勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 日本経済ニュース時評

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    文在寅政権は身勝手である。今回、日本政府へ示した徴用工基金案は、韓国の原告も企業にも相談せず、一方的に提出したことがわかった。文政権が、日韓慰安婦合意を破棄した理由は、当事者の意見を聞かずに強引に結んだ協定であることを上げていた。最近の韓国メディアの言葉を借りれば、「他人がやれば不倫、自分がやればロマン」という類いだ。これほど、ご都合主義の政府も珍しい。

     

    『朝鮮日報』(6月20日付)は、「強制徴用、韓国政府の基金案、被害者と韓国企業に事前説明なし」と題する記事を掲載した。

     

    韓国政府が日本側に提案した「韓日両国の企業財源による徴用被害者支援」案は、現時点では現実味に欠けるというのが外交関連の識者の見方だ。韓国政府は「日本が受け入れる可能性は予断を許さない」と言ったが、日本側ははっきりと拒否の意思を明らかにした。さらに、被害者側はもちろん、賠償主体として名前が挙がった韓国企業も、韓国政府から何も事前の説明を聞いていない状態だ。強制徴用被害者側は先月、裁判所に対し、差し押さえた日本企業の資産を売却してほしいという「売却命令申請」を行い、早ければ来月にも実際の売却が行われる可能性があるという状況だ。

     

    (1)「東京の外交消息筋は19日、「昨年末、『両国企業の財源を通じた基金設置』が提案された時も、日本政府は『韓国が誠意をもって提案してきたなら検討も可能だ』という見解を示したが、韓国大統領府がこれを一蹴したため、日本国内の空気はかなり険悪になった」と話した。日本政府は「1965年の日韓請求権協定により、徴用賠償問題は完全に解決した」という見解を持っているだけに、日本企業の賠償には当初否定的だった。陳昌洙(チン・チャンス)元世宗研究所日本研究センター長は「韓国政府が今年初めに基金設立案を提案していたなら、日本は『外交的協議』を条件にこの提案に関する協議を受け入れていただろう」と語った。韓国政府の対応は遅きに失した感があるということだ」

     

    韓国政府は、G20での日韓首脳会談実現のため、苦し紛れに出してきた案である。日本が拒否したにもかかわらず発表したところに、慌てぶりが見られる。G20のホスト国日本は、すでに15ヶ国との首脳会談が決まったという。もはや、韓国の割り込む余地はなくなっている。せめて「立ち話」程度でも、という冷遇だ。隣国の大統領が、この有様ではメンツ丸潰れになる。文氏が、日本を舐めてきた結果である。

     


    (2)「被害者側も否定的だ。強制動員被害者の訴訟代理人団と支援団は同日、「問題解決の出発点だと言える『歴史的事実の認定』と『謝罪』に対して何の内容もない」と懸念を示した。代理人団らはコメントで、「金銭的賠償の面でもまだ判決が確定しておらず、訴訟に加わっていない被害者たちの声が全く反映されていない。韓国政府が見解を発表する前に、被害者や代理人団を含む市民社会と十分な話し合いがなかったことも遺憾だ」と述べた」

     

    韓国人は、二言目には「謝罪」という言葉を持出す。日本に謝らせる魂胆だが、終戦時に日本企業(日本製鉄)は、慰労会を開き退職金と土産を持たせて帰国させている。そういう温情ある話はすべて棚上げして、賠償と謝罪をワンセットにしてくる。

     

    (3)「これの団体は「両国間の協議を開始するための事前措置としては、前向きに評価できる。現実的な条件の中で、韓日企業が先に確定した判決金相当の金額を被害者に支給し、その後に両国政府がほかの被害者たちの問題を含めた包括的な交渉に協議を拡大していく予定ならば、韓国政府の見解も肯定的に検討できるだろう」と述べた。

     

    日本政府は、すでに法的措置へ出る構えだ。この際、国際法の視点から韓国大法院判決を検証すべきである。司法が、政府の結んだ条約に介入できるかどうか。韓国が、自信があれば堂々と訴訟を受けて立つことだ。


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    けさ、下記の目次で発行しました。よろしくお願い申し上げます。

     

    ポピュリズムの正体表す

    経済・外交の政策で失敗

    教条的環境主義がねつ造

    親日排除と北朝鮮へ接近

      

    韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、5月で就任満2年を迎えました。これまでは、経済政策の失敗だけが議論されてきました。しかし、外交政策でも反日・北朝鮮重視という路線の明確化によって、「ポピュリズム」(人民主義)が、その基底にあることを示しています。

     

    ポピュリズムの正体表す

    ポピュリズムとは、一般大衆の利益や権利、願望、不安や恐れを利用して、大衆の支持のもとに、既存の体制側や知識人などと対決しようとする政治姿勢を呼んでいいます。もともと、文政権誕生のきっかけは、朴槿惠(パク・クネ)政権が弾劾によって追放されたという政治状況がきっかけでした。国民の不満が極点に達した時に生まれた政権です。最初から、「ポピュリズム」という刻印を背負ったスタートでした。

     

    過去2年間、メディアが大統領府へ文政権失政を問いただすと、必ず「それならば、前政権に戻った方が良いのか」という答えが返っていました。メディアへの反論封じの常套手段として、前政権を持出していたのです。前政権には、大統領の特定知人が政策に関与したという大きな問題を抱えていました。

     

    文政権には、「ポピュリズム」という目に見えない政治姿勢によって、韓国の経済と外交を根本的にひっくり返そうという危険な動きが蠢いています。その具体的な動きは、これから取り上げます。朴政権の失態と文政権の失政は、その動機が本質的に異なります。

     

    朴政権は、政策面で大きな失敗がありません。経済は市場主義で、外交と安全保障は米韓同盟の枠にそって動いていました。仮に、朴氏に特定友人問題がなければ、普通の大統領の5年間であったでしょう。

     


    文政権は、朴政権のすべてを否定する形をとっています。「ポピュリズム」によって、韓国の経済・外交の基本路線を180度変えてしまうこと。最終的には北朝鮮と統一して、中国圏に加わる意図が秘められています。だから、学校の社会科教科書から内容を書換え始めています。韓国の国是である「自由と民主主義」から「自由」を消しました。北朝鮮にも「人民民主主義」という名ばかりの「民主主義」があるので、釣り合いが取れるという発想です。

     

    小学校高学年の社会科教科書からは、韓国の高度経済成長を象徴する「漢江の奇跡」の記述も消えました。韓国国民にとって語り継ぐべきことではないという政治的な判断です。歴史的事実を政治の思惑で消したのです。この背景には、後で触れる「反企業主義」という根強い「経済成長否定主義」が存在しています。

     

    韓国軍の「主敵」としてきた北朝鮮軍の名前を消してしまい、代わって登場したのが日本の自衛隊です。退役軍人の集まりである在郷軍人会(この名前は、戦前の日本軍の名称を引き継いでいます)での定期教育では、講師の口から「主敵」は日本の自衛隊らしき存在を示唆したとメディアが報じました。

     

    昨年12月、海上自衛隊哨戒機が韓国海軍艦艇からレーダー照射を受けました。この件は、韓国軍の「主敵」が自衛隊に置換えられていることを示しています。韓国は、レーダー照射問題で、説明を二転三転させました。挙げ句の果てに、自衛隊機が韓国軍艦艇を威嚇したとフェイクニュースをつくり出しました。もはや、日韓の間に「友軍」という認識はありません。韓国は、北朝鮮に代わって日本を、「敵国」扱いし始めているのでしょう。

     

    韓国国防部長官(国防相)は、文政権での元・現職の二人が北朝鮮を擁護する発言をして韓国メディアから厳しい批判を浴びました。38度線で北朝鮮軍と対峙する韓国軍将兵が、北朝鮮に理解を示す国防部長官発言を聞いてしまい、任務放棄が起こっても罰する訳にはいかないでしょう。国防相のこうした不注意な発言が飛び出す裏に、大統領府が韓国防衛意識で弛緩している証拠と言えるでしょう。

     

    経済・外交の政策で失敗

    韓国は、文政権が登場した2年間で取り返しの付かないほどの変貌を遂げています。その変貌について、政策面で整理して起きます。

     

    (1)経済政策では、最低賃金大幅引上げと脱原発の実施

    (2)外交政策では、親日排除と北朝鮮接近

     

    以上の経済と外交の両政策における大転換は、まさに「ポピュリズム」によるもので、イデオロギー上の理念に基づきます。これは、文政権を支えるバックボーンですから、後3年続くものと見るほかありません。後継政権もまた同じ与党とすれば、韓国の経済と外交は破綻するでしょう。(つづく)

     


    テイカカズラ
     
       


    韓国政府は6月28~29日、大阪G20の日韓首脳会談実現の「エサ」をまいたが、日本政府に拒否された。日本政府が要求しているのは仲裁委員会の設置である。この問題にまともに答えず、辻褄合わせの日韓企業の共同出資による救済という的外れの提案であった。

     

    日本は、韓国大法院の判決が国際法違反であると主張している。それを知りながら日韓企業の共同救済案は飲めるはずがない。韓国は、米トランプ大統領の訪韓の際に日韓問題が出るので予防戦を張ったもの。

     

    『朝鮮日報』(6月19日付)は、「強制徴用:『韓日企業が慰謝料出資』韓国提案の意図は…責任逃れ用?」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国外交部(省に相当)は19日、韓国大法院(最高裁に相当)の強制徴用賠償判決に関連し、韓日の企業による自発的な出資金を財源として被害者に慰謝料を支払う案を日本側に提案したことを明らかにした。外交部はまた、この案を日本側が受け入れる場合、日本政府が韓国に求めている請求権協定第3条第1項に基づく二国間協議の受諾を検討する用意があるとの立場を伝えたと説明した。この提案に対する日本政府の立場は否定的だ。それでも韓国外交部の当局者は「日本がこの案を受け入れるかどうかについて具体的な期限は設けていない」と述べた」

     

    (2)「韓国外交部の高官は先週末に日本を訪れ、強制徴用賠償判決問題に加え、大阪での主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせた韓日首脳会談の開催を打診したという。外交部の当局者はこれについて「確認できない」として明言を避けた。日本側は、強制徴用賠償判決に関する仲裁委員会設置が先に行われなければ首脳会談の開催は困難との立場を貫いているという。日本の産経新聞は同日「安倍晋三首相はG20サミットでの韓日首脳会談を行わない方針を決めた」と報じた」

     

    (3)「このため、韓国政府による今回の提案をめぐり、韓日首脳会談の実現に向けたカードだという分析と、首脳会談が開催できなかった場合の責任分散用の提案だとの見方が交錯している。韓国政府が、韓日企業の出資金による慰謝料支払い案を日本が受け入れれば二国間協議に応じる用意があると表明したのは、韓日首脳会談の実現に向けた韓国政府の最後の努力と考えられるというわけだ」

    こういう提案をするなら、昨年すべきである。今頃になって出しても日本が一蹴するだけだ。事態は、法的な解釈へ移っている。

     


    (4)「日本の外務省の大菅岳史報道官は同日の記者会会見で、韓国政府の提案について「韓国の国際法違反の状態を是正することにはならず、解決策にはならない」と述べた。共同通信が報じた。大菅報道官は「韓国側にも(提案を拒否する)立場を伝えた」と述べた。大菅報道官は「日本の立場をいつ伝えたのか」との質問に対し「時期を含め、外交上の対話については詳細をお話しできない」としながらも「事前に伝えた」と述べた。大菅報道官の発言が事実なら、韓国政府は日本側の拒否の立場を知りながらも今回の提案を発表したことになる」

     

    韓国政府は、日本が拒否した提案をあたかも「検討中」と装っている。こういう動きを見ると、韓国は日韓首脳会談が不発になった時の「言い訳」を用意しているのだろう。

     

    (5)「韓国政府が、G20サミットに合わせた韓日首脳会談の実現が事実上困難になったと考え、「韓国の関係改善に向けた外交努力に日本が応じなかった」という根拠づくりを試みたとの見方も出ている。ソウル大学国際大学院のパク・チョルヒ教授は「韓国外交部が韓日関係の膠着(こうちゃく)状態を打開するために、外交部なりの対策を打ち出したのだろう」としながらも「良い試みではあるが、日本と事前に十分な協議が行われたのかどうかが鍵となる」と指摘した。パク教授は「仮に日本政府と事前に十分な話し合いができていないのであれば、日本政府側が『韓国政府は責任逃れ的な措置として突然今回の案を出してきた』という印象を受ける可能性もある」と話した」

     

    韓国メディアが、冷静に自国政府の外交的な狡さを指摘していることに感銘する。文政権の小賢しさへの反発が、こういう中立的記事を書かせていると思う。


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    日本政府が要求した強制徴用問題仲裁委員会の設置に対して韓国政府が回答せず、30日間の期限が18日に終了する。韓国政府の無回答は、日本の要求を無視したことになる。外交的に韓国は今後、大きな失点になることは確実である。日本は、韓国のあらゆる要請を無視できる。

     

    注目の日韓首脳会談は、日本の立場からすれば受け入れられるはずがない。7月の参院選を前に日本国内の「嫌韓ムード」を刺激するからだ。となると、立ち話程度でお茶を濁すことになるか。これを見た韓国側は、「文政権の外交失態」との批判が巻き起こるであろう。

     

    『聯合ニュース』(6月18日付)は、「日本が要請の徴用問題巡る仲裁委設置、きょう期限も立場示さず」と題する記事を掲載した。

     

    韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた強制徴用訴訟問題を巡り、日本が韓日請求権協定に基づき第三国の委員を交えた仲裁委員会の設置を要請していることについて、韓国政府は仲裁委員の任命期限である18日までに立場を固めなかった。

    (1)「韓国外交部の金仁チョル(キム・インチョル)報道官は同日の定例会見で、仲裁委の設置に関する立場を問われ、「政府は大法院の判決を尊重するという基本的立場の下、(強制徴用)被害者の苦痛と傷の実質的な癒やし、さらに未来志向の韓日関係構築の必要性などを考慮し、この事案を慎重に扱っている」と述べた。日本政府は先月20日に仲裁委の設置を韓国に要請した。1965年に締結された韓日請求権協定は第3条2項で、設置の要請から30日以内に韓国と日本が各1人の仲裁委員を任命すると規定している」

     

    (2)「金氏は、韓国政府が仲裁委員を選んだかどうかを問う質問にも「今、慎重に扱っている。それ以上お伝えすることはない」と答えた。外交部は先月20日、仲裁委の設置について「諸般の要素を勘案し、慎重に検討していく」との方針を示していたが、期限がきても同じ立場を繰り返したことになる。請求権協定の第3条3項は、韓日のいずれかが期間内に委員を任命しなかった場合は、それぞれ仲裁委の役割を果たす第三国を指名し、これらの国を通じて仲裁委を構成するとしているが、あまり現実的でないと指摘されている」

     

    (3)「外交部の当局者は「一方が3項を持ち出すことはあり得るが、もう一方が応じるかどうかは別問題」だと述べ、3項にのっとった仲裁委の設置に応じないことを示唆した。日本は、28~29日に大阪で開く主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた韓日首脳会談の開催を、仲裁委の設置の有無と絡めて判断するかのような態度も見せている。G20首脳会議での韓日首脳会談について、この当局者は「何も決まっていることはない」と伝えた」

     


    韓国政府は、完全に日本の要請を無視したが、日本はどういう立場をとるか。日本政府は、国際司法裁判所(ICJ)提訴など法的措置や経済制裁を含む「対抗措置」を検討してきた。今後いかなるカードを取り出すかである。

     

    日本がここですぐに強硬策には出ないであろう。G20終了後、米国トランプ大統領が訪韓する。その際、米国が韓国に提示した3つのテーマの中に、日韓関係問題が入っている。韓国が、どのような態度を取るか。日本はそれを見極め、米国との話合いを済ませて、最終態度を取るであろう。

     

    韓国国内で、日本企業の差し押さえ資産が現実に売却された時点で、日本の「外交保護権」が発動される。これは、国際法で規定されている権限であるから、報復にはあたらない。当然の権利を執行するだけだ。

     




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    韓国の左派系メディアは、日本の天皇を「日王」と呼ぶ。日本人として、この言葉に出会うと、何とも言えない違和感を覚える。日本で天皇陛下と尊称を付けているのに、「日王」とはと何ごとか。そういう反発心も起こるのは無理からぬことだ。

     

    「日王」の背景は、秦の始皇帝が自らを皇帝の初めと称したことと無関係でない。朝鮮李氏は、「皇」は中国皇帝しか使ってはならないという思いがあった。これが災いし、明治維新で明治天皇が李氏へ特使を遣わし、開国挨拶状を送ったところ李氏が受取りを拒絶した。日韓は、この時からギクシャクする不幸な関係で始った。

     

    朝鮮に大きな影響を与えた儒教の朱子学は、物事をまず「定義」から考えるという。李氏による「皇」の定義では、中国の皇帝だけが皇である。日本の「天皇」を受け入れられなかったのは、朱子学の「定義」に盲目的に従ったことなのだろう。

     

    韓国左派系メディアが、「日王」としたり顔で呼ぶ裏にあるものは、日本が1990年代に起こした「バブル崩壊」と関わっているように思う。朝鮮李氏が、「天皇」という言葉を拒否した傲慢さと、似通った屈折した心理が働いていたのだろう。日本経済は落ちぶれた。こういう認識で、植民地時代の思いと重なる天皇を「日王」と呼んで憂さ晴らしをしたのであろう。以上は、私が考える韓国「日王論」の背景である。

     

    『朝鮮日報』(6月15日付)は、「『天皇』と親日派」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の社会政策部次長、金秀恵(キム・スへ)氏である。

     

    (1)「日王は最近30年間で新たに生まれた韓国語だ。北東アジア歴史財団韓日歴史問題研究所のナム・サング所長は、『世界の中でも韓国だけで使われている言葉だ』と話す。米国でも中国でも台湾でも東南アジアでも使わない。タイは自国の王には「ガサット(王)」という言葉を、日王には「ジャッグラパット(皇帝)」という言葉を使う。日本共産党は2004年まで君主制廃止を党の綱領に明記していた。今も「情勢が熟した時に国民の意に沿って存廃を解決すべき対象だ」としている。彼らも「天皇制は問題だ」とは言っているが、「日王制は問題だ」とは言っていない。漢字で表記しない限り、日本人は「日王(にちおう)」という言葉を聞き取れないし、意味も分からない」

     


    日本人にとって、「天皇」という言葉には独特の響きがある。戦時中、兵士は戦場で「天皇陛下万歳」といって突撃した。その暗い哀しい思いと「天皇」は結びついている。しかし、時間が経ち、戦争を始めたのは狂信的な軍部の一部であったことが分かり、「天皇」への気持ちは揺らぎないものに変わったと思う。「天皇」は軍部に利用されたのだ、と。戦後の「象徴天皇制」は、政治との関わりを絶ち、日本国統合のシンボルとなられたのだ。

     

    日本共産党は、「天皇制廃止」を叫んだことが、戦後の混乱期に政権を獲れなかった理由である。石橋湛山はこう喝破していた。日本人の心中深くに、天皇への深い敬愛の念がある。日本共産党は、そのことを見落としていたというのだ。

     

    (2)「日王という言葉は1989年前後に広まり始めた。独島(日本名:竹島)問題、慰安婦問題、教科書歪曲(わいきょく)問題が相次いで浮上した時期だった。初期には天皇という言葉も使われていたが、徐々に日王の方が天皇より多くなった。ただし、よく見ると、このような変化は必ずしも普遍的ではなかった。今も韓国人の大多数は日常で日王よりも天皇という言葉の方をよく使う。左派であれ右派であれ専門家の大多数も論文を書いたり討論をしたりする時、天皇とは言うが日王とは言わない」

     

    韓国マスメディアに見る独特の傲慢さが、「日王」という言葉を生んだのだろう。それが、広く使われなかったとすれば、「日王」はマスコミ業界の「隠語」にすぎない。「符丁」といってもいい。そういう公式化されていない言葉を使うのは、韓国マスコミの「反日」という独特の偏向思想の産物だ。

     

    マスコミは、社会の公器である。それが、隠語・符丁の類いの「日王」を堂々と使うことは、公器の私物化である。この「公器」の基準から外れたメディアは、いずれ読者の支持を失っていく運命だ。韓国左派系メディアの発行部数が少ない理由でもあろう。

     

    (3)「ソウル大学のパク・チョルヒ教授は「日王という単語は、正確に言えば『メディア用語』だ」と話す。この言葉は学者が論文を書く時に使う言葉でも、外交官が外交をする時に使う言葉でもない。韓国人が日本人と話す時に使う言葉でもなく、韓国人同士が韓国語で韓国メディアに文を書く時、「私は親日派ではない」ことを示す時の言葉だ。それでも、真摯(しんし)に考えなければならない時が来た。(韓国)大統領は日王を天皇と呼ぶのに、メディアは天皇を日王と書く。おかしいくはないだろうか

     

    韓国人が韓国語で韓国メディアに文を書く時、「日王」は「親日派ではない」ことを示す合い言葉だという。ここまで、「偏向報道」していることに気付かないのだろうか。日本のメディアで、「親韓派」でないと断り書を付ける記事を見たことはない。鳩山元首相は、「反日・親韓」派である。誰も彼を批判する人はいない。そういう人も一人くらいいないと困るのだ。

     

     


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