはこの新変異株のワクチンへの耐性や感染力の強さに左右される。デルタ変異株は最近数カ月にわたり猛威を振るったが、経済をリセッション(景気後退)に押し戻すことはなかった」

     

    デルタ変異株では、世界経済をリセッションへ追込むことはなかった。ただ、中国経済は別である。不動産バブル崩壊と、コロナワクチンで欧米製のような優秀品のないことが、決定的なハンディキャップとなる。

     

    (3)「最悪のシナリオは、ロックダウン(都市封鎖)の再来だろう。これはサプライチェーンの混乱を悪化させるとともに、回復しつつある需要を軟化させ、スタグフレーション懸念を再浮上させる」

     

    オミクロンの感染力が、デルタ株よりも強い場合でも、米英型ワクチンでは対応可能であることが分かっている。新ワクチンは、来年の早い時点で発売される見通しである。西側諸国でのロックダウン・リスクは低いと見られる。

     


    (4)「一方、オミクロンが当初懸念されたほどの脅威でないことが分かれば、それほど厳しい結果にはならない。それでも、新変異株の出現は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が依然として世界経済への脅威であり、今後数年にわたりそうあり続ける可能性を再認識させる」

     

    今回の発展途上国での変種出現は、良い教訓を与えている。22年は、途上国へのワクチン供与に全力を挙げることだ。

     

    (5)「政策当局にとっての困難は、昨年の景気刺激策によって選択肢が狭まっていることだ。昨年の景気後退後に金融政策を引き締めた中央銀行はほんの一握りであり、先進国・地域の主要な政策金利はゼロ付近にとどまっている。各国政府の債務負担は既に急増している。「経済の不確実性がさらに高まったことは確実で、22年の展開を予測する際エコノミストには大いなる謙虚さが必要だ。ここにきて、必要な謙虚さの度合いはさらに大きくなっている」とスバラマン氏は述べた」

     

    下線部では、かなり慎重な見方である。ただ、新たなワクチンや経口薬の登場を考慮に入れれば、余りの悲観論は不要に思われる。ただし、中国経済は別である。先進国にはない、特有の脆弱構造であることを見落としてはならない。

     


    (6)「ナティクシスのアジア太平洋チーフエコノミスト、アリシア・ガルシアエレロ氏は、「まだスタグフレーションになってはいないが、国境を超える移動の制限と関連のサプライチェーン混乱がさらに1年続けばそうなるかもしれない」と話した。20年の景気後退期ほどの影響はないとみるエコノミストもいる。野村ホールディングスのグローバルマーケットリサーチ責任者、 ロブ・スバラマン氏は、「企業や家計は制限やロックダウンに適応してきたため、今回の打撃はそれほど深刻ではないかもしれない」と述べた」

     

    私は、オミクロンの出現を過剰警戒する必要はないとみる。その意味で、下線部の指摘に妥当性を感じる。人間、同じ過ちを繰返さず、少しずつ「経験値」を重ねて行くからだ。

     

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