勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 日本経済ニュース時評

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    FRB(米連邦準備制度理事会)は、2023年まで実質ゼロ金利政策を続けると発表

    して以来、ドル安がはっきりしてきた。これを受けて、円高が進んでいる。すでに1ドル=103円も珍しくない状況になっている。さらに、来年は静かに1ドル=100円突破になりそうだという。

     

    日本では、「円高不況論」が根強い。だが、日米企業物価に基づく購買力平価を見れば、1ドル=93円見当である。つまり、実勢相場が93円を突破する円高になれば、企業の輸出採算は悪化する。現状では、そこまでの円高を予想していない。心配ご無用、というところだ。

     

    『ロイター』(11月26日付)は、「来年のドル・円、静かに100円割れかー佐々木融氏」と題する記事を掲載した。

     

    J.P.モルガンは今週、来年末までの為替相場予想を公表した。その中でドル/円相場に関しては100円を割り込み、98円まで下落するとの予想を示した。米国の追加経済対策は来年1~3月期の終わり頃まで合意が得られないとみているため、米国の1~3月期の実質国内総生産(GDP)成長率はマイナスとなる見通しだ。

     


    (1)「想定される経済環境の中でも、米FRBが利上げを必要と感じるところまでインフレ率が上昇しなければ、利上げ期待も高まらないだろう。その結果、「経常赤字国の米国が名目政策金利をゼロ、実質金利はマイナス」という状況は続くので、米ドルが少なくとも対円で下落するトレンドは、来年も続くと予想される。しかし、1兆ドル程度と予想される追加経済対策は46月期以降の成長を高めることになり、また、来年後半はワクチンが広く配布され、経済活動も次第に回復の度合いを強めていくことになるだろう」

     

    FRBが、2023年まで実質ゼロ金利を継続すると発表していることから、ドル安基調が続く見通しが強くなった。米国経済は、来年後半にはワクチン投与が行われるので様相は変ってくる。

     

    (2)「このように想定される経済環境の中でも、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを必要と感じるところまでインフレ率が上昇しなければ、利上げ期待も高まらないだろう。その結果、「経常赤字国の米国が名目政策金利をゼロ、実質金利はマイナス」という状況は続くので、米ドルが少なくとも対円で下落するトレンドは、来年も続くと予想される。国際金融危機(GFC、リーマンショック)からの回復過程では、FRBは約7年間政策金利をゼロ%に据え置いた。その最初の約2年半程度(2009年3月2011年7月)の間に、米ドルは名目実効レートベースで約18%程度下落した。今年は4月以降、まだ10%程度しか下落していない。しかも、GFC後の回復過程に比べ、現状の米10年金利は現在3分の1程度の水準しかない」

     

    ドルに関する見方はそれぞれ異なる。例えばゴールドマン・サックスのアナリストは、今後12カ月にドルが6%下落すると予想している。一方、INGのアナリストは最大で10%の下げを見込んでいる。シティは、ドルが2021年にさらに20%下落すると予測するなど多様である。以上は、『ウォール・ストリート・ジャーナル』(11月27日付)が報じた。

     


    (3)「一方で、円は現状の割安度合いを維持できないだろう。円は実質実効レートベースでは、依然として過去30年間の平均に比べ20%程度割安となっている。今年の年初までは積極的な対外直接投資と対外証券投資により、円の割安度合いは維持されてきた。だが、新型コロナウィルス感染が世界的に拡大している中で、日本企業の対外直接投資は、過去最大を記録した昨年のペースに比べて、既に半分以下に落ち込んでいる」

     

    日本企業の対外直接投資は、今年に入って昨年の半分以下のペースに落ちている。これは、パンデミックによる世界経済の混乱が原因である。こうして、日本企業のドル需要は低下しているので、ドル安基調に拍車をかける。

     

    (4)「各国の金利差が無くなり、先行き不透明感から対外投資が以前に比べれば手控えられる状況の下で、来年の円相場は、これまでのようにリスクセンチメントによる影響より、ファンダメンタルズから受ける影響の方が大きくなるだろう。日本は、依然として高水準の経常黒字、これまでの旺盛な対外投資によって維持されてきた割安な円水準、実質金利の上昇などの観点からすると、2021年に円が上昇する可能性は比較的高いと考えられる」

     

    日本が、これまで取ってきた特異な金融政策は、欧米の追随によって突飛なものではなくなってきた。円が、上昇する局面にあることを認めるほかない。21年は、そういう年となろう。

     


    (5)「世界的な株価上昇が続く中で、ドル/円相場と日経平均株価の相関は今後も崩れたままの状態となるだろう。J.P.モルガンは、来年もドル/円相場の下落トレンドと日経平均株価の上昇トレンドは並立すると予想している」

     

    ここでの指摘は、極めて重要である。円高になっても日経平均株価は上昇するというのである。私が、この「謎解き」をしたい。

     

    日本の輸出に直接関わるのは「企業物価・購買力平価」であること。円の実勢相場が、これを上回っている限り輸出業者は損にならない。円高になっても、日経平均株価が上がるのは、日本の「企業物価・購買力平価」が低位維持である結果だ。

     


    そこで、「企業物価・購買力平価」を見ると、日本は2013年5月以来、円の実勢相場を一貫して下回っていることがわかる。つまり、円の実勢相場の変動にも関わらず、日本の企業物価の購買力平価は、ドル=円相場を下回っているのだ。日本の製造業が、米国よりも高い生産性を上げているので、企業物価が安定していることを意味する。

     

    企業物価・購買力平価(国際通貨研究所調べ)は、11月19日現在で94円58銭である。円相場との差は、11月19日現在で9円25銭となる。円相場で輸出成約しても、9円余の「差益」が出ている計算である。今後、円が100円を突破しても、企業物価・購買力平価94円台へ急迫しない限り、「静かな円高」と言えそうだ。

     

     

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    日韓関係行き詰まりで、韓国が盛んに日本へラブコールを送っている。だが、日本側の反応はいたってクールである。文政権になって以来の「反日騒動」に日本側は呆れ果てているのだ。韓国側が、真に日本との関係改善を切望するのならば、旧徴用工問題賠償は韓国の責任で解決すべきである。その上で、日韓関係改善という筋道であろう。

     

    『中央日報』(11月29日付)は、「韓日指導者、『鄧小平の知恵から学ぶべき』 過去を解決する『決断』要求」と題する記事を掲載した。

     

    韓日経済人が27日、第52回韓日経済人会議を開き、両国関係の改善案について議論した。韓日経済人会議は1969年以降1年も欠かさず両国が交互に開催してきた協議体。今年は新型コロナウイルス感染拡大のため一度延期された後、ソウルのJWマリオットホテルと東京のホテルオークラを画像でつないで開催した。


    (1)「この日、基調講演をした洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)韓日ビジョンフォーラム代表兼中央ホールディングス会長は、現在の韓日関係について「一つでも葛藤要因が追加で生じれば、ラクダの背中を折る最後の藁になるかもしれない」と診断し、「韓日協定60周年の2025年を目標に今から歴史和解プロセスに入るのがよい」と提案した。続いて歴史問題を直接争って解決するのではなく、未来を共有することで過去の問題を解決していく逆発想が求められると強調した」

    日韓関係をここまで悪化させたのは、すべて文政権発足以来である。日韓慰安婦合意の破棄と旧徴用工問題賠償である。いずれも解決済みの問題を蒸し返したのであるから、韓国が自ら責任を取るべき問題である。

     

    (2)「洪会長は韓日関係改善のために両国指導者が「鄧小平の知恵」を思い出す必要があると述べた。トウ小平は中国の開放・改革元年の1978年に日本を訪問した際、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる両国の紛争について「現在の中日指導層よりさらに知恵を持つ次世代にこの問題を任せる」と明らかにした。その後、当時の中曽根康弘首相は「戦時に多大な苦難を与えたことに遺憾を表す」として中国に巨額の援助を断行した。こうした「度量が広い妥協」を通じて日本は広大な中国市場に接近でき、中国は日本の資本と技術を成長の土台にすることができた」

    鄧小平の知恵による尖閣諸島問題の棚上げは、現在の日中対立の大きな要因になっている。一時的な成果を狙った弥縫策は、決して真の解決策にはならない。その意味で、日本による「鄧小平の知恵」になぞらえる歴史問題の棚上げは、韓国側へ紛争の種を蒔くような話である。日本は乗るべきでない。日本側から法的に言えば、歴史問題はすべて解決済みである。後は、韓国の問題である。

     


    (3)「洪会長は韓日関係の懸案である強制動員被害者賠償判決については「両国の指導者が政治的リーダーシップを発揮すべき」と強調した。続いて政府が司法手続きに介入できないだけに特別立法手続きを通じて日本の退路を開くことを約束するのが現実的な手続きだと提示した。こうした前向きな措置を通じて、日本に振り回されることなく、一気に道徳的優位に立つことができるという指摘だ

     

    日韓基本条約で、旧徴用工問題は無償援助3億ドルに含まれている。韓国大法院(最高裁)の判決が「司法自制の原則」から外れた田舎判決である。日本が、これに振り回される必要はない。道徳的も非道徳的も関係はないのだ。

     

    下線部分は、日本の最も嫌う点だ。韓国が「道徳」云々する時は、非合理な要求を出す時に使うフレーズだ。韓国が、それほど日本よりも道徳国家であるならば、紊乱する性犯罪はどういう位置づけなのだ。あまりにも軽々に「道徳国家」発言をするべきでない。日本人はみな嗤っているのだ。



    (4)「洪会長は、「韓国政府は過去に2度賠償した経験に基づき、国会で特別立法を通じて3度目の賠償措置を取らなければいけない」とし「親日問題から自由であり民主化の正統性を持つ文在寅(ムン・ジェイン)政権はこうした決断を下す資格と余裕がある」とも話した。その代わり洪会長は日本政府は不法植民支配と強制徴用について謝罪して反省する立場を明確にすべきだと強調した。洪会長は「両国政府間の合意の形で韓国人を相手に明確なメッセージを送るべき」とし、菅義偉首相の決断を促した」

    韓国はまた、日韓併合について謝罪せよと言っている。もう何十回も言わされてきた。これこそ時効である。日韓基本条約ですべては終わっている。今から55年前だ。

     

    (5)「洪会長は韓国が日本と急いで関係を回復すべき理由に北朝鮮問題を挙げた。洪会長は「韓国が日本と協力的関係を復元すれば米国との関係を増進でき、中国からもより公正な待遇を受けるはず」とし「韓国が日本、米国、中国から重視されれば、北朝鮮も韓国を無視できなくなる」と述べた。実際、菅首相も最近、北朝鮮との関係改善の可能性を示唆した。特に数百億ドルと予想される対日請求権資金は、北朝鮮が開放されれば経済開発の呼び水になるはずで、北朝鮮で発生する莫大な開発需要は突破口が必要な日本経済に新たな活力を吹き込むはずだと、洪会長は予想した」

    下線部分が、韓国の本音である。韓国は、日本と関係改善が進むことで、米韓関係も中韓関係も改善すると言っている。そういう効果が見込める日本に対して、日韓併合を謝罪せよと迫るのは、あまりにも調子に乗りすぎた発言である。しかも、日朝関係が正常化すれば、日本が「数百億ドル」の賠償金を払うだろうと期待している。韓国への「おこぼれ」があると見込んでいるのだ。韓国は、玉突き同様に、日本の玉に当てれば、万事上手くいくとしている。楽観的過ぎるのだ。

     

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    検察総長追出しは死活問題

    現実課題に苦手な学校秀才

    両親と盧大統領の強い影響

    コピーは独自色打出せない

     

    韓国政界は今、異常事態に巻き込まれている。法務部長官(法相)が、検察総長(検事総長)に職務停止と解任要求を突きつけたからだ。検察総長が、政権側の犯罪捜査に力を入れていることが背景にある。韓国進歩派は、今後とも政権を継続させたい。それには、政権の犯罪が司法の場に持ち出されることを何としても避けなければならない。文政権の切羽詰まった事情が、垣間見えるのである。

     

    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官による尹錫悦(ユン・ソギョル)検察総長の職務停止命令などという異常案件に対し、なんらの意見も言わなかったという。つまり、黙認したのである。ユン検察総長は、文大統領が自ら任命した人事だ。任期の2年間は、身分が保証されている。職務停止と解任要求は、過去に遡っても前例のない暴挙である。

     

    検察総長追出しは死活問題

    文政権が、ユン検察総長追い出しに総力を挙げている主な理由は、これまで目立った功績どころか、マイナスの事態が山積していることだ。その上、ユン検察総長から月城原発停止問題を捜査され致命的な傷を負う恐怖であろう。月城原発は、黒字操業を続けていた。急に操業を中止する理由はなかったのだ。ただ、文氏が大統領選で公約に上げていた関係上、早急に原発停止をしなければ、原発反対市民団体へ顔向けできない。そいう政治的思惑が先行して、強引に操業停止に追込んだのである。

     


    その際、政権は月城原発が黒字経営であったにもかかわらず、データを赤字経営へ改竄したのである。韓国監査院(会計検査院)は、その不法性を指摘したのである。その後、検察へ告発状が出されて捜査に着手したものだ。政権は、なぜか検察捜査の不当性を指摘している。その理由が、極めて滑稽なのだ。

     

    月城原発の停止は、大統領選の公約である。文氏の掲げたこの公約は、文大統領当選で国民から承認を受けたのも同然である。よって、行政府の決めた月城原発の停止について、司法は捜査する権利がない、というのである。つまり、「司法自制の原則」を持ち出したのだ。

     

    「司法自制の原則」は、国際法で適用される条項である。国家間で結ばれた条約などについて、司法はタッチしないというもの。例えば、韓国大法院(最高裁)が旧徴用工賠償問題で日本企業に支払いを命じた判決は、すでに日韓基本条約で解決済みである。よって、「司法自制の原則」により、こういう判決を回避すべきなのだ。日本が、強硬に反対している理由だ。

     


    文政権は、日本の持ち出した「司法自制の原則」を、皮肉にも国内で適用しようというのである。これは詭弁である。検察が、月城原発の停止事件を捜査することは可能である。文政権は、常にこういう詭弁を弄して政権運営を行なってきたのである。

     

    詭弁とは、こじつけである。文在寅氏は、韓国進歩派特有の「詭弁」を政策面に多用してきた。間違いを正しいと言い曲げる「詭弁」は、聞く人を惑わすものだ。文氏が青年時代から学業に優れていたことと、この「詭弁」は無縁でない。この点について、先ず取り上げたい。

     

    文氏は高校卒業後、ソウル大学入学に失敗。1年の浪人生活をして、4年全額奨学金のあった慶煕大法科大学(法学部)法学科に志望校を変更。首席で合格したという秀才である。そして、兵役を挟んで合格率2.9%と言われた司法試験にも一発で合格したのだ。

     

    現実課題に苦手な学校秀才

    こういう学業優秀であった面から想像できるのは、文氏が真面目であることは言うまでもない。規則やルールを忠実に守るタイプであることも疑いない。ただ、「学校秀才」がしばしば落込むのは、応用問題を解く能力において難点があることだ。現実問題の解法には、これぞという方程式が存在しない。文氏は、ここで大きく躓いたのである。自から考えることよりも、外からの影響を強く受けていることだ。「1+1=2」というタイプである。

     


    文氏の両親は北朝鮮興南市の出身である。朝鮮戦争で米軍が北朝鮮まで進軍した後、撤退する際に米国の貨物船に乗船して興南を離れて韓国へ避難した。文氏は、韓国で生まれている。韓国での両親の生活は苦しいものだったという。文氏は授業料を払えず、学校から帰されたこともあったという。

     

    ここからは私の想像だが、両親は親類縁者すべてが北朝鮮で生活していたので、北朝鮮を懐かしみ「在寅少年」に愚痴をこぼしたことは一再ならずあったであろう。文氏の父親は、興南で農協の課長を勤めていた。それなりの学歴があった結果だ。

     

    当時の北朝鮮は、日本の残した製造設備を生かし、韓国よりもはるかに高い生活水準であった。それが、韓国へ避難してどん底の生活に突き落とされたのである。父は労働者として働き、母は鶏卵売りの行商をした。過労の結果か、父親は59歳で亡くなっている。母親は、文氏が大統領就任後に死去した。息子の栄達を見ることができたのは何よりであった。

    (つづく)

     

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    豪州のモリソン首相は、パンデミックの中でわざわざ日本を訪問。菅内閣で最初の外国要人訪問となった。モリソン氏は、コロナ防疫のために帰国後14日間、隔離生活を送り国会登院も見合わすという「犠牲」を払っての訪日であった。

     

    訪日目的は、日豪の防衛協力のための「円滑化協定」を協議することにあった。豪州と中国の外交関係は日増しに悪化している。そこで、インド太平洋構想で「クアッド」(日米豪印)を組む日本と、対中で防衛協力を固めるという目的である。中国は、これに敏感に反応している。日豪を結束させているのが中国である。自らの行動を棚に上げての振る舞いである。

     

    『レコードチャイナ』(11月29日付)は、「日豪『円滑化協定』に警戒心あらわ、『地域の安全と安定にも資さない』と中国メディア」と題する記事を掲載した。

     

    日本とオーストラリアが大筋合意した防衛協力のための「円滑化協定」に中国メディアが警戒感をあらわにしている。「中国を警戒し共にけん制する狙いがあるからだ」と批判。「中日関係と中豪関係の不確実性を高め、地域の安全と安定にも資さないことも間違いない」と反発した。

     


    (1)「菅義偉首相と来日した豪州のモリソン首相が11月17日に大枠で合意した「円滑化協定」は、両国部隊の共同訓練や災害協力を容易にするもので、両国の「準同盟国」関係を深化させた形だ。交渉は長く停滞していたが、覇権主義的な行動を強める中国への危機感が交渉進展を促した。両国は今回、司法制度などの詳細部分で折り合わず、署名には至らなかったものの、首脳合意をテコに今後、外務、法務当局が細部を詰める方針だ」

     

    日豪軍の「円滑化協定」は、互いに相手国の領海に入っても特別の手続きをしないで済むと言う、一種の「準同盟国」である。日豪軍が親戚付き合いを始めるという宣言である。

     

    (2)「協定について、『中国網』は防衛省のシンクタンク・防衛研究所が13日に発表した「中国安全保障レポート2021」に言及。「日本としては日米同盟の抑止力と対処能力の向上のために引き続き米国との関係を強化することに加えて、独自に防衛態勢の充実を図ることも重要であろう」とした上、「実際に日本は引き続き日米同盟関係の強化を外交の礎とし、日米安全協力を強化するほか、他国との協力の強化により地域における防御、特に南西方面の防御を補おうとしてきた」と伝えた」

     

    日本にとって、南西地域の防衛が手薄になりがちである。そこで豪軍の協力を仰ごうという狙いもある。これが、同盟国、準同盟国のメリットである。

     


    (3)「豪州に関しては、「中国を自国の国益への『挑戦および脅威』としている。中国への懸念により、豪州は初めて国家安全を口実とし、華為技術(ファーウェイ)による5Gネットワーク構築を禁じた国になった。豪州は今年、新型コロナウイルスの発生源と感染拡大をめぐり国際調査を行うよう求め、中国に汚名を着せることもいとわなかった」と強い調子で糾弾。「豪政府は近年、トランプ政権のアジア太平洋における一連の戦略的行動を積極的に支持し協力するほか、アジア太平洋のいわゆる豪州と同じ価値観を持つ国との安全関係の強化を求めている」と述べた」

     

    中国と豪州の関係が悪化し始めた要因は、新型コロナウイルス発生源の究明問題である。モリソン首相が、徹底調査を要求したことで中国が先手を打って経済報復をしたもの。以来、両国関係は悪化の一途だ。WHO(世界保健機関)でも最近、「新型コロナウイルスの発生源は、中国以外に考えられない」と発言するほど既知の事実になっている。中国はその汚名を被ることに我慢ならないと逃げ回っているのだ。無駄なことである。

     

    (4)「中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報はさらに一歩踏み込んで「日豪は悪い例を示したと言うべきだ」と非難。「両国は各自の最大の貿易パートナーである中国を『安全の脅威』と位置付け、かつ米国の要求に応じた措置を講じ、アジア太平洋の米国を除く初の2国間準軍事同盟の大枠をつくった」と続けた。その上で「米国と共にインドを抱き込み中国を『包囲』するのを回避するよう忠告しよう」と強調。「中国の国益が侵害され、中国の安全が脅かされれば、中国がこれを座視することは決してない。これがシンプルな道理であり、彼らは必ず代価を支払うことになる」などと警告した」

     

    日豪にとって、中国は輸出先ナンバーワンの国である。それでも、安全保障が第一、経済問題は第二の認識である。中国の軍事行動に警戒観を強めているのだ。こうなると、海洋進出第一を目指す中国との摩擦は不可避である。原因をつくったのは中国である。中国が、身のほど知らずに世界覇権を狙うという野望を捨てない限り、周辺国は結束して中国へ対抗姿勢を取るはずだ。

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    韓国は、12月に開催予定の日中韓首脳会談をぜひとも実現させたいと焦っている。日韓関係が正常な状態であれば、遅延することなく開催すべきであろう。だが、歴史問題を絡めてきた韓国の対日非難に対して、軽々な解決をすることは、百害あって一利なしである。韓国に日本との外交的行き詰まりがどういう結果をもたらすか、政府も民間も十分に考える時間を与えることである。

     

    日本は、昨年7月から対韓国への半導体重要3素材の輸出手続き規制を行った。韓国はこれに対して、「反日不買運動」で対抗してきた。韓国は、それ以前に日本に対して行った、日韓慰安婦合意の破棄や旧徴用工問題賠償という解決済み歴史問題を蒸返し、日韓関係を根本的に破壊した。こういう、韓国自らが行ったことを棚に上げて、「反日不買運動」という感情論で対抗してきたのである。

     


    韓国は、現在になって歴史問題を蒸返したことに反省の気持ちが出始めている。この「千載一遇の機会」を生かさなければならない。過去の日韓関係は、日本が日韓併合という弱味で、最後は妥協して韓国を「甘やかして」きた。そのツケが、歴史問題として際限なく繰返させている。日韓慰安婦問題では、韓国の市民団体がこれを悪用して寄付金を集めて私腹を肥やす事件まで起こっている。反日が、韓国ではビジネスとして成立する奇妙な事態を生んでいるのだ。

     

    こういう腐った韓国の反日土壌を断ち切るためには、日本は韓国に対して安易な姿勢を見せるべきでない。反日をやれば、どういうブーメラン効果が起こるか。韓国社会へ考えさせる時間を与えるべきである。それをやらないから、反日運動は儲かるものとして、繰り返し引き起されるのである。そういう愚を繰り返してはならないのだ。

     

    『日本経済新聞 電子版』(11月28日付)は、「日中韓首脳会談開催へ努力を」と題する社説を掲載した。

     

    日本、中国、韓国3カ国の首脳が、年内に韓国で会談するめどが立っていない。新型コロナウイルスや北朝鮮問題などへの対応で国際協調が求められる時期だけに、会談の意義は大きい。実現への努力を重ねるべきだ。

     


    (1)「日本政府は菅義偉首相の訪韓の環境が整っていないとみている。元徴用工問題を巡り韓国で日本企業の資産が差し押さえられており、現金化という最悪の事態を防ぐのが先決だ。1965年の日韓請求権協定が揺らぐ現状を韓国側の責任で是正する必要がある。情報機関トップや韓日議員連盟の会長が相次ぎ来日し、菅首相らと会談した。新駐日大使に内定した姜昌一氏は東大で学び、革新系与党出身で数少ない知日派だ」

     

    小渕首相当時に、金大中大統領と「日韓共同宣言」(1998年)を発表して、日韓新時代の到来を約束しあった。だが、たった3年間で韓国国会は、この「日韓共同宣言」を全員一致で破棄する決議(2001年)をしている。理由は、日本の教科書問題である。このように、韓国は気に入らないことが起これば簡単に両国の合意を破棄する。日韓慰安婦合意は、国家間の正式合意である。日本から10億円の資金も提供され、慰安婦の人たちに配分されていた。それを、文政権は勝手な理由をつけて破棄したのだ。日本は、こういう韓国と情にほだされて、簡単に握手することは無駄であろう。

     

    (2)「日本からも日韓議連の河村建夫幹事長らが訪韓しており、菅政権誕生を機に対話の機運が生まれているのは評価できる。それでも両国間に温度差が隠せないのは根幹部分で前進がみられないためだ。韓国から聞かれる「冷えこんだ日本との関係を改善する文大統領の意志」が本物かは疑念が残る。韓国側は日韓首脳による「共同宣言」案や、日本企業の資産売却を来夏の東京五輪終了時まで凍結する案を、日本に持ちかけた。これでは根本的な解決にはならない。北朝鮮との対話再開の環境づくりを優先するようでは困る」

     

    日韓が、話合いをすることは結構である。だからと言って、簡単に過去の「反日」を水に流すような「お人好し外交」は身を滅ぼす。中国は、韓国の「THAAD」(超高高度ミサイル網)が無害であることを知りつつ、韓国へ徹底的な報復を継続している。韓国が、中国から離間しないように脅迫しているのだ。日本は、中国のような脅迫行為をしてはならないが、韓国の要求に振り回される事態だけは避けるべきである。

     

    (3)「日本も東京五輪の成功や日朝問題の進展に向け、韓国との対立を放置するのは国益に沿わない。米大統領選で同盟重視を唱えたバイデン氏の当選確実を受け、「日米韓」体制を支える安全保障の協力や経済連携の立て直しは急務だ。徴用工問題と日本からの輸出管理の問題は実質的に絡み合っており、一方だけを解決させるのは困難だ。包括的な決着でこそ、こじれた日韓関係が正常化する。日中韓首脳会談をソウルで開いた2015年には、日韓首脳も約3年半ぶりの2国間会談によって関係改善に導いた。地域の安定のため、外交力と首脳の指導力が問われる局面を迎えている」

     

    韓国が、日本へ協力を申入れているのは、韓国の利益になるからやろうとしているだけである。東京五輪を舞台に、南北交流促進や米朝接近の舞台回しを目指しているのだ。日本は、韓国が東京五輪に協力してくれることに感謝しても、それ以上の行為に出るべきでない。文政権による一連の反日行動を精算させるには、まだまだ反省させる時間が必要なはず。日韓関係修復には、時間をかけて慎重の上にも慎重を期すべきなのだ。 

     

     

     

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