勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 日本経済ニュース時評

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    韓国政府は、封建時代の悪代官そっくりである。最低賃金を2年間で30%も引上げる。信じがたい政策を行なうからだ。暴挙といって差し支えない。間違った経済学を信奉している結果である。だから、当局に罪の意識はない。民の暮らしが分らず、年貢を大幅に引上げる。まさに現代の悪代官が、韓国政府である。

     

    文大統領の支持率が、つるべ落としになって目が覚めたらしい。今年と来年の最賃引き上げ幅は変えないと強情を張っている一方、最賃の引き上げ法の改善を認める兆しが見えるという。過ちをすぐに糺すは政治の基本のはず。悪代官だから、メンツにこだわっているのだ。

     

    『中央日報』(8月10日付)は、「『私たちだけ国民としての扱いを受けてない』と小商工人が呼び掛け」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「急激な最低賃金引き上げは、大統領支持率下落に繋がった。2カ月前には80%を越えていた支持率は昨日、58%に急落した。就任後最低水準だ。沈んだ景気と、イマイチな電気料金割引なども原因だが、支持率下落の主な原因は最低賃金だった」

    現金なものだ。自らの支持率が下がれば保身の術で改善に動き出す。普段、言っているきれいごとが、全て噓に見えるから不思議である。

     

    (2)「この中で幸いにも、青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政界に変化が見え始めている。新任の印兌淵(イン・テヨン)青瓦台自営業秘書官は一昨日、ラジオで業種別の差別適用の可能性を示唆した。イン秘書官は、『今、自営業者が危機に陥っているのに、最低賃金はこれから2年にかけて30%近くまで引き上がる。これは首まで水に浸かった状況で口と鼻を防ぐようなことだ』と述べた」

     

    大統領府が急遽、新設した「自営業秘書官」(小商工業者出身)が、最賃決定をこれまでの1年1回を2年に1回にしたい。業種別の最賃制にしたいなどとラジオで発言した。大統領府の了解を得た上での発言だろうか。日本の最賃は、小幅引上げで都道府県ごとに異なる。この例が参考にされている。

     

    (3)「野党自由韓国党の金学容(キム・ハギョン)国会環境労働委院長も、最低賃金を2年に一度調整するようにする法改正案を準備中だ。最賃委員会の全委員を国会が推薦し、労働者・使用者委員に零細自営業者とアルバイト生代表などが多数参加させ、業種別に異なる最低賃金を適用するのが柱だ」

    最低賃金委員会の委員も選出方法を変えるという。政府のお手盛りを廃して国会が推薦する制度に変えたいという。零細自営業者とアルバイト生代表も参加した、現場での生の声を反映させる、としている。悪代官が一方的に決めるのでなく、「農民代表」も最賃委員会の委員にする案だ。


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    中国の7月の乗用車販売に急ブレーキがかかった。前年比4%減である。1~6月までの累計では同4.64%増であった。7月は、この増加分を帳消しにする落ち込みである。この中で、日系車はホンダを除けば健闘している。データは、中国汽車工業協会調べ。

     

    トヨタ 前年比10.2%増

    日産      9.5%増

    ホンダ     6.7%減

    マツダ     5.0%増

     

    7月の乗用車販売不振の理由について、次のような見方がある。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月10日付)は、「中国の自動車販売失速、投資家は注意を」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「通商政策を巡る米中の応酬が激しさを増しているが、販売低迷の原因はおそらく国内に起因するだろう。中国当局が進めるシャドーバンキング(影の銀行)に対する締め付けだ。中国消費者は車購入でローンの依存を強めており、金融環境の引き締まりは自動車メーカーにとっては販売の足かせとなる。価格帯が低・中程度の市場をターゲットとする現地メーカーへの打撃がとりわけ大きいようだ。高めの車には手が出ない層は、一般的な借り入れ手段以外から購入資金を手当てする傾向が強いためだ」

     

    影の銀行から融資を受けて乗用車を購入していた購買層は、最近の金融逼迫の影響を受けているという。これは、価格帯が低・中程度の市場をターゲットとする現地メーカーへの打撃がとりわけ大きく出ている。正規の金融機関は、高所得層を対象に貸出すので、上級クラスの車種販売に影響が少ないと、次のパラグラフで指摘している。

     

    (2)「ネットを介して個人の資金を融通す『ピア・ツー・ピア(P2P)金融』の破綻が相次いでいることも、地方都市で自動車販売を押し下げているようだ。一方で、BMWやメルセデスなど高級車の販売状況は相対的に良好だ。富裕層はメーカー系列の金融会社や銀行から融資を得ることができる」

     

    日系車の販売が概ね良好だったのは、金融面での対応が上手くいっている証拠であろう。ただ、そうなるとホンダのみが不振であった理由が気になる。ホンダは、中古車価格が最も高いことで有名である。


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    南北朝鮮が融和ムードの中で、やっぱり想像通りの動きが始まった。日韓併合時代の「過去史」を穿り返し、韓国が北朝鮮とともに日本へ賠償を求めようというものだ。日本は、北とは国交回復がないので、日韓併合時代の賠償金支払いはない。韓国は、これに悪乗りして、もう一度甘い汁を吸う計画であろう。韓国とは、日韓基本条約で全て解決済みだ。韓国社会に巣くう「どす黒い」金銭欲には驚くほかない。

     

    『中央日報』(8月10日付)は、「日本の過去史に対する謝罪と賠償 南北が共同対応する共同行動発足」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「日本の過去史に対する謝罪と賠償を韓国と北朝鮮が共に対応するための団体が発足した。民族問題研究所、興士団など韓国の市民団体10団体が9日午前、ソウル中区(チュング)プレスセンターで記者会見を行い、『強制動員問題解決と対日過去清算に向けた共同行動』(以下共同行動)の発足を知らせた」

     

    韓国の市民団体とは、文政権を支えているグループである。これが、音頭をとって始めた騒ぎと見られる。何か、金になることはないか。探して歩いている集団のように見える。北を巻き込み、もう一度、賠償金を取りたい。そんな醜さが読み取れる。

     

    (2)「共同行動は宣言文で『日本政府は植民主義の清算要求に誠実に応える代わりに、歴史の時計を戻そうとしている』として『対日過去清算のために志を同じくする南と北、在日同胞、日本をはじめとする世界市民と連帯するだろう』と明らかにした。北朝鮮の民族和解協会は、『日本の過去の罪悪清算運動はウリ民族の怨恨を解き、後代に歴史の真実を正しく植え付けるための正しい運動』とし、『共同行動が板門店(パンムンジョム)宣言の下で祖国統一の明るい未来を切り開く先鋒的な役割を果たすだろう』とした」

     

    北は、日本企業の日窒などが残した大型発電所や膨大な製造設備を使って、大きな利益を得たはずだ。その設備も補修もせずに使い続けて結局、元の木阿弥になった。こういう利益を棚に上げて、恨み言だけを言ってくる。

     

    (3)「共同行動側は南北共同強制動員被害の実態調査およびデータベースの構築、南・北・在日同胞共同強制動員被害者証言大会および真相究明討論会の開催などを開く計画だ」

     

    日本が、ロシアによる北方四島の不法占拠に対して、このような動きがあっただろうか。韓国が、今なお過去史から経済的な利益を得ようとすることは、日本の「嫌韓ムード」に拍車をかけるだけだ。そのリアクションを考えたことがあるとは思えない。これからの韓国経済は、日本との連携なしではやれない。そこまで追い詰められようとしている。この現実を忘れては困る。

     


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    訪日外国人観光客目標は、2020年の4000万人である。達成に向けて着実に進んでいる。その有力武器は、「オモテナシ精神」であることが立証された。旅は、人と人とのふれ合いだ。言葉は十分に分らなくても、真心込めて接待すれば分ってくれるものだろうか。

     

    『中央日報』(8月8日付)は、「中国旅行客が選ぶ最も親近感のある国1位は日本」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国人が、『歓迎を受けている気分になる国』ランキング(2018年調査)で、1位は日本、2位はタイ、3位は香港、4位は韓国、5位はオーストラリアだった。2017年調査で、タイは1位、日本は2位、韓国は6位だった。2017年、中国人が多く訪問した国家は1位香港、2位マカオ、3位台湾、4位タイ、5位日本だった」

    この調査は、米オンラインホテル予約サイト『ホテルズドットコム』が最近、「中国人海外旅行報告書(CITM)」を発表した。1億3000万人以上(2017年)が海外に出かける中国が世界に及ぼす影響を分析した報告書だ。今年は過去1年間で海外旅行経験のある中国人3047人(18~58歳)を対象に調査を進めた。

    中国人が外国旅行した国の旅行者数ランキングで、日本は5位である。だが、満足度では1位だ。これは、旅行業関係者の並々ならぬ努力の結果に違いない。日本は「満足度で金賞」に輝いたのも同然の快挙。ご苦労様です。日本の国際収支の「サービス収支」改善に大きな貢献である。

     

    (2)「調査に参加した中国人の65%は自由旅行を選好すると回答した。これは昨年調査より11%増となる数値で、18~38歳回答者は71%が自由旅行を選好すると答えた」

    もはや、団体旅行の時代から個人旅行(自由旅行)が主力になってきた。若い世代ほど、自由旅行の比率が高まっている。リピーターを増やすには、「オモテナシ精神」が最大の武器となろう。日本人は接客業に向いている。

     

    (3)「ミレニアム世代(1980年代初めから2000年代初めに生まれた世代)の支出規模も目を引く。海外旅行中、一日の支出額が80年代生まれは346ドル(約3万8620円)、90年代生まれは314ドルで、70年代生まれ(299ドル)よりも多かった。調査に応じた中国人は平均的に所得の28%を旅行に使っていることが明らかになったが、90年代生まれは所得の36%を旅行に使うと答えた。90年代以降生まれは昨年よりも海外旅行支出額が80%増えた」

     

    中国の若い世代ほど、旅行中の消費額が増えている傾向が掴める。調査に応じた中国人は、平均的に所得の28%を旅行に使っていることが明らかになった。90年代生まれは所得の36%を旅行に使うと答えた。この数字を見て、本当だろうかと訝るほどである。中国の若い世代は、国内で自由を奪われた生活を余儀なくされている。せめて海外へ出たときは「パッ」とカネを使う気持ちも分らないではない。余計なことを言って申し分けないが、中国の国際収支では、「サービス収支」が大赤字になっている。理由の一つは、この海外旅行での消費にある。日本が「オモテナシ精神」を発揮すればするほど、中国の「サービス収支」は赤字幅が増えて、日本のそれが黒字になるという関係だ。


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    中国で、不正ワクチン接種問題が発覚して以来、不安が広がっている。この事件は、7月24日のブログで取り上げた。要旨は、吉林省当局がワクチン検査で不合格にもかかわらず、回収命令を出さなかったことに端を発する。調査結果を公表しなかったので、幼児へ接種されて事件になった。当局が、ワクチンメーカー側に立った行政をした結果だ。

     

    『ブルームバーグ』(8月7日付)は、「国産医薬品不信再び、ワクチン不祥事でパニックや抗議 」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国でのワクチンメーカーをめぐる不祥事で、粗悪ワクチンの接種を受けた子供の親の間でパニックや抗議活動が広がっている。少なくとも製薬会社2社が粗悪ワクチンを子供向けに販売していたことが発覚し、国内製薬業界の安全性をめぐり疑念が再び強まっている。深圳上場の製薬会社、長春長生生物科技と国有ワクチンメーカーの武漢生物製品研究所が粗悪ワクチンを数十万の単位で製造していたことが政府の調査で判明した。長春長生生物科技は製造・検査データの捏造にも手を染めていた」

     

    中国政府は、あらゆる方面で補助金をつけて育成強化を図っている。このワクチン事件も、その一環において起こったものと見るべきだ。国有企業がかかわっていることで、それがわかるであろう。

     

    (2)「ツイッターに掲載された動画によれば、北京にある国家衛生健康委員会の建物周辺で7月30日にデモが行われ、参加者はワクチン販売の規制強化を要求した。ワクチン不祥事を受け、ソーシャルメディアで中国消費者の不信感が拡大している。外国メーカー製造のワクチンを求めて香港に渡航する親も現れ、中国の1220億ドル(約13兆5800億円)規模の製薬業界には新たな痛手となっており、調査が続く中で多くの製薬会社の株価が大きく下げている」

     

    中国の食品と医薬品は、「ニセ物」が多発することで有名である。この面で、「日本製」は絶対的な信頼を受けている。訪日中国人観光客が、「漢方薬」を爆買いする珍事が起こっている理由だ。日本へ来てワクチン接種を受けたいという人まで現れ、その案内記事が現れているという。香港へ行くのが近くてベストだ。

     

    (3)「2016年には期限切れワクチンが国内で販売されていたことが大きな問題となった。また、10年前には化学物質のメラミンが混入した国産粉ミルクが販売され、少なくとも乳児6人が死亡、数十万人に健康被害が及んだ。この事件を連想するファンドマネジャーもいる。旭方投資管理の王晨パートナー(上海在勤)は『ワクチン不祥事が一段と深刻化し、粉ミルク事件よりも大きく波及する可能性がある』と指摘。『人々の健康に関わる問題である限り、小さな事件で収まることはあり得ない』と語った」

     

    10年前、メラミン混入の粉ミルク事件が、中国で大きな事件となった。その余波で、日本製や豪州製の粉ミルクが爆発的な売れ行きを示した。豪州では、国内の品不足を起こすほどになり、国際問題に発展したほど。今回のワクチン事件をきっかかけにして、政治と企業との癒着が問われれば、政府は窮地に立つにちがいない。


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